超級龍熱

香港功夫映画と共に

サモ・ハンmeetsトニー・ジャー!葉偉信監督最新作、古天樂主演「殺破狼:貪狼」を観る!!

2017-10-31 01:28:50 | 作品レビュー

さてさて、香港アクション映画の最新話題作を次々とレビューしていく「超級龍熱」が今回届けするのはドニー兄貴主演「SPL/狼よ静かに死ね」(05)、呉京&トニー・ジャー主演「ドラゴンvsマッハ!」(15)に続く大ヒットシリーズ「殺破狼」系列第3弾にして葉偉信監督作品「殺破狼:貪狼」(17)です。(何時もながら我が友人に感謝です(^_^))。
今回の「~貪狼」で注目はアクション監督をサモ・ハンが担当し、端役ながら“超音速ムエタイ殺法”トニー・ジャーが出演している事でしょう。今回、若干のネタバレがありますので、以下のストーリー展開、どうかご留意下さい。

香港の警察官である李忠志(古天樂)は妻を交通事故で失いながら男手一つで育てて来た愛娘の李穎芝(陳漢娜)がいきなり恋人の男性を連れて来て「この人と結婚するわ。あと私、妊娠してるの」と告げられます。動揺した李は娘の恋人を部下に逮捕させ、2人を強引に別れさせます。父親の行為に激しく傷ついた穎芝は中絶手術をすると、単身タイに傷心旅行に行き、そのまま行方を絶ってしまいます。
穎芝の失踪を知った李忠志は、その時初めて自分の傲慢な仕打ちが娘を激しく傷つけていた事を悟り、香港からタイを訪れるとタイ警察の華僑崔杰(吳樾)と相棒のタイ人タク(トニー・ジャー!)と共に穎芝の行方を必死に探し始めるのでした。
ちょうどその頃、タイの市長が心臓麻痺で倒れ、その多大な影響を恐れた側近の鄭漢守(林家棟)は市長の病状を隠蔽すると、ある恐るべき計画をスタートさせます。
そう、こうして“貪狼”と呼ばれる国タイで、李忠志の絶望と言う名の終着駅に向かって孤独な愛娘探しが幕を開けていくのでした・・・!
ここからは李忠志が何の手がかりさえもない状態から一歩、また一歩とその愛娘失踪の背後に潜む恐るべき陰謀の闇に向かって突き進む姿が描かれていくのですが、映画の中盤40分過ぎにいよいよ我らがトニー・ジャーが大活躍する時がやって来ます!
崔杰は古びたマンションに穎芝の手がかりとなる映像をビデオで撮影したという男性の許を訪れますが、そこには既に恐るべき闇の臓器売買人にして凄腕の格闘家沙查(クリス・コリンズ!全編に渡って台詞は英語で快演!)が手下と共に男性を襲撃していた!!
狭いマンションの室内で突如火蓋を切る崔杰vs沙查一味の大乱戦!!ここで本格派武術高手である吳樾の武術が唸りを上げます!
その時、タクもマンションの1階に到着し、上階から聞こえる異様な物音を聞いたタクは崔杰たちがいる部屋に向かって階段を駆け上がる!(行けー!トニー!早く吳樾を助けにいくんだ!)
激しい乱戦の中、ビデオのチップを懐に沙查だけが部屋を飛び出ますが、そこで駆けつけたタクと鉢合わせ!タクは沙查の背後で激しく闘う相棒の崔杰を確認すると、すぐに銃を抜きますが、それを見た沙查がタクの銃を掴み荒々しくマガジンを抜き取ると、追いすがるタクを振り切りそのまま逃走!思わず崔杰を振り返るタク!

崔杰「俺はいい!奴だ!奴を追うんだ!」
タク「・・・分かった!」

ここからマンションの非常階段から屋上を舞台に延々と繰り広げられるトニー・ジャーvsクリス・コリンズの大追撃戦こそがこの「殺破狼:貪狼」最大の見せ場なのだ!!
トニー扮するタクはあらゆる卑劣な手段を使って逃げ切ろうとする沙查に対して階段の段差を使ったハイアングルキック!飛びつき腕十字!電撃のバックエルボー!そして大回転キック!と華麗かつ豪快な打撃技を次々と叩き込んでいきます!
そのタクが沙查目掛けて容赦なく繰り出す突きや蹴りは、これまでのトニー・ジャーの海外進出作品でのインパクトの衝撃が今一つ弱かった打撃とは異なり、その一撃一撃が重く強烈な破壊力を持つ荒技として観る側に迫ります。
さらに闘いの一瞬の間にタクが敵に対して「バッ!」と力強く身構える戦闘ポーズ一つを取っても、如何にサモ・ハンがこのトニー・ジャーvsクリス・コリンズのアクション指導に気合い十分で取り組んだかが観客にもハッキリと伝わって来るのです。
まさにサモ・ハン全力のアクション指導です。私はこのトニー・ジャーvsクリス・コリンズの激闘を観た以上、サモ・ハンが本作「殺破狼:貪狼」で今度の「最佳動作設計奨」を是非受賞して欲しいと熱望します。しかし!ところが!何とぉ!この後、極悪非道な沙查の卑劣極まりない罠にかかり、タクは哀れ命を落としてしまうのでした(呆然)。
正直、映画の中盤でトニー・ジャーが画面から消えたこの時点で、個人的には本作に対して一気にボルテージが下がりそうになったのですが・・・いやいやここからが葉偉信監督の真骨頂である観る側の魂を揺さぶるような浪漫暴力悲劇が「これでもか!これでもか!」と繰り広げられていくんですねー!!(その過程で盧惠光演じる悪徳警官の斌がボコボコにされたりします(^_^;))。
そう、タクを失った李忠志と崔杰、いや香港の警官とタイ華僑の警官2人は異様かつ燃えるような執念で愛する穎芝を彼らから奪った深く、余りにも深い闇へと出口の見えない闘いに飛び込んでいく!!
そしてその闘いの最後に彼らを待っている結末とは果たして!?
クライマックスの李忠志&崔杰vs沙查一派の命懸けの闘いは激しく、そして凄惨です。
私は武打星ではない古天樂がここまでの地獄アクションを体当たりでやり切ったモチベーションは高く評価したい気持ちです。
この1人の父親の余りにも悲しく壮絶な闘いを描いた「殺破狼:貪狼」、人間の極限の悲劇を徹底して描き切ったという点では、「SPL/狼よ静かに死ね」、「ドラゴン×マッハ!」と共に“殺破狼的世界”の1本として十分に及第点を進呈出来る作品だと言いたいですね。

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慟哭せよ!“生きる伝説”倉田保昭決死戦!趙文卓主演「蕩寇風雲」を観る!!

2017-10-23 12:07:49 | 作品レビュー

さてやっとこの“和製ドラゴン”最新作を皆さんにお届け出来ます!
陳嘉上監督、趙文卓&倉田保昭主演「蕩寇風雲」(17)です。いや~大傑作中の大傑作でした!!(何時もながらサポートしてくれる友人に深く感謝です)
映画は明の時代に中国を襲った倭寇(日本人と中国人の混成で組織された海賊)討伐に活躍した戚繼光(趙文卓!)の激しい闘いの姿を描いています。
まずこの「蕩寇風雲」の大きな売りと言うか特徴ですが、日本から倉田保昭、小出恵介、木幡竜、三元雅芸など多くの日本人俳優が出演しており、彼ら日本人の出演シーンの殆どが日本語(それも本人たちの肉声)での会話となっている事でしょう。
そのため、後述する倉田さんと小出恵介の魂を揺さぶるような激しい師弟のやり取りが私たち日本人をはじめ世界中の観客の心にダイレクトに響く事となりました。

嘉靖三十六年、明の名将である俞大猷(サモハン!)は陣地や兵法を巧みに駆使した倭寇の凄まじい攻撃に苦戦の連続を強いられていました。
そんな時、新進気鋭の軍人としてその名を知られた戚繼光(趙文卓)が合流します。最初は若い戚繼光の実力を軽んじていた俞将軍ですが、勇敢で優れた戦略家である戚繼光の闘い振りを認め、共に倭寇討伐に挑む事を誓い合います。
ここで戚繼光と俞将軍がお互いに酒を酌み交わした後、2人が棒術で腕比べをするシーンが登場し、趙文卓vsサモハンという夢の対決が実現します。
実は明の軍隊を散々手こずらせている倭寇は、裏では日本の松浦藩の熊澤将軍(倉田保昭。貫禄!ちなみに実際は副将)が指揮を取っており、熊澤は君主から預かった若こと山川(小出恵介)を手許に置きながら、木幡(木幡竜)率いる浪人軍団を巧みに動かしジワジワと明の制圧を進めていきます。しかし連戦連勝に沸く倭寇軍の中で、熊澤だけは用心深く1人こう呟くのでした。

熊澤「聞くところでは明には歳は三十過ぎながら、文武両道に長けた戚繼光という男がいるそうだ。この戚繼光を討てば明は我が松浦藩の手に落ちたも同然だ!」

熊澤将軍が警戒するその戚繼光ですが、闘いにおけるその圧倒的な剣捌きに加えて様々な新戦法を考案する軍師としても秀でており、倭寇が使う鋭い日本刀の対策として狼筅という枝葉の付いた竹製の槍を開発した戚繼光は、それを装備した兵による“鴛鴦陣”と呼ばれる10人の分隊による集団戦法を駆使して倭寇の浪人集団を撃退していきます。
監督の陳嘉上はこれら戚繼光率いる明の軍vs倭寇の幾度もの闘いで、2つの軍がそれぞれ開発した武器や戦法を用いて一進一退の攻防を展開する様をスリリングに、かつテンポ良く見せている点は高く評価出来ると思います。
また戚繼光は実生活では大変な恐妻家として知られていた人物でしたが、本作でも戚繼光が美しくも気高い威夫人(萬茜)に全く頭が上がらない様子がコミカルに描かれていて、それらは「イップマン」シリーズのドニー葉問と永成夫人を何処か彷彿させます(^。^)。
こうして戚繼光vs熊澤将軍の闘いは徐々に激しさを増し、やがてはお互いの総大将が直接陣頭指揮を取る軍同士の最終決戦へ突入していくのでした。
威繼光は熊澤将軍が威繼光たちの家族がいる城に兵を放った事を知りますが、敢えてそのまま右腕の陳大成(洪天明)らと共に熊澤将軍との直接対決に挑んでいきます。
そして熊澤将軍が放った西郷(倉田プロの中村浩二!)たち松浦軍を城で迎え撃つは鎧兜に身を包んだ威夫人や女性兵士軍(の中に“大島由加里二世”蔣璐霞!)、そして城の護衛官の楊超(陳眞武打星の吳樾!)で、両軍は城を舞台に凄惨な闘いを繰り広げます。
一方、威繼光軍vs熊澤軍も壮絶な闘いとなり、熊澤軍の猛攻に威繼光たちが劣勢となった時、熊澤将軍から後方に控えろとの命を受けながら、それに叛き最前線に戻って来た山川の軽率な行動で出来た隙を突いた威繼光が猛反撃!
この攻撃で熊澤軍は大きな痛手を負い、それを知った熊澤将軍は海岸に待機させている船で日本に退却せんと敗走を開始します。
それを見た威繼光率いる明軍も一気に勝負を着けようと猛然と熊澤軍を追走!!
熊澤将軍はあと少しで船に辿り着くかという時、すぐ後ろに威繼光たちが迫っているのを確認すると、傍らの山川を抱き寄せ、絞り出すような声でこう叫ぶのでした!!

熊澤「もはやこれまで。若、これが最後の命令です!貴方は船に乗りなさい!」
山川「そんな・・・師匠、一緒に日本に帰りましょう!私が・・・私が間違っておりました。師匠が何故あれほど威繼光を警戒したのかやっと判りました。2度と高慢な真似はしません!だから・・・だから一緒に日本に帰りましょう!」
熊澤「判ったのならそれでいい。我が二万の大軍が今や数百。ワシはこのまま日本には帰れん!若、日本に帰ったら殿にどうかお伝え下さい。松浦藩は2度とこのような野心を起こすなと!」
山川「嫌だ!師匠!一緒に帰るんだ!師匠ォ!(配下の兵に船に連れ去られていく・・・)」
熊澤「若!どうか・・・ご無事で!」

この熊澤将軍と山川の最後の別れの場面は全て日本語でのやり取りで、倉田保昭と小出恵介、2人の俳優が鬼気迫る佇まいで見せる迫真の名場面です。
自らが明の総大将である威繼光との一騎打ちに挑む事を決意した熊澤将軍は、悠然と船に乗り込むと1人刀を手に威繼光が眼前に現れるのを待ちます。
また威繼光も日本の誇り高き将軍の決意を知ると、熊澤を取り囲む自分の配下の者を下がらせ、熊澤将軍との1対1の決闘を受けて立ちます。
この威繼光vs熊澤将軍の決闘は、互いが剣を手に鬼の表情で斬り合い、剣先が折れれば、そのまま素手で打ち合い蹴り合い、さらには階段を駆け上がり船の甲板で再び剣を手にしてひたすら斬り合う・・・まさに死闘となります。それも2人の武打星が己の“血と肉”を一心不乱に叩き着け合う、魂を込めた死闘です。
倉田保昭、御年71歳。その髪は美しい白髪となっても、まだその鍛え抜いた心と身体は燃え尽きてはいない!まだ俺はやれる!闘える!まだ俺は倒れはしない!!
私は自分よりも遥かに若い趙文卓相手に血反吐を吐き、息が上がりそうになりながらも、闘いを止めず懸命に前に出る倉田さんの姿にただボロボロと泣きながら画面に見入っていました。
この威繼光vs熊澤将軍の一騎打ちは泣けるクンフー映画などというフレーズすら陳腐に聞こえる、崇高で感動的な、まさに日本が誇る“生きる伝説”倉田保昭一世一代の闘いです。
香港クンフー映画を愛する者、アクション映画の現場に携わる者、全ての人たちに心して観て頂きたいと思います。
倉田さん、素晴らしかった。ありがとうございました。

動作指導は秦鵬飛、倭寇服装指導は和田恵美、音楽は梅林茂が担当しています。
この「蕩寇風雲」、私こと龍熱にとって倉田さんのお弟子さんである下村勇二監督作品「RE:BORN」(17)と共に今年2017年のベストムービーです。
毎回の決まり文句で恐縮ですが、是非とも日本での劇場公開を心から熱望します。

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いま「ドラゴンへの道」の全てが明かされる!「レジェンズ・オブ・ドラゴン」全6冊、日本語版発売!!

2017-10-21 15:02:07 | ニュース

さて李小龍の新刊書籍のご紹介です。これまでリーさんこと李小龍の書籍はそれこそ国内外で無数に発売されて来ました。
中でも海外で発売されたリーさん関連の書籍には「これは是非日本語で読んでみたい!」と思わせる素晴らしい内容の書籍が何冊もありました。
それらの中にはジョン・リトルが書いた「死亡遊戯」の周辺に肉薄した「A Warriors Journey」本がありますし、それと共にスティーブ・ケレッジが書いた「Bruce Lee:Legends of the Dragon」も以前から日本のリーさん信者が日本語版を熱望していた書籍でした。
この「Bruce Lee:Legends of the Dragon」はリーさんが監督、脚本、武術指導、そして主演などを兼ねた意欲作にして香港映画初のローマ・ロケを敢行した「ドラゴンへの道」(72)の企画から完成までの全てを追いかけた、究極の「ドラ道」本として知られる本でした。
そして今回この「Bruce Lee:Legends of the Dragon」が全6冊に及ぶ日本語翻訳本「レジェンズ・オブ・ドラゴン」として発売される事となりました!!
この「レジェンズ・オブ・ドラゴン」、私も海外の友人から送って貰い、実際に現物を手に取った時は思わず驚嘆の声を挙げてしまいました。そこには「ドラ道」のオーディションから、ローマ・ロケ、香港でのコロシアムのセット撮影、さらには「麒麟掌」撮影会などなど、文字通り「ドラ道」の秘話が素晴らしい未公開写真と共に日本語に翻訳されていたんですねー!!いや~実に素晴らしい!!
この「レジェンズ~」の日本語翻訳を担当したのが当ブログとも相互リンクして頂いているサイト「李小龍的伝説」管理人及び「今井商店」の今井毅店長なんですね。
今井店長といえば、私こと龍熱が以前に「Bruce Lee Forever」ポスターマガジン表紙の日本語翻訳&監修を何号か担当した際にその本文の翻訳を担当した方で、そのリーさんに対する確かな知識と翻訳力は大いに信頼出来る方です。
私はここ何年かに国内で発売されたリーさん関連の翻訳本は殆ど購入しませんでしたが、この「レジェンズ・オブ・ドラゴン」はその内容の充実振りに加えて、これだけのコンテンツを日本語字幕で読める“幸福感”と共に一生のお宝リーさん本として手許に大切に置いておきたいと思います(^_^)。是非、皆さんにもご購入をお薦めしたいです。
この「レジェンズ・オブ・ドラゴン」は下記の「今井商店」で購入出来ますので、リーさんこと李小龍入魂の初監督作品、そして俺たちが愛する「ドラゴンへの道」の全てを知りたい方はGO!!です。

http://bruceleedvd.com/


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空にそびえる鉄の城♪伝説の魔神ここに復活!「マジンガーZ/INFINITY」来年1月公開!

2017-10-18 10:57:40 | 作品レビュー

さてさて、日付け的にはもう昨日ですが、観て来ました!「マジンガーZ/INFINITY」(17)です!!
あの永井豪による不滅のロボット・アニメが半世紀の時を越えて復活!との事で以前から話題沸騰中の作品ですが、私も子供の頃にマジンガーの超合金やジャンボマシンダー(これは今もちゃんと持っています)を買った世代なので、今日の試写を前から楽しみにしていました(^_^)。
今回の「~INFINITY」は、あの兜甲児とマジンガーZがDr.ヘル率いる機械獣軍団との激しい闘いに勝利してから10年後の物語として描かれています。
細かいストーリー展開は伏せておいた方が良いと思うのでここでは詳しく触れませんが、冒頭でいきなり剣鉄也(関俊彦)が操縦するグレートマジンガーが登場し、それも復活したあしゅら男爵(男性パート担当の声優はまだ情報解禁前との事でシークレット♪)と激闘を繰り広げた果てに消息不明となる衝撃のオープニングで幕を開けます。ここでお約束の水木一郎熱唱による「空にそびえる♪鉄の城♪」で始まる「マジンガーZ」のテーマ曲が流れ、かなり盛り上がります(^_^)。
ストーリーは闘いから身を退き科学者となっている兜甲児(森久保祥太郎)と光子力研究所の新所長の弓さやか(茅野愛衣)の恋模様を絡めながら、富士山の地中から発掘された巨大遺跡インフィニティが持つ恐るべきパワーを巡って甲児たちとこれまたしつこく復活したDr.ヘル(石塚運昇)軍団の闘いを中心に展開されていきます。
皆さんは本作で兜甲児の声が石丸博也ではない事に不満を感じるかも知れませんが、実は石丸さんは今回は敢えて兜甲児ではなく、統合軍司令官の声の担当として本作に華を添えています。
個人的には今回新たに兜甲児の声を担当する森久保さんの兜甲児は違和感なく聴けましたし、それは映画の中盤になって満を持して出動したマジンガーZが勇壮なテーマ曲BGMを背に機械獣軍団との闘いに挑む際、兜甲児が「ロケットパ~ンチ!」「光子力ビィ~ム!」「ブレストファイヤァァァ!」との掛け声と共に次々とマジンガーの必殺武器を連発するシーンでの森久保さんの勇ましく甲高い声が実にフィットしていた事からも明らかでしょう(^_^)。
このマジンガーvs機械獣軍団の大バトルは、古い世代のマジンガーZのファンには堪えられない激闘名場面に仕上がっていて、私が感心したのがマジンガーが代名詞であるロケットパンチを放った後、ロケットパンチがマジンガーの腕に再び戻る時はその指先から出る小型の逆ジェット噴射によってマジンガーの腕に戻る、という何ともマニアックな設定が導入されている点で、ここは皆さんも是非劇場でチェック(一瞬のカットですが)してみて下さい。
ただ作品全体としては後半の兜甲児&マジンガーを間に繰り広げられるインフィニティの人間型コントロールユニットであるリサ(上坂すみれ)とDr.ヘルの攻防がちょっと観ている側からは空回り気味で、さらにはこのクライマックスでのダブルマジンガーであるグレートマジンガーの扱いも中途半端に終わっているのが惜しいと感じました。
まあそうは言ってもこの「マジンガーZ/INFINITY」、伝説のダブルマジンガー揃い踏みに加えて、あしゅら男爵、ブロッケン伯爵、ボスボロットなどの懐かしいキャラ、さらには衝撃(?)の新キャラのマジンガールズ♥も登場するなど「マジンガーZ」を愛する古いファンも新しいファンも両方が楽しめる作品になっている事は確かなので、来年1月13日公開の際には是非とも劇場にパイルダーオ~ン!して頂きたいと思います!!

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「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リーと真っ向勝負した日本人、橋本力さん死去。

2017-10-14 09:39:56 | ニュース

私たちリーさんこと李小龍信者にとって悲しい訃報です。「ドラゴン怒りの鉄拳」(72)でリーさん演じる陳眞と日本刀を手に真っ向勝負を見せた橋本力さんが今週11日に亡くなりました。83歳でした。
私こと龍熱のデビュー本でもある「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」に掲載された橋本さんのインタビュー「ブルース・リーに蹴られた男、橋本力」が橋本さんが「ドラゴン怒りの鉄拳」に虹口道場館主鈴木寛として出演した際の思い出を日本の書籍で初めて詳細に語った記事でした。
私もこの橋本さんのインタビューを読んだ時の衝撃と興奮はかなりの物で、現在まで国内の出版物でこの「~101匹ドラゴン」の橋本さんのインタビューを超える記事はないでしょう。
私が橋本さんと初めてお会いしたのはこの「101匹ドラゴン」発売の直後の1995年頃で、K氏という方が主催するイベントに橋本力さんとプロレスラーの高野拳磁がゲスト出演するとの事で、知り合いの映画監督に誘われて会場に馳せ参じた時でした。
当日の私はその映画監督から同イベントで上映する特別映像として「ドラゴン怒りの鉄拳」のリーさんvs橋本さんの対決シーンを中心に香港クンフー映画の名場面を編集して持参して欲しいと頼まれていて、イベント会場では私が自分で10分ほどに編集したVHS(の時代でした)をスクリーンで上映し、それを橋本さんや観客の皆さんと一緒に観た思い出もありました。
いま思えばその10分間の「龍熱編集」VHSを大事に保存しておけば良かったと思うのですが、残念ながらイベントで上映後にそのVHSは消去してしまいました。
当日に初めてお会いした橋本さんは遥かに年下である私に対しても実に礼儀正しい方で「いや~ブルース・リーや「怒りの鉄拳」の事とか訊かれても昔の事でもう覚えてないんですよぉ!」と照れ笑いを浮かべながらも色々話して下さり、別れ際には私に対して腰を直角に曲げ「では失礼します!」とこれまた礼儀正しく頭を下げて帰られたのが印象に残りました。
後年、私が橋本さんと再会した時にこのK氏のイベントの話をすると「あ、あの時のイベントね。はい覚えていますよ!」と応えて下さいました。
近年は余り体調が優れないとお聞きしていましたが、今回の橋本さんの訃報は1974年のロードショー公開時に今はもうない渋谷の映画館「渋谷宝塚」で「ドラゴン怒りの鉄拳」をリアルタイムで観ている私にとっても本当にショックですし、また悲しい気持ちで一杯です。
橋本力さん、貴方はあの“精武英雄”陳眞こと李小龍と銀幕の中で真っ向勝負を見せた唯一の日本人俳優でした。
虹口道場館主鈴木寛の堂々たる雄姿は私たち日本人の誇りです。心からご冥福をお祈り致します。合掌。

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陳眞、黄飛鴻、霍元甲、葉問ら中華四大英雄集結!功夫喜劇大作「功夫聯盟」!!

2017-10-06 11:59:21 | ニュース

まずはこの豪華な面子が揃った写真をご覧下さい。左から陳眞(陳国坤)、黄飛鴻(趙文卓)、霍元甲(安志杰)、そして葉問(杜宇航)です。彼ら4人の中華英雄が勢揃いするクンフーコメディー「功夫聯盟」(又題「功夫联盟」)なる作品が制作されるようです。
安志杰以外の3人は過去にそれぞれの中華英雄を“持ちキャラ”として演じて来た武打星ですし、特に趙文卓が久々に映画で黄飛鴻を演じる事は実に素晴らしいです。
監督は劉鎮偉で、武術指導は梁小熊。龍熱としてはキャストの1人に梁小熊の実兄にして“香港映画最強の男”梁小龍が入っている点に注目したいですね。これは来年の公開が楽しみになって来ました。
余談ですが、趙文卓はあの「特殊身分」騒動で映画業界からこのままフェードアウトしてしまうのか?と思われましたが、最近は“和製ドラゴン”倉田保昭と一騎打ちを見せる「蕩寇風雲」(17)に加えて、これまた趙文卓が再び黄飛鴻に扮するワンチャイ信者待望の新作映画「黄飛鴻之生化人」も控えています。
どうやらこれは“黄飛鴻、第2の男”こと趙文卓の遅すぎた逆襲が始まったのかも知れませんね。
この龍熱者必見の話題作「功夫聯盟」に関しては、下記のリンクからどうぞ!!

https://baike.baidu.com/item/%E5%8A%9F%E5%A4%AB%E8%81%94%E7%9B%9F


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日本アクション革命第2章!「RE:BORN」Blu-rayアルティメット・エディションが12月発売決定!!

2017-10-02 11:40:02 | DVD&Blu-ray情報

さあ、時は来た!日本、いや世界のアクション映画に革命を起こした革新的コンバットアクション「RE:BORN」がいよいよ12月に2枚組Blu-rayとして発売されます!!
そうです、あのTAK∴こと坂口拓のデッドリーなゼロレンジ・コンバットが貴方の自宅で何時でも何度でも観れるのです(^_^)。
さらには注目の映像特典もアルティメッットエディッションは合計157分(!)にも及ぶ特典を収録予定との事です。詳しくは以下の詳細をご覧ください。

まだ劇場公開は続きますが、年内12/2のDVDとBlu-ray発売が決定しました。本日10/1から情報解禁ですが、一部店舗で表記が間違っていたりしたので、公式から正式に補足します。

○ RE:BORN リボーン 通常版DVD
 【字幕】 英語/日本語
 【音声】オリジナル 5.1ch 
 ※予告編付き

○ RE:BORN リボーン アルティメット・エディション(本編Blu-ray)(期間限定生産)

 Disc1 (本編 Blu-ray)
 【字幕】 英語/日本語
 【音声】オリジナル 5.1ch / コメンタリー STEREO
  ※予告編集、初日舞台挨拶映像付き

 Disc2 (特典DVD)
 <収録内容>
 ・BEHIND THE SCENES OF RE:BORN(メイキング)
 ・リボーンコンバットシステム講座(第零〜四回)
 ・劇中アクション解説
 ・トークイベント集

アルティメッットエディッションの方は合計157分にも及ぶ豪華特典映像を含む2枚組となっております!
本編Blu-rayには、ゆるゆるのオーディオコメンタリーもついてますよ。
頑張りました(笑
とくとお楽しみ下さい!!!

また、DVD、Blu-rayともに、本編は日本語字幕の切り替えが出来るようになっております。基本セリフおこしの完全なるバリアフリーではありませんが、聴覚障害者の方にもストーリーを楽しんで頂けるよう予算内をやりくりして配慮させて頂きました。よろしくお願いいたします!
ただし、アクションシーンが目で追えないところはコマ送り等でご対応して下さい^^

そしてさらに特典DVDには、TAK∴の隠し…ウグっ(((*Oдo;)

龍熱としては特典のメイキングでは黒田敏郎vsフォックス&イーグル戦の撮影風景が観れるかな♪とか、トークイベントは自分が行けなかった時のトークが観れたら嬉しいな♪とか、アルティメットエディションに収録のゆるゆるのオーディオコメンタリーが逆に聴きたいとか♪何よりも「TAK∴の隠し…ウグっ(((*Oдo;)」って気になる、何よ?何なのよ?的にもう超楽しみです!!
そしてこの「RE:BORN」Blu-rayが発売される事で、日本国内は勿論、海外の多くのコアなアクション映画ファンがこの日本のアクション映画を“再生”させたリボリューショナル・ムービーの熱き息吹きを直接感じ取って貰える事が本当に楽しみです。
「RE:BORN」の全国劇場公開の“革命の旅”はまだまだ続きます。
だからこそ12月リリースとなるこの「RE:BORN」Blu-rayを購入して、劇場の大スクリーンで「RE:BORN」を堪能してから、今度は自宅で「RE:BORN」のゼロレンジ・コンバットシステムを復習観賞する。
これが正しい「RE:BORN」の楽しみ方なのです(^_^)。私も勿論「RE:BORN」アルティメット・エディション2枚組Blu-rayを購入します。愛蔵盤になるでしょう。今から超楽しみです!!


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抵抗か?降服か?イェスパー・クリステンセン主演「ヒトラーに屈しなかった国王」12月公開。

2017-10-01 20:29:25 | 作品レビュー

今日は都内は池袋で親しい友人たちと恒例の池袋お茶会でした。
いや~アッと言う間の3時間で最高に楽しかったです(^_^)。
今回はちょっとキワドイ話題も出たりで色々な意味で楽しかったですし、また次回が楽しみだなぁ!

さてさて、先週は都内某所でエリック・ポッペ監督、イェスパー・クリステンセン主演「ヒトラーに屈しなかった国王」(16)を試写で観て来ました。
1940年4月9日、ヒトラーの命によりナチス・ドイツがノルウェーの首都オスロに侵攻します。
ドイツ軍の圧倒的な軍事力の前にノルウェー軍は劣勢となり、ノルウェーの主要な都市は次々と占領されていきます。
ノルウェーを愛し国民を愛するホーコン国王(イェスパー・クリステンセン)は、ドイツ軍の降服要求を拒否し家族や官僚と共にオスロを離れながらも、何とか形勢を挽回しようと奮闘します。
映画はこのホーコン国王がドイツ軍に対して抵抗を選択するか、降服を選択するか、まさにノルウェーの存亡を懸けた決断を迫られる3日間を描いています。
「007」シリーズのMr.ホワイト役でお馴染みのイェスパー・クリステンセンは、自らの決断に母国の運命が託された重圧に耐えながら、オラフ皇太子と時に親子として激しく意見を対立させながら、それでも孫たち家族に絶えず深い愛情を注ぐホーコン国王を文字通り熱演しています。映画のクライマックスは、ホーコン国王とヒトラー(電話の声だけですが)の最後通告によりホーコン国王の避難先に謁見のためやって来た駐在ノルウェー&ドイツ公使のブロイアー(カール・マルコヴィクス)の息詰まる直接対決となります。
ノルウェーの官僚たち全員を部屋から閉め出したブロイアー公使は「陛下、私にもノルウェーで生まれた幼い娘がおります。どうか、どうかノルウェー国民の生命を守るためにもこの書類にサインを!」とホーコン国王に降服を迫ります。
果たしてそのドイツの使者の要求に対して振り返ったホーコン国王が返した答えとは!?
北欧の小国ながらナチス・ドイツに最も抵抗し続けたノルウェーの歴史上最大の決断を描いた「ヒトラーに屈しなかった国王」は12月にシネスイッチ銀座にてロードショー公開となりますので是非。

こちらが公式サイトです→http://kings-choice-jp.com/


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