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展望パッキャオ対クロッティ

2010-03-12 18:50:01 | 展望・直前情報
全ボクシング界の頂点に君臨するフィリピンの超人マニー・パッキャオ選手のウェルター級王座の初防衛戦、対ジョシュア・クロッティ戦が目前に迫ってきています。

世界中を驚愕させるパフォーマンスを連発中のP4Pキング、パッキャオ選手。フロイド・メイウェザーJr選手との史上最高レベルのギガマッチがすったもんだの末に流れてしまい、その代わりにクロッティ選手との防衛戦、という経緯もあってイマイチ盛り上がりに欠ける心境だったりします。

ただクロッティ選手は10年以上ウェルター級のトップファイターとして戦い続けている生粋のウェルターウェイト。
パッキャオ選手にとってウェルター級での試合は今回で3試合目になりますが(デラ戦、コット戦)、前回のコット戦が145lbsのキャッチウェイトで行われた事もありパッキャオ選手にとってはウェルター級の選手とウェルター級で戦う初めての試合。
フィジカルの強さという面では、ウェルター級ファイターの中でもトップレベルにあるクロッティ選手が圧倒的に優位に立っているのは確実でしょう。(08年8月の対ジュダー戦ではクロッティ選手の当日体重は156lbs)
対ジュダー戦での戦いを見る限り、スピードのあるサウスポーを苦にする様子もなく、むしろ右ストレートリードや左フックでのハードな攻撃からはサウスポーが得意、とも感じさせるクロッティ選手の戦いぶりでした。

ただパッキャオ選手は異常です。圧倒的な運動量と手数で対戦相手を蹂躙し続けるここ数戦の彼の戦いぶりを見ると、一流のウェルター級選手であるクロッティ選手との戦いが、パッキャオ選手にとっては次なるビッグファイトへの単なる通過点、消化試合、息抜き試合程度のものに感じてしまうのは感覚が麻痺しすぎでしょうか。
まず鉄壁のガードで相手の攻撃を受け止めて、というクロッティ選手のファイトスタイルもパッキャオ選手にとっては優位に働くことでしょう。立ち上がりからペースを掴んだパッキャオ選手が縦横無尽に動き回りながらあらゆるアングルからの攻撃を次々に見舞い、徐々にクロッティ選手の装甲力を削ぎ落として行く試合になるのではないでしょうか。
スピードとテンポの差でペースを圧倒し続けるうちに何度か訪れるであろうチャンスを生かせればストップも十分にありえるように思えますが、予想としては一方的な内容にコーナーと自身が諦める終了TKOが最も可能性の高いシナリオでしょうか。

クロッティ選手のハードな攻撃は脅威ですし、パッキャオ選手をトラブルに陥れるような場面が訪れる可能性もあるにはあると思います。
ただクロッティ選手はチャンスをみすみす逃してしまうシーンを過去の試合で何度も見せていて、こういった傾向を見ると勝負どころで出れる勘の差もパッキャオ選手とは大きな差があるように思えます。一発当てて好機を演出しかけても、タフな相手とのタフな戦いを何度もくぐり抜けてきたパッキャオ選手を仕留めることはクロッティ選手には難しい気がしてしまいます。

ジュダー選手との戦いではフィジカルで圧倒しペースもキープしていながらもポイント的には僅差でしたし、対コット戦でもそうでした。
ペースを掌握した後に余裕(油断ではなく文字通り余裕ではあるのですが)を見せて相手の挽回を許すというこれまでのクロッティ選手の気質・メンタリティでは今回のようなビッグファイトを勝ち抜くことは不可能に思えます。
キャリア最大のファイトでの奮起に期待したいところですが…

パッキャオ選手が今回もまたP4Pキングとしての力を十二分に見せつける圧倒的パフォーマンスで勝利する、と予想します。


マニー・パッキャオ
55戦50勝(39KO)3敗(2KO)2分、世界戦12戦9勝(8KO)1敗2分
身長:5フィート6.5インチ(168.91cm)
腕の長さ(リーチではない):23インチ(58.42cm)

ジョシュア・クロッティ
39戦35勝(20KO)3敗1NC、世界戦3戦1勝2敗
身長:5フィート8インチ(172.72cm)
腕の長さ:24インチ(60.96cm)










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8 コメント

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Unknown (プクー)
2010-03-12 19:19:55
スピード差と倒す感覚の差でパッキャオが見栄え的に断然有利な気がしますがリングに上がってみないとなんともいえませんね。

クロッティは体力以外際立ったものはないようにみえますがジュダーもコラレスもフラフラにしてしまいました。特にコラレスなどクロッティとの試合で壊れてしまったかとおもう姿でした。

パッキャオの勝ちパターンはいくつもあるとおもいますがクロッティが勝つならパッキャオ血まみれでかなり残酷な試合になりそうです。
Unknown (管理人)
2010-03-12 19:40:46
>プクーさん
見栄えって何でしょう?
テレビの解説者が、見栄えが良いのでポイント的に有利とかよく言ってたりしますが、プロのジャッジや玄人はパンチの効果を正しく見定めています。
この言葉を聞くと、いわゆる見栄えなんてものに惑わされるわけがないだろ、馬鹿にしてるんだろうか、と常々感じます。
まぁこれは置いておいて、

パッキャオを破るだけのツールをクロッティは持っていますし、パッキャオ敗戦という可能性も確実にあることは理解しているつもりです。
ただ二人の格の違いがあまりにも大きすぎて、どうもビッグファイト前の高揚みたいなものが全然感じられないのが残念です。
(ここで言う「格」と直接対決での力関係ってのはまた別のもので、だからこそクロッティ勝利のシナリオもあると見ているのですが。)
少なくとも試合前のクロッティの立場は完全なるアンダードッグです。この境遇に奮起して意地を見せてくれる事をクロッティには期待したいです。
Unknown (プクー)
2010-03-12 23:04:28
見栄えっていうのはスピードがあってよく動き多彩なパンチを放つスタイルみたいなイメージでパッキャオは積極性もあり印象的なKOパンチも打ち込むのでまぁ見てて華があるというかそんなイメージでした。

片やクロッティは圧力はありますがまずブロックして相手のパンチの打ち終わりに合わせたりしぶとく相手に食いついていくような感じがあり華やかなボクシングではない印象です。

けれどそんなスタイルのクロッティがいわゆる見栄えのよさそうなジュダーやコットを痛めつけているので本当に拳を合わせてみないとわからない試合だなぁとおもっています。

スピード差でパッキャオが圧倒するようなそうならないような興味深い試合です。
Unknown (心に茨を持つおっさん)
2010-03-13 01:22:27
当日体重が過去最重量の相手になるんですかね。 
ここ最近の対戦相手がこぼしている「パンチが見えなかった」っていうのが気になります。 
クロッティはかなりがっちりしたガードですが多角的に繰り出される圧倒的手数の見えないパンチにはどう対応するんでしょうね。 
 
Unknown (リデル)
2010-03-13 03:12:26
管理人さん、いつも更新お疲れ様です。

自分は、今回の試合は、パッキャオの最近の中では、一番危ない試合のように思います。

クロッティの相手の攻撃を防ぐ能力はなかなかのモノですし、ジュダ戦、コット戦のように、消耗戦に持ち込んだら、パッキャオ相手にも、善戦しそうに思います。
ただ、管理人さんの言うとおり、詰めが甘いというか、決め手に欠けるのが問題ですが……。

世間的には、パッキャオが圧倒的な雰囲気ですが、自分は6:4くらいの感じです。
コット戦よりは、クロッティのほうが、パッキャオにとっては危険な感じがします。
Unknown (けんたしちー)
2010-03-13 07:35:39
パッキャオ選手の判定勝利が妥当ところでしょうか?クロッティ選手は確かに打たれ強く危険な相手だとは思いますが、これは次戦へのステップの試合と考えればリスクがあるという程度のものでしかないと思います。
パッキャオ選手が良い状態でリングに上がりさえすれば最近の試合内容からも問題ないと思ってしまいます。楽観視しすぎでしょうかねー?
問題なしでしょう(^^) (Ys)
2010-03-13 11:20:35
圧倒的なスピードの差とパンチの破壊力。クロッティが以前対戦したジュダーも早くて強いパンチを打ちますが、パッキャオのパンチはもっと早くてもっと強い。最近のパッキャオは怪物です。人間離れしてます。初回からクロッティを痛めつけて早い回にKOでパッキャオがクロッティを沈めてしまいそうです。クロッティが勝つイメージが浮かびません(^^)
Unknown (管理人)
2010-03-13 13:21:44
>心に茨を持つおっさんさん
コットがパックとやったときの当日体重がわからないので微妙な気がします。
コットは2007年3月の対ウルカル戦では当日159でした。
>クロッティはかなりがっちりしたガードですが多角的に繰り出される圧倒的手数の見えないパンチにはどう対応するんでしょうね。 
恐らくガードに忙しくて反撃を返せない展開になるんじゃないでしょうか。つまりは対応し切れないと私は予想します。

>リデルさん
直前情報の記事を今うpしましたが、海外メディアの予想記事を一通り眺めてみてパッキャオ有利の声が予想以上に圧倒的でちょっと驚きました。
ただ両者のここ数戦の戦いを見るとこの予想になってしまうのは必然にも思えます。クロッティは多くの識者が本当は勝っていたと見たコット戦で実力を証明した反面、大きな欠点をはっきりとさせてしまったように感じます。

>けんたしちーさん
パッキャオのコンディションに関して不安はないでしょう。今回で3試合目となるウェルター級での戦いで、よりこのクラスに順応しパワフルになったパックの姿が見れるのではないかと予想してます。
・・・楽観視しすぎでしょうか(笑)

>Ysさん
デラホーヤ、ハットン、コット戦での完全勝利っぷりは戦前の予想を遥かに超える内容・インパクトを持つものでした。
タフなクロッティを倒すの至難の業だろう、と私も思いますがこの変態なら何を起こしても不思議ではないです。
パッキャオがジョシュア・クロッティ相手に圧勝するだろう、と予想している私自身の意見が少し前までを思い起こすと本当に異常なものだと思います。
ですがどう考えてみてもパックの一方的な勝利以外に思い浮かばないんですよねぇ。

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