「拝借仕米之事」第一頁、上の表題部及び一~二行目
解読 拝借仕米之事
米合弐拾七石也 利足月壱割
右者當秋稲毛傷毛願差控候處格外之
読み 拝借仕る米の事
米合わせて二十七石也 利息月一割
右は、当秋稲毛・傷毛願い差し控え候処、格外の
解説 「拝借」・・・簡単な漢字ですが、読むのは難しい。 「仕」・・・『つかまつる』、致します、お借り申し上げます、 「米之事」・・・米の件。 「合」・・・合わせて。全部で。 「利足」・・・利息。利子。当て字です。 「月壱割」・・・現在の率から考えますと、べらぼうに高利になります。それほど民の立場は弱かったと言う事。 「右者」・・・右は。 「當秋」・・・この秋。「當」は「当」の旧字体です。 「稲毛」・・・『いなげ』、稲の出来高。「毛」稲の穂の実り。 「傷毛」・・・『いたみげ』、傷んだ穂、「稲毛傷毛願」・・・稲の収穫が実りが悪かったので、ご配慮をして欲しいと言う御願い。 「差控え」・・・「差」も難解です。「手偏」に「口」で「控え」という字ですが、出ませんので現在の「控え」という字を当てています。 「候處」・・・差し控えましたが。「處」は「処」の旧字体です。読むのは困難、形で覚える。 「格外」・・・並はずれた、格別の、普通よりべらぼうに悪い。