価値向上に向けて

仕事人生のグチをこぼす人生から、
形而上学を学び始め、豊かで喜びに満ちた人生への軌跡

7月総括(人材育成に関する考察)

2010-07-31 17:13:51 | 仕事
今月は、人材育成に関する調べものに徹した月。
(月といっても、終わり半分、2週間分くらいだけれど。。)
たくさんの会社の、人材育成のプログラムとか、考え方の事例を
とにかく見つけられる範囲で見つけられるだけ、読み込んだ。
(まぁ、自社の資料室に閉じ籠る&インターネットでの検索といった、
 あくまでお金をかけずにできる範囲、なので、抜け漏れも多いとは思うけれど。)

そんな中での気づきは、
実は日本の人材育成って、古くからあんまり変わってないよね、
ということ。
良い企業は、20年くらい前から教育体系を整備していて、
それに則って、ずっと地道に、着実に、技術を磨かせ続けている。
そこに、世の中の流行りで必要になってきたものを(例えば英会話、とか)を
追加して、運用しているところが多数を占める。
最初、私は、人材を育成するのには時間がかかるから、当然、このようにすることが
必要だし、伝統・技術を受け継いでいくためにも重要だと考えていたけれども、
もしかすると、このようなシステムでは、
画一的な人材を育成し過ぎるきらいがあるのかもしれない、そんなふうにも思えてきた。

比較対象として、米国・欧州、韓国の企業の事例も、少ないながら見たところ、
技術を教え込む、というよりはむしろ、体験を通してスキルを磨く場を設けている。
そこでは、皆が同じものを身に付けるという思想ではなく、
それぞれがちがうことを認め合いながら、そのちがいを尊重して伸ばしている、
という印象が強い。
だからこそ、どこに出ても(会社の外でも)通用するビジネスマンが育つ。
そんな風に考えることもできると思う。

どのようなやり方を選ぶかは、その会社がどのような目的を持って人材を育成するか次第、
それに尽きるのだけれども、
単純にみんなが同じことをできるようにする、というのは、もう古くなってきているのかもしれない。

そんなことも考えつつ、暑い夏が始まる。(すでに暑いけど。)

人を信じる≠だまされやすい

2010-07-30 20:18:58 | 読書
安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方」(山岸俊男 著)

この本も、ずっと気になってはいたものの、
なかなか手に取れずにいた(難しい気がしていた…)本の一冊です。
実際に、内容は難しかったのですが、
それを差し引いても、かなりおもしろかったです。

「渡る世間に鬼はない」ということわざを信じている、いわゆる高信頼者は、
単純に楽観的に誰でもを信じる”お人好し”でだまされやすい人間ではなく、
一方、ずる賢いと考えられがちな、「人を見たら泥棒と思え」を信じているタイプは、
計算高く生きているというよりはむしろ対人面で臆病であるがゆえに
人と人との関係を見抜く力が身に付いた、という内容。

そして、さらにそれらの能力(知性)は、その人が置かれる環境により
強化することができる、という実験結果も見えてきている。

この本が出版されたのが1999年なので、きっともっと進んだ実験結果も
出ているのだろうと思いつつ、
それでもなお、この本の内容自体が色あせることもなくて、おもしろいと感じました。
(もっと早くから知っていたんだから読めよ、自分…とつっこみたくなりました。)

しかも、たぶんわたし、北大生だったので、
この先生の社会心理学実験に、実験募集で参加しているような気もする…
本に出てくる実験そのものじゃないけど、似たような実験に参加した記憶が…
(まぁ、それがどうした、ってレベルではありますが。)
その記憶をたどっておもしろいことは、実験を受ける方は、
そんなに壮大な仮説が裏にあって、それを確かめるための実験を受けている、
なぁ~んてことはつゆほども思わずに受けちゃうんだなぁ、ということですかね。。
(その仮説がわかっちゃうと、情報操作になっちゃって、
 正しい実験結果が得られなくなっちゃうんだろうけど。)
そのカラクリを知ることができるというのも、おもしろいと思いました。
(私たちの仕事なんかも、そういう風に仕組めるとおもしろいんだろうなぁ、きっと。)

とまぁ、いろんな見方ができる(?)本なのでした。


日本って、おもしろい。

2010-07-29 18:56:35 | 読書
国家の品格」(藤原正彦 著)

やっとやっと、読みました。
しかし、この本って、どういう人たちに流行っていて、
とっても売れているのか、気になりました。
意外とすごいことをさらっと書いている気がする。
たいていの人たちが、批判の対象になっているようにも感じられる。
(それでも全体として、日本の良さを主張しているんだけど。
 どちらかというと、失われた日本のすごさ、の主張かな。)
きっと、著者の藤原先生が述べている完璧なエリートに自分が当てはまるわけではないから、
自分たちが批判の対象ではない、と思えちゃうのかな。
それで、他責という意味で、売れているのかもしれない。

講演録を編集した、というこの本、
実際に講演として聴いてみたかったと思います。
(講演で聴いた方が、さらりと笑って聞き流せる部分も多いのだろう、とも思いますが。)

ガラパゴス化ニッポン、と揶揄される日本ですが、
こういう、情緒や美的感覚、惻隠(同情心、あわれみの心)といった、
心の深いところに共通する傾向の側面から見ると、捨てたもんじゃない、おもしろい、
と思えます。
(いや、私、実際に日本とか、日本人とか、そもそも大好きなんだけど。)

そういう意味もあり、グローバル化とか、経済至上主義みたいな考え方に
なかなか馴染めなかったりもするんだけど。
(仕事柄、そういう方向を主張しなければならないのかもしれないけれど。)
だけど、本来の日本の強みをいかしていく、
それこそが日本の使命だと考えるのだとしたら、
もっとちがったアプローチもできるかもしれないなぁ、と改めて思いました。

売れている本には、売れている理由があるなぁ、と思ったところでした。
かなりおもしろいです、いまさらながら、おススメします!


男と女のちがい

2010-07-27 16:42:42 | 読書
セックスしたがる男、愛を求める女」(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ 著)

ついつい、これ系の本って、読んじゃいます。
話を聞かない男、地図が読めない女」の続編にあたるのかな?
この本を読んだ時、へ~ぇ、そうなんだ…と思ったけれど、
今回の本で紹介されている実験データなどの情報は、案外知っているものも多かったです。
(それだけ、いろいろと経験:読書?もした、ってことかな。)

結局、ほしい答えは見つからず…って感じなのですが。
まぁ、男と女が分かりあうためには、コミュニケーションを良くすることと、
相手を理解しようと努力することに尽きる、ってとこなんですかねぇ。
画期的な解決策は、ないんですよね、こういうのって。

とはいえ、やっぱり愛されたいです…。

「ソロモンの犬」

2010-07-25 09:01:50 | 読書
道尾秀介さんの小説です。

同年代の方です。。
すごいなぁ。
この方の存在を知ったのは、前回の月9「月の恋人」ではなくて、
ポッドキャストで聴いている「ラジオ版学問のススメ」という番組を通して、です。
毎回、1時間程度の番組で、
直近で本を出版された方を中心に、話題の方のインタビューを流している番組。
これ、毎朝の通勤時間にピッタリの時間(長さ)で、
意外と難しい話でもなく聴けるので、実は気に入っています。
しかも採り上げられる方々も、実に多彩で、おもしろいです。

数学者の藤原正彦氏の話も、ここで聴いて、今やっと「国家の品格」読み始めたり。
(いつの話だ、って笑わないでくださいね。。)
あと、軽くヒットしたのは、冒険家 栗城史多氏のこととか。
冒険家って、こういう風にしてなるんだ~って。
冒険家って、こういうことをやっているんだ~って。
なんか、世界が拡がった感じです。

さて、道尾秀介さんの「ソロモンの犬」でした。
おもしろかった、です。
夢の話で始って、事実の話が入子になっていて、登場する誰もがつながっている…、って
これじゃあ、何の説明にもなっていないんですが。
そういうつくりの小説でした。
救いようがない内容ではあるんだけど、
読んだ後に、重~い気分にはならなかったのが不思議でした。
人間とか、人生とかって、実はそういうものなのかも。
(どんなに救いようがないことでもやっちゃうんだけど、
 だけど、それを許してくれる仲間もちゃんといるんだ、みたいな感じ、かな。)
人とのつながりがあるから傷つくこともあるけれど、
逆に人とのつながりがあるから、その傷も癒されて、次に進める、
そんな感じを受けました。

道尾秀介さんが語っていた、「小説でしかできないこと」というのも楽しみに、
他の小説も読んでみたいです。



欧州人はなぜなぜ分析が苦手?

2010-07-24 12:49:16 | 仕事
「ドイツ人はなぜなぜ分析ができない」という話を先輩から聞いた。
同じく、別の先輩からは「フィンランド人が要因分析ができない」とも。

意外。
論理的思考ができる人は、こういう分析が得意なのだと思い込んでいた。
米国人はどうなのだろう?

最初の先輩曰く、
「美しい設計ができない人は、なぜなぜ分析ができない。
 なぜなら、設計理論こそが、原因を把握する力に直結するから。」
ということらしい。
うまくつくることが出来なければ、どこが悪いかを見つけることもできない。

そういう意味では、ものづくり、技術立国日本は、
モノもつくれれば、その不具合の原因を探ることも得意という強みを持っていることになる。
逆に、ものをつくれない国は、つくることもできず、悪いところをみつけることもできない。
つまり、ものを管理することもできないということになる?

ちょっとおもしろい話だった。


昔の仲間

2010-07-23 22:21:57 | 生活・趣味
今日は久々に、昔お世話になった先輩、お世話にした?後輩と飲み会。
後輩が1年半前に前の会社を辞めたという話を聞いていて、
今どんなことをしているのか知りたいという老婆心?もあり、
私自身の身の回りも落ち着いてきたので、思い切って声をかけてみた。

集まりは上々。
以外に、気安く集まってくれ、喜んでもくれた。

もう、私自身が彼らと会わなくなって(前の会社を辞めて)から2年半。
意外と、自分のことながら、その当時の自分の考え方や態度なんかについても
忘れていたことを思い出させてもらい、なかなか楽しい時間になった。

そういう、表面的なところは変わっていくけれども、
本質的なところでの信頼感であったり、親しさ、大事に思い合っている気持みたいなものは
やっぱり変わらずにあるんだなぁ、という確認ができて、嬉しかった。

また、気まぐれで声をかけてみよう。
こういう会もありなんじゃないかな、と思った。


おなじく、見識の話。

2010-07-19 15:04:07 | 読書
企業研究の進め方を教えていただいた先輩から勧められた本、
60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法」(神田昌典 著)

これは、ものの見方が身に付く、良い本でした。
やはり、先輩の言っていることは一理ある、ということですかね。

どういうことが書かれているかというと、
企業の成長(=製品の成長、個人の成長)には、特定のリズムがある。
そのリズムは、春夏秋冬(理論)で表される。
冬から始まり、春、夏、秋という段階を踏んで、
導入期、成長期(前半・後半)、成長期を経る。
この原則はどのような個人・企業・製品にも当てはまる。
ただし、それぞれの期間は、その業界特性・製品特性による。

この原則を知っている経営者・企業が、
製品の成長タイミングに合わせた戦略を構築でき、実行でき、
さらに、撤退のタイミングも逃さない。
逆にこの原則を知らずに経営を行う経営者・企業が失敗し、多大な負債を抱えることになる。

製品の成長サイクルのタイミング毎に、
どのような戦略を構築するかについても、説明がなされている。

といった内容。
一見、そんなうまい話が…と思いがちな内容ではあるものの、
(この著者の多くの本が、そういう話ではあるけれども。)
この見方を適応して、今勢いのある会社・その商品・サービスを見てみると、
ああ、そういうことなんだ、と腑に落ちる部分もあり、おもしろい。

まずは、こういう見方ができるんだ、というあたりからでも
参考になるし、世の中がおもしろく見えてくると思う。

…という感想は、経営者になろうというところまでの度胸がない人間だから、
単純におもしろい、という見方ができるだけなのかもしれないが。
著者のように、さまざまな経験(失敗も成功も)を通して、
その中で次にどうすれば手間をかけずに、上手くやることができるかを考え尽くし、
それを誰にでもわかる簡単なチャートや手法に落とし込む、
そういう努力を地道にやっていくことこそが、大事なことなのだろう。

「誰にでもできるように」というのは、これからの世の中で、
(というか、今の・これからの私にとって、かな?)ポイントだと思う。

見識をもつ・深める

2010-07-16 18:34:00 | 仕事
事業部の再編(合併)があり、新たなチームメンバーとなった先輩から、
標準化の講義を受けた。
我がチームリーダーが師と仰ぐ先輩である。
さまざまな経験も通し、また、その技術が生まれた背景・原点にも明るい、
仕事でも人生でも大先輩にあたる方から話を聞けることは、
本当に有難い機会でもある。

この日、学んだことは、
”見識をもつ”ということである。

そして、そのためには、
ひとつの物事の後ろにある本質はなにか、ということを真剣に考えること、である。

ケーススタディとして、
トヨタの標準化の特徴・強みを5人の受講者で考えたが、
事実を拾い上げた積み重ねが、イコール見識になるのではなく、
その事実情報に対して、自分が持っている他の情報との照合を行い、
結局はなにか、本質はなにか、ということを考える。
そして、”自分なりの答え”を見出す、
この部分を地道に、サボらず、何度も繰り返すことで、
その人の強みが形成されていくのだと思う。
また、そのための、自分の持っている情報を常に増やし、更新し、
更に幅広いものにしていくという、
これまた地道な努力が必要なのだろう。

そうやって、自分の答えを、相手に伝わるように伝えることができたときに、
その人間が見識がある・持論を持っている、として評価に値する人物になれるのだろう、

そんなことを、講義終了前の受講者の感想を述べるタイミングで
きちんと伝え損ねてしまった私は、
まだまだ見識不足なのだろう。。。
(どうも、理解して、自分の経験に照らし合わせて、自分のもにするまでに
 人より時間がかかってしまうらしい。)


人材育成には時間がかかる…

2010-07-15 20:44:58 | 仕事
技術人材育成に関する情報収集を、引き続きしているのですが、
やはり、どの企業も、かなりの時間(年単位)をかけて、
人材の育成およびその仕組み(カリキュラムなど)の構築を行ってきています。
十年以上かけて、コツコツと積み重ねてきたものが、
そして最近では07年くらいに慌てて(?)整備を始めたものが、
やっと日の目を見出し、効果を発揮し始めている、といった感じを受けます。

だがしかし、この仕事の依頼元である、我が事業部長は、
(そして、たぶん彼のお客様も)、
何か真新しい、すぐに効果を発揮しそうな、
先進企業の取組みを知りたいと考えているご様子。

普通に考えても、人が成長するのに昨日今日みたいな、
都合のいい学習方法なんてありえないのに、
自分だってそんなにすぐに偉くなったりしたわけではないはずなのに、
なぜか、即効性であったり、目立ったり、特異なものを求めてしまうものらしい。

そういう傾向(性向?)の弊害が、
”最近の若者は…”であったり、試行錯誤を許さない、一発OK以外はNGみたいな風土を
生み出し、さらに悪循環を引き起こしている元凶だとは、
なかなか気付いてもらえないものらしい。

しかし、世の中の流れは、時間がかかることを認めて、
その上でなるべく早く、会社に入った段階では即戦力に近い状態にすべく、
大学と提携したり、企業内大学を充実させたり、インターンシップに注力したり、
そういったことにも着手していたりする。

行動しないで、理屈ばかりをこねまわしている人間が、
人材育成に関しては、いちばん遅れてしまっているのではないだろうか?
そんな危機感を感じながら、情報収集を進めている現状なのである。

同じく、グローバル化を語るには、
まずは自らがそのような環境に置かれる、という経験をすべきだと痛感もする。
環境の差は、思っているよりもずっと、大きいのだと、思う。