教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

リチャード・フロリダ

2005-08-31 06:23:39 | 学習プログラム
ジョージ・メーソン大学教授
リチャード・フロリダ氏の
“The Flight of the Creative Class ”
という本に基づいて、
いろいろ考え始めている。
まだ、氏の著書は翻訳されていないので、
辞書をひきながら読まねばならない。
誰かはやく翻訳して欲しい。

未来を創る学校の着想に重なるので、
斜め読みしている日々である。

参考ホンマノオト①→難関校ではなく≪未来を創る学校≫
参考ホンマノオト②→Honda「発見・体験学習」の基礎(5)~プログラムの効果

そんなおり、2005年8月5日、
日本経済新聞の特集「未来の都市」の
最終回は、リチャード・フロリダによる
論考が掲載された。

クリエイティブ・クラスの嗜好性に合わせた
都市は創造的な都市であり、
このような都市の特徴は
3T(Technology,Talent,Tolerance)。
3Tが揃っている創造都市は、平和だし、
持続可能な環境を維持するし、経済的に豊かに
なるという方向性。

もちろん産業構造は一変する。
非常に魅力的な論考だし、著書の方は
重要なデータが満載。

氏の未来都市というコミュニティ論は
その多くが未来を創る学校にもあてはまる。

氏は
2002年“The Rise of The Creative Class”
という本を書いている。上記の本はこの本の
続き。

この本については、
すでに大阪市大の佐々木雅幸教授が
紹介している。

参考→創造都市-文化による都市再生

リチャード・フロリダは未来都市の
スーパースターのようである。

共立女子第二の伊藤久仁子先生

2005-08-30 01:00:46 | 教師
共立女子第二中に、
伊藤久仁子先生がいらっしゃる。

国語の教師として、
先進的な授業を組み立て、
共立グループの先生方に
大きな影響を与えている。
また他校の先生方との交流も
旺盛で、私学の知を普及する
活動で忙しい。

一方で、学内で、独自の
カウンセリングのプログラムも実践し、
教師と生徒の対話を深めている。
このカウンセリング手法は、
実は授業にも生かされている。

さて、このカウンセリングの活動について、
伊藤先生は、
8月28日(日)東京で開催の
日本学校心理学会 第7回大会」で
発表されたようである。

テーマは
「健康保健部のコーディネート機能について
―私立中高一貫女子校における『実践事例』―」

同校のスクールカウンセラー2名
と連名で参加されたということだ。

教師と生徒、教師と教師、学内と学外
さまざまなチーム編成をコーディネートする手法。

この手法こそ、ストレスの昇華、人間関係の雰囲気創出
対話の心と論理の統合などを生み出し、
心やさしいタフな精神を有する生徒たちの成長を
促すに違いない。

研究者や公立学校の先生方が全国から集まる学会で、
東京の私学の現状について伝える伊藤先生の神の一手。

静かに大きなうねりを作って欲しい。
それが未来を創る子どもたちの幸せに
必ずつながる。

伊藤久仁子先生のような私学人の連帯活動こそ
教育改革において最も必要なことなのではないだろうか。



鳥インフルエンザのグローバリゼーション

2005-08-28 12:36:34 | フィンランド
NIKKEI NET(2005/08/26)
によると

フィンランド農林省は26日、同国中部オウル近くで
鳥インフルエンザに感染した疑いのあるカモメ1羽を
見つけたと発表した。

ということだ。

実際に感染しているかどうかは、わからない。

欧州連合(EU)の欧州委員会は加盟25カ国に対し
鳥インフルエンザへの監視を強化するよう要請。
アジアやロシアで感染が広がっているため、
ロシアなどからの渡り鳥を通じ、
鳥インフルエンザが広がるかもしれないという懸念から。
EUは専門家会合を開き、対応を協議した結果、
EU域内の鶏やアヒルへの感染の可能性は低い
という見方で一致した。

ようだ。

フィンランドは、89年のベルリンの壁崩壊、
あるいはその前後の東欧の当時ソ連から
の独立運動が、移民を受け入れた。

今度は渡り鳥を介してインフルエンザが
入り込んでくるかもしれないとは。

エイズの問題、鳥インフルエンザの問題も
グローバリゼーションにおいて大きな問題。

年金問題、郵政民営化の問題で
国家のリーダーたちが右顧左眄している
右往左往しているときに

地球規模の問題はどんどん進行している。

カリタスの大胆な学習戦略

2005-08-27 19:43:45 | 学校選択
カリタス女子中学校

来春から新校舎で
学園生活を送ることができる。

ホームページを見ると明らかだが、
生徒の居場所作りを教育空間でも
生み出そうとしている。

同時に教科の空間も贅沢に
デザインされていると思われる。

この2つの視点は、極めて重要で
カリタスの教育の質を
空間化したものである。

というのも、来春から
教科教室運営方式をとるというのだ。
中学から学級単位で動くのではなく、
教科単位で動くのである。
ある意味大学と似ている。

しかしこれはなかなか勇気のいることだ。
というのも学級という居場所が創る
学級アイデンティティと個人のアイデンティティ
の統合過程が欠落するのではないか
という不安もあるはずだからだ。

ところが、カリタスの場合はその心配は
全くない。

個人のアイデンティティ
は学級を飛び越えて
カトリックとしてのスクール・アイデンティティ
と統合されればよいからだ。

書くというメタ意識を明らかにしていく行為、
理数教育という普遍的な行為、
英語とフランス語というグローバリゼーションを巡らす行為
そして実存的な痛みを共有する宗教という行為

個人と学校と社会の
アイデンティティを強烈に
広げ深めていく。
教育の仕掛けそのものがすでに
目に見えないけれども有機的につながって
存在しているからだ。

そして今春の大学進学実績も著しくよくなっている。
それだけに人気も上昇している。

しかし何より、
カリタスを選択する保護者の目があまりにも
正確なのだ。
学校文化と学習という二つの側面から
選択を決定している。
参考ホンマノオト→2006年中学入試動向(14)


教育空間の質、
教育理念の普遍性
教師の創造的な働き
保護者や生徒などの
ステイクホルダーの見識

こういう全体的なシステムが
非常にうまく循環しているし、

この全体感を熟知した
入試委員長の水野先生が
見通して語る学校デザインの
語り方からは、
静かな情熱と確かな信頼感が
伝わってくる。

そしてそれが空間として
視覚化され、
目に見えない質が
明確に視覚化されると
さらに新しい目に見えない
豊かな質が
すぐに生まれてくるという
教育のエコロジーが出来上がっている。

まるで
ぶどうの木の精神
のように新しい命が
常に創出されているである。



聖セシリア女子の教育力

2005-08-27 16:51:54 | 学校選択
ミッション女子8校入試相談会
聖セシリア女子の大橋先生にお会いした。

久しぶりにお会いしたが、相変わらずお元気で
熱心に保護者の方と対話されていた。

お忙しかったのに、少しだけお話を伺う時間を
とってくださった。

新しい戦略を編み出しているのかという
私のぶしつけな質問に、

いやもう新しいことは充分に準備してきたので、
1つひとつを充実し、有機的につないで
コアの教育を深めているだけです。
と謙遜された。

それこそ本当の新しい戦略だなと私は
ひそかに思った。

私が2001年に訪問したときに
確信したように
聖セシリアの自己実現プログラム
は非常に丁寧・緻密・かつ大胆に
できていた。
参考ホンマノオト①→ものの見方を開く聖セシリア空間
参考ホンマノオト②→聖セシリアの教育の基本構造
参考ホンマノオト③→聖セシリア-可能性を保証する教育
参考ホンマノオト④→聖セシリアの魅力
参考ホンマノオト⑤→21世紀型学力を形成する聖セシリア

鴎友学園女子ではないが創造的な人材を育成
する環境ができれば、大学進学実績は自ずと
でる。聖セシリアもそうなるはずなのである。

果たして今年の春の大学進学実績は、
その通りになった。

良質のプロセスの結果がきちんとでたのである。
なるほどコアの教育を深めることこそ重要である。

さて、そのコアの教育とは何か。
興味がある方は、説明会に参加し
自分の目で確かめてきて欲しい。


ミッション女子8校合同入試相談会

2005-08-27 16:21:53 | 学校選択
ミッション女子8校合同入試相談会開催。

この合同入試相談会は
神奈川エリアのキリスト教系の私立中高一貫校が
連帯して年2回開催している。

今年は第1回目。

会場は聖園女学院の講堂。
スモールサイズではあるが、
昨年よりも学校選択者は
多く集まっているそうだ。

学校選択者は
気軽にじっくり時間をかけて
対話していた。

第2回目は

聖セシリア女子中学校
が会場。

キリスト教という共通の理念のもとに
集まっているため、他の同じような
説明会とは、全く違う雰囲気を感じることが
できる。せわしなさがなく、落ち着いた雰囲気。
時間の流れが違う。
シスターたちのおもてなしの姿勢が
独特。



浦和実業~埼玉エリアの新しい流れ

2005-08-27 08:16:10 | 学校選択
浦和実業学園中学校

今年の春新設された。

中高一貫コース第一期生の
中1の生徒たちは、実績や伝統は
自分たちが創っていく
と目を輝かせている。
参考→NTS教研コラムby吉井千花

そして、浦和実業は、中高一貫コースの目標として
国公立大学現役合格20名
早慶上智・ICU・東京理科現役合格30名
MARCHレベル現役合格50名
に向かってカリキュラムを構築している。

国語、数学、英語、生物は、
中2までに中学の学習範囲を終了。
中3には高校生の学習範囲にシフトする。

歴史などは、中2の段階で、高校の教科書
レベルを扱いながら進む。社会は中学と高校で
分野的には同じところがあるのだから、
広がりだけではなく、深めながら展開して
いこうというのだろう。

合理的で促進・拡大カリキュラムになっている
わけである。目標に向けて手ごたえはあるようだ。

しかし、それを支えるには素直でタフなコミュニケーション
能力がないと困る。

そこで浦和実業は独自の
「コミュニケーションストラテージ」
のプログラムを編集している。
素直なコミュニケーション能力を育成するためには
オアシススピリットを。
タフなコミュニケーション能力を育成するためには
ディベートを。

素直に感情を爆発させないトレーニングは、
実は一喜一憂しないで、モチベーションを
維持しながら勉強していくときに重要だ。
まったく一喜一憂しないということは
ありえないが、回復の速度を高めるということ
が重要だ。

そしてタフなコミュニケーション。
つまり根拠にこだわった論理構築力
ということ。

浦和実業のValue Education。
期待ができる。


戸板のインテリジェント・トライアングル

2005-08-26 20:51:29 | 学校選択
戸板中学校・戸板女子高等学校
用賀の丘にある
ファッショナブルで、
高感度な芸術性
そして女性の知性
というインテリジェント・トライアングル
な女子校である。

地政学的には、かつて政財界人の別邸が
立ち並ぶ緑豊かな地で、
明るくそれでいて毅然とした
姿勢で未来を支える人材が
育つ環境である。

教育空間も、知好楽という
トライアングルが随所に
メタファーとして配置されている。
ある意味フラクタルな空間。

このトライアングルや3という数字
にこだわった建築デザインのコンセプトは
フランク・ロイド・ライトの
手法を取り入れているのだろうか。

校章は梅の花。つつましく控えめなピンク色
から微笑が似合うかわいらしい生徒の姿が
イメージできる。たしかに実際そうだ。

マナー、茶道、華道、家庭科、芸術などを
重視している6年間通しての自己実現プログラムが
ベースとなっているためだろう。

しかし、これらの自己実現プログラムは、
一方で人生の選択を瞬間瞬間自己決定していく
際の本物の知性を育んでいる。

おそらくトライアングルとは
選択の意志決定の意味
(フランク・ロイド・ライト流儀に従えば)も
重ねられているはずである。

図書空間、情報空間に行けば
戸板の生徒たちがいかに情報収集に
余念がなく、情報発信を楽しんでいるかが
すぐにわかる。

情報発信から逆算された
自己実現プログラム。
この逆算仕掛けは
創造性を育むというのは
ハーバード流儀だろうか。

ともあれ、
知好楽という教育理念が
実践されている
ということだ。

戸板はクオリティー・スクールである。
もっともっと多くの学校選択者が
見学に行ったほうがよい女子校だ。
戸板再発見。

今年は戸板も研究していきたい。

参考→「戸板学園の教育の根」ホンマノオト

2006立教大学入試に変化

2005-08-24 08:10:56 | 戦略
2006立教大学一般入試に変化

2006年度の一般入試で立教大学は、
理学部を除く8学部が同じ日に入試を行う
「全学部日程」を導入。
従来の「個別学部日程」と
同一学科を併願すること可能に。
詳細は上記立教大学サイトを。

毎日教育メール(2005・08・24)によると


「今年の入試では、多くの私立大学で
志願者が減少している中、同志社大学が
学部新設に加えて工学部以外で
全学部日程入試を実施し、
志願者を7081人(22.8%)増加させた。」

そうだ。

中学入試の複数回入試の手法が大学にも
広がる兆候か。

モバイル使えるTX

2005-08-23 19:42:48 | 学校選択
モバイル使えるつくばエクスプレス
が明日24日から運行開始。

首都移転の話はどこかにいき、
首都機能の拡大が始まる。

2002年「工場等制限法」廃止に伴い
都心回帰が急激に進んだ。
この動きは止まらないかもしれないが、
一方向的になるという今の見解は
おそらく違う動きに転じるだろう。

土建国家的広がりを見せた
多摩地区の時とはちがい
つくばと東京を結ぶ線は
国際空港との関係を将来的に
もてるので、グローバルな動きになる。
その象徴が、
TXの中で、モバイルパソコンが
使えるという出来事。
都心回帰ではなく
「都心機能拡大」現象を起こすだろう。

このエリアの私立中高一貫校は
やりようによっては、
再び生徒募集で大成功を
収める。

その鍵はラップトップ。
ノートパソコンだ。
このツールを使った
学習プログラムを所有している
ところが関心度を高めるだろう。
もちろん進学実績の伸長は
大前提であるが。


これにすぐに対応できるのは
芝浦工大柏共栄学園(お花茶屋)
である。