エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

登山大会・・・羊蹄山 (1898m)

2013年07月21日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
全国登山大会・・・羊 蹄 山 (1898m)
■ 山 行 日   2013年7月11日(木)~13日(土)   2泊3日
■ コ ー ス    真狩コース~京極コース下山
■ メ ン バ ー   大会スタッフ約50名 参加者約230名
■ 登 山 形 態   登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図  「羊蹄山」「倶知安」
■ 三角点・点名  一等三角点・点名「真狩岳」 (標高点は1893m)
■ コースタイム   コース設定タイム  登り 5時間   下り 3時間

★ エバの担当・・・
某社北海道山岳部が主管となって準備を進めて来た全国登山大会の日がとうとうやって来た。
参加者は全国から約230名、大会スタッフは約50名を集めてここ羊蹄山の麓、真狩自然公園に
集結する。

各社間の登山愛好家たちとの親睦、交流が主な目的の大会で何かを競う大会では無い。
各社持ち回りで大会の主管を担い6年に一度巡って来る北海道の大会が今年であった。

スタッフの一人として少しはお手伝いを・・・と思っていたが、実にタイミング悪く腰痛になっていた
私である。

前回の最終偵察登山にも参加したが、結局4合目で敗退し一人で下山する有り様で役に立たない
スタッフになってしまった。
大会当日の担当予定も、参加者の先頭を先導する重要な役割だったが腰痛の回復が遅れていた
ため山に登らない担当に変更させてもらった。情けないが無理をしてご迷惑・・を考えると仕方ない
選択だった。




7/11 大会1日目の真狩自然公園から望む羊蹄山


7/11 全国から集まった参加者のキャンプ地 (真狩自然公園内)

★ 大会日和に・・・
心配していた週間予報で「雨マーク」だった大会期間の天候も前日から快晴となり、参加者はもちろん
スタッフも一様に安堵しながらテンションが上がって行く。明日の本番も晴れ予報なのが何よりだった。

登山口5時出発に合わせて参加者もスタッフも前日の就寝は早い。21時過ぎからキャンプ場の明かり
は一つ二つと消灯し22時過ぎにはほぼ全員が床に就いた。

その間スタッフ内での会食席で、叱咤激励を受けたのは私だった。
「私が山に登らないなんておかしい・・」という話から担当を変えた事に納得のいかないスタッフが居て
正直嬉しい激励だった。「腰痛で・・登れないんだよ!」と言っても納得してくれず「絶対登らなくちゃ
ダメですよ」・・と、背中を押される思いがした。

他の若きスタッフの中には「羊蹄山未踏者」が居て当日の担当も下界でのスタッフだったが、そんな
やり取りを聞いていた大会役員の一人から彼らを登らせてほしい・・という提案をされた。

変更した私の担当は、登山を終えた参加者が京極温泉に到着した際の参加者リストのチェックや
入浴券の配布などだった。羊蹄山未踏の若いスタッフは京極コース下山口での通過チェックが担当
だった。


★ 京極コースの往復・・・
話の流れから彼らを京極コースから登らせる提案に乗ってしまった。(腰、大丈夫かな?)
計画は、参加者の先頭が下山する前に登頂して先に下山する事。これが可能なら、自分たちの
担当も変えずに任務を遂行出来る・・と考えた。
突然降って湧いた話に彼らの驚きもあったが、初めての山に登れるかも?・・・
という話を断る訳が無かった。ただ、問題はいくつかあって条件付きの登山となる。

それは・・・
腰痛の発作があれば途中でも下山する。
彼らは登山靴の用意が無くスニーカーでの登行だったので、足の故障があれば下山する。
登頂する前に参加者の先頭が下山していればそこで登行を中止しすぐに下山する。

偉そうにもそんな条件に納得してもらう挑戦だったが、それは私自身も同じだった。

京極コースの往復は、大会コースから比べるとタイム的には余裕があったが、真狩の登山口と
反対側から登るので早朝の起床と行動が必須となり、早めの就寝をする。


【7月12日(金)】
京極コース・・・
 登り 4時間20分  下り 2時間20分
関係スタッフ・役員と事前の打合せをして予定より30分遅れてキャンプ場を出発する。
京極コース登山口駐車場に車を止め6:00のスタートは予定より1時間も遅かった。

自分の腰痛は棚に上げ、本来の担当も変えていたのに若い未踏のスタッフを案内すると言う複雑で
不安な気持ちは常にあった。すべての条件付きを承諾して一緒に登るスタッフは大くんと綱くんの
二人だ。

力余る彼らに比べて私のパワーの無さといつ起きるか判らない腰痛の発作に脅えながらも何とか
スタートを切れたことに喜びを感じていた。
とにかくのんびりと・・・
とにかくゆっくりと・・・歩き始めた。

京極コースは、4つあるコースの中で最も利用度が少ないと聞いている。前半の樹林帯の登行は
どのコースも同じだが植生に乏しく直登的な急な登りや後半のガレ場が歩き難いと言うのが人気
の少ない理由だろうか? また、登山口の駐車スペースも小さく土日、休日にはすぐに満車状態
となるのも理由の一つかも知れない。しかし、登頂には喜茂別コースに続く最短ルートであり、
ある程度の健脚者なら問題のないコースと認識していた。

大くんは28歳、綱くんは34歳と聞いている。二人と山に登るのは初めてだったので山行歴
などの話を聞きながら自分にも負担の少ない登り方でゆっくりと歩き始めた。



8合目付近から登山道脇に目立ち始めたヨツバシオガマ

★ 初登頂・・・
二人とも登山歴は浅くまだ初心者の域から脱していないようだった。
羊蹄山は始めてで登山自体も久しぶりと言う二人だった。足元はスニーカーで滑りやすく力余る若者と
言っても足への負担は大きいだろう。
色々な理由を並べながらゆっくりしか登れないガイド役の私には彼らが初心者であることが好都合と
甘んじて足より口数の多い登山になったかも知れない。

1合目毎に足を止め水を飲み、行動食を口にする。
遅すぎるくらいのペースは彼らも歓迎してくれたので本当に助かった。
少しずつ高度を上げて8合目付近に来た頃大会スタッフとの無線交信で本体の行動を確認出来た。

参加者の先頭より早く登っているスタッフはすでに頂上や下山口に到着していた。しかし、先頭グル
ープが登頂するにはまだ時間が掛かる事を確認して私たちのこのペースでも何とか先に登頂出来る
かも知れないと確信して登りを続ける事にする。

そして、ついに頂上外輪(京極コース下山分岐点)に到着し、スタッフと合流した。
彼らの頑張りももちろんだが私自身も腰痛を感じずに登れた事が嬉しかった。
二人には早々頂上に行ってもらい私は彼らが戻るまでここでスタッフの手伝いをすることにした。



初登頂して戻って来た二人と記念撮影 左から大くん、私、綱くんです。(京極コース下山口にて)

★ 支援・・・
後で分かった事だが、ガイド本でいう登り4時間20分は標準タイムだった。
多くの休憩と私が思うスローペースはスローでは無く標準だったんだろうか。
いずれにせよ彼らが無事登頂出来て良かったとまずは肩の荷が少し軽くなった思いだ。

それでも登りがあれば下りもある。二人がそして私自身が無事下山してこそ今回の任は解けない。

下りでは、頂上外輪に先に到着していたスタッフ一人が支援を兼ねて一緒に下山してくれることに
なった。これからは無線機や携帯電話での連絡を取りながら私たちが一番先に下山し早々に参加
者の下山チェック体制に入らなければならないのだ。

すでに参加者の先頭グループは登頂していてもう少しで下山したい旨の連絡が入る。
その先頭グループを先導するスタッフや下山口で通過チェックをするスタッフ、下山後に温泉で待機
しているスタッフなど色々なスタッフと無線交信しながら私たちが先頭に下山した。支援に感謝しな
がら彼らも滑る足元に注意しながら必死に下り始めた。


★ 下山完了・・・
滑る足元とスニーカーはやはり足への負担が大きかったようだ。
大くんの靴は薄手のスニーカーだったのでより負担が大きかったかも知れない。
下り始めて早々に両足を突っ張るような降り方になる。ガレ場で石を踏むと直接的に足が痛んだかも
知れない。それでも彼らの頑張りは凄かった。頑張った。偉かった・・と思う。

途中休憩も挟みながらも、先頭グループとの距離を保ち何とか無事先に下山出来た。
その差は約15分である。

早々にチェック体制をしていると先頭グループが下山して来た。
休む間もなくスタッフの仕事に就く二人だが、疲れも見せずにポジションに立った。


★ 温泉と交流会・・・
私とサポートしてくれたスタッフも早々と自分たちの担当に就くために移動した。
朝からずっと現地で待機しながら登山参加者の動向を見守ってくれた温泉スタッフたち
なのに私たちは先に汗を流す勝手・贅沢な行動をする。ただそれは今しかそのタイミングが無かった
ので敢えて許された入浴と判ってほしい。
当然ながら下山してすぐにチェック作業をしている大くんと綱くんを見過ごす訳は無い。
私たちは入浴を済ませると彼らの一時的交代要員として下山口に戻った。そして二人にも温泉で汗
を流して頂き再びチェック作業に戻って頂いた。

最終的には、事故やけが人も無く登頂者は全員無事下山したと報告を受ける。

何よりの報告でスタッフ一同安堵したことと思った。好天に恵まれた大会に全国の仲間たちからも
大会の成功と感謝の声は絶えなかった。本当に良かったと私自身も感じている。

最後の締めは「交流会」
キャンプ場に設置された特設会場でのジンギスカンと生ビール飲み食べ放題の「宴」は北海道人なら
ずとも全国の仲間も絶賛する御もてなしだったと評価は高い。
限られた時間だったがそれぞれが登った羊蹄の麓で今日の日を振り返りながら楽しい交流の場とな
ってくれたと確信している。

何も役に立てなかった私がどうこう言える立場ではないが、スタッフに関わった方たちに対し
本当にお疲れ様でした・・と心から申し上げたい気持ちだ。


羊蹄山・・・最高でした!!












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