深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

椎間板ヘルニアによる起立不能に鍼灸治療は効果があります。(その3)

2015年04月08日 | 鍼灸治療について
久しぶりに、椎間板ヘルニアによる起立不能に鍼灸治療が効果を示した症例のお話をします。

ダックス、去勢済オス、6歳、体重7.7kg、

1月9日  昨夜から後肢ふらつく、ということで来院。椎間板ヘルニアのグレード(G)Ⅱ(ふらつくが起立歩行は可能)と診断。
     厳密な運動制限と鎮痛消炎剤投与で経過観ることに。
1月15日  昨日より後肢起立不能に。尾は振り、自力排尿便あり。椎間板ヘルニアのGⅢ(起立不能だが、随意排尿便あり)に悪化。
     この段階で手術適応だが、飼主は手術を希望せず、鍼灸治療でしばらく反応を観ることに。
     最初の2週間は、週3回の鍼灸治療。厳密な運動制限は継続。

経験上、発症時のより症状が悪化した症例では、鍼灸治療の反応も悪い(遅い)ことが多いように思います。

1月27日  6回目の治療。補助すれば左後肢起立可能に。
2月3日  8回目の治療。起立可能に。週2回の治療に。
2月21日  13回目の治療。ふらつき残るが充分歩行可能に。週1回の治療に。
3月5日  発症後、約2か月経過し、運動制限を徐々に解除。15回目の治療。治療は週1回に。
4月8日  18回目の治療。後肢のふらつきもなくなり、ほとんど正常歩行。
     発症後3ヶ月で、治療終了。


   1月17日、2回目の治療時。両後肢は麻痺し、立てない状態。


   2月25日、14回目の治療時。ふらつきはあるが、充分歩行できる状態。

厳密な徹底した運動制限と鍼灸治療で、椎間板ヘルニアのGⅢは回復する可能性が十分あると思います。
治療のひとつの選択肢として、お考えいただいてもいいのではないでしょうか。

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