超級龍熱

香港功夫映画と共に

熱風!韓国LEGENDS(104) 韓国のトップ武打星、申一龍が死去。

2022-05-26 15:18:30 | 熱風!韓国LEGENDS

『成龍拳』(77)で成龍と壮絶なクンフーファイトを見せた事で日本のファンにもお馴染みの韓国の大スター申一龍が26日に亡くなったそうです。享年74歳。

https://s.japanese.joins.com/jarticle/291501

申一龍と言えば、韓国では知らない人はいなかった大スターで『鬼計雙雄』(76)や『李三脚威震地獄門』(77)などの香港クンフー映画は勿論、母国韓国ではロマンス映画、戦争映画など多種多様なジャンルで活躍しました。上記の追悼記事にある「香港アクション映画の伝説ブルース・リーが突然亡くなった時は彼の代役として香港映画に出演したこともある」は、恐らく鄭昌和監督作品『鬼計雙雄』だと思われます。

この話題になると鄭昌和監督が李小龍のために脚本を用意しながら、李小龍の急逝により代役で黄仁植主演も考えた『大戦黒豹』まで話が広がってしまうので、これ以上は触れませんけど。

あと『鬼計雙雄』の韓国バージョン『審判者』は、以前に当ブログの韓国映画専門セクション「熱風!韓国LEGENDS」で本邦初の形で紹介したのも懐かしい思い出です。申一龍、ハンサムで鍛え抜かれた上半身と、見事なキックが印象的な武打星でした。合掌。

 

 


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熱風!韓国LEGENDS(102)悲劇の偽猛龍武打星巨龍と黄仁植のツーショット!

2021-04-27 10:54:23 | 熱風!韓国LEGENDS

70年代から80年代の韓国テコンドー映画を支えたドラゴン・リーこと巨龍と黄仁植のツーショット。2人は黄師範が巨龍に韓国合気道などを教えた師弟の関係だったそうですが、本当のところはどうだったんでしょうね。
巨龍に関しては昔にフィルマーク社が配った経歴に韓国人とロシア人の混血とか、邵氏のスタジオでリー・フォアマンこと孟飛の脚を骨折させたとか、相当な飛ばし記事が記載されてて、ちょっと前に某映画専門誌が出したブルース・リー本がそれを丸写ししてましたね。
そもそも巨龍が邵氏公司作品に出演した事実はないですし、孟飛も「少林五祖」(75)に出演したのは当時邵氏を飛び出して独立系作品に出演していた陳観泰の長弓公司作品出演が不可能だったための代打出演だったわけです。
そんな巨龍と私たち日本のクンフー映画ファンの出会いが「リアル・ブルースリー」にダイジェスト収録された巨龍のデビュー作品「最後的精武門」(77)だった事はある意味不幸でした。
この映画を中途半端な形で観た私たちリーさん信者のソックリさん武打星ドラゴン・リーに対する拒絶反応、それは凄まじいものでした。
結果、その後に巨龍が主演した他の比較的良質な韓国テコンドー映画もリーさん信者たちから全て駄目出しされてしまうという悲劇を生みました。
それは巨龍が現在の韓国では私たち日本のファンには想像出来ないほどの高い知名度を誇っていても、韓国映画俳優協会の理事を務めるなどの要人であっても変わる事がない悲しく切ない現実なのかも知れません。

Dragon Lee and Hwang In Shik.Two Korean kung-fu legends.


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熱風!韓国LEGENDS(101) 若き日の黄正利の雄姿、奇跡の発掘!安吉源主演「太陽の憤怒」

2018-05-16 19:24:17 | 熱風!韓国LEGENDS

先日当ブログで速報でお届けしました「葉問4」にスコット・アドキンス参戦決定!の衝撃ニュースに続いて、今度は台湾影星の呉建豪の「葉問4」出演も決まったようです。
続々と充実のキャスト陣が集い始めた「葉問4」、今から完成が本当に楽しみですね♪

さてさて、本当に久々の「熱風!韓国LEGENDS」第101回ですが、今回は李相九監督、安吉源主演によるサスペンス・アクション映画「太陽の憤怒」(75)でいきたいと思います。
この「太陽の憤怒」こそが先日から何度か触れていましたように、私が長い間探索を続けながら中々入手出来なかった韓国映画だったのですが、今回様々な道程を得てようやく韓国現地でも激レアアイテムと化している本作のオリジナルVHSの入手に成功しました。
その入手に至る長きに渡った道程に触れる前に、この「太陽の憤怒」作品自体を駆け足ながら触れたいと思います。
実は私がこの「太陽の憤怒」がどうしても観たかった大きな理由が本作にまだ端役時代の“鉄血銀狐”こと黄正利が出演している、との情報をどうしても自分の目で確かめたかったからでした。

日中戦争の戦火が燃え盛る中、日本軍が大陸に侵攻し、蒋介石が重慶に拠点を移そうとしていた頃、日本軍人佐々木隊長率いる5人の男たち(の1人にお馴染み韓国悪役商会の朴東龍の顔も)を鬼気迫る執念で狙う韓国人青年(安吉源)がいました。
この安吉源が追う5人こそまだ少年だった彼の眼前で両親を惨殺し、大量の金を奪った怨敵だったのです。復讐に燃える安吉源は時に老人などに変装し、時にバイクを駆って追撃しながら5人の仇たちを1人、また1人と倒していきます。
途中で女特殊工作員(呂秀珍)の助けも借りながら、佐々木隊長の用心棒の朝鮮力士(李王)を倒した安吉源は、遂に怨敵の佐々木隊長を追い詰めるのでした!!
で、肝心の黄正利ですが、映画が始まって25分ほど経過した頃に佐々木隊長の子分役で画面に登場します(拍手!)。いやまだかなり若い風貌の黄師匠にビックリです(^_^;)。
さらに中盤では主役の安吉源と黄正利がバーを舞台に壮絶な蹴り合いを見せ、ここでは黄師匠のまだ荒削りながらもダイナミックな廻し蹴りが堪能出来ます。
また映画の終盤でも“韓国のサモ・ハン”こと李康助とコンビを組んだ黄正利が再び安吉源に闘いを挑むシーンが登場するんですが、ここで注目なのが安吉源に襲いかかる黄師匠が日本刀を手にしてのウェポン・アクションを披露している事でしょう。
そう、この「太陽の憤怒」の黄正利の日本刀アクションこそが、後の「死亡の塔」(81)で黄師匠扮する秦谷が見せる木刀に日本刀を仕込んだ戦慄殺人刀アクションの原点なのだ!!
と言うわけで(^_^;)、私がどうしても確認したかった黄正利が果たして「太陽の憤怒」に出演しているかどうか?の結論は「ガッチリ出演していた!」でした。いや~感激です(^^)v。
また折角ですので、ここで本作の主演武打星である安吉源にも簡単に触れておきます。1953年生まれの安吉源は68年に当時東南アジアで人気を誇った邵氏武侠片の影響を受けて製作された最初の韓国武侠片として知られる「怨恨の片目」でデビュー後、その豪快なテコンドー蹴りを武器に数々の武打片に主演し、文字通り70年代の韓国武打片を支えた武打星の1人です。
安吉源は他にも「最後の対決」(74)や巴比金主演『四代獨子』(77)などに加えて、呂小龍が韓国で主演した「鷹爪小子」(77)の韓国公開版「猛龍怒虎」にも出演していました。
80年代に入るとMBC-TVが制作した韓国の人気時代劇ドラマ「暗行御史」(81~84)で無言護衛武士サンドヨク役を演じ好評を得ました。
その後は伝統武芸である「ハンギョレ総連合会」の会長を務めるなど健在だったようです。

こうして今回この「太陽の憤怒」をオリジナルVHSで入手した事で、私の長年に渡る韓国テコンドー映画収集もひとまずコンプリートとなりました。まだ何本か入手したい香港映画の韓国バージョンがある事はありますが、それらに関して私の中でのプライオリティーはそれほど高くないのが正直なところです。
この「太陽の憤怒」はそれまで黄正利が韓国で端役出演している作品群の殆どを入手していた私にとっても、その入手に至るまでのハードルは想像以上に高い作品でした。
まず昔から同作の英語吹き替え版が制作されなかった事で私の周囲の海外コレクターが誰1人として所有していなかった事。
当たり前ですがDVDやVCDで1度も発売されていない事。唯一1989年に現地韓国でVHSとして発売されていた同作のオリジナルVHSがこれまた当たり前ですが超激レアアイテム化してしまっている事。
これら幾つ物の難問が私の前に立ちはだかる中、韓国在住の某韓国映画コレクターがこの「太陽の憤怒」を所有している事が判りました。
私がその某コレクターにトレードを申し込むと「ああ、じゃあ冬になったらな」との回答。私が冬になったので再度トレードを申し込むと「ああ?そうだな、じゃあ春になったらな」との回答でした。まあ要するにこの某コレクター氏は私とトレードする気がなかったんでしょう。
普通ならここで気持ちが折れてしまうところだと思いますが、私は違いました。
「だったら自分の力で「太陽の憤怒」を必ず入手する!」こう固く誓ったのでした。
そして数年後、こうして「太陽の憤怒」、それもオリジナルVHSを入手出来ました。その価格も決して安くはありませんでしたが、そんな事は問題ではありませんでした。
今は只々どうしても欲しかった「太陽の憤怒」のオリジナルVHSが私の自宅の部屋の韓国映画VHS専用の棚(があるんです(^。^))に納まっている事が本当に嬉しいです。
自分がどうしても欲しい作品があったなら正攻法であらゆる道を自力で模索する。それでも駄目な時は機会が来るのをひたすらジッと待つ。決して諦めない。絶対に入手するんだ。
私はこうやって何十年にも渡って自分が探し求める数々の作品を入手して来ました。
香港功夫映画評論家である私のもう一つの顔である香港(韓国)クンフー映画映像コレクターとしての“龍熱魂”、その不屈の精神はこれからも決して折れる事はないのです。
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!


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熱風!韓国LEGENDS(100) “韓国のブロンソン”ボビー・キムも熱読!「激闘!アジアンアクション映画大進撃」発売中!

2017-05-01 21:19:17 | 熱風!韓国LEGENDS
巴比金先生「ムムム・・・ジロー、これはまた分厚い本だね。お、私の主演作品「鬼門の左足ジャブ」も載っているじゃないか!?」

さあ、遂に我が「超級龍熱」の韓国映画専門セクション「熱風!韓国LEGENDS」も大台の第100回に達しました。
これも何時も当ブログをご覧下さっている皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
本日、その記念すべき第100回に相応しい写真がアメリカから「超級龍熱Facebook」に送られて来ました。
そうです、あの“韓国のブロンソン”こと巴比金ことボビー・キム先生のご自宅にも「激闘!アジアンアクション映画大進撃」が届いたんですね。
今回「激闘!~」文中の「知られざる70年代韓国アクション映画の世界」の岡本敦史君との対談でも、私はボビー先生について何度も触れていますし(194頁~195頁)、本書でボビー先生の素晴らしい韓国テコンドー映画を日本の皆さんにご紹介出来た事を心から嬉しく思います(^_^)。
改めて私が韓国テコンドー映画武打星の中で一番好きなボビー・キム先生がこうして「激闘!~」を直接手に取って下さっている事が何より嬉しいですし、先日75歳のお誕生日を迎えたボビー先生にはこれからもお元気でいて欲しいと願っています。
まさに世界に広がる「激闘!アジアンアクション映画大進撃」の輪!ですが、絶賛発売中の「激闘!アジアンアクション映画大進撃」、おかげさまで大変好評との事で、もしまだお手に取っていない方がいらっしゃいましたら是非是非よろしくお願いします!!

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熱風!韓国LEGENDS(99)梁家仁&周潤發主演「巡城馬」韓国バージョン「密命馬上客」登場!

2017-03-15 20:13:52 | 熱風!韓国LEGENDS
さあ、またまた記念すべき第100回が目前となっている「熱風!韓国LEGENDS」第99回は、于仁泰監督、袁和平武術指導、そして梁家仁&周潤發主演「巡城馬」(82)の韓国バージョンで、申渭均監督作品「密命馬上客」(81)でいきたいと思います。 
この韓国ロケ作品「密命馬上客」の韓国製オリジナルVHSも、今では激レアVHSになっているんですが、私は幸運にも同じ韓国クンフー映画コレクターであるSさんのご厚意で観る事が出来ました。
Sさん、本当にカムサハムニダです(^_^)。

まず韓国バージョンはオープニングに大きく「密命馬上客」と赤文字の韓国題名クレジットが入り、続いて香港バージョンとは異なるキャスト・クレジットが赤の漢字で延々と映し出され、最後に韓国バージョンの監督である申渭均の名前のみがこれまた大きく表記されます。
映画は全編韓国語吹き替えで、私が入手した映像はオリジナルVHS落としのようで、画質もかなり良好でした。
民国初年に北洋軍閥がまだ皇帝を名乗る前の袁世凱を擁護していた時代。北方の山岳地帯はそこを縄張りとする焦龍率いる凶悪な山賊を中心に争いが絶えませんでした。
袁世凱は腹心の胡兆光(高雄)を現地に派遣し、焦龍にある“貢物”を贈る事で焦龍を買収しようと、焦龍の待つアジトに“貢物”を持たせた4人の男を送り込むのでした。
それが遠方の山岳地帯に郵便物を運ぶ巡城馬(梁家仁)、流れ者の傅俊(周潤發) 爆弾専門屋の卜方(樊梅生)、コソ泥の姚傑(袁日初)の4人で、この4人に美しい村娘(鍾楚紅)と道中で加わった謎の女性李(韓国女優の菊貞淑)が加わり、彼らは焦龍の誕生日までに“貢物”を届けるべく旅に出るのでした。
私が本作で注目していたのが武打星として本職である梁家仁や袁日初はともかく、武打星ではない周潤發が果たしてどのようなクンフーアクションを披露するかだったのですが、これが發仔は意外(?)なほど見事なクンフーファイトを見せていて、そのバックエルボーなどを相手に叩き込む際の表情はまるでリーさんこと李小龍を意識したかのような勇ましさでしたね。
考えてみれば發仔はリーさんの香港の自宅の隣に家を購入しているぐらいですから、もしかしたら發仔は実はかなりのリーさん信者なのかも知れませんね(^_^)。
で、この發仔演じる傅俊の命を狙って姿を見せる2人組の殺し屋に扮しているのが権一秀と林子虎の韓国人武打星で、傅俊が長身の権一秀と小柄(でもないんですが、場面によってはより小柄なダブルを起用しているようです)な林子虎の変則ツープラトン攻撃に苦戦しながらも、最後は得意の仕込み暗器で2人の殺し屋コンビを倒すクンフーファイトは中々見応えありました。
いや~慣れないクンフーアクションに必死に挑戦する發仔に私は好感を持ちましたねー!
そして映画の終盤に姿を見せる山賊の首領焦龍(何と韓国スーパーキッカーの張一龍!髭面メイクのせいか誰も張一龍だと気がつかなかったようです)が巡城馬たちから受け取った“貢物”の中身こそ恐るべきガトリング機関銃だった!!
そこに実は巡城馬を利用し冷酷に切り捨てんと暗躍する胡兆光が姿を見せ、自らの正体が東京から来た忍者(って、はあぁ???)だと明かすと、姚傑と妹たちをガトリングガンで射殺し、傅俊も激闘の果てに惨殺!さらに卜方も雄々しく闘った果てに憤死します。
そしてたった1人だけ生き残り仲間の復讐に燃える巡城馬と“東京忍者”胡兆光の森林の中での決着の時が来た!!
ここからの巡城馬vs胡兆光の死闘は国内でも「ポストマン・ファイツ・バック」の邦題でDVDリリースされた香港バージョンと同じ展開ですので是非チェックしてみて下さい。
ちなみに韓国バージョンでは、エンディングで主要キャストのスチールに物悲しい旋律が被さるBGM処理が施されていました。

最後にこの「密命馬上客」を初め、80年代前後に香港の嘉禾影業と韓国の間で何本もの合同作品が実現した背景に簡単に触れたいと思います。
実は嘉禾の鄒文懐と韓国映画界のドンとして知られた李于錫の2人は親友の間柄で、嘉禾と韓国の合作映画実現には2人の固い信頼関係がありました。
それが証拠にソウルの李于錫のオフィスには、鄒文懐と李于錫が一緒にゴルフを楽しむ巨大な絵が飾ってあったそうです。
王虎と黄正利の出世作となった「黒龍江」(76)を制作するなど韓国映画に様々な足跡を残した李于錫ですが、実はこの李于錫こそ78版「死亡遊戯」でビリー・ローを演じた金泰靖(即:唐龍)を発掘した人物である事もここに明記しておきたいと思います。
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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熱風!韓国LEGENDS(98) 果たして拉致か?亡命か?「将軍さま、あなたのために映画を撮ります」

2017-02-18 20:00:54 | 熱風!韓国LEGENDS
ここ数日間は今週ひいた風邪がなかなか治らず、鼻は啜るは咳は出るわ喉は痛いわでちょっと辛い状態です。今日と明日はなるべく自宅で静養して早く風邪を治したいと思います。
皆さんもまだまだ寒い日が続きますので、くれぐれも風邪には気をつけて下さいね。

さてさて、久々の「熱風!韓国LEGENDS」第98回ですが、以前に見逃していて実に残念だったロス・アダム&ロバート・カンナン共同監督によるドキュメンタリー作品「将軍さま、あなたのために映画を撮ります」(16)を幸運にも劇場で観る機会がありました。
私はかなり昔に申相玉監督が上梓した「闇からの谺―北朝鮮の内幕」上下巻を読んでいて、1978年に香港で北朝鮮に拉致された申監督の奥さんにして女優の崔銀姫と、愛妻の後を追うように北朝鮮に拉致された申監督の北朝鮮での苦しみと恐怖が如何に凄まじいものだったかは十分に把握していたつもりでした。
ところがこの「将軍さま~」を観ると、実際に申夫婦拉致を命じた金正日自身が拉致を認める肉声(!)や、いまも健在の崔銀姫のインタビュー、さらに亡き申監督が流暢な日本語(日本留学経験があるため)で拉致の詳細を語る肉声などが次々と登場辺りは、さすがに「闇からの谺~」を超える衝撃と生々しさでした。
独裁者にして2万本ものフィルムやビデオの映像コレクターだった金正日の韓国に対する安易な対抗意識と「我が北朝鮮から国際映画祭に出品できる映画を出したい」との願望の犠牲者となった申夫妻ですが、その結果、北朝鮮映画として「帰らざる密使」(84)や「プルガサリ伝説の怪獣」(85)などが生まれました。
ただこの「将軍さま~」も、申相玉監督が果たして本当に北朝鮮に拉致されたのか、それとも自分で望んで北朝鮮に亡命したのか、の本当の真実には辿り着く事は出来ずに終わっています。
それでも申相玉こそが鄭昌和と共に韓国人監督の実力を広く世界に知らしめた功労者である事に間違いはなく、邵氏公司で撮った「大暴君」(67)をはじめ、朝鮮稀代の暴君を描いた「燕山君」(61)、戦争映画「赤いマフラー」(64)、異色の宦官映画「内侍」(68)など堂々かつ繊細な作風を構築した申相玉作品はどれもが韓国映画の歴史上において欠かす事の出来ない傑作群です。
そういう意味でも、拉致時代に撮った17本の北朝鮮映画も含めて、当時の韓国の独裁政治の余波により映画を撮りたくても撮れなかった申監督の映画監督としての“空白期間”は韓国映画にとって大きな損失でした。
余談ですが、この「将軍さま~」の劇中に申夫妻の拉致から北朝鮮滞在時期の再現ドラマが登場するのですが、そこで何故か香港映画である鄧光榮&南宮勲共演「玫瑰戀」(75)の映像が挿入されているのにちょっとビックリでした(^_^;)。
韓国人の南宮勲にとっても、拉致再現や北のスパイを伝えるシーンで自分の映画の出演シーンを流用されるのは実に迷惑だったと思います(^_^;)。
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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熱風!韓国LEGENDS(97)伝説の韓国武打星、“韓国のブロンソン”巴比金に独占インタビュー!!

2016-10-26 09:04:53 | 熱風!韓国LEGENDS
さあ、我らが「超級龍熱」ブログ開設10周年記念特別企画の第3弾は、文字通り韓国テコンドー映画の武打星の中でもLEGEND中のLEGENDである“韓国のブロンソン”ことボビー・キム(巴比金)の独占インタビューです!!
私も以前からボビー先生にはFacebookを通じて知り合って以来、様々な形でお世話になっているんですが、今年の6月にボビー先生に思い切って独占インタビューを申し込んだところ、ボビー先生は快く応じて下さいました。
いや~さすが私が韓国テコンドー武打星の中で一番好きな武打星であるボビー先生です(^。^)。
ただ当ブログをご覧の方の中にはボビー・キム先生の主演作品をまだそれほど観ていらっしゃらない方もいるかと思います。
そこで、まずは以前に当ブログの韓国映画専門セクション「熱風!韓国LEGENDS」で紹介しましたボビー先生の簡単な経歴再録に続いて、我が「超級龍熱」がお届けするボビー・キム先生の独占インタビューをお楽しみ下さい。ではどうぞ!!

巴比金は1941年(42年説も)ソウル生まれ。本名を金雄経(キム・ウンギョン)。
因みに英語名のボビーはロバートの愛称です。ボビーはウソク(原文まま)大学英文科を卒業後、米軍のテコンドーの教官として活躍し、ワシントンでは自身のテコンドー道場を経営していました。
またボビーはこの時期同じく米国で道場を開いていた李俊九師父とも交流があり、この李俊九師父が開催した武術大会でボビーはリーさんことブルース・リーと邂逅を果たしています。
この69年前後に撮影されたボビーとリーさんのツーショット写真は、ボビーが主演した朴雨相(即:朴祐箱)導演作品『死の勝負』(75)の劇場公開用ポスター(の端っこ)にも使用されていましたね。
元々映画の世界にも興味があったボビーは、泰昌興行社(原文まま)から10本の出演契約をオファーされますが、最終的に5本の出演契約を結び、前述の『死の勝負』に主演します。
その後も高英男導演作品『地獄の招待状』(75)、香港武打星である羅烈共演作品『国際警察』(76)と『王龍』(76)などに主演。
泰昌興行との5本の契約を終えたボビーは、再び朴雨相導演作品『鬼門の左脚~電撃の突き』(77)や『大敵手』(77)に主演します。
私はこの70年代後半の朴雨相作品群に主演していた時期が、ボビーの韓国武打星としての事実上の全盛期だったと思います。
余談ですが、ボビーは東南アジアでも人気が高かったそうで、それもあってかボビーはインドネシアで『空飛ぶ虎』なる作品も撮っているようです。
さらに余談ですが、ボビーが米国で主演した『満州の復讐者』(83)や『キル・ライン/復讐の弾丸』(89)はボビーの実兄であるキム・ハクキョン(原文まま)が脚本を担当しているとの事です。


ーボビー先生、今回はお忙しい中、インタビューに応じて頂きありがとうございます!

ボビー先生(以下BK)こちらこそ。さあ、何でも訊いて下さい。

ーボビー先生は韓国のウソク大学を卒業されてから、アメリカ軍でテコンドーを教えたり、テコンドーの道場を経営されていたそうですね。

BK いや私は大学在学中から韓国に駐屯していたアメリカ軍の軍人たちに教えていたんだ。その後、大学を卒業した1969年の1月にアメリカに渡ったんだよ。ワシントンで道場を開いた後、数か月後に今度はコロラドのデンバーに移って、そこでもう1度道場を開いたんだ。

ー1969年といえば、ボビー先生は李俊九師範が開催したテコンドーのトーナメント会場でブルース・リーと対面していますね。その時のブルース・リーの印象と、その場でお互いに何を話したか教えて頂けますか?

BK あれは1970年か71年だったと思うが、李俊九師範がワシントンで開催したトーナメントで、私とブルース・リーがそれぞれデモンストレーションを行ったんだよ。
その当時のブルース・リーはまだそれほど有名ではなかったんだ。
ブルースは私に「ユーの“ジャンピング・バックキック”は素晴らしいね!」と言ってくれたよ。
私はブルースは優れた格闘家だと感じたな。その時はお互いに少し話して、一緒に写真を撮ったんだよ。

ー1970年にボビー師範は韓国に戻られて、韓国の映画会社泰昌興行と5本の映画出演契約を結びますね。その主演第1作が朴雨相監督作品「死の勝負」(75)でしょうか?

BK 泰昌興行は私に最初10本の映画契約を申し出て来たんだ。ただ当時の私は俳優経験も無かったので5本の契約を結んだんだよ。
その時に泰昌興行の紹介で私は朴雨相監督と会ったんだ。朴監督は泰昌興行に起用されて、私の初主演作品「死の勝負」を監督する事になったんだ。

ーボビー先生は朴雨相監督作品をはじめとする韓国テコンドー映画では、口髭、両手に皮手袋、皮のベスト、そしてパンタロン姿、いわゆる“巴比金スタイル”がトレードマークでした。このファッションは当時はとても斬新でスタイリッシュだったと思うのですが、誰のアイディアだったんですか?

BK 口髭は映画に出演する前から生やしていたんだけど、監督たちがそのまま剃らないでいこう、と言ってくれたんだよ。ベストなどのファッションは誰のアイディアだったかは判らないんだが、恐らく朴雨相監督だろうね。

ー私たち韓国テコンドー映画ファンにとって、巴比金と黄正利は伝説の武打星です。その2人が「死の勝負」では主演(ボビー先生)と助演(黄正利)で顔を合わせていますね。
この映画での黄正利の思い出がありましたらお聞かせ下さい。

BK 黄正利は私が韓国映画界に参入するまでは、端役での映画出演が多かったんだ。この「死の勝負」が黄正利にとって初めての大きな役柄だったんだ。
「死の勝負」での私と黄正利は、お互いに様々な形で真っ向から闘うアクションに挑んだよ。
黄正利はこの「死の勝負」に出演した事で、香港の映画会社に引っ張られたんだ。黄正利は素晴らしいキックを持っていたし、何本もの香港映画に出演して有名になった。朴雨相監督はこの「死の勝負」での黄正利のパフォーマンスをとても誇りに思っていたよ。

ー1976年にはボビー先生は香港のトップ武打星の羅烈と「国際警察」(76)と「王龍」(76)の2本の高英男監督作品で共演を果たしています。この2本は当時の韓国と香港のトップスターの共演となったわけですが、羅烈とこれら2作品について思い出はありますか?

BK そうだったね。羅烈とはその2本で共演したのを覚えているよ。羅烈は格闘映画において良い俳優だったね。この2本は殆どは韓国で撮影したんだが、幾つかのシーンは香港で撮影したんだ。
その「国際警察」の撮影中に私たちはカーチェイスの場面のリハーサルをしていたんだ。私が車を運転するシーンだったんだが、何故か監督の高英男監督が「自分が運転する!」って言い出したんだ。要するに監督が自分で運転する事で、もっとワイルドなカーチェイス・シーンを撮ろうと思ったんだね。
その車にはカメラマンと一緒に羅烈も乗っていたんだけど、高英男監督が運転を誤って3人を乗せた車が大きな木に激突してしまったんだよ(苦笑)。
高英男監督、羅烈、カメラマンの3人は大怪我して、そのまま病院に直行さ。で、その後に実は高英男監督が運転免許を持っていない事が判ってね。
高英男監督も「大変な事になった!」と心配するんで、私は国際免許を持っていたので「事故の時は私が運転していた事にしましょう」と高英男監督に申し出たんだ。
まあ警察も「何で運転していた巴比金だけ怪我をしていないんだ?」と不思議がっていたけど、結局は私たちの説明を信じたよ。
でも羅烈はその事故で目に青タンは出来るし打撲傷も負ったりで、本当に可哀想だったよ(苦笑)。私たちが韓国のソウルに帰ると、マスコミが「巴比金が車で大事故に遭った!」と新聞やテレビで騒いでいたけど、韓国のファンも含めた皆が運転手は私だった、と信じていたんだろうね。

ー同じ朴雨相監督作品「大敵手」(77)は、私が一番好きなボビー先生の主演作品です。もし興味深いエピソードがありましたら、是非お聞かせ下さい。

BK ある日「大敵手」でオートバイで走るシーンを撮影中の事だ。その日の撮影予定分が撮り終わり、私はオートバイの後ろに権永文を乗せて田舎道を走っていたんだ。
そうしたら走っているオートバイの前輪が道の窪みにぶつかって、その衝撃と反動で後ろの権永文が私を飛び越えて前方に4、5メートル吹っ飛んでいったよ(笑)。
私たちが大怪我した権永文を病院に連れて行ったの事を覚えているよ。「大敵手」に関しては他に特別な事は覚えていないな。


ー80年代に入りますが、アメリカで撮影した「満洲の復讐者」(83)でビル“スーパーフット”ワラスと共演なさっていますね。
この映画でボビー先生はご自身の映画キャリアにおいて初めて西洋人の格闘家と闘う事になりました。実際に劇中で拳を交えたワラスはどのような印象でしたか?

BK ビル・ワラスはアメリカではかなり有名な空手のチャンピオンだった男だよ。特にワラスの左の蹴りは素早く、そして正確で本当に素晴らしかった。

ーそれでは最後の質問になります。近年の韓国映画は同じアジア圏の香港映画を凌駕すると言っても良いほどの高いクオリティーを誇っています。
ただそれでも私たちは70年代にボビー先生たちが主演した古き良き時代の韓国テコンドー映画を愛しています。近年の韓国映画人にもしアドバイスされる言葉がありましたら、お願いします。

BK 私が映画を撮っていた時代の韓国の映画会社は自分たちが作る映画に余りお金をかけなかった。彼らはあらゆる箇所で経費を削ろうとしたし、撮影するためのフィルムも十分に用意していなかったんだよ。もし当時の私たちに十分な量の撮影フィルムが与えられたなら、もっと良い映画を撮れたと思うんだ。
最近はデジタルなどのテクノロジーによって、高いレベルの映画制作とさらなる高水準の撮影&編集過程が許されていると思う。
それもあって、彼らは自分たちが撮っている物が何かをちゃんと理解しているわけなんだ。
私が思うに、近年の韓国映画の製作者たちは素晴らしい仕事をしていると思う。出来る事なら、私も今の時代に生まれたかった。そして若々しく、今の韓国映画に出演してみたかった。

ーグランドマスター・ボビー・キム、素晴らしいインタビュー、ありがとうございました。

Bk 二郎、私こそありがとう!

以上、2016年6月15日に収録。

さて、“韓国のブロンソン”ことボビー・キム先生の独占インタビュー如何でしたでしょうか。ボビー先生の口から朴雨相監督、黄正利、権永文、羅烈、高英男監督、ビル・ワラスといった名前が次々と出てくる辺りは、もうワクワクしちゃいましたよね(^_^)。
特にリーさんことブルース・リーとボビー先生が対面した際の2人の会話の詳細をボビー先生本人が語った事は、恐らく世界で初めての事だと思います。
ボビー・キムは韓龍哲と共にアメリカから韓国映画界に逆上陸する形で、その類い稀なるテコンドーの蹴りと共に韓国映画に一時代を築いた、言わば韓国アクション映画の功労者の1人です。
その功労者のボビー・キムに、そして私が韓国テコンドー映画の武打星の中で一番好きなボビー先生にこうして貴重なお話を訊けた事は、私自身本当に万感迫る思いです。
ちなみに今回掲載しましたボビー先生の近影は、ボビー先生ご本人が当ブログにご提供下さった1枚です。
改めて、今回我が「超級龍熱」の独占インタビューに快く応じて下さったボビー・キム先生に厚く感謝致します。ありがとうございました!
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

We would like to huge thank to Grand Master Bobby Kim for answering our great interview and provided wonderful photo.
Master Kim,you are always kind to your fans!! Thank you so much sir.

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熱風!韓国LEGENDS(96)韓国ゾンビ特急地獄行き!コン・ユ主演「釜山行き」

2016-09-25 16:26:28 | 熱風!韓国LEGENDS
さてさて、いま韓国映画ファンのみならず、ホラー映画ファンの間でも注目の韓国ゾンビ映画にしてヨン・サンホ監督、コン・ユ主演「釜山行き」(16)を観ました!(何時ながら快くサポートしてくれる友人に感謝♪)
韓国で突如発生した正体不明のウィルス。それは感染者に咬まれるとその人間は傷口から瞬時に感染し、人としての理性は全て崩壊。まるで野獣のように人を襲い人肉を食らうという恐怖のウィルスでした。ソウル発、釜山行きの高速鉄道KTXに乗った主人公(コン・ユ)は幼い息子や同乗した夫婦(夫をマ・ドンソク。ゾンビより顔が怖いセヨ♪)と共に疾走する車内でウィルス発症の惨事を知りますが、既にKTX内にも感染者が乗り合わせており、すぐにKTX内ではゾンビ・ウィルス感染者が乗客を襲い始め、文字通り阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのでした!!
言うまでもなく猛スピードで走るKTX内は完全な密室。逃げ場を失ったコン・ユたちは凄まじい勢いで増殖するゾンビたちの襲撃に応戦しながら1台、また1台と車両を移動していきますが、乗客たちは凄まじい恐怖とストレスから次第に彼らたちの人間関係も崩れ出し、やがては人間同士の醜悪な生存競争が幕を開けるのだった!!

ゾンビ映画が好きな方ならお馴染みの展開が随所に観られますが、この「釜山行き」はそこに韓国映画ならではの情感溢れる家族愛や韓国軍人(ネタバレになるので詳細は伏せます)など独自のシークエンスを盛り込む事で、観る側を飽きさせません。
私が「サンホ監督、うまい!」と思ったのが、ゾンビが蔓延しているKTXが駅に到着し、コン・ユたちが降車して「助かった!」と思ったら、“ある事情”でコン・ユたちがまた死に物狂いでKTXに駆け戻る破目になるプロセスでした。
要するに乗っては降り、降りては乗る。まさにエンドレスのゾンビ戦争なんですね。
ただこれまで韓国では本格的なゾンビ映画は(あの「怪屍」(80)を除くと)殆ど制作されませんでしたが、私が今回の「釜山行き」を観て実感したのが「アジア人のゾンビってあまり怖くないな」という事でした。
やっぱりゾンビは白人や黒人問わず、西洋人が感染して私たちを襲って来る姿の方が断然怖い!と思いました。勿論、これは個人的な感想ではありますけど。
それでも私はこの「釜山行き」は大変面白く観れましたし、今度は是非日本語字幕入りで堪能したいと思います。という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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熱風!韓国LEGENDS(95)英国イベントで“韓国の猛将”黄仁植が「死亡遊戯」を語った!

2016-09-22 16:41:12 | 熱風!韓国LEGENDS

7月にイギリスで開催された“韓国の猛将”黄仁植を招聘しての「Bruce Lee years with Hwang In Shik」のトークセッションの模様を収録した映像を友人に見せて貰いました。
私も“生きる伝説”である黄仁植師範と対面できる絶好の機会なだけに、当日は是非イギリスに飛んで行きたかったんですが、それも叶わず、こうして映像(60分ほどありました)で当日の模様を観る事が出来た事は本当に有意義でした。
セッションの黄師範はブロークンながら全ての会話を英語で行っているのに感心しましたし、時折ちょっと下品な英語(ご本人はアメリカ軍から教わったとの事)を交えながら(^_^;)、初心者にも判りやすく丁寧に武術の真髄を熱く語る様子からは、黄師範の人柄が窺い知れて大変興味深かったですね。
また後半の質疑応答では「女活殺拳」(72)で共演したアンジェラ・マオの事、「死亡遊戯」の新界野外ロケの事、さらにはこのイベントの数日前にサモ・ハンから黄師範に電話があり「また一緒に仕事しましょう!」と誘われた等々、これまた興味深い事柄を語っていました。
で、注目の新界野外ロケに関しては黄師範はこう答えていました。
「私も「死亡遊戯」に関してはよく聞かれるんだが、実際には私はそこ(要するに五重塔内セットの格闘シーンの撮影には参加していない)にはいなかったので何とも言えない。李小龍とは彼が亡くなる2日前だか、何週間前だか忘れたが、一緒に韓国レストランで食事をしたよ。もう40年近く前の事なのでよく覚えていないんだが、その時は映画の話は殆どしないで、お互いに武道の話ばかりしていたよ。ただ確かに嘉禾公司が私を「死亡遊戯」に出演させるためのセッティングをしていたのは事実だよ。
私が李小龍の死を知ったのは、私が他の映画の撮影から帰って来た時に聞いたんだと思う。以上だ!」

実はこの7月のトークセッションの前後に私の海外の友人で、黄師範の個人のメールアドレスを知っている人間に「死亡遊戯」に関して私が訊きたい質問を黄師範にメールで訊いて貰っていたんです。
しかし黄師範が言うように、やはり40年以上も前の事だけに、黄師範からはそれに関して明確な返答が貰えませんでした。
ただまた何時か黄仁植師範には、私がどうしても知りたい「死亡遊戯」の真実をもう1度問い質してみたいと思っています。
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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熱風!韓国LEGENDS(94)「拳精」韓国バージョン「金剛血印」オリジナルVHS入手!!

2016-08-14 14:51:03 | 熱風!韓国LEGENDS
最近、成龍作品「拳精」の韓国バージョン「金剛血印」オリジナルVHSを入手しました。
この「金剛血印」、前からDVD-Rで持ってはいたんですが、今回韓国現地でそこそこの値段で売っているオリジナルVHSを発見したので購入しました。
恐らくこのオリジナル・テープが韓国現地における最後の1本じゃないでしょうか?幸いテープの状態、ジャケットの状態も良好で改めて購入して良かったと思っています(^_^)。
既に皆さんもご存知だとは思いますが、この「金剛血印」には韓国版のみ成龍と某韓国女優のコミカル・アクションなどの別編集シーンが収録されているんですが、こういう作品こそ国内でブルーレイで出して欲しいですよね(^_^)。
今回は同じく韓国製VHSで、呂小龍の某作品の激レア北京語バージョンのオリジナルVHSも入手したんですが、恐らくこの呂小龍作品の北京語版はこれまで誰も観た事がないほどの激レア作品だと思いますし、近日中に再生チェックも兼ねて観てみたいと思っています。
という言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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