今更、何を話し合うつもりなのか、全く理解できない会議がこれだ。
厚生労働省:薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会(第1回)議事次第
まず第一に、情報を「知らない者」が満足を得たいが為にやる会議なのであれば、もっと別な形でやればよい。ただ単に自分で理解できないとかこれまでの情報を知らない人の為に、いちいち大袈裟な検討会をやっていたのでは、国民全部についてそれをやらねばならないだろう。「教えて欲しい」ということであれば、どこか別なところで専門家を招くなりなんなりして、講演会とか授業形式でもいいので、薬害被害者と自認している人たちを大勢集めてきて「納得のいく」までやればよろしい。
医薬品行政についても、これまでにも散々行われてきた他の会議の意味とは一体何なのか、と思う。たった数回の会議で何かの形とか結論を簡単に得るのであれば、他の会議はいらない。やめたらいいよ。理解不足の人たちを満足させる為だけにやるというのなら、それはそういう目的でレクチャーの会みたいなものを開くべきだ。素人感覚を取り入れていくべきとか行政に反映させろというのであれば、消費者団体・患者団体とか今までにも多数の申し入れみたいな形で行政に意見を出してきたのだろうから、原告団側にそういう何かの意見をまとめて出してもらえば済む話だ。
「自分が知らない」ということと、これまで何もやってこなかったということは、全く別。知らないのは、誰かのせいじゃない。自分にも責任はある。行政が全ての情報を全ての国民に完璧に周知徹底できればいいに越したことはないが、そんなことは無理だ。実現できない。ましてや、理解できない人たちに全部を判りやすく理解できるまで教えるというのも無理。「真実を知りたい」みたいな意見は必ずしも否定されるものではないが、単に「自分が知らないだけ」(他の誰かは知っている)ということなら、自助努力で知ることは可能。それなのに、「隠蔽するな、真実を教えろ」みたいに言ってる連中というのは、多くが「自分が知らない」ことは隠蔽と同義のように非難するし、知る努力を怠っているだけなのだ。財務省が情報隠して教えない、みたいな意見が出されるけれども、行政情報として公開されていることを「自分が知らないだけ」ということも実際あるからね(「日本の、これから」の増税論議)。
これはマスメディアも同じ。リストを隠蔽していた、とか言うのだけれども、公開情報からある程度「判る」部分もあったにも関わらず、それを放置していたに過ぎないのだ。そもそも、知ろうともしていないのだ。だから、単なる「炎上」を演出するしかできなくなるのである。
出発点に戻ってみよう。
これだ>肝炎訴訟に関する雑考~1
この中で、重要な資料を提示しておいたではないか。
>肝炎対策に関する有識者会議報告書
この有識者会議の報告が出されたのは01年だ。既にC型肝炎の問題なんて検討されていたのだ。02年の厚生労働省の調査報告書が出る前に、大体やるべきことはやってきたのだ。
もっと言うと、この会議には、「岸洋人 読売新聞論説委員」が入っていた。これはどういうことか判りますか?
フィブリノゲン製剤を含む血液製剤や輸血によるHCV感染というのは、既に「マスコミは知っていた」んですって。それが今更、社説に書くようなことですか?もっと前から、国民全体に大運動でも繰り広げれば良かったんじゃありませんか?って話だな。一体、何の為の委員なんですか?何故この時に、過去の投与歴を調べて全員に周知せよ、とか言わなかったんだよ。こういうのを卑怯というのだろう?本当は知っていたけど黙っていたよ、けど旗色が悪くなったら追及側に回るよ、ってか?
HIV訴訟が問題となった時、血液・生物由来の製剤については、ウイルス感染の問題というのが十分認識されていた。医療の中では、そんなの常識であったろう。HCVが検査で判明するようになった90年以降には、そのリスクは普通に認識されていたであろう。もっと言うと、血液に関して言えば「未知のウイルス」の存在というものが、常に危惧されるということも当たり前に考えられていたであろう。これは現在でも同じだろう。
今ある「検証及びあり方検討委員会」(長いので短縮した)の委員のうち、肝炎の専門家がどの人なのか判らないが、「知らない者」「判らない者」が大勢集まって、何か新たに判るのですか?
どうして感染したのか知りたい、って、それは多くの場合、「判らない」んですよ。感染ルートなんて特定できることの方が極めて稀なんですよ。ましてや、HCVの検査が無い時代には、「調べようが無かった」んですから。現代であってでさえ、「どうして感染したのか判らない」ということの方が多いのではありませんか?検査方法があるにも関わらず、そうなんですよ。
「薬害」に凝り固まっている人たちというのは、他の要因について考えることができないのではありませんか?「理由が判らない」とか「原因は判らない」ということについて、受け入れられないのですよ。冷凍ギョーザを食べたら、食べた人はみんな薬物中毒になるんですか?汚染されたギョーザがあった、というのは事実だ。けれども、全部が汚染されていたかは判らない。冷凍ギョーザを食べた人の中で腹が痛くなった人は、全部が薬物汚染のせいなのですか?
これまであまり触れないように、と思っていたが、未だに続く理不尽な論調に嫌気が差したので、書くことにしたのがこの記事だ。
>C型肝炎が西日本で多い理由について
特定の地域で陽性率が高いというのは、それなりの理由というものが考えられるであろう。
大阪のホームレスにHCV抗体陽性者が多いのは何故なのか、ということの答えを探せば、「何故感染したのか」ということの理由の一部が理解できるかもしれないな。委員会で、是非その「真実」を探せばいい。その答えが見つかった時、HCVが拡散したワケや皆さんが求める「真実」とやらが少し見えてくるかもしれませんよ。
薬害が無かった、とは言わない。ウイルスに汚染された血液製剤は存在していたであろう。それは事実だ。しかし、それが感染の主たる要因かと問われれば、果たしてそうなのかという疑念を払拭できない。本当に防ぎ得たのか、ということについても、国や製薬会社が対応可能な範囲というのは、限度があったであろう。医療機関の責任だって相当あったであろう。
「誰かを責めたい」という気持ちを昇華させる為に、薬害を利用したのではないといえるか?少数者の利益を得る為に、多くの肝炎患者たちを切り捨てたのではないか?
ごく一部の人間の満足を得た結果が、その他大勢の救済を遠のかせたのではないのか。特定の人たちが多額の金額を得ると、そのことが「その他大勢」には資金配分が行えないということを招くのだよ。
「最大で千人だ」
新聞記事が書いている通りなら、原告団は”最初から”この数を超えることはない、だから「払え」と言っていたそうじゃないか。「千人分だけ」なら払えるでしょう、ということであろう?
検証だの、再発防止だのとか言い出したのなんて、一律救済が決まった後からだろが。責任追及や再発防止が主眼ならば、トコトン裁判で戦えばよかったのだ。最高裁まで突き進んで、司法に「自分たちの足跡」を深く刻めばよかっただろうに。
何が『政治決断』、だ。
歯切れが悪い、だと?
自分たちが一体どのような主張をしていたのか、もう一度よく考えろ。
現在B型肝炎の全国一斉蜂起が行われており、これも同じく「一律救済せよ」と言い張るのであろう。愚かなマスメディアとかが煽動して。これが何万人か、何十万人かに及ぶであろうことは、容易に想像できるわな。100万人単位かもしれない。そんときゃ、どうすんだ?払えるんか?
今後全国で裁判が行われていくだろうが、これには「最高裁判例」という最強の「御旗」があるからな。どうすんだ、それ。最高裁と同じ理屈を持ち出されたら、勝てないぞ。国は必ず負ける。これが何を意味するのか、ということを考えてみろや。
後先を考えない、ろくでもないマスメディアのせいで、一体何が起こるかということをよく考えてみろ。
何一つ反省なんかしてないだろ、マスメディア自身は。誰か1人でも検証したことなんかあるんか?右翼の街宣みたいに、好き勝手に騒音を撒き散らして、自分の都合だけで去っていくだけなのだ、マスメディアは。その後に問題だけが残される。しかも垂れ流した「騒音」は、もうどこかに消え去ってしまっているから、「俺たちゃ、知らないぜ、何の責任もないぜ」とうそぶいて、反省するなんてことは絶対にないんだよ。これが「マスコミの姿」だ。
この国に、真実などない。
厚生労働省:薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会(第1回)議事次第
まず第一に、情報を「知らない者」が満足を得たいが為にやる会議なのであれば、もっと別な形でやればよい。ただ単に自分で理解できないとかこれまでの情報を知らない人の為に、いちいち大袈裟な検討会をやっていたのでは、国民全部についてそれをやらねばならないだろう。「教えて欲しい」ということであれば、どこか別なところで専門家を招くなりなんなりして、講演会とか授業形式でもいいので、薬害被害者と自認している人たちを大勢集めてきて「納得のいく」までやればよろしい。
医薬品行政についても、これまでにも散々行われてきた他の会議の意味とは一体何なのか、と思う。たった数回の会議で何かの形とか結論を簡単に得るのであれば、他の会議はいらない。やめたらいいよ。理解不足の人たちを満足させる為だけにやるというのなら、それはそういう目的でレクチャーの会みたいなものを開くべきだ。素人感覚を取り入れていくべきとか行政に反映させろというのであれば、消費者団体・患者団体とか今までにも多数の申し入れみたいな形で行政に意見を出してきたのだろうから、原告団側にそういう何かの意見をまとめて出してもらえば済む話だ。
「自分が知らない」ということと、これまで何もやってこなかったということは、全く別。知らないのは、誰かのせいじゃない。自分にも責任はある。行政が全ての情報を全ての国民に完璧に周知徹底できればいいに越したことはないが、そんなことは無理だ。実現できない。ましてや、理解できない人たちに全部を判りやすく理解できるまで教えるというのも無理。「真実を知りたい」みたいな意見は必ずしも否定されるものではないが、単に「自分が知らないだけ」(他の誰かは知っている)ということなら、自助努力で知ることは可能。それなのに、「隠蔽するな、真実を教えろ」みたいに言ってる連中というのは、多くが「自分が知らない」ことは隠蔽と同義のように非難するし、知る努力を怠っているだけなのだ。財務省が情報隠して教えない、みたいな意見が出されるけれども、行政情報として公開されていることを「自分が知らないだけ」ということも実際あるからね(「日本の、これから」の増税論議)。
これはマスメディアも同じ。リストを隠蔽していた、とか言うのだけれども、公開情報からある程度「判る」部分もあったにも関わらず、それを放置していたに過ぎないのだ。そもそも、知ろうともしていないのだ。だから、単なる「炎上」を演出するしかできなくなるのである。
出発点に戻ってみよう。
これだ>肝炎訴訟に関する雑考~1
この中で、重要な資料を提示しておいたではないか。
>肝炎対策に関する有識者会議報告書
この有識者会議の報告が出されたのは01年だ。既にC型肝炎の問題なんて検討されていたのだ。02年の厚生労働省の調査報告書が出る前に、大体やるべきことはやってきたのだ。
もっと言うと、この会議には、「岸洋人 読売新聞論説委員」が入っていた。これはどういうことか判りますか?
フィブリノゲン製剤を含む血液製剤や輸血によるHCV感染というのは、既に「マスコミは知っていた」んですって。それが今更、社説に書くようなことですか?もっと前から、国民全体に大運動でも繰り広げれば良かったんじゃありませんか?って話だな。一体、何の為の委員なんですか?何故この時に、過去の投与歴を調べて全員に周知せよ、とか言わなかったんだよ。こういうのを卑怯というのだろう?本当は知っていたけど黙っていたよ、けど旗色が悪くなったら追及側に回るよ、ってか?
HIV訴訟が問題となった時、血液・生物由来の製剤については、ウイルス感染の問題というのが十分認識されていた。医療の中では、そんなの常識であったろう。HCVが検査で判明するようになった90年以降には、そのリスクは普通に認識されていたであろう。もっと言うと、血液に関して言えば「未知のウイルス」の存在というものが、常に危惧されるということも当たり前に考えられていたであろう。これは現在でも同じだろう。
今ある「検証及びあり方検討委員会」(長いので短縮した)の委員のうち、肝炎の専門家がどの人なのか判らないが、「知らない者」「判らない者」が大勢集まって、何か新たに判るのですか?
どうして感染したのか知りたい、って、それは多くの場合、「判らない」んですよ。感染ルートなんて特定できることの方が極めて稀なんですよ。ましてや、HCVの検査が無い時代には、「調べようが無かった」んですから。現代であってでさえ、「どうして感染したのか判らない」ということの方が多いのではありませんか?検査方法があるにも関わらず、そうなんですよ。
「薬害」に凝り固まっている人たちというのは、他の要因について考えることができないのではありませんか?「理由が判らない」とか「原因は判らない」ということについて、受け入れられないのですよ。冷凍ギョーザを食べたら、食べた人はみんな薬物中毒になるんですか?汚染されたギョーザがあった、というのは事実だ。けれども、全部が汚染されていたかは判らない。冷凍ギョーザを食べた人の中で腹が痛くなった人は、全部が薬物汚染のせいなのですか?
これまであまり触れないように、と思っていたが、未だに続く理不尽な論調に嫌気が差したので、書くことにしたのがこの記事だ。
>C型肝炎が西日本で多い理由について
特定の地域で陽性率が高いというのは、それなりの理由というものが考えられるであろう。
大阪のホームレスにHCV抗体陽性者が多いのは何故なのか、ということの答えを探せば、「何故感染したのか」ということの理由の一部が理解できるかもしれないな。委員会で、是非その「真実」を探せばいい。その答えが見つかった時、HCVが拡散したワケや皆さんが求める「真実」とやらが少し見えてくるかもしれませんよ。
薬害が無かった、とは言わない。ウイルスに汚染された血液製剤は存在していたであろう。それは事実だ。しかし、それが感染の主たる要因かと問われれば、果たしてそうなのかという疑念を払拭できない。本当に防ぎ得たのか、ということについても、国や製薬会社が対応可能な範囲というのは、限度があったであろう。医療機関の責任だって相当あったであろう。
「誰かを責めたい」という気持ちを昇華させる為に、薬害を利用したのではないといえるか?少数者の利益を得る為に、多くの肝炎患者たちを切り捨てたのではないか?
ごく一部の人間の満足を得た結果が、その他大勢の救済を遠のかせたのではないのか。特定の人たちが多額の金額を得ると、そのことが「その他大勢」には資金配分が行えないということを招くのだよ。
「最大で千人だ」
新聞記事が書いている通りなら、原告団は”最初から”この数を超えることはない、だから「払え」と言っていたそうじゃないか。「千人分だけ」なら払えるでしょう、ということであろう?
検証だの、再発防止だのとか言い出したのなんて、一律救済が決まった後からだろが。責任追及や再発防止が主眼ならば、トコトン裁判で戦えばよかったのだ。最高裁まで突き進んで、司法に「自分たちの足跡」を深く刻めばよかっただろうに。
何が『政治決断』、だ。
歯切れが悪い、だと?
自分たちが一体どのような主張をしていたのか、もう一度よく考えろ。
現在B型肝炎の全国一斉蜂起が行われており、これも同じく「一律救済せよ」と言い張るのであろう。愚かなマスメディアとかが煽動して。これが何万人か、何十万人かに及ぶであろうことは、容易に想像できるわな。100万人単位かもしれない。そんときゃ、どうすんだ?払えるんか?
今後全国で裁判が行われていくだろうが、これには「最高裁判例」という最強の「御旗」があるからな。どうすんだ、それ。最高裁と同じ理屈を持ち出されたら、勝てないぞ。国は必ず負ける。これが何を意味するのか、ということを考えてみろや。
後先を考えない、ろくでもないマスメディアのせいで、一体何が起こるかということをよく考えてみろ。
何一つ反省なんかしてないだろ、マスメディア自身は。誰か1人でも検証したことなんかあるんか?右翼の街宣みたいに、好き勝手に騒音を撒き散らして、自分の都合だけで去っていくだけなのだ、マスメディアは。その後に問題だけが残される。しかも垂れ流した「騒音」は、もうどこかに消え去ってしまっているから、「俺たちゃ、知らないぜ、何の責任もないぜ」とうそぶいて、反省するなんてことは絶対にないんだよ。これが「マスコミの姿」だ。
この国に、真実などない。