エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

シーズン沢始め・・・日高1726峰 (雪盛山)

2014年07月19日 | 山紀行 (日高山系)
スロースタートの沢始め・・・北日高1726峰 (雪盛山)
■ 山 行 日    2014年7月19日(土)   日帰り
■ ル ー ト     パンケヌーシ川八ノ沢~北西面直登沢
■ メ ン バ ー     yamapo (山歩)、エバ
■ 登 山 形 態    沢登り (エバ、スパイク地下足袋)
■ 地 形 図    1/25000地形図  「ペンケヌーシ岳」
■ 三角点・点名   三角点・点名無し (図根点「二九」)
■ コースタイム   登り 3時間35分  下り 3時間18分
<登り>
登山口(八ノ沢出合)出発  7:15
1075二股       8:00~05 休憩
1230二股       8:45~50 休憩
1380二股       9:18
1535二股      10:10
雪盛山頂上      10:50

<下り>
下山開始        11:35
1330八ノ沢本流出合 12:50~13:00 休憩
1230二股       13:24
1075二股       14:09
1020林道出合    14:28
登山口         14:53




★ 同行者得て元気100倍・・・
入会しているHYML(北海道の山メーリングリスト)の6月懇親会(ルック岳)で初対面だった
yamapo(山歩)さんを誘ってみる。すると、早々に同行OKの返事を頂く。
山歩さんとは「生まれ故郷が一緒」という事もあって話が弾んだルック岳だった。
早々に情報交換をして一緒に山行出来る事を願っていたが、こんなに早く実現するとは嬉しい誤算だ。

同行者を得て元気100倍、まるで水を得た魚のようにはしゃぐオヤジがここにいる。

山歩さんは、山も沢も初心者という事であるが今が一番楽しく打ち込んでいる姿勢は見習うところあり。
ついつい忘れがちな山への情熱を思い出させれくれる勢いを感じていた。
ただ、先日単独で遡行した「狭薄川」では初心者であるが故の失敗をし大きな教訓を残した事は
まだ記憶に新しく、恐いもの知らずの無謀でやんちゃな女性に秘める力量は不明のままだ。

今回も同行を前に彼女は再び単独で「石狩岳」に臨み、それも十石峠~ブヨ沢、音更山を経由して
石狩岳に登りシュナイダーコースを下山する周回ルートを計画していたらしい。この日は、上川地方に
「大雨警報」も発令されていたのでひどい事になっていないか心配しながら仕事をしていた。
でも無事下山した旨のメールが届いた時は「ホッとして・・・」やっぱり凄い人だなぁ~と再び感心する。


【7月19日(土)】    くもり
★ 待合せ・・・
自宅出発 4:45
日高道の駅着 5:50

早朝の274号線は快調に車を飛ばし約1時間で着いた。
さて、山歩さんはどの車だろう?・・・と駐車場を一周するも分からなかった。
電話をしても留守電になって繋がらない。
そうこうしていると山歩さんが歩いてるところを見つけて車を降りて再会のご挨拶となる。

登山口へは私の車で向かう。
ペンケヌーシ林道出合から約17.6キロで登山口となるパンケヌーシ川八ノ沢出合に着く。
途中の車内では山談義が尽きないのは言うまでもない。昨日の石狩岳や今日の沢の事・・・等々。


★ 一変した景色・・・
出発 7:15
八ノ沢出合に架かる橋は、崩壊していて無残な姿で残骸が残っている。
いきなりパンケヌーシ川本流の渡渉で靴を濡らし、対岸の八ノ沢林道を歩き始める。
出合の標高は約940m、高度計をセットしてのスタートだ。

昨年10月の遡行は晩秋とあって周りの木々は落葉し、廃道化した林道の草もほとんど枯葉状態だった。
見通しも良く明るい林道歩きだったが、蕗が生い茂る鬱蒼とした林道はそれとは分からない程道も景色
も一変していた。
地形図上では1075二股付近まで林道が延びているはずも1020付近で沢と同化し以降はすっかり
藪化していた。入渓はこの辺りから始まり、いよいよ遡行の開始となる。


★ 4度目の沢登り・・・
山歩さんにとっては4度目の沢登り。
過去3度の沢はその報告もメンバーもML(メーリング)で知っていた。
一見するスタイルに問題も無く工事用ヘルメットも彼女らしい防護装備なんだろうと思った。

入渓後は、出来るだけゆっくりと歩き彼女に急がせないよう配慮するも、平凡の渓相とあってか
淡々と後ろに着いて歩くので少し安心する。

ポイント、ポイントで足を止めて読図する。
1075二股は左の本流へ、1230二股は右を選ぶ。左を覗くとすぐに沢は狭まり草が覆っていた。
1380二股は、双方の水量に変わりは無いが右股は明らかに方向が違う。左股が頂上直登沢だ。
1405付近で昨年沢から右岸の草付きを登って北西斜面を辿った位置に来た事を思い出す。
あの時は、上部の沢がⅤ字形の岩場で岩全体が凍っていたため危険とみなして高巻いた場所だった。
今回はそのまま沢を登り行ける所まで詰めたいと思った。

沢はすでに涸れ沢となり狭くなってくる。周りにはシナノキンバイソウが一面に咲き斜度も一段と
増して来た。スパイク地下足袋の私には最強の装備だったが、山歩さんのフェルトシューズでの
急斜度は辛い登りだったと思う。ウツギの木やミヤコ笹に掴って一歩ずつ登るように伝えるも
始めての日高路でいい勉強をしていると思った。

1535二股は微妙な二股だったが、左を選ぶ。それは最終的に雪盛山から派生する北西尾根付近の
踏み跡を辿るつもりでいたからだ。
1600付近で沢形が無くなり直登せずに斜め左へ進路を変える。方向が変わった事に山歩さんが
気付いたのか声を掛けてくれた。
この先に「秘密のエスケープルートがあるんです・・」と小さな声で応え早々そのルートに出合う。
しっかりした踏み跡とテープに導かれハイ松帯を超えると程なく1700mの稜線に出た。



入渓した頃の八ノ沢・・・


2m程の滝を直登してもらった・・・


沢上部の至る所に咲き乱れる「オオバミゾホウズキ」


1230二股を過ぎて最初の滝(F1)も簡単に直登する・・・


直登も可能だが、左岸の草付きを利用すると簡単に登れる・・


三点支持の基本も経験からですね・・・


1400mを超えると伏流し傾斜が増してくる。


沢一面に「シナノキンバイソウ」が満開だ・・・


シナノキンバイソウ


稜線直下のハイ松帯の中に群生していた「ゴゼンタチバナ」

★ 夢の中・・・
頂上到着 10:50
まったく何も見えない稜線上のピークに辿り着く。
ここには「二九」と記された図根点という標識があるのでガスの中でも頂上は確認出来る。

何も見えない残念な登頂だったが、山歩さんにとっては初めての日高。
こんなマイナーなピークでも日高の素晴らしさを感じてほしかった。

登頂の握手をしてコーラで祝杯。風も無く蒸し暑さを感じるほど暖かかった。
しばらくはまったりとした時間を過ごし、彼女の休息にお付合いする事にした。



連日のハード山行で疲れ切ったのかなぁ~・・・山歩




1726峰 雪盛山 頂上にて

★ 秘密のエスケープルート・・・
下山開始 11:35
地形図上ではほとんど読めない。1380二股の左股を登って来たがこの沢に並行するように
何本かの枝沢があるようだ。前回トラバースした1405m付近から右岸の斜面を登りそのまま沢を
右に見ながら北西斜面の藪を登って見ると意外にも簡単に稜線に出る事が出来た。
藪はミヤコ笹を中心に低い灌木とダケカンバの樹林帯。斜度はそれなりにあるがスパイク付きの
地下足袋か長靴ならさほどの苦労無く登れるグッとなルートになっている。

昨年と同じルートを下山で辿って見た。
一部は一級国道と化した鹿道となっていてピンクのテープが付けられている。
不明瞭な笹薮の場面でもなんとなく踏み跡と判断出来るし、下りは左手に沢を見下ろす感じで
離れず近過ぎずで真っ直ぐに降りるだけである。
標高が1400を切った頃に登って来た沢の隣りに小さな沢形が出て来るのでこれを降りる。
そのまま降りると八ノ沢1380二股の下流1330付近で本流と出合う。
ここまで降りると上流に在った難しそうな滝はすべてクリァし後は簡単な滝を降りるだけなので
初心者でもロープ無しで降りられるのが嬉しい。







パンケヌーシ川と八ノ沢林道を結んでいた橋は崩壊しこんな状態でした・・・

★ 必要なこと・・・
八ノ沢出合(登山口・駐車地)着  14:53
GPSを持たないものにとって地形図とコンパスそして高度計は欠かせない。
それと標識テープも必須アイテムだ。特に沢と並行するように林道があってその途中から
入渓する場面では、どこから入渓したのかしっかりと目印(標識)を付ける必要がある。
重要なポイントには2本以上のテープを付け、場合によっては沢幅いっぱいにテープを張る事もある。

今回の沢の場合は、仮にテープを付けず入渓した場所が判らないまま下降したとしても最後に
本流であるパンケヌーシ川に出合いそこが駐車した出合なので迷う事は無かったが、そうでない沢の
遡行にはテープの目印が命を救う宝物にもなるので、入渓時は忘れてはならない。

1075二股の手前から山歩さんに先行をお願いし、分かり難かった入渓点を探してもらう。
言わば「訓練」のつもりだ。つい先行者に着いて行くだけの遡行だと自分の居場所は意外と
意識しない事が多い。渓相の記憶も曖昧で二股すら見落とすことも・・・。

沢の中だけを歩くより、岩ゴロゴロを歩くより草付きの平坦な場所の方が歩き易い。
登りで見つけた歩き易い場所の出合にもテープを付けて置くと後で助かり時間も節約となる。

沢登り・・・には、まだまだ伝えたい歩き方がある。

今、楽しくてショウガナイ山歩さんの登行には危険が隣合せだ。
少しでも安全に無理なく楽しく山を楽しむためにこれからもどしどし先輩たちのご教授の元
成長してほしいと願う。

はじめての同行でこんなお節介なオヤジの説教だ。

気にするもしないもあなた任せ(笑)・・・ご同行ありがとうございました。お疲れ様。



日高路恒例の温泉、沙流川温泉「ひだか高原荘」で汗を流す・・・


お勧めのラーメン屋さんもそば屋さんもお休みでした・・・でもここも美味しかったです。







最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お宝が・・・ (山歩)
2014-07-28 08:32:55
エバさん、詳細ありがとうございます。自分なりに1,726峰の反省をしてみましたが、3行で終わってしましました( ;´Д`) ブログで反省のしかたまで教わり、何から何までありがとうございます。ここに書かれたことは、宝の持ち腐れとならぬよう、度々振り返りたいと思います。
返信する
オヤジのお節介です・・・ (エバ)
2014-07-28 09:20:56
山歩さん ご同行に感謝してます・・・

つい先輩面して説教染みた話ばかり
きっとうるさかったでしょうネ。ゴメンナサイ。

でも一つでも耳に残って「必要」と思ってくれる事が
あれば嬉しいです。
これからも機会を見つけて同行お願いしますね。

コメントありがとう

返信する

コメントを投稿