超級龍熱

香港功夫映画と共に

甄子丹主演『葉問』&『葉問2』、「東京国際映画祭」公式サイトで上映日程発表!!

2010-09-29 17:31:58 | ニュース
全てのドニー兄貴信者の皆さん、全てのリーさん信者の皆さん、そして全てのサモ・ハン信者(笑顔!)の皆さん、お待たせしました!!我らがドニー兄貴こと甄子丹主演作品『葉問』&『葉問2』の上映スケジュールが「第23回東京国際映画祭」公式サイトにアップされました。こちらです→http://www.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=1465
繰り返しになりますが、これで本当に待った無しです!本当にあのドニー兄貴の大傑作である2本がこの日本で、大スクリーンで、日本語字幕付きで観られる時がとうとうやって来ました!!さあ、もうこうなったら言葉は要りません!“最後の本格派”を心から応援し、また愛するファンの皆さん、来月六本木における“詠春一代宗師記念日”でお会いしましょう!!
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ヴァンダムvsスコット・アドキンス再び激突!!最新作『Weapon』撮影快調!

2010-09-29 15:22:18 | ニュース
この数日は公私共にバタバタと慌しかったんですが、そんな中でも必要があって金時顕導演、林子虎&徐銀慧主演の韓国サスペンス・アクション『夜を剥ぐ毒薔薇』(85)を観ていました。と言ってもこの『夜を剥ぐ~』は例の“IFD感染”バージョン『ニンジャ・チャンピオン』なのが観ていて悲しい限りですが、そうは言いながらもリチャード・ハリソンとかブルース・バロンたち白人忍者たちの別撮りシーンはTVコマーシャルだと割り切って私も豪快に画面飛ばしまくりだぜ(爆笑)。
肝心の韓国オリジナル版のシーンは、3人の暴漢にレイプされた主人公の女性が、それら3人の男性に手段を選ばず復讐していく物語で、その脇でジャック・ラムこと林子虎が得意のキック技などのアクションを披露しています。キャスト的には悪ボスに尹良河、その子分に白黄基などが顔を見せていますが、ご存知のように映画の終盤にドラゴン・リーこと巨龍が刑事役か何かで1シーンだけカメオ出演していましたね。関係ないけど、この映画って劇中のBGMを東映特撮ヒーロー物の『仮面ライダー(スカイライダー)』から思い切り流用しまくっていましたが大丈夫かな?(トホホ!)。

さてさて、ちょっと古めのニュースとなってしまいましたが、あの『ザ・プロテクター』(08)で一騎討ちを見せたジャン=クロード・ヴァン・ダムとスコット・アドキンスが、今度はルーマニア・ロケによる最新作『Weapon』で再び顔を合わせるようです。
この『Weapon』はヴァンダムの息子クリストファーをはじめ、マイケル・ヒッグス、ビアンカ・ヴァン・ヴァレンバーグなどが出演するとの事ですが、どうやら海外現地でも劇場公開は予定されておらず、来年以降にDVDスルーとなるようです(涙)。
ヴァンダムはスライからの『エクスペンダブルズ』(10)への出演オファーを蹴った事で別の意味で久々に注目を浴びましたが(苦笑)、是非この最新作『Weapon』でJCVDなりの意地を見せて欲しいですね。
またスコット・アドキンスも同じイギリス出身のゲーリー・ダニエルズがこれまた『エクスペンダブルズ』でジェット・リー相手に小気味良いファイト・シーンを見せて健在振りを証明しただけに、今回の『Weapon』ではその武打星としての真価が問われる事でしょう。この『Weapon』に関しては、スコット・アドキンスのファンサイトであるこちらをご覧下さい↓http://www.scottadkinsfanz.co.uk/
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最強空手美少女、今こそ速く、高く、美しく!武田梨奈&飛松陽菜主演『KG』完成迫る!

2010-09-27 00:16:06 | その他
さて、昨日は神奈川県の某女子大で撮影が行われた木村好克監督、西冬彦脚本&バトル監督、武田梨奈&飛松陽菜主演による本格派空手アクション映画『KG』のロケ現場に行って来ました。
私が今回のロケ現場である某女子大構内の体育館に到着すると、既にそこでは無数の空手着姿の屈強な男性陣に混じって、主演の武田梨奈ちゃん、そして梨奈ちゃんの弟さんの一馬君、さらには今回中学2年生ながら主役の1人に抜擢された飛松陽菜ちゃんによる乱闘シーンの撮影が始まっていました。
そんな中、既に当ブログでもお馴染みである西冬彦導演とご挨拶出来たんですが、西導演曰く「この『KG』は龍熱さんには出来れば完成した作品を観て欲しかったんですが、この映画かなり仕上がりが良いですよ!僕はハリウッドや香港アクション映画の真似とか後追いはやりたくないんです!どうせならドニー・イェンとかが僕らの映画を真似したくなるような空手映画を撮りたいんです!最近もプラッチャヤー(ピンゲーオ監督)から何度も電話がかかって来るんですよ!」といきなりの熱い“西冬彦節”が全開状態!その西導演の熱いトークに訊いている私も思わず力が入ってしまったのですが、その傍らでは飛松陽菜ちゃんがたった1人で群がる無数の空手家たちを次々と蹴り倒していくアクション・シーンの撮影が始まっていました。私は今回初めて飛松陽菜ちゃんのアクションを見たのですが、幼い表情(西導演いわく「彼女って何処となくブルース・リーに似た雰囲気があるでしょう?」との意見に私も同感!)からは想像出来ないほどの打点が高く鋭い、そして綺麗な蹴りを繰り出す子で、今回の乱闘シーンでは私が観ていてもかなり難度が高い様々なバリエーションの蹴り技を延々何テイクも撮り続けるなど、陽菜ちゃんは本当に頑張っていましたね。
で、この陽菜ちゃんがバッタ!バッタ!と倒しまくる空手家たちの師範代を演じているのが、何とぉ!リーさん信者の間では良く知られた空手家のAさんなんです♪劇中でのAさんはこの体育館のシーンでは陽菜ちゃんたちに向かって「誰だ、君たちは!?」なんて一喝したりと台詞が幾つもありましたし、画面的にもかなり出番があったので、私もついつい嬉しくなってしまいました。Aさん、改めて俳優デビュー、おめでとうございます♪
あと私が「さすがに西冬彦作品の現場だ!」と痛感したのが、武田梨奈ちゃんの弟さんの一馬君がAさん演じる師範代の目の前でAさんの弟子の1人の空手家の顔面に超ハードな蹴りを叩き込むシーンの撮影でした。
もうここでは一馬君の渾身の蹴りが弟子役の男性の顔面に「バキ!」「ドカ!」と思い切り何度も入っても、中々「OK!」の合図が出ないんです(大汗)。まさに撮影現場全体にピリピリ!とした緊張感が漲る中、やっと何度目かのテイクで西バトル監督の「よし、OK!」の声がかかり、この文字通りスタッフ全員が“真剣勝負”で挑んだ超リアルヒッティング・シーンの撮影がアップしました。
あと肝心の主演の武田梨奈ちゃんですが、今回の体育館のシーンでは梨奈ちゃんが一馬君たちに向かって「止めてぇぇ!ほっとけない・・だって・・守るのが・・空手・・だから!」との台詞シーンのみでアクション・シーンの撮影はありませんでした。
私もその梨奈ちゃんとは現場で一度だけ目が合ったんですが、その時の梨奈ちゃんはとても素敵な笑顔を返してくれましたし、現場での梨奈ちゃんも絶えず周囲のスタッフの人たちに気を遣っていて、改めて私も今回の梨奈ちゃんの頑張りには感心しました。あと西導演によると、今回この『KG』における最強の敵である巨漢の外人空手家キース(リチャード・ウィリアム・へセルトン)と梨奈ちゃんの最終決戦シーンは既に撮り終わっているそうなので、これは今からこの『KG』の完成&公開が本当に楽しみですねー!
また個人的に是非お会いしたかった西冬彦作品の常連であり、恐らくは日本最強の空手家の1人である中達也師範なんですが、今回中師範の代名詞の“一撃必倒!”の空手アクション・シーンは映画の序盤に登場するそうで、これまた既に撮影済みだそうです。 あと今回現場でバトル監督である西導演の傍らでアクション指導をサポートしているのが、元倉田プロの重鎮の高橋伸稔さんで、私も休憩時間に高橋さんにご挨拶させて頂いたんですが、私が「僕も高橋さんが出演した『イエロードラゴン』や舞台の「和製ドラゴン放浪記」拝見しました!」と振ると、高橋さんは穏やかな笑顔で「ありがとうございます!いや~『イエロードラゴン』は無謀にも出てしまいましたぁ!」と実に丁寧に答えて下さいました。
今回現場での西導演は私にも色々と気を遣って下さり、撮影が終わったばかりの飛松陽菜ちゃんのアクションをモニターでチェックする際にも「どうぞ龍熱さんも見てみて下さい!」と声をかけて下さったりと、改めて私も今回の『KG』の撮影現場訪問では大変興味深く、また楽しい時間を過ごす事が出来ました。
最後に西導演が私に語ってくれたんですが「龍熱さん、今回僕は武田梨奈たちにリアル・ヒッティングよりも、如何に速く、高く、そして美しいアクションを見せられるか!を求めてるんです!期待していて下さい!」と力強く言い切った姿が印象的でした。『黒帯』、『少林少女』、『ハイキックガール!』と、自身が学び鍛えた空手という武道をベースに、自らが理想とする“リアル・ジャパニーズ・アクション”を追い求める西冬彦が新たに放つ本格派空手アクション最新作『KG』、繰り返しになりますが、来年初頭の劇場公開、いや“闘始(たたかい、はじめ)”が待ち遠しいですね。

最後に今回の『KG』撮影ロケ現場訪問に際しては、「ノーフューチャー」の立花孝之さん、「ヨアケ」の吉村知己さんに大変お世話になりました。ここに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました!
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無敵女空手刀vs凶悪妖術軍団!郭南宏導演、張清清主演『鬼門太極』 (宏華)

2010-09-25 00:10:02 | 作品レビュー
今週、私の長年の友人であるイギリス人のまた友人のEさんがイギリスから日本に来ているんですが、そのアジア映画関連ポスターの強者コレクターであるEさんを都内のポスター・ショップに案内したりしていました。(ショップの情報を頂いたTさん、ありがとう!)で、私が思わず唖然としたのがEさんの豪快なポスターの購入振りで、あるお店でドドッと10数枚のポスターを購入したと思ったら、次のお店でもまたまたドドッと大量のポスターを購入!さらにEさんは映画専門の本屋さんでもポスター関連の書籍を何冊も購入するパワフル振り!いやはやお見事です♪
でも怒涛のポスター探索を終えたEさんは本当に嬉しそうな表情で私に「Thank you so much for your help!」とお礼を言ってくれましたし、加えてEさんが「これ、今回のお礼にユーにあげるよ!」と私に進呈してくれたのが・・何とぉ!姜大衛&張玲主演『銭王、拳王』(81)の台湾製プレスブックでした。おお、これは激レアなアイテムだ!Eさん、Thanksです♪
でも私も今回はEさんとイギリスの香港クンフー映画コレクター事情など色々と情報交換も出来たりと、とても楽しい一時を過ごせてハッピーでした(笑顔)。

さてさて、先日チラッと触れました郭南宏(即:江冰涵) 導演、張清清&江南主演『鬼門太極』(71)やっと観終わりましたが、これは面白かったなぁ!映画は悪の妖術使い閻太極(柯佑民)率いる鬼門関(雷峻、江青霞、江島、蔡弘ら)一派と、その鬼門一派に家族を皆殺しにされた仇真真(の少女時代を演じるは台湾の天才子役で知られた紀寶如で、とにかく大人顔負けの名演!)の闘いを描いています。
閻太極は真真の家族に助けられた路天宏(邵羅輝。路の字異なります)が持つ「空手刀」なる無敵の武術の指南書を狙いますが、鬼門一派の襲撃を何とか逃れた路天宏は、絶った1人生き残った幼い真真を連れて山奥へと身を隠します。
15年後、美しい女性に成長した真真(張清清!)は、路天宏やその恩師である大成丹士(江洋)の許での厳しい修行の果てに、一撃必殺の武術である空手刀を習得していました。
ここから張清清演じる女拳士仇真真が得意の空手刀を駆使して1人、また1人と鬼門一派たちを打ち倒していくんですが、途中から同じく悪辣な閻太極を倒さん!と狙う青年剣士の司徒雷(江南。実は路天宏の息子)ら三兄弟も真真と行動を共にし、最後は鬼門関の神殿奥深くで真真、路天宏、司徒雷vs閻太極の大激闘が延々と展開されます。
ここで興味深いのが、真真たちが己の肉体を鋼の如く変え、どんな攻撃をも弾き返す混身功なる秘術を身につけた閻太極の唯一の弱点である“死穴”が閻太極の身体の一体何処にあるのか?を必死に探しながら閻太極と闘うシークエンスで、私はこの所謂香港クンフー映画の一つの定番である正義と悪による決死の弱点探し的攻防戦を“正邪鐵布衫比賽”と呼んでおります(苦笑)。
まあ確かにこの『鬼門太極』の劇中で展開される張清清による武打シーンは、明らかにフィルムの早回しが目に付きますし、そのファイト・スタイル自体も如何にもオーソドックス然としたかなり地味目のクンフー・ファイトではあります。
ただそこは同じ郭南宏導演作品『悪報』(72)などでも見事な武術指導を行った林有傳によるメリハリの利いた素早い突きや蹴りを用いた殺陣構成によって、作品全体の武打シーンもそれほどの年代的な古さを感じさせない、実に緊張感漲る闘い振りとなっています。
また主役の張清清に関してですが、郭南宏導演は60年代中盤から自らの武侠片において積極的に女武打星を映画の主軸に起用し続けた人で、その郭南宏作品における歴代の女主角たちの顔触れも上官霊鳳、張清清、燕南希、再び上官霊鳳、そして嘉凌とその華麗で豪華な女武打星たちの雄姿を思い起こすだけで、彼女たちが主役を務めた数々の作品群が脳裏に浮かぶ方もきっと多いかと思います。
改めてこの『鬼門太極』こそ70年代序盤に郭南宏が宏華公司作品で撮った数々の武侠片の中でも随一の完成度を誇る娯楽作品だと断言したいですし、この『鬼門太極』を初めとする郭南宏が残した台湾産傑作武侠片群も、是非国内でのソフト化を望みたいですね。

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伝説の寝屋川血戦!WWWFジュニア・ヘビー級戦 藤波辰巳vsチャボ・ゲレロ!!

2010-09-23 12:10:29 | その他
来月開催される東京国際映画祭では、我らがドニー兄貴主演『葉問』&『葉問2』に続いて、あの『男たちの挽歌』(86)の韓国版リメイクでソン・スンホン主演『無敵者』も上映されるんですねー!これは今年のTIFFは近年稀に見る大盛り上がり必至となりそうです。韓国映画と言えば、以前にも当ブログでレビューしました羅棋導演、胡慧中&張勝和主演の抗日武打片『關東太陽會 』(93)の韓国公開バージョンで、イム・ソンこと林善導演作品『野望の大陸』(92)を入手!
まだ最後まで観ていないんですが、私が感激したのが『關東太陽會 』では出演者全員が北京語での台詞だったのに対し、韓国バージョンである『野望の大陸』では胡慧中や張勝和たちが集会を行うシーンなども含め、ほぼ全編に渡って胡慧中が北京語を喋り、張勝和が韓国語をそれぞれ喋るんですね。あと慕思成など悪の日本人に扮した武打星もヘンテコな日本語と一緒に韓国語を喋っていましたね。いや~やっぱり韓国バージョンはこうでなくちゃね♪

さて、最近私が以前から「もう一度観たい!」と熱望していた“炎の飛龍”こと藤波辰巳(当時)のWWWF(当時)ジュニア・ヘビー級王者時代の貴重な試合を観る事が出来ました。それが昭和53年10月20日、大阪は寝屋川市民体育館で行なわれた藤波が挑戦者にチャボ・ゲレロを迎えての10度目の防衛戦の映像なんです。
この試合は恐らくは藤波のジュニア時代(というより藤波のレスラー人生においても)最高の名勝負と言われている試合で、私も当時生放送されたこの試合をリアルタイムで観ましたし、まだビデオデッキを購入する前だったため、カセットテープレコーダーで試合音声を録音したのも覚えています(苦笑)。
試合は当時既に60分1本勝負が主流の時代でありながらも、敢えて61分3本勝負形式で行われ、1本目はロスアンゼルス地区屈指の強豪として知られたチャボ・ゲレロがトリッキーな回転エビ固めで藤波をフォールし先取します。
ところが2本目の中盤で藤波に大アクシデントが発生!藤波が場外に落ちたチャボにドラゴン・ロケットを敢行しますが、それをチャボがアッサリとかわした(!)ために、そのまま藤波は場外のイスに思い切り額部分を直撃し、その額から大流血!
場内の観客が騒然となる中、既にチャボに1本目を先制されて後が無い藤波はドクドク!と額から流血するままフラフラ状態でリングに戻りますが、そこにチャボが情け容赦ない猛攻!危うし!“炎の飛龍”!!
ここで当日テレビ放送席で解説を務めていたアントニオ猪木が「こりゃ・・ちょっと無理でしょう?」と妙に冷めたコメントを吐く中(苦笑)、大流血にも負けない藤波はチャボの背後に回り必殺のドラゴン・スープレックスの体勢!ところが飛龍原爆固めを研究していたチャボは藤波の脚に自分の脚をフックして飛龍原爆を阻止!ならば!と藤波はチャボにダブルアーム・スープレックスを決めスリーカウント!辛うじて藤波は2本目を取り、試合はやっと1対1となります。
まあ普通なら、ここからいよいよ試合の雌雄を決する3本目!となるんですが、藤波の額からの出血が余りに酷いため、これは試合自体がドクターストップになるかも?と私たち観客がハラハラする中、放送はコマーシャルとなります。
と言いながらも、コマーシャルが終わると何ともう決勝の3本目が始まっていて(オイオイ?)チャボの猛攻にフラフラの藤波が大苦戦する様子が画面に映し出されます!で、最後は一進一退の攻防の果てにロープに飛んだチャボを一瞬飛び越えた藤波がチャボとすれ違い様に最後の力を振り絞ってのコブラ・ツイスト!もう場内のお客さんは総立ち!!
ここで渾身の力でチャボを締め上げる藤波の額から溢れ出る鮮血がチャボの太股にポタポタ!と流れ落ちるシーンは、数ある新日本プロレスの名勝負の中でも屈指の名シーンとして、今も多くのファンの記憶に残っています。
そして遂に藤波のコブラ・ツイストにチャボがギブアップ!場内の大歓声と共にリング上に舞った紙吹雪が今だかつて経験した事がないほどの大死闘を勝利で飾った藤波の両肩に優しく舞い落ちていくシーンは、まるで映画の中の1シーンのように感動的でしたね。

実はこの藤波辰巳vsチャボ・ゲレロのWWWFジュニア戦は、何故かテレビ朝日にこの試合の映像が残っていないために、これまでも藤波の過去の名勝負を納めたVHSやDVDには一切未収録でしたが、今月発売となった「昭和秘蔵名勝負烈伝」DVDボックスに目出度く収録されたとの事です♪そう言えば、かなり以前に元新日の田中リングアナが「寝屋川の藤波vsチャボのWWWFジュニア戦の映像をファンの方でお持ちになっている人がいたんです!」と何処かのプロレス雑誌に書いていて、それを読んだ私も「おお!これであの藤波の伝説の名勝負がもう一度観られるぞ!」と狂喜していたんですが、今回私もやっと32年振りにこの試合を再び観る事が出来た事は本当に感激でした。
私は日本を代表するプロレスラーである藤波が最も輝いていた時期こそ、藤波がジュニア・ヘビー級の選手として活躍していた時代だと思っています。特にドラゴン・スープレックス、ジャーマン・スープレックス、ドラゴン・スクリュー、ドラゴン・ロケットなどといった当時は誰も真似の出来ない数々の“ドラゴン殺法”を引っ提げて、チャボ・ゲレロを筆頭とするゲレロ兄弟、トニー・ロコ、剛龍馬、エル・カネック、そしてマスクド・カナディアン(懐かしい!)と言った好敵手たちと激闘を見せていた時代の藤波の試合は素晴らしくスリリングであり、また躍動感がありました。
出来る事なら、この藤波のジュニア・ヘビー級時代の試合だけを収めた「“炎の飛龍”、その輝けるジュニア・ヘビー級王者」なんてタイトルでDVDボックスを出してくれたら速攻で買っちゃうんだけどなぁ!
で、そのDVDボックスにはあの前代未聞の“蔵前敵前逃亡事件”を起こすエル・カネックが、その前の週のテレビ放送マッチで藤波と闘った前哨戦の45分1本勝負を絶対に収録して欲しいですねー!だって、この試合こそエル・カネックの日本におけるベスト・マッチで、それこそ藤波とカネックの2人がメキシコでの修行時代に何度も行っていた大乱戦(流血した藤波がカネックのマスクを引き裂き、それに怒ったカネックが反撃する!と言う、まさに殺気漲る大興奮の攻防!)をそのまま日本のリングで再現して見せたド迫力マッチだったんですね。今回の藤波vsチャボ戦に続いて、何時の日か、この藤波辰巳vsエル・カネック戦ももう一度観る事が出来たら本当に嬉しいです。
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スタローンが放つハリウッド版“オールスター陽剛映画”『エクスペンダブルズ』!!

2010-09-19 13:35:20 | 作品レビュー
さて前回チラッと触れましたが、我らがスライことシルベスター・スタローン監督&主演作品『エクスペンダブルズ』(10)観ました。皆さんもご存知のように、この映画は公開前からその信じられないほど豪華なキャストが話題となっていましたが、まさに世界のアクション・スター総出演!となったキャストだけではなく、その劇中で繰り広げられる数々のスピード&力強さ&斬新な殺陣と全てが揃ったハイレベルなアクションも見事な完成度を誇っている作品です。
物語は主人公バーニー・ロス(スタローン!)率いる最強傭兵部隊「エクスペンダブルズ」が、南米の島国ヴィレーナでクーデターを起こし独裁軍事政権を握った悪辣な将軍(の部下に何気にノゲイラ兄弟)と、その将軍を裏で操る元CIA工作員モンロー(エリック・ロバーツ)一味を打ち倒すまでを描いています。
まず映画の冒頭、ソマリアで人質奪還作戦に挑んだ「エクスペンダブルズ」ですが、その任務中に隊員の1人の巨漢ガンナー(ドルフ・ラングレン)が薬物中毒の影響で無謀な単独行動を起こし部隊を危険にさらしてしまいます。
ここでガナーの単独行動に怒った隊員のインヤン(今回は李連杰表記ではなくジェット・リー!)とガンナーが短いながらも隊員同士の乱闘を見せます。因みに今回多くの香港映画ファンが注目するジェット・リーの本作『エクスペンダブルズ』への出演ですが、オープニングのクレジットもスライ、ジェイソン・ステイサムに次ぐ3番目と破格の扱いなのが嬉しいですね。
また劇中でもロスたちとのミーティングではインヤンの「俺はもっと報酬が欲しいんだ!何せ俺には息子がいるし、息子にはいい学校に行かせてやりたい。だからもっと報酬額を上げて欲しいよ!」なんて台詞(って実はインヤンは天涯孤独・・!)もありますし、中盤でロスが仲間の反対を押し切り再びヴィレーナに向かうべく1人で車に乗り込むと、インヤンだけが助手席に乗り込んで来て「俺は仲間と死ぬ時は一緒さ!」なんて涙モンの台詞を吐いたりしてくれます。
とにかくジェット信者の皆さんは今回の『エクスペンダブルズ』でのジェットの活躍に関しては、中盤の工場内で再度実現するインヤンvsガンナーの決着戦(まさに異色中の異色対決!香港クンフー映画ファン必見!)も含めて大いに期待して良いと思いますよ♪余談ですが、今回『エクスペンダブルズ』のジェット・リーのアクション・シーンに関しては、コーリー・ユエンこと元奎が担当しています。
さて、この『エクスペンダブルズ』で他に大きな話題となったのが現役カリフォル二ア州知事であるアーノルド・シュワルツネッガー演じるトレンチの出演シーンですが、教会でスライ演じるロスと依頼人チャーチ(ブルース・ウィリス)が集うシーンで、確かにシュワちゃんが数分間ですが登場します。でもこのシーンのシュワちゃんってスライやウィリスと一度も同じ画面に映らないなぁ(笑)。これって3人の出演シーンをそれぞれ別撮りしたのを合成したんじゃないの?(トホホ!)。
またスライと共にこの『エクスペンダブルズ』の事実上の主役であるリー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)ですが、映画の中で部隊専用の水陸両用艇の操縦席でステイサムがスライと並んで座っている絵柄だけで「これってマジで凄い面子が揃った映画だぜ!」と痛感せざるを得ませんし、本作でのステイサムのそれこそナイフのような切れ味を誇る肉体&ウェポン・ファイトはまさにこの『エクスペンダブルズ』で主役を張るに相応しい見事さだと断言したいですね。それくらい今回のステイサムは最高にイカしてます(拍手!)。
で、いよいよクライマックス、ロス率いる「エクスペンダブルズ」がモンローに従う凄腕の用心棒ペイン(“ストーン・コールド”スティーブ・オースチン!大拍手!)やブリット(ゲーリー・ダニエルズ!これまた拍手!)と地下壕を舞台に激闘を展開する時がやってきます!!ここでジェット・リー対ゲーリー・ダニエルズという“夢の対決”がアッサリと実現し、さらにそこにステイサム演じるリー・クリスマスが参戦し、そのまま3人が猛スピードで入り乱れるド迫力の2対1大決闘は、思わず観ている私も大興奮だ!(この2対1大決闘の衝撃の決着シーンは是非劇場で!)
さらにその横ではスタローンとスティーブ・オースチンが肉弾戦を展開し、闘志満々のロスが「さあ、どうした?来い!」とペインを挑発するや、怒り狂ったペインが「うおおおおお!」とロスに突進!そのペインの突進を真っ向から受け止めたロスがペインの腕を取るや電撃の腕ひしぎ逆十字固め!因みにスライはこのオースチンとの対決シーンでオースチンに首(正確にはうなじ)を折られたそうです(大汗)。そしてこの戦慄の“ガラガラ蛇”オースチンの暴走にストップをかけるべく最後に立ち塞がったのが「エクスペンダブルズ」随一の格闘テクニックを誇るトール・ロード(ランディ・クートゥア)だ!
この2人の巨漢が炎の海をバックに肉弾戦を展開する傍らでは、将軍の娘サンドラ(ジゼル・イティエ)を人質に逃げるモンローをロスが追走する・・!いま熱き男たちの闘いに決着が着こうとしている・・!
映画の最後は「エクスペンダブルズ」たちの溜まり場である刺青師ツール(ミッキー・ローク)の店に集まったロスたち「エクスペンダブルズ」全員を前に、またもステイサムことリー・クリスマスが思い切りCOOLに“エンディング・ショット”を決めてくれますので、このエンディングも必見でしょう。

とにかくこの『エクスペンダブルズ』は出て来る登場人物の殆どが厳つい顔&筋肉ムキムキの男ばかりで、女性キャラはたったの2人(涙)だし、もう観ていると途中で息苦しくなって来るんですね(苦笑)。
でもその厳つい男たちの身体の中には「俺たちを必要としている人間がピンチになってるならほっとけねえな?さあ、助けに行こうぜ!」的な心優しき“英雄血”が脈々と流れているんです。
私はこの『エクスペンダブルズ』で勇ましくも心優しいスライやジェットたち“敢死隊”の命懸けの闘い振りを観ていて、あの邵氏兄弟公司や長河公司で『十三太保』(70)、『少林寺』(76)、そして『上海灘十三太保』(84)など数々の“オールスター陽剛電影”を撮った張徹導演を思い起こさずにはいられませんでした。
そう、まさにこの『エクスペンダブルズ』は、スライことシルベスター・スタローンが世界中のアクション・スターを結集して撮ったハリウッド版の“オールスター陽剛映画”なのだ!!
それにしてもこの『エクスペンダブルズ』、早くもパート2が観たい!なんて声が挙がっているそうですが、私もこの超豪華面子での続編だったら是非観たいなぁ!あ、その『エクスペンダブルズ2』では、是非悪のボス役を今度こそジャン=クロード・ヴァンダムにお願いしようじゃないか!?(笑顔)。
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「第23回東京国際映画祭」で、甄子丹主演『葉問』&『葉問2』上映決定!!

2010-09-18 12:05:10 | ニュース
シルベスター・スタローン最新監督作品『エクスペンダブルズ』(10)観ましたが、面白いねー!李連杰ことジェット・リーも大活躍(台詞も多し!)だし“ストーン・コールド”スティーブ・オースチンやドルフ・ラングレンも堂々の悪役振りでアッと言う間の90分でした。ええ?世界のアクション・スター総出演のこの映画で誰が一番良かったかって?そりゃ何たってゲーリー・ダニエルズでしょう!(爆笑)。この『エクスペンダブルズ』は近日中に当ブログでレビュー予定ですので、お楽しみに!


さてさて、この我らがドニー兄貴信者にとってまさに大感激&大興奮のニュースは、先ほど染野行雄さんからお知らせ頂いたばかりの情報です。先日の『十月圍城』上映決定の報に続いて、来月の「東京国際映画祭」ではあの葉偉信導演、甄子丹主演による『葉問』(08)、そして『葉問2』(10)が、それぞれ『イップ・マン 序章』、『イップ・マン 葉問』の邦題での上映が決定しました!!まずは染野さんの「染野企業電影工作室」のHP→http://www.somenofilms.com/と共に以下のタイム・テーブルをご覧下さい。


【上映1回目】 10月23日(土) 

『イップ・マン 序章』(葉問1)
16:10(開場)~16:30(上映)~
上映会場 シネマート六本木 スクリーン4番 


『イップ・マン 葉問』(葉問2)
19:10(開場)~19:30(上映)~
上映会場 シネマート六本木 スクリーン4番 



【上映2回目】 10月29日(金)
 
『イップ・マン 序章』
11:40(開場)~12:00(上映)~
上映会場 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン5番 

 ★上映終了後にイベント予定
14:40(開場)~15:00(上映)~
上映会場 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン5番


私、龍熱もこのドニー兄貴のベスト・ムービー2本がいよいよ大スクリーン&日本語字幕付きで観られる事の大いなる喜びにもうひたすら言葉がありません。ただただ「嬉しい!」の一言です。
今回この『葉問』&『葉問2』の日本公開決定に関しては当ブログでもお馴染みの染野行雄さんの様々なご尽力がありました。私も染野さんからはこのドニー兄貴主演作品2本の日本公開に至るまでの経緯をお訊きしているんですが、ここでは先日染野さんが黄百鳴を間にドニー兄貴と対面した時のドニー兄貴に対する第一印象を書き記したいと思います。
「いや僕はね、その時に甄子丹から挨拶されたんだけど、この男は僕が昔に会った李小龍と何処か似ているな!と思ったねぇ。ちょっと小柄だけど精悍な感じでね」そう、かつてリーさんが邵氏兄弟公司のドン邵逸夫との交渉が決裂し、邵氏のスタジオ前のバス停で小麒麟と意気消沈している所に偶然車で通りかかった染野さんがリーさんを励ましたあの日から40年後に、今度はリーさんを心から崇拝しその主演作でリーさんの恩師に扮したドニー兄貴主演作品の日本公開に染野さんがご尽力なさった事、それはもしかしたら不思議な糸で結ばれた運命だったのかも知れませんね。
さあ、日本全国のドニー兄貴信者の皆さん、リーさん信者の皆さん、そしてサモ・ハン信者(笑顔!)の皆さん、時は来ました!近年の香港クンフー映画の中でも文字通り最強武打星主演による最高水準の完成度を誇る作品『葉問』&『葉問2』がついに日本上陸を果たします!そう、まさに日本における“最後の本格派、猛龍頂点制覇”への道は、もはや問答無用の待った無しなのだ・・!
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あの感動と興奮を再び!李連杰主演『SPIRIT』、いよいよ来週地上波初登場!

2010-09-16 00:59:39 | ニュース
昨日は「DRAGON FILM」さんから今月24日にリリースされる勝利太郎主演『盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン』のDVDを観ていました(本作の字幕担当の家有喜事さん、ありがとうございます!)。
いや~それにしてもこの大怪作にして大快作である本作が本当に日本語字幕付きで観られるなんて、もう嬉しいやらビックリやらですね♪私も今回久々に観直してみて、ああ、血滴子使いが江島だったなぁ!とか、今は亡き山茅も出てたんだ、などとついついニコニコしながらも熱心に観てしまっています(苦笑)。恐らくはこれほどの大怪作なだけに、すぐに激レア・アイテムになりそうなこの『盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン』DVD、この手の映画が大好きな方はマスト・ゲットでしょう!

さて、来週22日にテレビ東京の「水曜シアター9」で“功夫皇帝”ことジェット・リーこと李連杰主演『SPIRIT』(06)が地上波で初放送となります。言うまでもなくこの『SPIRIT』は、李連杰が実在した武道家である霍元甲の波乱に飛んだ生涯をその重厚で繊細な演技力と、華麗で力強いクンフー・アクションで見事に演じ切った、現時点における李連杰“最後のクンフー映画”です。映画の序盤の傍若無人な霍元甲の暴れっぷり、中盤の精神的に成長した霍元甲とヘラクレス・オブライエン(ネイサン・ジョーンズ)のド迫力の擂台戦、そしてクライマックスの武道家として、また1人の人間として円熟の境地に達した霍元甲と日本人武道家田中安野(中村獅童)による凄惨かつ余りにも感動的な決着シーンが用意された一騎討ち、とまさにこの『SPIRIT』こそがゴールデンタイム放送に相応しい香港クンフー映画であり、そして「水曜シアター9」“最後の映画放送”に相応しい李連杰のベスト・ムービーである!と龍熱は断言します。
映画の最後の最後で中村獅童演じる田中安野が傍らで口許を血に染め立ち尽くす霍元甲の手を高々と掲げ、試合場内の観客に向かって声を限りに叫ぶ“三文字”から成る言葉とは!?その魂を揺さぶられるような大感動の名シーンを、私も今回のTV放送でより多くの人たちと共に是非もう一度味わいたいと思います。
さらに当然と言えば当然ですが、今回李連杰こと霍元甲の日本語吹き替え音声担当は池田秀一さんです(拍手!)。
さあ、“功夫皇帝”李連杰主演『SPIRIT』、いよいよ来週22日、夜9時放送です!
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熱風!韓国LEGENDS(41) 盲目拳士、挑戦混合武術比賽!白彪主演『拳王の復讐』

2010-09-15 12:09:35 | 熱風!韓国LEGENDS
さて、「熱風!韓国LEGENDS」の第41回は、張森&張鎭源聯合導演、白彪&高遠主演『拳王の復讐』(72)でいきましょう。実はこの『拳王の復讐』は香港題名を『盲拳(又題『亡命拳』)』と言いまして、長江公司作品として72年の9月に香港で公開されています。皆さんもこの『盲拳』という題名は一度は聞いた事があるかと思いますし、私も今回この『盲拳』のVCD(北京語&広東語音声収録)を久々に観直してみる前は、この映画を通常の香港映画としてレビューしようと思っていました。ところが実際にこの『盲拳』を観直してみると、全編韓国ロケを敢行している上に、白彪、高遠、胡茵茵、姜南、楊威などの主要キャスト以外は殆どが韓国人俳優(後述します)で占められているという事実にぶち当たり、これは是非この『盲拳』は韓国公開題名である『拳王の復讐』として「熱風!韓国LEGENDS」で取り上げないと!となった次第です。
で、こちらが韓国映像資料院で観る事が出来る本作の韓国版ポスターなどの詳細データです↓http://www.kmdb.or.kr/eng/md_basic.asp?nation=K&p_dataid=02547&searchText=권왕의%20복수
この韓国版ポスターも中々良い味出していますね(笑顔)。ただこの『拳王の復讐』は韓国でも72年公開とのデータがあるので、この『拳王の復讐』が果たして香港と韓国による正式な合作映画なのか、あるいは聯合導演映画なのかは現時点では断言出来かねる状態です。

映画は著名な盲目の武道家(高遠)の息子で中国拳術館の豐寶(白彪)と、悪辣なボス姜南率いる犯罪組織が「混合武術比賽(要するに異種格闘技戦。と言いながら実際のリング上で繰り広げられる闘いはキックボクシング的なクンフー・ファイト)」なる武術大会を舞台に激しい抗争を展開していきます。
注目なのが毎回「混合武術比賽」に大金を賭ける姜南が裏で操る“拳王”の異名を持つ冷酷非情な格闘家の猩猩(オランウータンやゴリラって言うのも凄い名前ですが)に扮しているのが韓国クンフー映画の悪役でお馴染みの金榮仁なんですねー!さらにその金榮仁の子分役に朴東龍、趙春(髪フサフサ!)などお馴染み“韓国悪役商会”の皆さんも顔を揃えております。この金榮仁は武打星としてもかなり身長がある人で、そのせいか悪の格闘家役が実に良く似合っていますし、映画の序盤の「混合武術比賽」で猩猩が挑戦者(に扮するは何と金王國!)を撃退するシーンで、猩猩の必殺技である連環腿(要するに連続の廻し蹴り。かな~りスローですが(苦笑))が炸裂するんですが、この猩猩の連環腿を映画の後半以降に主人公の白彪が如何に打ち破るかが本作の裏テーマになっているわけです。
さて、物語は中盤で同じく中国人の格闘家として韓国に来ている宋路(魯俊谷!)とその妹(胡茵茵)が絡み、宋路は勇敢にも「混合武術比賽」で無敵の猩猩に挑み、猩猩の連環腿を浴びながらも善戦し、何とか引き分けに持ち込みます。
この試合結果に激怒した姜南は、猩猩とその子分たちに試合後の路上で宋路を襲撃させます。この猩猩一派の襲撃で瀕死となった宋路を道端で偶然助けた豐寶と中国拳術館の門弟(の1人に韓国映画の名バイプレーヤー韓兌一!)は、豐寶に自分の妹の安全を託しその場で絶命した宋路の無残な姿に、改めて猩猩との対決に闘志を燃やすのでした。
ここまでお読みの方にはもうお判りだと思いますが、この『拳王の復讐』は「混合武術比賽」を舞台に、中国人の豐寶や宋路vs韓国人の猩猩がお互いの雌雄を決するという、言わば武術を通じての中国人vs韓国人の全面的な対抗戦を描いているわけです。で、映画の終盤では豐寶が動物園を訪れた際に猩猩一派による毒粉攻撃で両目を潰され、盲目(と言うか相手がボンヤリとしか観えない状態)となり窮地となります。
そこを同じく盲目の父から猩猩必殺の連環腿を打ち破るべく激しい特訓を受けた豐寶が、例え盲目でも敵と互角に闘うスタイル、所謂“盲拳”を習得し、満を持して「混合武術比賽」で猩猩と対決します。そして豐寶は激しい闘いの果てに猩猩の連環腿を打ち破り、さらには猩猩の右脚をヘシ折り、見事勝利を得るのでした。

私がこの『拳王の復讐』で最も印象に残ったシーンが、当初は息子の豐寶が盲目になった事を知らず(と言うか豐寶は自分が盲目になった事を父親に敢えて言わずにいるため)にいる高遠演じる父親が、武館での練武で豐寶が(盲目状態のために)動きがぎこちないと聴覚で察すると「豐寶!しっかりせんか!」と叱責してしまうシーンでした。
そして練武が終わり、無人となった武館内で豐寶が門弟の韓兌一に怨敵の猩猩に対する激しい憤りをぶつける様子をソッと武館に入って来た父親が聞き止めます。いま全てを理解した父親が目の前の相手が韓兌一だと思い怒りと悔しさを叩き着ける豐寶を静かに抱きかかえます。「豐寶、お前と言う奴は・・!」「父上?父上!ああ、お許し下さい!うああああ!」
思わず父親の前に跪き泣き崩れる豐寶!奇しくも同じように盲目となった父と息子がお互いの悲痛な想いを通い合わせるこのシーンは、私も観ていてついつい泣けちゃったなぁ(涙)。
最後に、今回レビューしました『拳王の復讐』の主演コンビ白彪&魯俊谷は、同じく香港&韓国のコラボ作品『侠妓(香港題名『戰北國』) 』(72)などにも主演していますし、韓国側の導演である張鎭源は、これまた古森林との聯合(一応は)導演による武侠片で丁紅主演『毒龍』(71)などを撮った人ですね。この『毒龍』も今度機会を見て当セクション「熱風!韓国LEGENDS」でレビューしたいと思っています。

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「2010東京・中国映画週間」で、甄子丹主演『十月圍城』オープニング上映決定!

2010-09-12 14:02:50 | ニュース
この数日間は某誌の対談原稿の構成作業と格闘中なんですが、そんな中でも友人や知人たちから香港&韓国クンフー映画などの激レア物を色々と頂きまして、改めて感謝の一言です。近日中に何とか時間を作って鑑賞出来たらと思っていますし、郭南宏導演による邵氏片『劍女幽魂』(71)の北京語版(「協和影視」製オリジナルVHS)もやっと出て来たので、こちらも仕事が一段落しましたらレビュー予定ですので、お楽しみに♪

さて、来月開催される「第23回東京国際映画祭」との提携企画である「2010東京・中国映画週間」のオープニング作品(10月24日)として、あの陳徳森導演、甄子丹主演『十月圍城』(09)が『ボディガード&アサシンズ』の邦題で上映されます!!私はこのドニー兄貴信者にとっての朗報をこちらのブログで知りました→http://blog.goo.ne.jp/lost-found/e/d4c90cecd26b9018ee13c7d1b4b554a4 管理人のゆきんこさん、多謝です♪
いや~先日の『ブルース・リー死亡遊戯』(78)東宝東和版上映決定のビッグニュースに続いて、我らがドニー兄貴を初めとするオールスター総出演による大感動巨編『十月圍城』が大スクリーンで観られるなんて感激ですね!
これでドニー兄貴演じる沈重陽が狂乱の格闘王カン・リ相手に繰り広げるあの“超ド級ストリート・バトル”が遂に日本上陸となるかと思うと、本当にワクワクします。ドニー兄貴自身も今後は『精武風雲/陳眞』、『関雲長』、そして『武侠』と話題作が続々と控えているだけに今回の映画祭での『十月圍城』の上映は、まさに日本における“最後の本格派、猛龍頂点制覇”に向けての大きな一歩!と言って良いと思います。
当ブログ「超級龍熱」でもドニー兄貴による“甄子丹挑戦李小龍!系列”である『精武風雲/陳眞』公開を記念して「正宗精武門電影大全」なる特集企画も考慮中ですし、今後の「東京国際映画祭」のさらなる上映作品情報も要チェックです!
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