古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の三十四

2016年04月20日 07時36分37秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十ページ、上の五~六行目

 

解読 吹流さ連候船と相見へ、帆柱越切捨桁を柱ニ立、帆ハ凡

    廿四反程を三ツ尓分ケ弐ツハ船の両遍らへ波除ニ幕同(様尓)

読み 吹き流され候船と相見え、帆柱を切り捨て桁を柱に立て、帆は凡そ

    二十四反程を三つに分け、二つは船の両べらへ波除けに幕同様に

 

説明 「吹流さ連」・・・吹き流され。「連」は変体仮名の「れ」ですが、「連」とは読めません。 「帆柱越」・・・「越」は変体仮名の「を」。本文では何度も出ます。「代」に見えます。 「桁」・・・日本建築で、垂木を受け止める横に渡した材木。ここでは、柱材を切り捨てたので、柱の代わりとして立てた材。 「廿四反程を」・・・「程」は「柱」にも見えますが、文意から「程」としました。 「三ツ尓」・・・「尓」は変体仮名の「に」です。「小」に見えます。 「両遍らへ」・・・両べらへ。「遍」は変体仮名の「へ」。両側へ。左右の舷側へ。「遍」は変体仮名の「へ」。「両」の崩しも難解。 「幕同様に」