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つれづれなるままに。

アナザヘヴン

2005年06月18日 | Book Review
アナザヘヴン(飯田譲治、梓河人)

TVドラマ、映画で映像化されている有名な作品。幸いにも映像作品の方を観たことがないので先入観なしに読むことができた。

深夜、捜査一課の刑事飛鷹の家に部下の刑事早瀬から連絡が入った。2体の変死体が発見されたという。その死体にはどちらも首がなかった。しかし、現場に駆けつけた飛鷹が目にしたものは、さらにおぞましい光景だった…。

衝撃的な猟奇殺人事件だが、それは始まりに過ぎなかった。同様の首切り殺人事件は繰り返され、飛鷹と早瀬が捜査に当たるも、なかなか真相に迫ることができない。鑑定の結果明らかになったのは、犯人は怪力の持ち主で、かつ女性であること…。飛鷹らはプロファイリングを用いて犯人を後一歩のところまで追い詰める。しかし、犯人は被害者の抵抗に遭いその命を落とした。

これで事件は解決かと思われた。しかし、再び事件は起こった。繰り返される連鎖。この連鎖を断ち切る者は誰なのか…。

物語の序盤はグロテスクな描写があるなどホラー小説らしい雰囲気。しかし話が進むうちにアクション要素あり、細かい心理描写あり…とエンターテインメント要素のかなりある作品。やはり実力のある作家さんだけに面白い。全体のテーマは読む人によって捉え方が異なるかもしれないが、希望を感じさせる終わり方であり好感が持てる。

内容を紹介し過ぎてしまうと読んだことのない人に申し訳ないからあまり内容に触れられないのが残念。グロテスクな描写には賛否両論あるだろうから万人に薦められるものではないけれど、面白いことは間違いないと思う。


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