超級龍熱

香港功夫映画と共に

キングレコードより、ジョニー・トー伝説の傑作『裸足のクンフーファイター』DVD発売!

2008-08-30 13:52:39 | DVD&Blu-ray情報
さてさて、以前にも少し触れましたが来月の10日にいよいよキングレコードさんからジョニー・トー導演、アーロン・クォックこと郭富城主演、そして劉家良動作導演作品『裸足のクンフーファイター(原題:赤脚小子)』(93)のDVDがリリースとなります。今回私がこの『裸足の~』DVDのジャケ裏解説を担当しているんですが、私自身もこの作品の国内DVDリリースには本当に万感迫る思いがあります。
思えば今から11年ほど前にキネマ旬報が「香港電影満漢全席」なる増刊号を出していて、その中で「クンフー&アクション映画」のパートを担当執筆した私が文中で『赤脚小子』を紹介したんですが、この時期からこの作品が商業誌でも本格的に語られ始めるようになりました。
またこの作品が長弓公司作品で、張徹導演、アレクサンダー・フーシェン主演作品『洪拳小子』(75)のリメイクである事も同時期に初めて触れたと記憶していますが、それから約11年の年月を経ての今回の待望のDVD化、本当に感激です。
勿論この映画は主演のアーロン、女将役のマギー・チャン、悪漢のケネス・ツァン、さらに今では名バイプレーヤーであるチョン・シウファイこと張兆輝など一分の隙もないキャスト陣が揃っているのですが、私は敢えてこの映画のキーパーソンこそ劇中で心優しきお尋ね者段南役を最高に渋く演じ切ったティ・ロンだと断言したいんです!!
終盤で絶命寸前のティ・ロンがアーロンの眼前で最後の力を振りながら挑む“華麗なる死の舞い”とでも呼ぶべき三節鞭の鬼気迫る演武こそ、90年代序盤に香港映画界を席巻した“一大古装片熱”屈指の名場面であると同時に、ティ・ロン自身がその青春を過ごしたショウ・ブラザース時代に、敬愛する張徹導演作品の中で何度となく披露して来た美しくも凄惨な“闘死美”という名の“陽剛”路線の文字通りの到達点なのです。
まさにこの映画のティ・ロンの重厚な存在感と迫力漲る武打シーンこそ、“武林大侠”の名に相応しい圧巻の佇まいでした。
他にもラストの劉家良動作指導によるアーロンの見事なクンフー・ファイトや、胡偉立による素晴らしい音楽などまだまだこの『赤脚小子』の魅力は限りないのですが、まずは来月遂にリリースとなるこのジョニー・トー伝説の傑作クンフー映画を是非ともDVDで堪能して頂きたいと思います!
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畳み掛けるような恐怖と狂気!ロブ・ゾンビ監督版『ハロウィン』日本公開近し!

2008-08-28 13:11:44 | 作品レビュー
昨日はザナドゥーさん配給、ライスタウン・カンパニーさん宣伝によるロブ・ゾンビ監督版『ハロウィン』(07)を試写で観て来ました。あのジョン・カーペンター版(78)のリメイクである本作は、既にあちらでDVDも出ていますのでご覧になっている方も多いかと思いますが、普段余りホラー映画を観ない私も本作のオリジナル版は昔に何度か観ていました。あの低く不気味に流れる“チャチャチャチャチャ!・・”のテーマ曲、懐かしいねー!って今回もちゃんと落し所でこの“ハロウィンのテーマ”は何度も流れますよ~(苦笑)。

で、今回のゾンビ版はマイケル・マイヤーズの少年時代により重点を置いていて、マイケル少年が一家惨殺を決行したあの“ハロウィンの夜の惨劇”もオリジナル版よりもジックリ?と描かれています。
このマイケル少年を演じているデーグ・フェアが子役ながらも本当に演技が旨いと言うか気味悪くて(苦笑)、マイケル少年がルーミス医師(演じるは今は亡きドナルド・プレザンスに代わり同じく名優のマルコム・マクダウェル!)によって収監された精神病院の中で徐々に“仮面の殺人鬼”へと変貌していくプロセスがジワリ・・そしてドンヨリとした恐怖と共に展開していきます。
やがて無言の巨漢殺人鬼(に扮するは元プロレスラーのタイラー・メイン!)へと成長したマイケルがあの惨劇の夜にたった1人生き残った妹ローリーへの異常な愛情が爆発し、ついに病院を脱走しローリーの住む街に姿を見せる終盤では、随所にオリジナル版に敬意を表しながらも、そこはホラー映画をこよなく愛するロブ・ゾンビ節全開の“ハロウィンの一夜”が幕を開けます・・!
余りクライマックスの展開をお話するとネタバレなってしまうので伏せておきますが、オリジナル版で「これで終わったかな?」と思ったあのシーンの後・・今回のゾンビ版はまだまだローリーの絶叫!悲鳴!が鳴り響き、マイケルvsローリーの狂気と悲しみに満ちた闘いは衝撃&鮮血塗れのエンディングまで延々と続きます。
いや~この手のホラー映画で1時間49分は色んな意味で長いよなぁ~(溜息)。
個人的には今では伝説的存在であるオリジナル版の“絶叫の女王”ジェイミー・リー・カーティスの存在感に比べると、今回のゾンビ版のヒロインであるスカウト・テイラー・コンプトンはちょっと線が細い印象が残りましたが、何だかんだ言いながらもこのロブ・ゾンビ版『ハロウィン』が、オリジナル版に丁寧にアレンジを加えた良質のホラー映画に仕上がっている事に間違いはないでしょう。
あ、あとこれまた個人的に嬉しかったのが、今回このゾンビ版にはブラッド・ドゥーリフを初めホラー映画ファンにはお馴染みの名端役が何人も顔を見せているんですが、劇中精神病院の看護婦役で何とシビル・ダニングが出演していたのには感激でした。
このロブ・ゾンビ版『ハロウィン』は10月より池袋シネマサンシャイン他にて“悲鳴が絶叫になる”中、いよいよロードショー公開との事です!
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北の鉱山に男たちの雄叫びが木霊する!巴比金&権永文主演『鬼門の左脚』

2008-08-28 13:04:11 | 作品レビュー
一昨日は都内某所で開催された韓国映画の上映会でイ・ジャンホ導演作品『一松亭の青松は』(83)を観て来ました。館内はお年寄りが殆どで観客も疎らだったんですが(苦笑)、この映画はあの金佐鎮将軍が満州で少数の韓国独立軍を率いて日本軍に奇跡的な勝利を収めた(と言われている)“青山里戦争”を中心に描いているんですが、その金佐鎮将軍を劇中で演じているのが韓国クンフー映画の名悪役でもあるガム・ケイチューなんです。
いや~金将軍を演じているガムさんは日頃のクンフー映画の奇天烈な悪役振りとは全く別人のような威風堂々とした将軍振りでちょっとビックリしました。
あとこの『一松亭の~』には『成龍拳』(77)でジャッキー・チェンと死闘を展開した“韓国の藤岡弘”こと申一龍も韓国独立軍の将校役(何と眼鏡姿!)で出演しているので、この『一松亭の~』は是非大スクリーン&日本語字幕で上映されるこの機会に観たかったんです。劇中ではちゃんと申一龍のアクション・シーンもあって、終盤で日本刀を持った日本軍将校相手に申一龍が果敢に銃剣で闘う場面では私もかなり興奮してしまいました。
余談ですが、この金佐鎮将軍の息子こそが韓国ヤクザ界伝説の侠客で後には国会議員にまでなった金斗漢であり、金佐鎮将軍の息子の金斗漢が文字通り“将軍の息子”と呼ばれた由来もここから来ています。

さてさて、最近またも激レアな韓国クンフー映画を入手したんですが、それが既に当ブログではお馴染みの朴雨相導演作品で、ボビー・キムこと巴比金、ベスト・クアンこと権永文主演『鬼門の左脚』(77)です。
これが何とワイドスクリーン仕様じゃあ~りませんか!(号泣)。
映画は日本は北海道の鉱山を舞台に、竹次郎(ガム・ケイチュー!お約束)と善之助(権永文)という2組のヤクザの抗争に割って入った流れ者の主人公ガンユク(巴比金)の闘いを、朴導演お得意の男のダンディズム&ド迫力のテコンドー・アクションと共に描いています。
映画の冒頭、寂しげな街道をバッグ片手に闊歩する巴比金演じるガンユクの姿に物悲しいテーマ曲が被さるオープニングだけでもう朴導演信者である私はワクワクしちゃったんですが(苦笑)、このテーマ曲はこの後にガンユクが流れ着いた鉱山で竹次郎の子分相手に得意の連続蹴りを披露して大暴れするシーンでも、そのパワフルなバージョンが効果的に流れていました。
さらに私がこの『鬼門の~』で興味深かったのが、権永文演じる善之助がヤクザながらも何時もバイクを駆って行動するオヤジ暴走族集団(爆笑)のリーダー役を演じている事なんです。いや~権永文とバイク・・もうバリバリの違和感です(再爆笑!)。
肝心のテコンドー・アクションですが、まずは中盤で道場内(どうも同じ朴導演作品『大敵手』(77)のセットを流用しているようです)での竹次郎と善之助の組同士の対抗戦(ちゃんと勝敗を黒板に正の字で書いてます)でガンユクと善之助がそれぞれの組の子分を相手に見事な蹴り技を炸裂させるんですが、ここではいざガンユクvs善之助激突!の直前に卑劣な竹次郎の日本刀の一太刀を背中に受けた善之助が負傷してしまい、待望の巴比金vs権永文はお預けとなります。
この後、竹次郎にその腕前を買われたガンユクが竹次郎の組に入ると、以前は固い絆で結ばれていた鉱山夫たちに掌を返したように冷淡になった(実はその振りだけだった)事から、ガンユクと鉱山夫たちの間に起こる様々な確執も細やかに描かれていきます。
で、ラストでは怨敵の竹次郎を倒した善之助が待つ道場目指してガンユクがバイクで疾走する中、そこに善之助の子分たちが駆るバイク軍団が迫るも、ガンユクは片っ端から善之助の子分たちを打ち倒し、そのままバイクごと道場の壁を突き破り(オイオイ?)道場に突入!と、そこでは真っ白なスーツに身を包んだ善之助がジッとガンユクを待ち構えています。
激しく睨み合う両雄・・やがてガンユクと善之助は静かに身構えます。ここでまたも男騒ぎするこの『鬼門の~』テーマ曲(音楽担当はお馴染みキム・ヒーカプ!)が流れ、ガンユクと善之助の怒涛の蹴り合いの火蓋が切られます!
ひたすら無言で蹴り合うテコンドーの闘士たち!そこには朴雨相だけにしか醸し出せない男の究極のヒロイズム&ダンディズムが画面一杯に弾けまくり、私たち観客を否応にも70年代韓国クンフー映画の絶対境へと誘っていきます!!ガンユクと善之助の一騎打ちは激しさを増し、2人は道場の壁を突き破り、最後は野外の庭先でガンユクの雄叫びを上げながらのジャンピング・スピンキックが善之助に決まり勝負あり!・・と思ったら善之助の子分で1人だけ残っていた権一秀がガンユクに襲いかかるも、哀れにもガンユクに鼻先を摘まれ権一秀が泣き顔になるストップ・モーションで劇終でした。

そう言えば、同じ朴雨相導演、巴比金、権永文、そして黄正利主演作品では『キル・ザ・ニンジャ/死の勝負』(75)があるんですが、この映画の劇中で巴比金がバーで飲んでいると、バーテンがバーに貼ってあるチャールズ・ブロンソンのポスターを指差して巴比金に「あんた、ブロンソンかい?」と問い質すシーンがあるんですが、これを見ても巴比金自身が当時の韓国映画界でも“韓国のブロンソン”として認識されていた事が判って興味深いですね。

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成龍、劉徳華も登場!北京オリンピック、華やかに閉幕!

2008-08-25 12:44:19 | その他
昨日は放置状態だった申相玉導演の韓国ホラー映画『千年狐』(69)を観ていました。本作は現地でDVDも出ているんですが、今回私が観たのは今では入手困難な韓国版のビデオでした。
映画自体は流石に申導演の演出はシッカリとしていて見応えがありましたし、この時期(60年代後半)に千年狐が兵士と闘う際にトランポリン・アクションを多用しているのが興味深かったですね。あと兵士の1人で陳鳳鎮、山賊役で超若いガム・ケイチューや李康助が出ているのに思わずニヤリ!としてしまいました(苦笑)。
私もこの手の古い韓国ホラー映画は、放置状態のまま溜まっている作品が色々とあるので今度ちゃんと観てみようかなと思っています。あ、関係ないけど樂貿影視から白彪&米雪主演の『Ironside四二六』(77)のDVDが出ていたので思わず購入!いや~こういうのがDVDで観られるなんて本当に良い時代になったなー!(感涙)。

さて、昨日の北京オリンピック閉会式、きっと皆さんもご覧になっていたと思いますが、とても華やかでしたねー!
またしても張芸謀導演の見事な演出が冴え渡った素晴らしいフィナーレでしたが、今回の閉会式のクライマックスでは開会式の時はちょっと可愛そうな扱いだった成龍(ボランティアの服装で登場!)や劉徳華や、さらに王力宏、周華健、陳慧琳たち(カレン・モクも!)香港&台湾の影星たちが登場した時は一層盛り上がりましたし、勿論私たちもそれは嬉しかったんですが、同時にもう北京五輪が終わってしまうのがちょっと寂しいような気もしました。
今回、私も北京五輪をジックリと観てみて、開催前には本当に色々な事があって物議を醸した今回の五輪ながら、世界中の人間が一ヶ所に集い、国や人種などの壁を越えて、純粋にスポーツという競技の名の下に交流を深め合う素晴らしさを改めて実感しました。
4年間と言う長い期間をかけて鍛錬し築き上げて来たもの全てをこの五輪の場で思い切り発揮し、そして結果を出した選手たちの晴れやかな表情は、まさにそこにだけ確かに存在する“真実の瞬間”でした。
そう、やっぱりスポーツは素晴らしい!
選手の皆さん、本当にお疲れ様でした!そしてありがとう!また4年後に今度は霧の都、ロンドンで会いましょう!
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東方新魔幻動作巨片『画皮』予告編&アンジェラ・マオ主演『大脚娘子』DVD

2008-08-23 13:06:59 | ニュース
やってくれました!北京五輪男子400mリレー!まさに80年振りのメダル獲得!他国がバトンに失敗した結果だとかは全く関係ない!何故なら運を呼び込むのも実力の内だからね。本当に感動しました!
特に朝原選手の爽やかな笑顔が印象に残りました。で、星野ジャパンですが・・韓国戦はちょっと悔しいと言うか残念でしたね。こうなったら何とかアメリカに勝って銅メダルを取って欲しいのですが・・。

さて、皆さんも既にネット上でご覧になっているかと思いますが、陳嘉上導演、我らがドニー・イェン、陳坤、趙薇、周迅など豪華明星共演の『画皮』の予告編第1弾が公開されていますね。
予告編でのドニー兄貴のコスチューム等は『江山美人』とやや赴きが似てはいますが、以前から言われている様にこの『画皮』でのドニー兄貴はこれまでの主演作よりも演技面にかなりの比重を置いている、との事なので今から楽しみです。気になるアクションですが、予告編ではオリジナル版の故キン・フー導演版の雰囲気を感じさせるような夜を舞台に屋根の上を駆け抜けるアクションなどが展開されるようで、これは今から来月28日の現地公開が待ち切れないですねー!
と言いながら予告編の最後の最後に登場するホラー・ティスト全開のショットには思わず苦笑してしまった龍熱ですが(苦笑)、結局何だかんだ言っても私はドニー兄貴関連の最新映像では、葉偉信導演作品『葉問』の予告編ばかり何度も見まくっていて、個人的にはこの『葉問』こそが今年2008年最大の期待作である事に間違いはないでしょう!こうなったら近々当ブログ「超級龍熱」でも、いよいよ“最後の本格派”ドニー・イェン大特集でもやるかな!!

で、話は変わって海外レーベルのPanMedia(以下PM)からあのアンジェラ・マオこと茅瑛主演『大脚娘子』(77)のDVDが発売になっていますね。この『大脚娘子』はちょっと前まではアンジェラ主演作品の中ではかなりレア物(今ならアンジェラのノン・アクション映画『血戦八大盗』(68)の方がレアかな)と言われていたんですが、当時から唯一現存している『大脚娘子』のプリントは冒頭のオープニング・クレジットが欠落しているプリントだったんです。
私も今回のPM盤がDVD化に際して使用しているプリントがどのような状態なのかちょっと気になるので、今度購入しようと思いながら結局は延ばし延ばし状態なんですね(苦笑)。
実はこのPM盤は何故か海外コレクターの友人たちの間では余り評判が良くないメーカーなので、私も購入には二の足を踏んでいたんですが、既に国内でもこのPM盤は出回っているようですし、近い内に入手してみようかなと思っています。
そう言えば、長い間冒頭部分が欠落している映像のみが出回っていた作品と言えば、ショウ・ブラザース作品の『生死門』(79)がありましたが、これも無事に天映娯楽社から正規版DVDがリリースされてその“幻のオープニング”がやっと観れた時は本当に感激したなぁ(感涙!)。
もっとも天映娯楽社からのショウ・ブラザース作品DVDのリリースは依然停止状態のようなので、まだまだ未リリースで残っている『阿Sir毒后老虎槍』(77)などのリリースの行方が気になるところではありますね。
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余りにも悲しき刑事とその母の運命!キム・ミョンミン主演『ファム・ファタール』

2008-08-22 12:14:37 | 作品レビュー
いやー!北京五輪女子ソフトボール、金メダルおめでとうー!!私も観ていて終盤の満塁のピンチにはハラハラしましたが、強豪のアメリカ相手に堂々の勝利!本当に素晴らしかった!
さあ今度は男子と言うか星野ジャパンの番ですね。是非頑張って欲しいです。
で、昨日は『大兄大父2』と言う韓国アクション映画を観たんですが、これがもうメチャクチャ詰まらない映画(ってこれ下手したらVシネかも)でしたねー!ほら、よく香港&台湾映画でもチープなアクション+エロチックなシーンを合体させたC級アクション映画ってあるでしょう?
もう殆どその「三級動作片」って奴の韓国映画版がこの『大兄大父2』なわけですが、そうは言いながらもラスト辺りで主人公が屋上にいる悪ボス目指してビルの各階段に待ち受ける敵を片っ端から倒しながら階段を上がっていくアクションはまあまあ良かったかな。でも韓国映画ってこんなC級アクション物でも劇中のアクションは徹底したテコンドー・アクションなんだねー(爆笑!)。
さ~てこうなったらお口直しに、あの巨龍&黄正利主演『全国区』(91)系列の第3弾『全国区3』でも観ますか!

さてさて、昨日はエスピーオーさん配給&宣伝、イ・サンギ導演、キム・ミョンミン、ソン・イェジン主演の韓国映画『ファム・ファタール(原題:無防備都市)』(08)を試写で観て来ました。
日本は大阪などを舞台に凶悪な企業型韓国人スリ集団が犯行を重ね、日本からの協力要請もあり、韓国FBIの敏腕刑事チョ・デヨン(キム・ミョンミン)が事件の担当を要請されますが、デヨンはこの事件の担当を頑なに拒みます。
何故ならデヨンの実の母親こそがスリ世界の間では伝説の女スリ師として知られたマノク(キム・へスク)だったからです。自分が刑事でありながら母親が女スリ師、この事実がそれまでのデヨンとデヨンの姉の人生を限りなく苦しめ続けて来たのでした。
結局任務を担当せざる得なくなったデヨンですが、デヨンは捜査線上に浮かんだ日本帰りの女刺青師ぺク・チャンミ(ソン・イェジン!)こそがスリ集団のボスであると睨み、チャンミに接近します。
ところがその自らの妖艶な美貌を武器に目的のためには手段を選ばない魔性の女チャンミが、やっと刑期を終え出所したばかりのマノクとデヨンが実の親子である事を知った時、映画は余りにも悲しい結末へと疾走を始めます・・!
こうして映画は決して2度とスリはしないと誓ったマノクが、チャンミの執拗な脅しと哀願に屈してしまい雑踏の中でスリ行為を行う現場をデヨンが目撃し、デヨンは土砂降りの雨の中逃げ惑う実の母親を追いかけます。
とうとうマノクを追い詰めたデヨンですが、ここでは傍らに潜んでいたチャンミの用心棒にデヨンが短刀で腹を刺され倒れる中、マノクもまた自分の息子を庇い用心棒の短刀で自らを刺し、さらに持病の糖尿病の発作を起こし「ご、ごめんなさい!・・ごめんなさい!」と泣きながらその場で息絶えていく母マノクの姿を、息子のデヨンが倒れたまま呆然と見つめるショッキングなシーンとなります。
そしてクライマックス、デヨンは亡き母から贈られた腕時計を手に、1人クルーザーで日本へと脱出しようとするチャンミを波止場に追い詰め、苦しげな表情で銃口を向けます・・!
「ぺク・チャンミ!お前を逮捕する!動けば・・撃つ!」「貴方に私を逮捕できるかしら?どうぜ捕まれば一生刑務所の中、私はこのクルーザーで日本に行くのよ!」果たしてデヨンは一度は自分が愛した女性チャンミに引き金を引くことが出来るのでしょうか?

映画はこの2人の悲しき決着シーンの後、遥か以前にデヨンが自分の目の前で母親のマノクがデヨンの上司(ソン・ビョンホ。名演!)にスリの現行犯で逮捕される場面の回想シーンが映し出され、そこで私たち観客にはその直後にチャンミを襲ったある衝撃的な悲劇が明かされる中、劇終となります。
このシーンは皆さんには是非劇場でご覧になって頂きたいと思いますので、ここでは敢えて触れずにおきたいと思います。

とにかく主人公の刑事デヨンに扮したキム・ミョンミンの悲しげな瞳や寡黙でナイーブな佇まいが最高にカッコ良かったし、魔性の女チャンミに扮したソン・イェジンも超セクシーかつ女性のか弱さと冷酷さの二面性を見事に演じ切っています。もう映画の終盤の悲劇また悲劇の異様な盛り上がりは涙を通り越してまさに息を呑むほどで、私も観終わった後は良い意味でグッタリとなりました(苦笑)。
この『ファム・ファタール』は、9月27日からシネマート六本木で開催される「韓流シネマ・フェスティバル2008/ラブ&ヒューマン」で他の16本の注目作品と共に上映されますので、是非ご覧になってみて下さい。

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一丁のリボルバーが全てを狂わせる・・!ポール・ウォーカー主演『ワイルド・バレット』

2008-08-20 21:41:30 | 作品レビュー
いやはやブログの管理人なのに、自分でもコメントを返す際にコメント欄の下でまず半角で4桁の数字を入力するシステムになっているのを時々忘れてしまいます(苦笑)。

さて、今日はアートポートさん配給、ウェイン・クラマー監督、ポール・ウォーカー主演『ワイルド・バレット』の試写に行って来ました。ポール・ウォーカーと言えば、確か以前に彼の主演作品『ボビーZ』も試写で観た記憶があるのですが、この『ワイルド~』も映画の冒頭からマフィア同士の壮絶な銃撃戦で幕を開けます。
ウォーカー演じる主人公ジョーイはあるマフィア組織の中で銃撃戦に使った銃を密かに始末する役目を請け負う“始末屋”なのですが、ある時ジョーイはマフィアのドラ息子が警官を射殺(!)した銃を後で始末しようと自宅に隠しますが、その銃を隣に住むロシア人の子供(演じるは天才子役キャメロン・ブライト!)に盗まれ、何とその子は盗んだ銃で普段から母親を虐待している義父を撃ってしまいます。
そのまま子供は銃を持ったまま逃走!ここからジョーイの銃を持った子供を追う決死の追跡が始まります。
何故なら警官を射殺するのに使ったその銃が警察に見つかればマフィアの組織もドラ息子もアウト、そして勿論ジョーイ自身もマフィアにそれこそ問答無用で“始末”されるからです。
で、この『ワイルド~』はここからが只の追跡映画に終わらず、ジョーイの愛妻、汚職刑事、マフィアのボスとロシア人マフィア一味、サイコキラー夫婦(このシーンは異様な迫力!)、さらにはポン引きのヤクザ、と様々な登場人物が入り乱れながら、次々と超スリリングな展開が待っています。
最後は当然ジョーイが子供を守ろうとスケートリンクを舞台に怒涛の銃撃戦になるんですが・・ところがここから更に観ている側が「ええっ!?」と言う出来事が起きて・・いやもう122分がアッと言う間でした。面白かったです!
この『ワイルド・バレット』は10月11日(土)から、新宿トーア他全国順次公開との事ですので是非!

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『カンフーくん』&谷垣健治幻の出演作品『How Dare You to be No.1!』

2008-08-20 00:09:22 | 作品レビュー
ここの所はまたまた韓国動作片&武打片ばかり観ていて、リー・ヒョクスー導演、李大根主演『第三埠頭のハリネズミ』(77)や、イ・ドゥヨン導演、ヒョン・キルスー主演『死生決断』(75)とかを観ていました。
『第三埠頭の~』はブッ飛び捜査官の李大根と申星一が最後は浜辺で延々と殴りあい、『死生決断』はキルスーがバエ・スーチュン(またバエさんお得意の弾けまくった日本人役)たち悪漢軍団と道場を舞台に激闘を展開する佳作でした。あ、あと昨日DVDで観た『破壊獣』っていうモンスター映画にあのマイケル・ワースとカレン・キムが出ていてビックリでした。これは凶悪なイエティーにワースが得意のマーシャルアーツで立ち向かうのか!?と思ったらワースはひたすら逃げ回っているだけでしたねえ・・トホホ!(涙)。

さて、山崎真実主演『ペルソナ』に続いて、同じく谷垣健治動作導演作品でチャン・チュワン主演『カンフーくん』も観てみました。主演のチュワン君は予想していた以上に良く動きますねー!
特にあの李連傑ばりの“黄飛鴻ポーズ”を毎回決めて見せての見事なクンフー・アクションは中々見応えありました。この手の実際に武術をマスターした子役が主人公として活躍する“功夫小子系列”はこれまで日本では余り馴染みがないかと思いますが、私はチュワン君が終始眉間に皺を寄せた“クソ真面目”な表情で思い切りクンフー・アクションを披露しているのを最後まで楽しみながら観れました。
ただラストのチュワン君の“三十六房突破のための最後の敵”が西村雅彦だと言うのが何とも勿体無いと言うか、もうちょっと動ける役者さんを使っていたらチュワン君の武術テクニックを更に駆使しての見せ場が作れたと思うし、ちょっとそこが残念でした。
そうは言いながらも、健治動作導演はチュワン君のクンフー・テクニックを十分に引き出していた(何と酔拳ならぬ子供ビール拳とは!)と思うし、私は今後このチャン・チュワン君と、先日6月に無事にニューヨークでの学業を終えた釈小龍の共演映画なんて是非観てみたいなー!
あと個人的には黒のレザースーツ姿の佐田真由美と黄色いヌンチャク(!)を持った矢口真里の対決シーンがもっと観たかった!(苦笑)。

そう言えば、かなり昔に外人のコレクターの友人が黒人スーパーキッカーのロン・ホール(君は『トリプル・インパクト』を観たか!?)のプロモーション・リールを送ってくれたんですが、肝心のロン・ホールのプロモ映像の後にあのマイク・ミラー主演のドラマ『How Dare You to be No.1!』という短編が入っていたんです。
確か収録時間が10分も無い殆ど自主制作っぽい短編でした。
何気にそれを観ているとマイク・ミラーが野外の城壁っぽい場所で乱闘になるシーンがあって、そこでまだスタントマン時代の健治導演が絡み役で出ていて、アッと言う間にマイク・ミラーに首を折られてしまう役で出演していました。
ドラマの最後にはちゃんと出演者のクレジットが出て、KENJI TANAGAKI(TANIGAKIじゃなくて)とクレジットされていました。
私がこの短編を観たのがもう10年ぐらい前なので流石に記憶もちょっと曖昧なのですが、これってもしかしたら今では貴重な健治導演の出演作品という事になるのかも知れませんね。
考えて見ると、毎回健治導演に会った時にこの短編の話をしようと思っているんですが、つい「いやドニーがさあ!・・」とか殆どドニー・イェンとかの話になってしまって、結局この短編の話をするのを何時も忘れてしまうんですよ(苦笑)。今度また健治導演に会う機会があったら、是非この短編の話もしたいと思っています。
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“PERSONA計画”・・それは神の領域!山崎真実主演、谷垣健治動作導演『ペルソナ』

2008-08-18 13:01:20 | 作品レビュー
ここ数日間は某誌のレビュー原稿を仕上げたりしながら、ひたすら北京五輪を観る毎日なんですが、まだ五輪も日程の半分が終わっただけなので、まだまだ暫くはこの“五輪熱”が続きそうです。

さて、昨日は樫原辰郎導演、谷垣健治動作導演、そして山崎真実主演『ペルソナ』を観てみました。
個人的にも大好きなジャンルである女武打星系列と言うこともあって、かなり期待していたんですが、劇中の真実ちゃんのアクション・シーンに関しては中々の完成度だったと思いますね。
物語は恐るべき実験によって真実ちゃん演じる主人公の女性日和の中に“2つの人格”が同居してしまうのと同時に、日和には脅威的な格闘能力が備わり、その格闘能力を駆使して日和は自分に迫る追っ手と闘う!という展開です。映画の中で真実ちゃんのアクション・シーンは2度あるのですが、最初が駐車場らしき場所での2人の刺客相手に真実ちゃんが見事な鯱蹴り(全盛期のシンシア・ラスロックやミシェル・ヨーが見せたあのキック技です!)や踵落としを決めるシーン。ここはこの映画のアクションのレベルがどの程度なのかを初めて観客に知らしめる重要なシーンなのですが、短いながらもインパクトがあり、かつメリハリの利いた武打シーンに仕上がっています。(戦闘シーンのBGMも重低音のビートがナイス!)
そして真実ちゃんが2度目にアクションを披露するのが、映画のクライマックスで自分に迫る無数の刺客集団に対して真実ちゃんが2本の特殊警棒を手に片っ端から蹴散らしていく乱闘シーンです。
ここでも真実ちゃんの凛々しくも鋭い眼光+「ハァッ!イヤァッ!」という気合十分の咆哮と共にスピード感溢れるスティック・ファイトが展開されていきます。この乱闘シーンでは真実ちゃんが序盤で見せた鯱蹴りを、今度は連続(!)で相手に決めるシーンがあるんですが、ここは私もDVDで何度も繰り返して観てしまうほどこの『ペルソナ』のベスト・ショットと言っていいでしょう。
さらに私が素晴らしいと思ったのが、群がる刺客相手にたった1人で激しい闘いを見せる真実ちゃんが自分の警棒が宙に待った瞬間、一瞬闘いを止めて警棒が落下する真下に戻り真実ちゃんが片手で警棒をハッシ!と受け止めると、そこで「フワァ・・!」と一陣の風が真実ちゃんの髪を靡かせるカット、ここは闘いの動と静をワン・カットで、それも美しい映像表現で構成してみせた実に秀逸なシーンですね。
欲を言えばこの乱闘シーンの直後で1人だけ生き残った刺客が真実ちゃんの顔面に豪快なサイドキック(この蹴りはお見事!このスタントマンの男性は誰なのかな?)を叩き込んだ後にもっと真実ちゃんとこの生き残った刺客の一騎打ちが観たかった事、あと映画の中でもう1シーンは真実ちゃんのファイト・シーンが観たかった!など色々とあるんですが、私はこの『ペルソナ』とても楽しく観れましたし、かなり気に入りました。
これは同じく健治動作導演作品である『カンフーくん』も是非今度観てみようと思っています!

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いよいよ明日から公開!『ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』CS特番

2008-08-15 21:21:42 | ニュース
楽しみにしていたコン・スチャン監督作品『GP506』観ましたが、まあまあ面白かったですね。
非武装地帯最前方境界警戒所内で1人を残し他の隊員20人全員が死亡する、という異常事態が発生。すぐさま捜索隊が警戒所に送り込まれるんですが、そこでは彼らの想像を絶する恐るべき事実が待っていた!・・というホラー・サスペンス映画なんですが、前半のホラー・タッチの展開は良かったけど、後半では韓国映画お決まりの情感爆発の果ての殺し合いになるのがちょっと観ていて疲れました(苦笑)。
さあ次は『追撃者』か『宿命』でも観るかな!っと。

さてさて、昨日はスカパーの「ムービープラス」CHで放送の「想像以上が待っている!『ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』の秘密」を観ていました。約30分の特番でしたが、思った以上に充実した内容で、ブレンダン・フレイザー、ミシェル・ヨー、ジェット・リー(拍手!)、イザベラ・リョン、そして監督のロブ・コーエンなどのインタビュー、撮影風景、シリーズ前2作の紹介、さらには先日のジャパン・プレミアの模様(誕生日だったミシェルへのバースデー・ケーキ贈呈のシーンも登場!)までジックリと紹介するなどかなり気合の入った構成でした。
個人的に面白かったのが、ミシェルがインタビューの中で「今回私とジェットが“敵同士”で闘うのは初めてだったんだけど、台本を見ると“アジア映画待望の対決!”なんて書いてあるの!」と語っている部分で、特番でもチラッと登場した劇中での“悪の皇帝”ジェット・リーと“女魔術師”ミシェル・ヨーの真っ向対決シーンは中々激しいファイトだったので、これは明日からの劇場公開が本当に楽しみですねー!
と言いながらこの映画でもう一つ個人的に楽しみだった呉京の出演シーンが噂ではかなり短いと言うか少ないそうなので(涙)、そこだけがちょっと残念ですが、どちらにしても明日から公開の『ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』超楽しみです!!
コメント (4)
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