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すみすさん、経済学院生さんへのお答え

2006年05月06日 20時10分53秒 | 俺のそれ
「経済学院生」さんより、興味深いコメントを頂きました。

貸金業の上限金利問題~その10

それについてお答えしたいと思います。また、「すみす」さんへのお答えの中で、「薬剤との対比」ということを書きましたので、そこから書いてみたいと思います。


正確に言うと実際とは異なっていますが、仮に、次のようなことが知られているとします。

一般的な薬物の効果に影響する生体の反応を考えます。通常、投与された薬物は次のような変化をするとします(とりあえず注射や点滴のような血中投与とします)。それぞれの薬物の種類や量によって、当然異なります。


代謝条件:

①投与された薬物の20~50%は直ぐに血中タンパクと結合して不活性化される
②肝臓を通過した薬物は、単位時間当たり30~60%が分解される
③肺を通過した薬物は、単位時間当たり5~10%が呼気中に排泄され体外へ出る


これが生体の基本的反応であるとします。ここで、次の薬物を投与するものとします。薬物の作用(薬効)は、分解されたり不活性化されたりせずに血液中に残存している薬物の量に比例するとします。

・血圧を上昇させる薬物A,B,C,D(他の作用や副作用はないものとする)
・上昇作用はAが5%、Bが10%、Cが20%、Dが30%
・各薬物の投与量はランダム
・種類の組み合わせもランダム
・投与期間、投与時期もランダム

以上の薬物を投与されている人に
・薬物?(A~Dのどれか)を量・時期はランダムに投与
・場合によって、更に薬物?を追加投与
・投与からある時間経過後、調査
・薬物投与された人たちを脳血管の「破裂群」と「非破裂群」に分類
・脳血管破裂は個人差(血管弾力性による違い)があるので破裂限界は不明


脳血管破裂は血圧上昇によるもので、他の疾病の要因は皆無であるとします。件のペーパーのような結論を出せば、

・薬物投与量、種類は、破裂群ではやや多かったが、非破裂群と明確な違いがみられなかった
・途中で投与した薬物?は、原因と言えなかった
・最も大きな影響を与えたと考えられるのは、「個体差」である


このモデルを見て、「そうでしたか、個体差による影響が一番だったのですね」という結論である時、これは、どのような科学的意味がありますか?生体の薬物代謝能力の違いによる、というのは、当たり前です、と言っているのです。投与された薬物の薬効自体を変える要因が、「個体差」しかないのですから。破裂限界も個体差ですし。薬物の影響を調べるのに、このようなモデルは不適切です、と何度も言っているのです。借金返済の場合にも、時間経過とともに増減するのは、「収入」と「支出」だけなのですよ?代謝条件①、②などと、同じ意味合いであると思います(むしろ、ペーパーの場合には、この条件すら無視或いは未知)。


個体差は条件①~③の組み合わせによって、各々変わっていきます。この程度はどのくらいかは、事前に予測は困難です。しかも、刻々と変動します。で、破裂群では「血中タンパクが以前よりも減ったから」「肝臓の機能が最初よりも落ちてしまったから」「肺循環の低下があったから」という理由が破裂原因の主なものです、ということであるならば、薬物のリスク評価や、追加投与した薬物の評価がどうしてできるのでしょう?上記モデルは、本当に科学的だと言えるのでしょうか?


このような証拠を持ってきて、「破裂したのは、薬物を投与したせいではない」と何故言えるのですか?そのような思考に疑問を感じる、と言っているのです。初期投与や追加投与の薬物のリスクを評価するのであれば、もっと別な条件を設定して検証するべきで、上記モデルで説明要因は、「個体差である」って、モデルの根本的発想が間違っている、というのが私の主張です。更に、この論文を「上限引下げ」反対の論拠として用いることが正しいとも思いません。金利水準に何らかの判断を与えるものではないからです。

これを正当であり、科学的結論だと信じている、と言われるならば、これ以上、説明のしようがないです。「経済学の世界」では、それが「常識」なのだろう、と解釈するしかありません。


「経済学は科学である」と力説する人々がいなくとも、多分「科学的」な学問であろうと素人ながらに思ってはいましたが、その信頼性は大きく揺らいでいますね。


それから、「経済学院生」さんのコメントを一部引用させて頂きます。

『失われるであろう信用による逸失利益と、販売による利益を比べて、信用を損なうことによる不利益のほうが大きければ販売をとりやめるだけです。』

実際、三菱自動車はリコールせず、アイフルは違法取立てを行っていたわけで、どちらも行政の介入となってしまったと思います。現実世界では必ずしも合理的判断を優先するとは限らない、ということではないかと。これは裏を返せば、「市場」が不完全である、ということなのではないでしょうか?是非経済学をご専門にされている人々に、そう仰って頂ければ有難いです。介入の必要性もあるかもしれない、と。

情報の非対称性とのかかわりについては、改めて記事に書いてみたいと思っています。


『「風呂オケ」モデルを用いて、どのようなことを伝えようとしているのですか?
坂野ペーパーは、
1.借金を一度したら、過剰融資で借金漬けにされてしまって、自己破産した
2.借金の後減収によって借金が返せなくなって、自己破産した
というふたつのケースのうち、どちらがより重要か検討しているペーパーだってわかってる?』


1について:
今まで、「ライフイベント」そのものについて、それは違う、と否定したことなどありませんが?それは以前の記事をお読み頂ければお判りになるかと思います。「風呂オケ」モデルは、記事の続きを是非お読み頂きたく思います。

また、件のペーパーでは、データ提供会社による初期貸付及び追加貸付が無理(過剰)な融資となっていなかったかどうかが検証されているだけ(上記モデルでは薬物?の初期投与+薬物?の追加投与)であって、その後には大半が(破産群も非破産群も)他社からの融資が増額されているわけで、世間一般で言う「過剰融資」の否定でも何でもないと思って読みましたが?経済学では、ある融資実行後に別会社からさらに融資された場合には、借入総額が何倍かに増大しても「過剰融資とは定義しない」ということでしょうか?それが経済学では普通なのでしょうか?上記モデルでいえば、他の誰かはその後にA~Dのどれかの薬物を投与していることにかわりはないようにしか思えませんけれども。


2について:前述した通りです。


『bewaadさんにこてんぱんに言い負かされているのは、あまりかっこよくないと思います。経済学の知識がないってことは自分でわかってますよね?だったら、少なくとも教えを請う姿勢が必要でしょう。』


それは勿論判っておりますよ。こてんぱんでも、かっこ悪くても私はかまいませんが、全てを答えてないことに違いはないと思います。いくら私のことを「かっこ悪い」と言ってみても生産的ではありませんし、私なんかよりもはるかに知識の多い、経済学の本職であるところの経済学院生さんが代わりにお答え頂けるなら、嬉しく思います。

以前の記事(その9)に書いたように、ナゾが未だに解けないのです。


それは再掲しますと、次のようなものです。


1)「消費者金融顧客の自己破産の分析~その特徴と原因」について

①「破産」「非破産」群の区分が不適切であり、特に「非破産」群では追跡調査が何も示されておらず、不適切な区分の群間を比較検討したところで、そこから得られる結果というのは信頼に値しないものではないか

②仮に、本モデルを採用したとしても、「金利水準」についての分析結果を与えているものではないので、「初期貸付額」とか「追加貸付額」の分析で「有意差がなかった」という結論が出ていたとしても、「金利水準」に何らかの判断を与えるものではない

それから、bewaadさんからご回答頂いた次の部分。

『多い数をとっても多重債務者は10%以下でしかありません。「破産」寸前は多重債務者以外にもいるとして、安全を見て倍の数字をとっても約18%。「破産」寸前の者を除去した際、仮に「非破産」と「破産」に有意な差が1や2において存在するとしても、それはごくわずかなものだと推測可能です。』

で、私の疑問は、
「非破産群」中の9~18%が破産寸前かどうかを推定することは可能とは思えず、その後に破産する割合を推定するのが困難なことに違いはないと思われますが。


2)「上限金利規制が消費者金融市場と日本経済に与える影響」について

①「上限金利引下げによって、借入不能になる層が出てくる」というのが、論文の示した結果が正しいのであるとすれば、貸出口座数や信用供与額は減少すると推測され、過去の引き下げ(83年、86年、91年、00年)でその通りの現象がどの程度観察されているのか

②マクロ経済への影響については、「上限金利引下げでGDPが減少する」というシミュレーションをしているが、同じく過去の引き下げ後にGDP統計上では必ずしも減少にはなっていない。他の要因によって相殺されたとも考えられるが、信用供与額の減少によってGDP減少が起こるならば、信用供与額減少ということが見られるはずではないか


3)「上限金利引き下げの影響に関する考察」について

①闇金の増加と金利上限引下げの関連性については、「引き下げられれば、闇金市場へ流入する層が増加する」ということが述べられているが、「金利上限引下げが闇金業者の増加をもたらす」とする理由が不明確


経済学のご専門の方であれば、きっとすぐに答えが判るでしょう。もしもよろしければ、是非ともご教示頂ければと思います。


個人的な希望を述べますと、経済学大学院生の知的水準の高さを実証して頂けるならば、「経済学院生」さんの言説は、まことに説得力のあるものとして真摯に受け止めたいです。




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21 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-05-06 20:53:53
「市場」「市場」「市場」「市場」

所謂この一派は「市場原理主義者」の論理でしか、物が言えない。アメリカかぶれの論文です。

「イスラム原理主義」と似たような物ですね。

つまり、「自分たちが正しい。批判はすべて切り捨てる」

その切り捨てた刃は、逆に自分たちに向かっていることも知らずに。

愚か者です。
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Unknown (すみす)
2006-05-06 21:02:44
経済学における実証研究は通常薬剤のような実験計画を検討することは困難であることを理解なさってますか?問題のペーパーは、既にあるデータ相互の関係を説明しうる仮説の中で取りあえず【より】妥当なものを提示したに過ぎません。薬剤に関するいい加減な実験計画の例と同列に論じるのは無礼極まりないものです。



あの仮説がよりもより相関を説明しうる仮説があるならそれを提示するのは反証側の責任であるし、それが出来ないのであればあんな仮説でも暫定的な仮説として受け入れざるを得ないというのが「科学」としての最低限のたしなみです。



市場の不完全性に関する議論については、三菱自動車にしてもアイフルにしても【企業がおバカ】なだけです。自分の債務返済がきちんとできるか、利払いに耐えられるのか弁護士に相談もせずほいほいと借りるのも【借り手がおバカ】というのと同じレベルの議論です。金利の問題における市場の不完全性を論じる以前の問題です。



ある一定の収入と資産しか持ち得ず、なお借り入れをなす人間は全て認識能力が無いものとして制限行為能力者として保護を与えるか、市場から排除しちゃった方がずっと有意義だとさえ言えます。



そこまでまさくにさんは仰っているわけではないのでしょうが。



「市場」はあくまで議論の土台や論点を整理するためのツールでしかないのですが、まさくにさんの議論というのはそういう議論の前提をなし崩しにして自分の理屈と世界観で議論をするように見えます。



金利引き下げ論を擁護するのであれば【市場の需給により定まる適正水準より現在の金利水準は過剰である】ということを市場の供給・需要関数を推計してそこから得られる均衡利子率を持って示すか、金利を引き上げることによって生じる逆選択の問題を提起し、政策上逆選択の解消のための施策を論じるかしかないと思いますよ。



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Unknown (まさくに)
2006-05-06 22:28:59
>Unkwounさん



「原理主義」や「愚か者」という批判はあたらないかと思います。そのような非難は不適切です。今後そのような批判は、削除いたしますので。



>すみすさん



記事投稿は、前のコメントを読んでいませんでしたので、前後しました。失礼いたしました。



有益なご指摘は、本当に感謝しております。



「無礼極まりないものです」というのは、その通りだと思います。しかし、上記記事にも述べましたが、「ライフイベントによる」という結論を否定はしませんが、それと「融資」「金利水準」の妥当性は別だ、と考えます。「与信機能」にまで言及するのであれば、当然そういうモデルを構築するべきです。



データ収集の問題というのは確かに存在しますが、N数が減少したとしても、やはり、モデルを重視するべきであると思います。そうでなければ、当該貸付が妥当か否か、ということに踏み込むことは不可能であると考えます。薬剤の研究とは違う、というのはその通りだと思いますが、「疫学研究」の多くは、「後向き」調査です。その限られたデータの中から、「因果関係」を特定したり、影響度を調べていくものです。前向き研究ばかりではない、ということです。私の知っている範囲では、よい例示は出来ないのですけれども。



前のコメントにも書きましたが、当該ペーパーについては、その価値を否定するつもりはありません。



『市場から排除しちゃった方がずっと有意義』というのは、あながち否定出来ないのです。以前にも触れましたが、「lockout」ルールを設定する方が、望ましいとさえ思っています。http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2fe6b31b2563b8c860c61737198705a4



他からの借入が厳しい層への貸出としては公的融資制度を利用するべき、というのが基本的な考え方です。http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4053d356ab973ad0e6babb792c5301ae
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Unknown (経済学院生)
2006-05-07 02:05:03
>【企業がおバカ】

本当にそうなんでしょうか?たとえばあなたがアイフルの重役で、すこし取り立てをきつくすると、ぐっと返済率が上がる。今までにも、少し取り立てをきつくしたことはあったけど、霞ヶ関は口出ししなかった。という状況だったとします。

1年前に「返済率が下がっていますが、取り立てをきつくすべきでしょうか?」っていわれたときに、「違法でも多少きつくしとけ。ただし、やりすぎるなよ。」って答えるのは合理的だと思いませんか?もちろん、一年後に業務停止処分を受けることを100%わかっていれば、そんなことをするはずありませんが、決断する時点では将来は不確かなのです。

アイフルや三菱自動車のケースは、企業が合理的判断をしている(法律を盲目的に遵守していない)ことの傍証にこそなれ、反証にはならないと思います。合理的判断をしていれば、一定数の違法企業はいるはずですから。そして、企業の合理的判断が社会にとっての不利益につながるのであれば、まさくにさんのおっしゃっているように、行政の介入が必要になります。



んで、もうちょっと実務的な問題としては、「企業は非合理的」って仮定しちゃうと、どんなことだって可能なわけで、意味のある理論を立てるのが不可能になってしまうわけです。なにしろ非合理的で、説明つかないわけですから。わからないものはわからない、って言うのも自然科学では誠実かもしれませんが、社会科学ではそうではありません。「わからない」というのは、暗黙に現状を肯定していることになりますから。今回の上限金利の引き下げで、経済学的には不利益のほうがずっと大き「そう」にもかかわらず、100%確実ではないから、沈黙するというのは、経済学者のとるべき態度ではないと思います。ましてや経済学者以外の人の根拠が薄弱なときには。





薬剤との対比や「風呂オケ」モデルについてすこし。

まさくにさんには、供給側の視点が欠けています。自己破産のケースには個人と金融業者が関わっています。経済事象を需要側と供給側に分けて、それぞれを分析する、というのは経済学の最も重要なツールです。坂野ペーパーはそれをふまえて、消費者側の要因(減収)と、供給者側の要因(貸金業者側の過剰な貸付け)のうち、どちらがありそうかを検討しているわけです。

需要と供給って、けっこう分かりづらくて、工学部卒の私は最初の頃かなり混乱しました。その重要さがわからなかったのです。もし私の話がわからなかったら、まさくにさんも昔の私のように一生懸命テキストを読んでください。





技術的な問題について。

1)「消費者金融顧客の自己破産の分析~その特徴と原因」について

1-1「破産」「非破産」群の区分が不適切

理想を言えば、ランダムサンプリングした国民の生涯を追跡するのがいいのでしょうが、そんな80年もかかる調査は不可能なので、ある程度で妥協する必要があります。「ある程度」ってのがどの程度かは、借金の開始から破産に至るまで平均してどの程度かかるのかによります。坂野ペーパーは、「供給側の要因は需要側に比べて少ないよ。」ってのが結論なので、供給側の要因がどの程度のタイムスパンの事象かというのがこの批判のキーだと理解しました。

直感的にはそんなに長くないんじゃないかなあと思います。金融業者の貸し込みが起こるとしたら、一年以内の事象だと理解しています。彼らのデータでの非破産期間は平均6年くらいですので、大きな問題であるとは思いません。



1-2「金利水準」に何らかの判断を与えるものではない

金利を下げるべき、と主張する人たちの根拠に、主に供給側の要因によって大量の破産が起きている、というものがあります。

貸金業制度等に関する懇談会 座長の中間整理:

>多重債務者の発生や増大を防止するための対応としては、貸し手に対する

>規制を中心としつつも、円滑な債務整理のための基盤形成、社会保障との

>適切な役割分担、金融経済教育やカウンセリングの普及、貸金業にかかる

>犯罪行為の取締策強化等をあわせた、総合的な取組みが必要であること

>について概ね一致した

多重債務者になるのは需要サイドの要因が大きく、供給サイドの影響は少ない、というのは坂野ペーパーの結論です。金利水準は需要側の要因に何も影響しませんので、金利を引き下げることで多重債務者の発生を抑制できるという意見への反論になっていると思います。





2)「上限金利規制が消費者金融市場と日本経済に与える影響」について

需要と供給について勉強してください。bewaadさんの返答で尽きていると思います。



3-1)「金利上限引下げが闇金業者の増加をもたらす」とする理由が不明確

すこし歴史を考えれば、価格統制が闇経済の発達を促す例には事欠かないと思います。今回がそうでないと信じる理由は私には見つかりません。
返信する
早速の回答有難うございます (まさくに)
2006-05-07 04:00:34
無理なお願いをしたにも関わらず、お答え頂き有難うございます。この点については、お礼を申し上げたいと思います。





お答え頂いた内容について、やはり不明瞭な部分があるので、確認したいと思います。



A)

・「違法な取立てを行う」→「発覚すれば社会的信用を失う」

・「リコールすべきをしない」→「発覚すれば社会的信用を失う」

と判っているのに、「信用」を重視しないことが合理的判断ということでしょうか?ならば、「貸し手が借り手を騙す」ということが、経済学的に合理的ということでしょうか?貸し手が騙す時点で逮捕を予想しない時には、合理的ということですね。このような場合、市場は「完全」だと?



B)

供給側の視点・要因について触れていますが、薬剤の対比でいうと、「薬物を投与した人には責任はない」ということで、「薬物の種類・投与量は問題ない」ということですね?種類・投与量の評価がどうやってできるのでしょうか?判断基準は示されてないと思いますが。たとえ脳血管が破裂しても、「投与量の問題ではありません。需要側の問題」です、と言い切れるのですか?



C)

「借金の開始から破産に至るまで平均してどの程度かかるのか」

まさしくこれはその通りで、まずこのような条件を割り出すのが普通だと思いますが。それを踏まえて、観察期間を決め、条件を揃えていくべきです。工学系の方ならば、「直感的にはそんなに長くないんじゃないかなあ」というのが、いかにオカシナ実験・研究なのかご理解可能だろうと思いますが?



D)

「供給サイドの影響は少ない」ということと、「貸出金利水準が適正」ということは、別です。薬剤との対比でいえば、薬物Aの選択が適当だったか、薬物Dが多すぎだったとか、どうやって判断するのですか?ペーパーのどこからそれが判るのでしょうか?



E)

「上限金利規制が消費者金融市場と日本経済に与える影響」について

需要と供給について勉強してください。bewaadさんの返答で尽きていると思います。

についてです。



経済学院生さんも、20%に引下げられると「1000万人以上が貸し出されなくなる可能性」を信じているということでしょうか?

で、過去の引下げでは常に、貸金市場からハイリスクグループを締め出した以上に顧客・信用供与額を獲得した、と?



もしもその通りであるならば、「GDPが減少する」という主張はなぜでしょうか?ペーパーには、GDP減少の理由として「信用供与額」が減少することで示されていますけれど?それとも、ペーパーが「間違っている」ということでしょうか?





F)

「金利上限引下げが闇金業者の増加をもたらす」とする理由が不明確

すこし歴史を考えれば、価格統制が闇経済の発達を促す例には事欠かないと思います。今回がそうでないと信じる理由は私には見つかりません。



これについてですが、過去の引下げと闇金増加の「関連性」について、強固な相関か何かがあるのでしょうか?私には見つけられないですが。たとえば91年引下げ後に、ここ数年のような闇金増加が見られなかったのは何故でしょうか?00年より少し前から増加しているのは何故でしょうか?

経済学院生さんが信じるとか信じないということではなくて、学術的な説明が当然あるのですよね?
返信する
この問題は (hironagano)
2006-05-07 04:46:29
大変興味の有る議論が続き、読ませて頂きましたが、お互いに砂上の楼閣を延々と積み上げているような気がします。

社会科学という言葉も出てきましたし、科学的という言い方もありますが、どうも少し言いすぎですね。IT業界でソフトウェアの生産性というものがありますが、失礼ながらまさにそれと同程度の基礎データで、外から観察した大雑把な数値をこねくりまわしているに過ぎないように見えます。

努力の方向はあるとしても、それこそ国家の品格に言う、押し付けの躾を失った消費者だったり、経営者だったりの問題のほうが大きいような気がしませんか?

これからこの国はどんどん流れてゆくのでしょうか?空恐ろしいという言葉が浮かびます。
返信する
経済学院生さんとは別人ですが (通りすがりの経済学院生)
2006-05-07 14:08:07
回答になっていなかもしれませんが、簡単に答えてみます。

A)

・「違法な取立てを行う」→「発覚すれば社会的信用を失う」

・「リコールすべきをしない」→「発覚すれば社会的信用を失う」

となっていますが発覚しなければ信用は失いません。よって発覚する確率が十分に小さく違法な取立てやリコールの費用が大きければ経済合理的といえます。



B)当然厳密に言えば供給側の問題もモデルに取り込まなければなりません。

ただし、供給側の要因が説明変数と独立であるならば(供給側のせいで破産しやすくなるかもしれないが)需要側の要因が見えてきます。



C)もし完全に分析したければ「借金の開始から破産に至るまで平均してどの程度かかるのか」ではなく

「借金の開始から破産に至るまで最大どの程度かかるのか」が必要になります。

当然ながら、すべてのデータが破産するかどうかを厳密にチェックするのは不可能です。ただし、その期間の影響が変化しないとすれば傾向はだいたいつかめるものです。



D)市場が十分に競争的であれば「貸出金利水準が適正」になります。

借り手貸し手ともにたくさんいて、両者が合理的であり、外部性がなければ競争市場としてみなしていいでしょう。



E)上限金利の設定は上限金利以上で借りたい人がいなければ「信用供与額」に及ぼす影響はありません。

借りたい人いれば「信用供与額」減ります。



F)例としてはアメリカの禁酒法の例などがあります。



需要があれば供給が生まれるものなので、上限金利によって締め出された人は闇金融に行くと考えるのはおかしなことだと思いませんけど。

この考え方自体経済学的なものなかもしれないですね

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Unknown (経済学院生)
2006-05-07 14:09:58
教科書を読んでくださいとお願いしたはずですが。。。経済学的センスを養う必要があるので、本腰を入れて(章末の練習問題を解きながら)数ヶ月読む必要があると思います。経済学的センスというものが存在することも分かっていないような印象を受けましたので、症状は深刻だと思います。

理系で数学が得意なら、大学院レベルの教科書を先に読んで、その後学部の教科書をざっと眺めることを勧めます。学部の教科書はやたら冗長で、数学が得意かつ経済学的センスに欠けた人には苦痛だと思います。その冗長さの意味がわかるようになったら、経済学的センスが身に付いたってことだろうと勝手に思っています。
返信する
援護射撃 (Unknown)
2006-05-07 17:23:16
経済学院生さま。

貴殿の意見、的を得た意見で、拝聴に値します。

ただし、このまさくには、残念ながら人のご意見に対して、反論しかできない症状の持ち主ですので、経済的センスなど本人にとっては、「すでに会得したセンス」と勘違いしており、多分貴殿の暖かいアドバイスも聞く耳を持たないものと思います。

先日、貴殿のコメントに、

>>無能政治家や官僚達を一国民がメッタ斬り。

>とかトップに掲げつつ、bewaadさんにこてんぱんに言い負かされているのは、あまりかっこよくないと思います。経済学の知識がないってことは自分でわかってますよね?だったら、少なくとも教えを請う姿勢が必要でしょう。



まさにその通りであり、自分の能力の無さをまだ自覚に至っていない者だと思っております。

このような人物が、「滅多切り」とか言える人間であることが、現在の日本の品位の無さを痛感せざるを得ません。

まさに、小泉構造改革の申し子と言うのは、彼のような無責任な人間を作り出したことでしょうね。

 経済学院生殿にもう一つ申し上げておきます。このまさくには、例の9.11総選挙にも立候補しようとした人物です。

 政治家の素質がある人物と思えますか?
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今日のコメントに期待 (Unknown)
2006-05-07 17:56:22
さて、今日はどんなコメントが帰ってくるか、期待したいと思います。(必ず熟考すること)
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