Zooey's Diary

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「博士と彼女のセオリー」

2015年03月19日 | 映画


車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた人間ドラマ。
本年度アカデミー主演男優賞受賞、ジェームズ・マーシュ監督。
私はこの博士の私生活というものを全く知らなかったので興味津々だったのですが
なんと2回結婚して2回離婚していたのですね。
この映画は、最初の妻ジェーンの回想録を元に作られたのだそうで
ジェーンとの結婚生活を中心に展開します。

画面は1963年、若々しい青年スティーヴンがケンブリッジの石畳のキャンパスを
自転車で駆け抜けるシーンから始まります。
芸術を専攻する美しいジェーンと知り合い、恋に落ちるも
彼は筋委縮性側素硬化症(ALS)を発症、余命2年と宣告される。
絶望的になった彼はジェーンから離れようとするが、
ジェーンは周囲の反対にもめげず愛を貫き、結婚する。
そして3人の子どもまで設けるのです。



しかしスティーヴンの症状はどんどん悪化し、ジェーンは病人の看病と育児で手いっぱい。
献身的に看護しながら自身も学位取得を目指すジェーンは、どうにも行き詰ってしまう。
そんな時ジェーンは、教会の聖歌隊指導者のジョナサンと知り合うのです。
ホーキング家は、肉体的・精神的ヘルパーとしてジョナサンを家に迎え入れるが
ジェーンはジョナサンにどんどん惹かれて行くのです。

繊細なスティーヴンが、ジェーンの気持ちの変化に気がつかない訳がない。
周りからも、三番目の子どもはジョナサンの子だろうと噂される。
彼の胸のうちはどんなだったろうと思います。
そう、この話は、天才学者夫婦の純愛の美談では決してなかったのです。
結果的に、スティーヴンは看護師のエレーンと再婚し、
ジェーンはジョナサンと再婚するのですから。
この4人の関係は、常識では考えられないものであるかもしれない。
しかし、誰もが互いを尊重して思いやっている。
極論すれば、スティーヴンはジェーンを愛するあまりに
身を引いてエレーンを選んだと言えなくもない。
実話であり、当事者がまだみんな実在ということからか
この辺ははっきりとは描かれていないので、想像するしかないのですが…


(ご本人と主演の二人)

何にしても21歳の時にALSと診断され、余命2年と宣告されたのに
73歳の今も健在で研究を続けられているというのは凄い話です。
その尋常でない人の半生を垣間見られたという意味では、興味深い作品でした。
主演男優賞のエディ・レッドメインの熱演はもう、鬼気迫るものが。
原題は「The theory of everything」、万物の理論というような意味でしょうか。



「博士と彼女のセオリー」  http://hakase.link/
コメント (8)
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