古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十七章 拝借仕米之事 其の一

2014年09月10日 06時35分34秒 | 古文書の初歩

 

 

 

「拝借仕米之事」第一頁、上の表題部及び一~二行目

解読     拝借仕米之事

     米合弐拾七石也  利足月壱割

     右者當秋稲毛傷毛願差控候處格外之

読み     拝借仕る米の事

      米合わせて二十七石也 利息月一割

     右は、当秋稲毛・傷毛願い差し控え候処、格外の

解説  「拝借」・・・簡単な漢字ですが、読むのは難しい。 「仕」・・・『つかまつる』、致します、お借り申し上げます、 「米之事」・・・米の件。 「合」・・・合わせて。全部で。 「利足」・・・利息。利子。当て字です。 「月壱割」・・・現在の率から考えますと、べらぼうに高利になります。それほど民の立場は弱かったと言う事。 「右者」・・・右は。 「當秋」・・・この秋。「當」は「当」の旧字体です。 「稲毛」・・・『いなげ』、稲の出来高。「毛」稲の穂の実り。 「傷毛」・・・『いたみげ』、傷んだ穂、「稲毛傷毛願」・・・稲の収穫が実りが悪かったので、ご配慮をして欲しいと言う御願い。 「差控え」・・・「差」も難解です。「手偏」に「口」で「控え」という字ですが、出ませんので現在の「控え」という字を当てています。 「候處」・・・差し控えましたが。「處」は「処」の旧字体です。読むのは困難、形で覚える。 「格外」・・・並はずれた、格別の、普通よりべらぼうに悪い。