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教員免許:更新講習で教員の要望 生徒の心「教えて」--山形大学調査 /山形(6月5日13時2分配信 毎日新聞)によると、
来年度始まる教員免許更新制度の導入を前に、山形大学教員養成機構運営委員会(渡辺誠一座長)が、更新に必要な講習内容の希望を教員に調査したところ、カウンセリングやいじめ・不登校への対処など「生徒の心理・生徒指導」に関する講習を望む教員が最も多かった。渡辺教授は「現場の教師が直面する問題が浮き彫りになった」と指摘している。・・・全体の4割・427人と最も多くの教員からの要望が「生徒の心理、生徒指導」。・・・免許更新制度導入の文部科学省の狙いは、専門的な教科の知識を最新のものに更新させ、教員に自信を持たせることだった。しかし文科省の想定を裏切る形で、専門知識の向上を図る「教科専門」に関する講習への要望は、156人と全体の1割弱にとどまった。
☆これは重要な調査だ。文科省は、生徒の言動と精神の構造差異の変化にいっさい気づいていないことが露呈された結果だ。現場はその変化についていけないというクレイムをあげている。
☆生徒の言動ロールプレイと精神の関係構造が1人ひとり違うという差異をどう把握するのか。1989年までは、現場の教師も、精神は固定していたからロールプレイの違いを認識し、ロールプレイの矯正さえしていれば何とかなると思っていた。校内暴力が起きても、態度の矯正に成功すればOKだと思っていた。
☆ところがどうももっと複合的な心的な構造をもっているのが今の生徒である。それに現場の教師は気付いている。でもどうしてよいのかわからない。子どもや若者のバッシング論で、今の子供は・今の若者はというフィルターで見てしまいがちだが、それで何の解決があるのか・・・。それも現場ではわかっている。
☆文科省は、道徳でマインドを矯正さえすれば超自我が出現してなんとかなると考えている。それが国家道徳に期待をかける改正教育基本法の成立の意味だ。しかし、リアルな子どもたちの言動と精神の構造は実に複雑なのだ。
☆このことについて考えを深めている学者は東浩紀さんをおいて他にいない。しかし、東さんといえど、教育現場における解決策を提案できるわけではない。最前線で教師が考えるしかない。最前線でメソッドを提案できる教師は、明大明治の松田孝志先生をおいてほかにいない。
☆しかし、松田先生は東さんの思想を受け入れることはできないのではないだろうか。ここにポストモダンの問題と学校の問題の相克がある。もし松田先生が東さんの思想を受け入れられたなら教育のチェンジが確かなものになる。教師ではないが、メソッドを実行できる人材は、国際教育研究家の岡部憲治さんだ。東さんの思想と松田先生の授業をコーディネートできるのは今のところ岡部さんだけかな。
☆だが、明大明治は共学化し、この問題情況が見えにくくなる。松田先生もまた最前線の問題が最優先で、東問題のないところでは、対応できない。岡部さんも具体的な問題が出来しない限り、コーディネートできまい。
☆この国の本当の問題は日本人という人間とは何か?従来の日本人観が崩れつつ開かれつつあるというやっと開国できるときがやってきた。明治の第1の開国は、若き武士の力で、戦後の第2の開国は、内村鑑三の弟子たちによって、ベルリンの壁崩壊後の第3の開国は、中等教育段階の子供たちによって。
☆それをプロデュースできるのは、東・松田・岡部のコラボチームなのだが、本人たちはそんなことに気付いていないだろうなぁ・・・。