超級龍熱

香港功夫映画と共に

キングレコードより王羽主演『いれずみドラゴン/嵐の血斗』DVD発売迫る・・!

2007-10-31 14:23:55 | DVD&Blu-ray情報
昨日はソニー・ピクチャーズさん&ドリーム・アーツ・ピクチャーズさん配給による、ポール・ウォーカー主演『ボビーZ』を試写で観て来ました。(またも試写ギリギリ最終日・・トホホ!)。
これ実は最初は余り期待してなかったんですが面白かったです!
ポール・ウォーカーが行方不明の麻薬王ボビーZの替え玉に無理矢理させられるんですが、そこからまるで映画のような“奇跡”(笑)が次々と起こって、最後にはポール演じる主人公がボビーZの巨額の財産と美女をチャッカリ手に入れる・・という痛快娯楽アクション映画です。
とにかく主演のポールがカッコ良いわ、時々お馬鹿な演技も見せるわで私はかなり楽しめたんですが、劇中であのステファノス・ミルツアカキスが用心棒役で出ててポールとガチンコ決闘していますので要チェック!
この『ボビーZ』は11月17日からロードショー公開との事です!

さて、同じく11月の7日にはキングレコードさんから我らがジミー・ウォングこと王羽主演『いれずみドラゴン/嵐の血斗』と『冷面虎/復讐のドラゴン』のDVDがリリースされます。
以前にも触れましたが、今回『いれずみ~』では私がオーディオ・コメンタリー(音声解説)を担当しました。
私はキングさんの香港功夫映画のDVDコメンタリーでは、以前に同じジミー主演作品『怒れるドラゴン/不死身の四天王』DVDで鹿村泰祥さんと2人でコメンタリーを担当したんですが、今回は私が約90分間1人で喋っています。
実は今回のコメンタリーで私はこの最初から最後まで1人で喋る、という事にちょっとだけ拘りました。
何故かと言うと、これまで日本の香港功夫映画DVDのオーディオ・コメンタリーで、全編1人でコメンタリーを喋り切った人間は『帰って来たドラゴン』DVDと『ファイナル・ファイト最後の一撃』DVDの倉田保昭さんだけだったんです。
ただ海外のDVDのコメンタリーではベイ・ローガンしかり、リック・マイヤースしかりこれまで殆どが1人でコメンタリーを喋り切るのが普通だったわけで、今回是非私もそれに挑戦したくて頑張りました。
で、コメンタリーの収録もキングの山内拓哉プロデューサーのナイスなフォローもあってほぼ一発録りだったんですが、コメンタリーの中身もジミーを初め許冠傑、張文嘉、田俊など出演者の話題は勿論、嘉禾電影公司の成り立ち、導演の羅維について、さらには荘泉利×劉家良の確執や荘泉利香港映画界撤退の真相、『蛇拳』の主演候補者だった金童、フーシェン、葉飛揚について、または黄正利の“蹴撃伝説”に至るまで色々と喋っております。
そしてコメンタリーの後半30分は、もうひたすらジミーさんの話題オンリーでラストまで一気に喋り切っていますので、是非『いれずみ~』DVD発売の際にはお聴きになって頂ければ幸いです!
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ドニー・イェン=大塚芳忠、誕生秘話&「とり・みきの映画吹替王」を読んで

2007-10-30 00:34:00 | その他
キングレコードから絶賛発売中の我らがジミー・ウォングこと王羽導演&主演『片腕ドラゴン』DVDなんですが、今回のDVDの目玉である新録日本語吹き替え音声は、購入された方々の間でも大変好評のようで私も嬉しく思います。
是非是非同じくキングさんから発売の続編『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』DVDと共に田中信夫さん吹き替えによるユィ・ティエンロンの雄姿を堪能して頂ければと思います。
それにしても田中さん、『~ギロチン』の時と今回の『片腕~』とティエンロンをアテてる声が殆ど変わらないのには脱帽です。特にクライマックスのティエンロン対二谷太郎戦でのジミー田中の「いやあああ!」とか「つりゃあああ!」といった気合い十分の“咆哮”は何度観ても燃えますねー!

で、吹き替えと言えば、最近遅まきながら「別冊映画秘宝」から出版されているとり・みきさんが上梓なさった「とり・みきの映画吹替王」を読んでいるんですが、これは中々面白いですねー!
この本はとり・みきさんが日本の声優界の重鎮の方々に行った数多くのインタビューを1冊に纏めた本なんですが、インタビュアーのとり・みきさんの外国映画の日本語吹き替えに関する溢れんばかりの知識と愛情によって、相手の声優さんたちがノリノリでインタビューに答えているのが手に取るように判るんですね。
まだ途中までしか読んでいないんですが、続きがとても楽しみです。

この本を読んでいて思い出したのが、かなり以前にレイジングサンダーというレーベルからドニー兄貴の『ドラゴン危機一発97』と『ドラゴン電光石火98』がビデオ・リリースされたんですが、その時このレーベルのプロデューサーだった江戸木純さんに「今回日本語吹き替え版を収録するんだけど、龍熱さんはドニー・イェンの声は誰がいいと思う?」と聞かれたので、私は迷う事なく「ドニーの声は大塚芳忠さんしかいません!」と即答したのを今でもハッキリ覚えています。
まだこの当時ドニー・イェン=大塚芳忠というイメージはファンの間に全く存在していなかった時代なんですが、私は『ワンチャイ天地大乱』の日本語吹き替え版でドニー演じる納蘭元述提督の声をアテた大塚さんが余りに素晴らしかったので、どうしてもドニーの声を専門にアテる声優さんとして大塚さんをプッシュしたかったんです。
その後江戸木さんから「ドニーの声、龍熱さん推薦の大塚さんに決まりましたよ!」との連絡を貰った時は本当に嬉しかったなぁ!この時私のアイディアを快く採用して下さった江戸木大兄には今でも本当に感謝の気持ちで一杯です。これから近い将来何らかの形で『導火線』が日本で吹き替え音声入りでDVD化される時は、ドニー演じる馬軍の声は絶対に大塚さんにアテて欲しいですね。
あと何時の日かドニー兄貴が来日した時には、是非とも大塚芳忠さんとの「ビッグ対談」を実現して欲しいですねー!と言うか私もドニー大塚さんこと大塚芳忠さんには是非一度お会いしてみたいです(苦笑)。
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亀田興毅記者会見&『少林寺三十六房』盗まれた三節棍

2007-10-28 12:41:08 | その他
今日は朝も早くから12月に観に行く予定の某舞台のチケットを電話予約しようと大奮戦していたんですが・・無事に良い席がゲットできてご機嫌です。考えてみれば大きな劇場の舞台の観劇は、三谷幸喜の『12人の優しい日本人』以来ですからかなり久々になります。あとは期日内に劇場の窓口にチケットを受け取りに行くだけでっす(笑顔)。

さて、先日の亀田興毅選手の謝罪会見、私も観ていましたが、まあこれまで興毅選手も色々あったわけですが、亀田家を代表してあれだけの辛辣な質問の雨に1人で延々と受け答えを続けた興毅選手はちょっと痛々しかったですね。あとやっぱりあの場には父親の史郎氏も何らかの形で出席して欲しかったです。
で、あの会見で興毅選手に殆ど1人でキツイ質問を浴びせていた男性は、某ワイドショーのリポーターでしょうか?
だとしたら80年代序盤に『少林寺三十六房』(78)が日本で劇場公開された際、宣伝プロモーションで来日した劉家輝が朝のワイドショー番組に三徳和尚ルックで出演して三節棍の演武を披露したりしたんですが、その時にそのワイドショーで劉師父と掛け合い漫才みたいな事をしていたリポーターと同じ人物です。
いや~まだ現役でリポーターをやっていたのか?(苦笑)。
私はこの『~三十六房』宣伝来日時に劉師父がテレビ出演した何本かの番組を録画したビデオを現在も所有しているんですが、今度暇を見つけてチェックして見ようかなと思っています。
あとこの来日時に劉師父がテレビ出演や舞台挨拶で使用した三節棍は、残念ながらこの後に盗難事故に遭ってしまったんですが・・もし今も何処かで誰かがその三節棍を所有しているとしたら相当のプレミア物って事になるんでしょうね。

あと昨日は上官霊鳳の『十二生消』(だったかなぁ?)の出演映像を強引に挿入した韓国怪獣武打片で夏候星主演『十二大天王』と、王虎&常山主演『七指手』(82)を観ていたんですが、『十二大天王』は最初からブッ飛び武打片だと割り切って観ると結構面白かったりします(苦笑)。でもこの映画でもそうですが、韓国武打片って何時も同じセットの洞窟が頻繁に出て来るんだよなぁ(爆笑)。
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女武打星血斗十番勝負④ 美人捜査官奮闘!李賽鳳&大島由加里主演『妙探双嬌』

2007-10-26 15:04:37 | 作品レビュー
《女武打星血斗十番勝負》その四番勝負は、90年代序盤に大量生産された“女特警”系列の中核として活躍したムーン・リーこと李賽鳳と、我らが日本が誇る大島由加里主演『妙探双嬌』(92)です。
これ今回久々に観て見てビックリしたのが導演が何と!台湾が誇る武打片の巨匠・李作楠だったんだねー!
いや~この映画に王道や金銘が出てないのが不思議なくらいだ(笑)。

まあ物語としては、黄sirことメルヴィン・ウォン配下のムーンちゃん演じる阿鳳と、金志姫演じるグレイスの2人のCIDの女捜査官が、崔正一(その部下にソフィ・クロフォード!)率いる悪の組織撲滅を目指して奮闘するんですが、潜入捜査と称しムーンちゃんたちがキャバクラ嬢に扮してスケベなオッチャンたちに四苦八苦するシーンには思わずこちらも苦笑していまいます。
で、映画が始まって20分ほどでこの映画のもう1人の主役が登場します。そう、大島由加里です。崔正一一味に殺し屋として雇われた大島嬢は沈威、鍾發、楊群と言った悪漢たちを得意の吹き矢で次々と抹殺していきます。
当然見せ場としてムーンちゃんと大島嬢のバイク・チェイスからド迫力のクンフー・ファイトが幾度となく展開されるんですが、その後映画の中盤で相棒のグレイスが崔正一に無残にも撲殺され、復讐に燃えたムーンちゃんが黄sirの制止を振り切り、崔正一と日本人・岡田(何と周比利!)との取り引き現場に単身乗り込んでいくシーンこそこの映画の最大のクライマックスでしょう。
もうここではムーンちゃん対周比利、そして何故かムーンちゃんに加勢する大島嬢対ソフィ・クロフォードの2大クンフー・ファイトが延々と展開されます!猛然と蹴り合ったムーンちゃんと周比利ですが、最後はムーンちゃんの仕込み剣で周比利は斬り倒され(この当時の周比利にアッサリと勝つとはお見事!)、大島嬢も激闘の末にソフィを倒します。
そして最後に残った崔正一にムーンちゃんと大島嬢が迫りますが、ここでムーンちゃんが突如トンでもない秘密兵器を披露します!それは一体何か?ズバリ!ロケット・ミサイルです!(いやホントですって!)
何の前触れや注釈もなく(爆笑)上腕に供えられたムーンちゃんのメカ・ハンドから「バシュ!バシュ!」とミサイル弾が発射され、あわや爆死と散々な目に遭った崔正一は最後はムーンちゃんと大島嬢との2対1の闘いの末に片脚をヘシ折られ、駆けつけた黄sirらに逮捕されます。
そしてムーンちゃんの「ねえ、アナタ・・一体誰なの?」との問いに、大島嬢が「貴方のお仲間よ!私は国際刑警(インターポール)!」と身分を明かして劇終でした。

このムーン・リーと大島由加里の“女特警”系列は、それこそ当時は無数に製作されたんですが、中でも私が一押しなのがこの2人にシンシア・カーンこと楊麗青を加えた『末路警花92』(92)ですね。
この映画は“女特警”系列の中での異色作中の異色作で、ムーンちゃんが異様なまでの汚れ役(と言うか狂気の女ストーカー)に挑戦し、大島嬢&シンシアとまさに三つ巴で激突した傑作ポリス・アクションです。
今からでも遅くないので、どうか是非ともこの『末路~』は国内でもDVDを超熱望したいですねー!(勿論その時は大島由加里さんの音声解説コメンタリー付きで!)
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黄正利主演『真説少林寺』&“薄命の貴公子”ありし日の雄姿on YouTube

2007-10-25 01:24:10 | その他
今日は都内の某中古ビデオ屋で昔にジャパンホームビデオがリリースしていた黄正利&孫国明主演『真説少林寺』のビデオを救済しました。この手のビデオはもう今では殆ど出回らないのと、例え店頭に並んでも馬鹿高かったりするんですが、今回は2千円台だったので救済しました。
それにしてもこの『真説~』、ご存知のように北京語版&ワイドスクリーン仕様と欧米のコレクターが泣いて喜ぶアイテムなんですが、よく当時このような黄正利主演のマニアックな韓国映画(韓国題名『四大少林寺』(84))がビデオ化してたなー!
まず今後は国内ではDVD化することはないでしょうし、現在では国内の黄正利主演作品では『壮烈小(少)林寺』(83)と並んでリリース自体がまさに奇跡レベルのアイテムでしたね。
そういえば『壮烈~』も10年以上前にブラリと入った地元の中古ビデオ屋さんで「へえぇ?ドラゴン・リーの韓国の主演作なんてあるんだぁ?」と非常~に軽い気持ちで買ったのを覚えています(苦笑)。
ただこの2本を私が当時に観て共通した印象が、黄正利が香港で出演した2本の成龍作品と比べて、その黄正利の表情に全くと言っていいほど凄味が無かった事です。もうまるで別人のようなヘロ~とした黄師匠の迫力不足の佇まいに私はある意味ショックを受けたんですが、考えて見ればこの『真説~』と『壮烈~』の黄師匠の相手が孫国明と巨龍じゃねえ(苦笑)。そりゃ黄師匠も映画を撮りながら脱力しちゃうかもね(トホホ!)。
で、関係ないんですが私にとっての巨龍と言えば、もうあの大怪作『リアル・ブルース・リー』なんですが・・その内に気が向いたら『リアル・ブルース・リー』徹底レビューでもやるかな?(苦笑)。

あと久々にYouTubeを観ていたら何と82年ぐらいの香港の音楽関係の授賞式で、あのアレクサンダー・フーシェンがプレゼンターをやっている映像が投稿されていて、思わず見入ってしまいました。
武侠片のテーマ曲に乗って白のタキシード姿のフーシェンが階段を下りて来るシーンなんて実に颯爽としてますねー!考えてみればフーシェンが自動車事故で亡くなったのが83年の7月ですから、そんなにメチャクチャ大昔ではないわけで、このような映像が残っていても決して不思議じゃないんですね。
フーシェンが壇上で喋っている間には観客席のジェニー夫人とかも映っていましたし、受賞者の羅文が壇上に上がって来ても、フーシェンは羅文と一緒に話すのに夢中で記念のレコード盤を羅文に渡すのを忘れちゃって「ああ~!はい、これ!どうぞ!」なんて大慌てで渡してるとこなんて何か映画の中のコミカルなフーシェンとイメージがダブりますね。あと「へへへ!」なんて鼻を擦るとことかもね。
私はショウ・ブラザースの関係者や武打星に会う機会があると必ずフーシェンの事を聞いているんですが、その方たちが皆一同に声を揃えて言う言葉が「フーシェン、彼は好漢だった!あんなに若くして亡くなるなんて・・!」でした。私はこのショウ・ブラザース伝説の武打星にして“薄命の貴公子”であるアレクサンダー・フーシェンについては、今までと同様に、これからも出来る限り語り継いでいきたいと思っています。
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女武打星血斗十番勝負③ 韓国尼僧死闘地獄絵巻!金明児主演『少林十大女傑』

2007-10-24 14:11:45 | 作品レビュー
さて、《女武打星血斗十番勝負》の三番勝負は、韓国の娯楽電影大導演である金正勇導演、金明児(児の字は微妙に異なる字です)主演の韓国武打片『少林十大女傑』(81)です。ちなみに武術指導は今は亡きイーグル・ハンこと韓鷹です。

映画は両親を悪の武道家の李(演じるは何と白髪&白髭姿のマイク・ウォンこと王龍!)に殺され、さらにある寺院に伝わる黄金の菩薩像まで強奪された金明児演じる女僧侶とその妹が、他に7人の女武道家(蹴りの達人、太っちょの怪力などなど)の協力を得て李一味と対決します。その金明児たちを絶えず横から助ける凄腕の武道家に鄭真化が扮していて実に良い味を出しています。
私が今回レビューに使用したのは、海外の映像コレクターなら一度は手にした事があるであろう大きめの黒のビデオ・パッケージで有名なMaster Arts Videoから15年ぐらい前に入手した英語吹き替え版なんですが、実は韓国で発売されていたオリジナル韓国語版ではオープニングに金明児や王龍たち主人公が1人、1人華麗なコスチュームに身を包み見事な演武を披露するシーンが収録されているんですが、MAV版ではそのオープニングはバッサリとカットされています(涙)。さらに導演の金正勇の名前もアーサー・キング表記となっております(苦笑)。
さて、映画の途中で王龍の息子役(ええっ!?)で韓鷹が出ていて、金明児たちと立ち回りを見せるんですが・・残念ながらこのシーンは夜間の闘いの設定なので、折角に韓鷹が見事なキックを披露しているのに映像的に実に観難いのが勿体無いですねえ、オマケに韓鷹すぐに金明児に殺されるし(苦笑)。
ただ映画のクライマックスで王龍の部下である権成榮や金旭たちに十大女傑たちが1人、また1人と無残に殺されていき・・最後に残った金明児と妹、そして鄭真化が王龍演じる李の待つ城内に乗り込んでいく辺りからの大決闘はまさに壮絶な死闘となります・・!
金明児に自分の息子を殺された王龍は特製の玉座に座り「待っていたぞ!・・そんなにこの菩薩像が欲しければくれてやる!さあ持っていけ!」と言い放ち、そこに金明児の制止も聞かず妹が「李、覚悟!いやあああ!」と突進しますが、いきなり王龍の座る玉座から仕込み槍が飛び出し妹を串刺しにします!
その衝撃で宙に舞い地面に叩き着けられ悶え苦しみ絶命する妹!
それを見た金明児は「李!・・お前よりも野良犬の方がまだマシな武術を使うわ!(しかし凄い台詞です)」と闘いの火蓋が切られます!
途中から鄭真化も加わった2対1の闘いは、もうとにかく王龍演じる李の一人舞台と言ってもいいほど、王龍の怒涛の蹴り技がこれでもか!と冴えまくります!特に背後にいる2人を同時に蹴り上げるカンガルー蹴り!全身を大きく回転させながら敵を蹴り飛ばす大回転蹴り!と、恐らく数ある王龍の出演作品の中でもこの『少林十大女傑』は、王龍のベスト・パフォーマンスと言っていいでしょう。
さらに鄭真化も壁を蹴り上げた反動を利用しての連続三角飛びで応戦しますが、悪辣な王龍が地面に仕掛けた竹槍の罠で全身串刺しとなった鄭真化は・・遂にその場で息絶えます・・!
たった1人残った金明児は6連続廻し蹴りで王龍を攻め込みますが、王龍が一瞬の隙を突き放った細かい爪状の暗器を顔面に浴びた金明児は「あああ・・あああ!」と絶叫!「ガハハハ!死ねぇぇ!」と勝ち誇った王龍、と実は暗器を自分の指の間に挟み受け止めていた金明児はそれを王龍の顔面に投げ返します!
「うぎゃあああ!?」顔面を押さえ悶える王龍に、金明児の最後の蹴りが叩き込まれ、その衝撃で王龍は背後の自分が仕掛けた竹槍の上に落下!そのまま絶命します。復讐を遂げた金明児は、駆けつけた恩師である僧侶の前に跪き、自分を尼僧にして欲しいと願い出るシーンで劇終となります。

余談ですが、Master Arts Videoと言えば協利公司の大傑作で金童主演『六合千手』(79)も英語版でリリースしていましたが、これまたクンフー映画ファンの間では伝説化しているあのオープニングの金童や高飛たちの演武シーンをバッサリとカットしたバージョンだったし(大泣)、かと思えばサー・ミージャ演じる盲目の女剣士の活躍を描いた韓国武侠片『盲獣』(69)を英語版でリリースしていたりと、今だに良いのか悪いのか何とも評価し難いレーベルですね。
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女武打星血斗十番勝負② 女李小龍vs韓国蹴撃高手!嘉凌主演『追龍』

2007-10-23 00:12:15 | 作品レビュー
《女武打星血斗十番勝負》の二番勝負は、台湾の萬龍影業公司製作、ジュディ・リーこと嘉凌主演『追龍』(75。77年説もあり)です。
嘉凌と言えば、あの女武打星系列不滅の傑作『地獄から来た女ドラゴン』(72)を初め、香港&台湾で数多くの秀作を残した女ドラゴンを代表する1人ですね。ただこの『追龍』は今回久々に観たんですが・・作品としては正直内容的にかなりキツかったなぁ(苦笑)。

アメリカの唐人街から大家姐と呼ばれる正体が謎の女ヤクザが香港へやって来る中、その大家姐の正体を巡って、男装の女刑事に扮した嘉凌&田野、そして羅烈(この映画の武術指導兼任)率いる悪の組織の対決を描いているんですが、もう物語的にユルユルで観ていて辛い物がありました。
ただ粋な帽子に中国服姿で豪快なアクションを披露する嘉凌の雄姿は、さすが“女李小龍”と呼ばれただけの事はありますね。特に嘉凌が相手目掛けて鋭角的に叩き込んでいくド迫力の連続廻し蹴りはお見事です。
考えて見ればこの映画の武術指導は羅烈、高飛と共にあのサモ・ハンこと洪金寶が担当しているので、劇中の嘉凌の武打シーンがパワフルで俊敏なのも頷けます。
ただ私の所有しているこの『追龍』の英語版のビデオは、オープニングにドーン!と『追龍 Fist of Dragon』と出るだけで、その後一切キャスト・クレジットが出ないので実際に洪金寶が武術指導なのか最終的な確認が出来ないのが残念ですね。
まあかなり辛口のレビューになりましたが、私が唯一この映画で面白かったのが嘉凌と対決する悪のボス役で、韓国武打星のチャン・モンが出ている事でしょう。
この嘉凌vsチャン・モンの一騎打ちは、チャン・モンが嘉凌に対して得意の連続蹴りで猛然と攻め込んでいくなどそれなりに映画の見せ場となっていました。と言いながら最後は嘉凌がチャン・モンが蹴り上げた脚を受け止め、そのまま嘉凌がその脚をヘシ折り、チャン・モンは「ぐああああ!」なんて悲鳴を上げて惨敗していましたけど(苦笑)。
そうそう、関係ないけどチャン・モンって韓国武打星なのに英語名がブルース・チャンって言うらしいねー!あのなぁ・・いきなりそんなブルースって言われてもねえ(唖然)。
あとこの映画のラスト・シーンが嘉凌と田野がお互いに満面の笑みで駆け寄るシーンなんですが、そこが何故かロマンス物みたいなスローモーション処理されてるのにもどうリアクションしていいのか判りませんでしたねえ(爆笑)。
でも嘉凌という人は本当に美人と言うか、その美貌が際立っていた女武打星でしたね。そんな美しい嘉凌が鬼神のような表情で悪い男共をバッタ!バッタ!と蹴散らすのが女武打星映画の大きな魅力となっているのでしょう。
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女武打星血斗十番勝負① 女探長、決闘鴻寶の宿!上官霊鳳主演『女拳師』

2007-10-21 16:30:36 | 作品レビュー
さて《女武打星血斗十番勝負》の一番勝負は、楊世慶導演、上官霊鳳主演による拳撃片『女拳師』(72)です。
私がこの作品を推す理由の一つに、この72年当時の上官霊鳳はまだ剣劇片、つまり武侠映画の出演が主だったんですが、そんな中でこの『女拳師』での上官霊鳳は敢えて拳や蹴りなどをメインとした男装の女探長を快演している点があります。
特に映画の序盤での陳慧楼相手に上官霊鳳が見せる力強く俊敏な拳撃アクションは中々見応えがあります。
映画はまだ整形前(苦笑)の上官霊鳳が極悪な大官(曹健)の息子を捕らえますが、親馬鹿の大官が様々な策略を駆使し、上官霊鳳と田鵬が護送中の息子をその道中で奪還しようとします。
で、映画の見せ場は何と言っても護送中の息子と共に上官霊鳳、田鵬、苗天たちが鴻寶客桟なる宿屋に立て篭もり、その宿屋を取り囲んだ大官たちがあの手この手を使い何とか宿屋に侵入し息子を奪還しようとする息詰まる攻防戦でしょう。
このいわゆる“客桟戯”的攻防を見るまでもなく、まだこの当時の台湾映画界にはあのキンフー導演の不滅の傑作『残酷ドラゴン/血斗!竜門の宿』(67)の大ヒットによって生み出された“客桟戯”という映画スタイルが如何に様々な形で影響を与えていたかという事でしょうね。
ここでの上官霊鳳はまさに鬼気迫る熱演を見せていて、何とか隙を見て宿屋の窓から逃げようとする大官の息子を怒号と共に蹴散らすと「今度また逃げようとしたら、アンタの脚を蹴り折るわよ!?」と一喝したりするんですが、とにかくこの映画での我らがポーリー嬢の鋭い眼光を漲らせての迫真の表情は実に凛々しくて素敵です。
最後は宿屋を出た上官霊鳳一行を追って来た大官一味が、田鵬の父親を人質に息子との交換を要求しますが、実は田鵬の父親は既に殺されており、そこから両軍入り乱れての大乱戦になります。
このクライマックスで圧巻なのは、大官自ら剣を手に田鵬と斬り合いに出て、上官霊鳳も大官の一撃を浴びて瀕死の重傷を負いますが・・最後は上官霊鳳が血反吐を吐きながらも「えええええい!」と気合いと共に宙を舞っての必殺目潰し攻撃で大官の両目を潰し、その場で絶叫しながら剣を振り回す大官を絶命寸前の田鵬が一気に斬り倒し、そのまま崩れ落ちた田鵬に上官霊鳳が駆け寄り劇終となります。

上官霊鳳と言えば、この作品以降も数多くのクンフー映画や武侠片に主演しアジアの女武打星史に一時代を築いた人ですが、以前に倉田保昭さんに上官霊鳳の事をお聞きしたら「日本だと茅瑛が凄く人気があるけど、当時の香港や台湾では女ドラゴンって言ったらとにかく上官霊鳳が人気実力ではトップだったなぁ!」と懐かしそうに語っていました。
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「超級龍熱」開設一周年記念特別企画、《女武打星血斗十番勝負》スタート!!

2007-10-21 15:52:28 | その他
丁度1年前の今日、当ブログ「超級龍熱」を立ち上げたわけなんですが、早い物でアッという間に1年が経ちました。
こうして1年間に渡って無事に、また楽しく当ブログを運営する事が出来ましたのも、何時も当ブログをご覧になって下さっている皆さんのご支援、ご声援あってこそだと思っております。本当にありがとうございます!
予てからお知らせしていましたが、「超級龍熱」開設一周年記念特別企画としまして、香港あるいは台湾を初めとする世界の女ドラゴン、つまり女武打星たちの主演作を10本に渡り熱く語り倒す、《女武打星血斗十番勝負》をスタートさせたいと思います!
来月にはあの“旋風レディ”こと伝説の女武打星も東京フィルメックス映画祭に登場が予定される中、このタイムリーな企画で私も是非とも炎上しまくりたいと思います。
はてさて私、龍熱、無事に“十番勝負”まで完走できますか、気合い入れてのいざ勝負!
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「映画秘宝」12月号に“和製女武打星最後の切り札”水野美紀インタビュー登場!

2007-10-20 15:21:23 | ニュース
昨日はマイケル・ベイ製作の新作『ヒッチャー』を観ました。勿論この映画はあのルトガー・ハウアーが異様な迫力でヒッチハイカーを怪演した86年の映画のリメイクです。
今回そのヒッチハイカーをショーン・ビーンが演じてるんですが、私は映画自体も含めてイマイチでしたねー。
と言うか残酷度はオリジナルより増してるんですが、やっぱりショーン・ビーンではあのルトガー・ハウアー扮する狂気のヒッチハイカーの一種独特の不気味さ&物悲しさを併せ持った強烈なキャラクターを越えられない、と思いました。ああ、劇中で一番強烈な残酷シーンに関しては、あのショウ・ブラザースの名作『新獨臂刀』(71)のティ・ロンの惨死シーンにブッ飛んだ方は今回も覚悟してご覧になった方がいいかも知れません(苦笑)。

さて、本日発売の「映画秘宝」12月号に私が聞き手を担当した“和製女武打星最後の切り札”こと水野美紀さんのインタビューがカラー2頁でドーン!と掲載されています。
今回のインタビューでは水野さんが最新作『真・女立喰師列伝』に始まり、公開が待たれる香港アクション『さそり』、共演者の梁小龍の思い出、ワイヤーワーク、次回作への想いなど熱く語りまくって下さっていますので、是非ご覧になってみて下さい。
今回のインタビュー記事に掲載されている水野さんのファイティング・ポーズ姿も超カッコイイんですが、取材時の水野さんは他にも色々なポーズを気さくに取ってくれて、本当に素直で素敵な女優さんでした。
水野さん、本当にありがとうございました!!
あ、あと同じく「映画秘宝」に連載中の私が執筆のGH改め「フォーチュンスター:クンフークラシック20」のDVDレビューのコーナーも是非ご覧になってみて下さいね。
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