シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

茶の味

2005-12-28 | シネマ た行
石井克人監督か。あの「鮫肌男と桃尻女」や「Party7」のね。ワタクシは苦手です。はっきり言いましてこの2作品は苦手というか嫌いと言ってもいいでしょう。こういう系統は好き嫌いがはっきり分かれると思いますが、ワタクシはダメなほうですね。

この「茶の味」も、正直ワケ分かりません。こういうタッチが嫌いな人にはあえて勧めないでしょう。ワタクシ自身も好きな映画かというと違うと答えます。きっと好きな人にはなぜこの良さが分からないかっ!と言われるだろうけど、しょうがないです。本当に分からないんですから。

なら、なぜ取り上げるのか?なんですが、理解不能な面がほとんどの中に「おっ」と思えるシーンがいくつかあったからです。

まず、しょっちゅう大きな自分が自分のことを見ている気がして落ち込んでいる春野家の末っ子の幸子坂野真弥。ワタクシは小さい時にこの子とまったく同じ体験をしたわけではないけど、それでもなんとなく分かる気がするんですよね、これ。結構、これが、分かる分かるって言う人いるんじゃないかなぁ。それに、この大きな自分を追い払おうとして必死で逆上がりの練習する幸子ちゃんがけなげでいいよねー。(なんで、逆上がりで追い払おうとするかは、めちゃお下劣なエピソードが挿入されているので見てね)

そして、長男一(ハジメ)佐藤貴博の恋。冒頭で恋してた女の子が引越ししちゃって落ち込んでるかと思いきや転校生土屋アンナにすぐフォーリンラブ。しかも、その子の趣味が自分と同じ囲碁と分かって大興奮でいつもなら電車のところを学校から自転車で帰ってきてしまう。そして、やっぱり明日困るからと言ってまた学校の最寄の駅まで自転車を置きに行く。これもまた、まったく同じ経験をしていなくても分かる分かる~って思う人結構いるんじゃないかな。転校生だからまぶしく見えるのか、土屋アンナが可愛いのか、あのハスキーボイスで喋られちゃうとこの長男じゃなくてもフォーリンラブしちゃう気持ちは良く分かる。

この二人のおじさんにあたるのが浅野忠信ですが、彼と彼を以前振った女性中嶋朋子とのやりとりも意味なく「元気?」とか、「仕事どう?」とかぎこちなくてすごくリアルでした。

最後に思いがけずいいエピソードでビックリしたのがおじいちゃん我修院達也の画集。初め、「美子」ってお母さん手塚里美の名前を書いた絵が出てきたときはこのエロじじい、息子の嫁のこと好きやったんかって不謹慎なことを考えてしまったのですが、その後、「ノブオ」三浦友和「ハジメ」「幸子」と出てきたときにはそんなことを考えてしまった自分が恥ずかしくなりましたね。「ノブオ」はもう立派な大人なのに、子供時代の絵で「どうして俺子供なんだろ?」とか言ってたけど、おじいちゃんの目にはきっといつまでも子供だったんだよね。幸子が一生懸命逆上がりの練習をしていたことを唯一知っていたおじいちゃんは幸子が逆上がりが出来てるところを書いてくれた。この絵にもちょっと涙しそうになったなぁ。

この他の部分は意味不明なこととかがいっぱいあったりして、いかにもオフビートな日本映画って感じです。上に書いた2作品が嫌いな人はかなりとっつきにくいかと思いますが、上の2作品よりは少し見やすい作りになっていますので、少し興味のある方はどうぞ。


ワタクシと英語B面~短大編

2005-12-27 | ワタクシと英語

短大時代のホームステイのこぼれ話を少し。

1ヶ月のホームステイの中で楽しかったのは、やはり学校よりも週末のおでかけだった。マイナーリーグ、パウトケットレッドソックス(ボストン郊外なのでレッドソックスの3Aのチームのホームグランドが近くだった)の観戦に行ったり、ボストンに出かけたり、映画に行ったり、湖に泳ぎに行ったりした。

英語学習の上では"should have"をマスターしたことを強く覚えています。本当に他愛もない話をアリーたちとする中で「~しとけば良かった」っていうセリフってよく使うんですよね。そういえば日本語でも友だちとかと喋ってるときによく使うなーって再認識したフレーズでした。

それから文化的には、アメリカは銃社会というイメージがあるけど一般家庭に銃がごろごろと存在しているわけではないということ。ワタクシが行ったような田舎町ではそういう都会から押し寄せてくる子供たちへの悪影響の波をPTAが必死で食い止めようと頑張っていることなどを肌で感じた。

日本語をあまり話したくなかったワタクシは日本人の子達とあまり群れなかったので、クラスでは少し浮いていた。けどワタクシはそれでも良かった。日本人の友だちを作るために行ったわけじゃなかったから。それでも何人かは仲良くなった子もいた。

帰ってきてから1~2年はホストファミリーとも日本人の子達とも連絡を取り合っていたのだけど、もともと不精なワタクシの性格と今みたいにメールとかが一切なかったこととアメリカ人の筆不精(自分たちで言っていた)などなど色々重なって、結局いまはもう連絡を取っていない状態になってしまった。帰るとき、「また来るよ」と約束してホストファミリーの家の鍵をプレゼントしてくれたことをたまに思い出してはちょびっと心が痛むけど、もう引越ししてるだろうし、毎年短期留学生を受け入れていたから、向こうにとっては大勢のうちの一人に過ぎないだろうなーとか考えたりもする。

それでも今になってもボストンと聞くと何か懐かしいような気分になったりもするなぁ。。。ちゃんとマメにやり取りしていれば良かったなぁとポツリと思ったりすることもありますねぇ。。。


ファインディングニモ

2005-12-27 | シネマ は行
やってくれんじゃん、この人面魚っ!
というとファンの方には怒られちゃいそうですが、、、ワタクシも立派なディズニーファンなので許してね。

ワタクシ、ディズニーファンとか言っておきながらこの作品は見てなかったんですよ。それで、ついこの間、いとこの子供(4歳)に借りて見ました。彼はニモよりもバズらしいので…

かなり子供向けなんかなーと思ってあんまり期待してなかっただけにか面白かったなぁ。

ニモアレクサンダーグールドが主役かと思ったらそりゃよく考えたら「ファインディングニモ」だもんね。探すのはニモじゃないわな。ニモのお父さんのマーリンアルバートブルックスがダイバーにさらわれたニモを探すわけですね。

このお父さんも結構おもろいんですけど、このお父さんとニモを一緒に探すことになるドリーエレンデジェネレスがおもろい。このドリー、ナンヨウハギっていう魚らしいんやけど、なぜか異常に記憶力がない。マーリンと一緒にニモを探していてもその「ニモ」って名前も覚えられないし、それどころか、一緒に行動してるマーリンにも「あなた誰?」っちゅう状態になっちゃう。これには何か“ナンヨウハギ”っていう魚と関係あるんかな?このドリーがマーリンをいらいらさせながらも観客を笑わせてくれるんですけど、マーリンが海がめの子供たちに自分が辿ってきた冒険を話して聞かせるとき、一緒に冒険してきたくせにそんなこと忘れて誰よりも熱心にマーリンの話を聞いているドリーが一番笑えました。

それ以外のキャラも面白いのがそろっててダイバーの水槽に入れられたニモの先輩たちである、ヒトデやギルウィレムデフォーもいい人(?いい魚か)で、マーリンとドリーが途中で出会う海がめのクラッシュアンドリュースタントンもいいカメで楽しいし、この海がめたちに出会うくだりでは、海がめの子供たちがとても可愛らしい。

一番傑作なのは、「魚を食べない宣言」をしているサメたちですね。彼らは、サメの悪いイメージを払拭しようと魚を食べないように努力しているんだけど、3頭のサメが集まってアメリカあたりで流行りのアルコール中毒から抜けるための集団セラピーみたいなのを開いてるんですよね。あのシーン、この集団セラピーの様子を知らない人は全然面白くないかもしれませんが、他の映画でそんなシーンを見たことがある人も多いかもしれませんね。

ニモが片方のヒレが小さく他の魚よりも泳ぎがうまくないためにただでさえ過保護なマーリンが余計に過保護になってしまっているという設定もうまいし、全体的な流れもマーリンの冒険話が人から人へ(?カメから魚へ、魚からペリカンへか)伝わっていくところとか、こういう初めから無理がある設定なお話にしては無理が少なくスムーズに進んでいたし、最後のハッピーエンドも当然の結果ながら、ちょっぴり涙しそうにまでなっちゃうもんね。

オマケ1マーリンがやたらと他の魚に「お前、カクレクマノミだろ?面白い連中なんだろ?」と言われていますが、それはカクレクマノミが英語でclownfish(ピエロ魚)だから?なんでしょうねぇ。クマノミはイソギンチャクと共生している魚でそのイソギンチャクと戯れながら泳いでいるように見えるのでピエロ魚と呼ばれるようになったそうな。

オマケ2そのイソギンチャクですが、実はあの触手に触れると刺胞に他の魚は刺されてしまいます。クマノミは体の表面にその刺胞と同じ成分を分泌することによってイソギンチャクと共生できるわけです。なので、この作品の中でもマーリンはくらげに刺されても大丈夫だったのに、ドリーは怪我をしちゃうんですね。
昔、「わくわく動物ランド」という番組でクマノミの特集をしたとき、このクマノミの分泌液をふき取ってイソギンチャクのところに行かせました。そうすると、やはり始めはピクッピクッとして、イソギンチャクの刺胞に刺されたみたいでした。そして、しばらくするとまた液が分泌されていつも通りに泳げるようになっていました。魚には痛点がないと言いますが、コクなことするよなー。これが、哺乳類なら動物虐待とか言われるのにね。






ワタクシと英語B面~中学、高校編

2005-12-26 | ワタクシと英語

中学のときアメリカ人講師1ヶ月だけ来た。その先生が言ったことで今まで忠実に守り抜いてきたことがある。

「英語の発音をカタカナで書かないでください」

そう。その通りだ。ホームイングリッシュセンターでもカタカナで発音を書くことは許されていなかった。appleは決してアップルではない。catは決してキャットではないのだ。その時から辞書に載っている発音記号をできるだけ覚えた。発音はすべて記号を写した。記号を丸暗記することは出来なかったけど、主要な記号は覚えて書いた。その記号と耳で聞いた音を連動させて覚えることが大切だ。

大学受験用の英語を勉強しなかったワタクシは日本人の大学受験経験者が普通に知っている単語をまったく知らない。難しい単語がほとんどなので日常会話には知らなくても困らないが、新聞などを読むときにはあーもうちょっと勉強しとけば良かったと思うことがある。

日本の中学高校の英語を「やってもムダ」とか言う人がいる。確かに会話に重点を置いた教育ではない。でもワタクシは自分が中学高校でやったことがムダだとはまったく思っていない。中学校で習う文法は最低限知っておくべきことだし、それをしーーーっかり押さえておけばその後の「会話」の勉強の苦労も少ない。高校の文法はかなり高度だ。トロントで世界中の英語を勉強してる子たちに会ったけど、日本の高校の英文法の知識面はかなり高い。それゆえに難しすぎて英語嫌いが増える。それはある。けど、ムダではない。

中学高校の授業を英会話中心にするとか、小学校から英語の授業を入れるとか、そんなに必要なことかしら?一つの教科として変遷があるのは当たり前だし、小学校から入れるのも多様性を求める上ではいいけど、それで日本人が英語が話せるようになると思っているなら片腹痛い。そもそも日本人みんなが英語話せるようになる必要なんかあんのか???


ロボコン

2005-12-26 | シネマ ら行

こないだBS放送でやっていましたね。

そんなに特筆に価することがある作品でもなんでもないですが、全体的になんとなく進んでいく感じで、変に装飾してないところが「ロボコン」というものを題材にしている映画という雰囲気を壊さないで良かったんじゃないかな。

「ロボコン」を一度でもTVで見たことがある人は分かると思うんですけど、「ロボコン」ってやっぱり地味ですよね。いや、ワタクシは好きなんですよ。ロボット工学とかそういうのには興味ないけど、「ロボコン」って見てるとすごい面白いですもん。この作品でもあるけど、なんかブロックを台に乗せるとか人間がやったほうが早いやんっ!みたいなことをロボットにやらせてその実力を競うんですけど、やっぱりロボット工学ってワタクシみたいなド素人には分からない繊細な要素がいっぱいあって、しょうもないところでコケたりとか、部品が取れたりとか、いきなり動かなくなったりとかするんですよね。そういうトラブルも見ているこっちにしたらすごい地味なんですよね。やってるほうとすれば、めちゃ焦るようなことなんでしょうけど、そういうこともなんだかユーモラスに見えてしまう。

そういった「ロボコン」独特のなぁんか不思議な雰囲気をこの作品はうまく出してると思います。すごく派手なことが起こる青春映画とは一味違う、それでいて青春映画独特の甘酸っぱさを感じることもできる作品です。長澤まさみちゃんも出てることだし、彼女につられて見た人たちが本物の「ロボコン」に興味を持つかもっていう効果もあるかもしれないですね。

エリート集団の第1ロボット部も最後にはなかなかお茶目な一面も見せてくれて、第2ロボット部の顧問の先生鈴木真一みたいな先生もなんとなくいそうな感じで地味だけど(何回言うねん)後味のいい作品でした。


ワタクシと英語B面~小学校編

2005-12-22 | ワタクシと英語

随分、間が空いてしまいましたが「ワタクシと英語B面」を始めたいと思います。ま、たいした目的もなくだらだらと書いているだけなので興味のない方は飛ばしちゃってください。

小学館ホームイングリッシュセンターは隣の校区にあった。今にして思えばめちゃくちゃ近いトコなんだけど、小学生にとって「隣の校区」はもう未知の世界。校区外で子供だけでいるところを目撃されたりすると、チクられたりするのだ。

そんな「遠くの」イングリッシュセンターに超方向音痴(今も変わっていない)の小学校1年生のワタクシが独りで行けるはずもなく、いつも母親に自転車で付いて来てもらっていた。いつまでたっても道を覚えられなかったワタクシは小学校3年生まで母親に付いて来てもらっていた。(情けなぁぁぁ。今思えば自転車で10分かかるかかからんかくらいの距離なのに

いい加減3年生くらいで一番簡単な行き道を何とか覚え独りで行けるようになったころ、途中で工事しているところがあり、おじさんに「回り道して」と言われた。

さて、、、困った。。。

ワタクシは一つの行き道しか知らない。回り道したらどこに出るか分からない。困った。どうしようか考えたけどいい案は思いつかず家に引き返した。「どうしたん?」「工事してるから行かれへんねん。道分からへん」母親は付いてきてくれた。末っ子のワタクシを甘やかしていた母は、そんなアホなワタクシをきっと可愛いと思ったに違いない。

楽しんで英語をしていたワタクシだが、5、6年で反抗期が来た。ふてくされた態度で授業を受けていた。「[s]と[th]の練習です。"mouse""mouth"ハイ、リピート」とか言われて"mouse""mouth"と言わないといけないのに「ハイ、s、th」とかやったりしていた。イヤな生徒だったに違いない。

5年生のとき同じクラスに違う小学校の一つ上の子がいて仲良くなった。先にその子は辞めてしまったけど、中学校で再会した。初めはすれ違ったりするたびに少し話したりしていたが、中学校のしょーもない上下関係重視の中で二人で話してるとその子は同級生に下の学年と仲良くすんなとか言われたみたいだった。イングリッシュセンターの友だちだったからワタクシはその子のことを下の名前で呼び捨てにしてたし。。。そんなことでその子とは疎遠になってしまった。

そんなこともあってワタクシは先輩後輩っていうのが大嫌いだ。だから、体育会系のクラブも嫌いだった。ま、元来ぬるま湯好きだから、体育会系なんてそれ以前に無理なのだけど、、、


ドッグヴィル

2005-12-22 | シネマ た行
これは正直好きな映画とは言いづらいものがあります。映画館で見ていたときも眠気が来て結構辛かった。全体が章ごとに分かれていて全部で9章あると始めに知らされるので、章の題名が出るたびに「あと3章、あと2章」とカウントダウンしながらなんとか見切ったという感じだった。

ラースフォントリアーという監督は独特の世界感を持っている人だ。この作品の前の「ダンサーインザダーク」は好きな作品ではないけど、「イディオッツ」や「奇跡の海」は結構好きでいつか取り上げると思う。作品ごとに好きか嫌いかは別として、共通して言えるのは、人間の中にある混沌とした感情のうずというか、なんかどろどろしたものやその中にある清らかなものなどをえぐって見せるという印象を受ける。そして、映像的にも実験的なことをするのが好きな人だ。

この作品も非常に実験的なもので、セットというものがない。まるで、子供の頃のままごとのように地面に「ココはだれだれの家」「ココは集会場」とか書いてあるだけで、その上に家具を置いてある。壁はなく、ドアも窓も想像上でしか存在しない。けど、この登場人物たちの中ではそれは完全に普通にあるものとして定義されていて、彼らは家に入るときにはきちんと(目には見えない)ドアを開ける(しぐさをする)。そんな設定だから、それぞれの人の家の中は丸見え。役者たちは自分の出番じゃなくてもその中で生活している様子を常に演技していなければならない。

その町に流れてきた女ニコールキッドマンを巡って町の人たちの人間性が試される。ということなんだろうけど、なんせ話が暗いし、なんでそうなるわけ?みたいな展開を見せる。ニコールが町中の男から辱められることになったり、見ているほうは目を伏せたくなる場面もある。しかし、最後には、これも無茶苦茶な展開だけど、見ているこっちはすっきりしたりなんかもしたのであった。

そんで、結局何が言いたいねんっていうのはワタクシもよう分からんのですけどねー。

あんまり、好きではない作品だけど取り上げてしまったのは、やっぱりこのヘンテコな実験的な作品は見ておいて損はないかなと思うのであります。

ラブアクチュアリー5

2005-12-20 | シネマ ら行
これで、このシリーズも最後です。最後のカップル(?)は恋愛とは関係ないですが、ある種これも変な意味ではなくて恋愛に似た感情と言ってもいいんじゃないでしょうか。

特に誰かと絡むわけではないですが、登場人物のみんながTVで目にする落ちぶれたロックスター。クリスマスにこの曲が一位になったらTVで裸で歌ってやるとか言ったもんだから、本人さえもクソみたいな曲というこの曲がナンバーワンに。エルトンジョンのクリスマスパーティに誘われたりまでしちゃいます。でも、TVでF-ckだクソだって連発してたどうしようもないロックスターも意外といいとこあってねぇ。「クリスマスには一番愛する人と過ごすべきだ」ってことに気付いてマネージャーの家へ。ヤセとデブの二人のおっさんが恥ずかしそうにハグしあう姿がぎこちなくていい。

そして、忘れちゃいけないのがローワンアトキンソン。アランリックマンがネックレスを買うデパートの宝石売り場の店員で包装にやたら凝ってる変な奴。それで、終わりかと思いきや子供が片想いの相手を空港に追っかけて行ったときに現れて粋な計らいをしてみせるのです。いやー、ほんとによく分からない役どころ。でも、彼ならではの表情で観客を笑わせる。

そして、最後はまたヒースロー空港の到着ロビーへ。登場人物たちがそれぞれどこかから帰ってきます。ここでは首相の帰りに抱きつくナタリーが一番キュートで賞いくらなんでも首相だしそりゃないべ?だけどな。

笑いあり、涙ありのこの作品ですが全体を通して微笑みながら見てしまう。ついついニヤけながら見てしまう。

本当に人生や世の中の善良な部分を信じたくなる。信じさせてくれるようなこの作品。恋人と過ごす人も友だちや家族と過ごす人もクリスマスにはぜひこれを見てそばにいる人の存在を確かめてみませんか?

Love actually is all around.ですよ。

ラブアクチュアリー4

2005-12-19 | シネマ ら行
ジョアンナペイジマーティンフリーマンこの二人は一番地味だけど一番キュート。二人はボディダブル、スタンドインと呼ばれる仕事をしているらしい。今回は実際に俳優が芝居をする前に照明やカメラの位置とかを決めるためにモデルになっている。そして、今回の映画はどうやらポルノらしい。彼らは俳優ではないので実際のシーンの撮影はないが、二人ともすっぽんぽんでベッドシーンの真似をしながらカメラチェックされている。

二人ともそんな姿できわどい絡みをしているのに、演技しているわけではないので普通に世間話をしているのです。それも二人ともすごくシャイな感じで。その姿と会話のギャップがかなり滑稽です。途中、彼が彼女をデートに誘うのですが、その時もあくまでもシャイに。こういう二人で一番地についているような恋愛模様を見せるという可愛いジョークが効いている一編。

上の二人の撮影現場のスタッフとその友人クリスマーシャル。この友人の男の子。まったくモテず、でもその原因は冷たいイギリス女性にあると思い込んでいる。アメリカに行けば自分だってモテモテだと。そして、本当にそのためだけにアメリカに行っちゃうんだからこのアホ男…なんだけど…アメリカ娘にすればイギリス英語はキュートアクセントってことで…彼は…とこのエピソード、作品中最もファンタジー要素の強いもの。まぁ、イギリス男の願望ですかね。冴えないイギリス男に一筋の光をということで許してあげましょ。そして、彼が最後に連れて帰ってくるアメリカ娘にビックリのキャスティングです。

明日に続く…

ラブアクチュアリー3

2005-12-19 | シネマ ら行
ローラリニーロドリゴサントロ。アランリックマンの部下。会社に入って2年と・・・ミステリアスなデザイナーに恋して・・・「会社のみんなに明らかにバレてるんだからアタックしろよ」と背中を押すリックマン。「おいおい、そんなこと会社で言っていいんかよ」って思うんだけど、そのお陰で二人は大接近。クリスマスパーティの帰り、彼女が部屋に彼を迎えるところがかわいい。彼に1秒待ってと言い、隣の部屋で喜びを爆発させる彼女。オチャメです。

ここではこのエピソードに絡んで姉弟の愛が語られます。精神障害を持つ弟がほぼ5分おきに彼女に電話してくるのです。そのベルと目の前にいる彼。さて、彼女の取った行動とは…

コリンファースとポルトガル人のオレーリアルシアモニス。ローラリニーの友達。弟に恋人を寝取られた小説家。気分を変えようとマルセイユの別荘で執筆を。そこで、身の回りの世話をしてくれるポルトガル人に恋をします。この二人が傑作。お互いに言葉が分からないのに、言ってることは通じ合っているんです。観客だけが二人ともの言ってることを理解してる状態なので、本人たちは自分たちの会話が成り立っていることには気付いてないからまた面白い。コリンファースの優しげなちょっとマヌケな顔がすごくこのエピソードに合っています。

風で飛んでしまった原稿を池に飛び込んで取りに行ってくれる彼女。「僕も飛び込まなきゃ腰抜けだと思われちゃうじゃないか」と文句たらたらで飛び込むとことがいかにもイギリス人的。

キーラナイトレーアンドリューリンカーン。上の二人ともの友達。親友の花嫁に恋してしまった男。彼が演出する親友の結婚式が素敵。ビックリプレゼントとして登場するコーラス隊とブラスバンド。映画の始めのほうのシーンということもあって"All You Need Is Love"という曲がこの映画全体のメッセージを明確に示す役割もしています。

キーラナイトレーに自分の気持ちがバレてしまった彼。その彼がクリスマスに取った行動が実に爽やか。彼女にきちんと親友にはバレないように自分の気持ちを伝え、彼女から最初で最後のキスをしてもらった彼の"Enough, enough, now"というセリフが叶わぬ恋だったけど、悔いなく前に進めるという彼の気持ちがよく伝わってくる。

この彼にキーラが声に出さずに「メリークリスマス」って口パク状態で言うんですけど、それがもうくぅぅぅぅぅぅ~ってくらいかわいいです。

つづく…



ラブアクチュアリー2

2005-12-15 | シネマ ら行
エマトンプソンアランリックマンあくまでも究極の選択ですが、ワタクシの一番好きなエピソードです。昨日書いた英国首相の妹とその旦那(どう見てもエマのほうが年上なんだけど、どの資料も兄妹になっている)

結婚生活も長く子供も2人いて特にお互いときめくこともないけど愛し合ってるよね、っていう夫婦。それが、夫が浮気しかけて…

自分に贈られると思っていたネックレスが他の女のためだったと知ったときの彼女の涙。もちろん夫や子供たちに悟られまいと独りベッドルームで泣く姿。バックに流れる"Both Sides Now"という曲とともに胸がグーッと痛みます。そして、子供たちの前でまた気丈に振舞うのです。その後子供の学芸会で偶然兄にばったり会い、「来てくれたのね」と一見再会を喜んでいるように見えますがこちらは彼女の心情を知っているので、兄に泣きつきたい気持ちを抑えているのが分かってまた心が痛みます。この一連のシーンのエマトンプソン、さすがやっぱ演技うまいなーって改めて思いますね。

このアランリックマンを誘惑するミア。悪びれることなくセクシーに迫ってくる。おじさまグラッです。パーティの衣装もなかなかキュートで歳はいってるけど小悪魔的キャラでしょうか。でも、この小悪魔意外と“ダサい”エリアに住んでいることが後に発覚しまーす。



リーアムニースンと子供サムトーマスサングスター。上のエマトンプソンの友人役リーアムニースン。つい最近妻を亡くし、妻の連れ子と二人っきりに。そしてその子は今現在片想いに悩んでいます。彼の悩みを相談されてホッとした父。「もっと悪いことで悩んでると思ってたからホッとしたよ」と言うと「片想いより悪いことなんてある?」っていうセリフがかわいい。

片想いの相手が引っ越しちゃうと聞いたお父さん。「これはレオとケイトの助けが必要だな」レオとケイト???そんな人出てたっけ?友達か?と思っていると二人で「タイタニック」鑑賞。あーレオとケイト!!!そういうことか。やるやん、お父さん。この子のお話はかなりかわいくて微笑ましいです。初恋の相手もなんか変にすれてる金髪美少女みたいな女の子じゃなくて好感持てるし。

ここでは、妻を亡くしたお父さんにも注目。「クラウディアシファーがデートに誘ってくれでもしない限り、もう誰ともデートしないよ」なんて言っていますが、さて、どうなるか…ラストを楽しみに

明日に続く…


ラブアクチュアリー1

2005-12-14 | シネマ ら行
12月になったので、いままでするのを待っていた大大大好きな作品を紹介します。都合良すぎてキライと言う人。いるでしょう。あー、そうさそうさ、都合いいさ。クリスマス映画なんだもん。それでいーのだ。

冒頭からいいよね。英国首相ヒューグラントのナレーション。気が滅入ったらヒースロー空港の到着ロビーのことを思う。そこで抱き合い再会を喜ぶ人たちの姿。これだけですでに感動的。こんなに憎しみや嘘が溢れる世界でもやっぱりそこには
Love actually is all around.
とにかくこれがこの作品のすべてを表している。

当然と言おうか男女の愛が中心に語られるのですが、それだけではなくて親子、兄弟、友達の愛もそこに絡んで描かれる。登場人物全員が大好きなので全員取り上げないと気が済まない。というわけで5回シリーズ!に分けて取り上げます。彼らの関係ごとに追って紹介しまーす。

まずは、ヒューグラントとマルティンマカッチョン独身の英国首相。給仕係のちょっとおデブでおっちょこちょいのナタリーにほとんど一目惚れ(後に彼がおデブが好みということが分かる)就任後初めて米大統領ビリーボブソーントンを迎え政策的には及び腰だった首相。でもこのエロ大統領がナタリーにセクハラしてるのを目撃。ガゼン交戦体制に。記者会見の席上で「イジメっ子の友達ならいらない!」と米大統領を突っぱねるシーンが最高!「英国は小国だが偉大な国だ。シェークスピアも、ハリーポッターもベッカムもいるんだ!」とね。(英国人のおごりは嫌いだけどアメリカに対抗して言うこのセリフには笑える)こんな個人的な恨みで国の政策まで変えちゃって無茶苦茶だが、その態度のおかげで支持率も一気にUPしたようだ。そして、一大決心した首相はナタリーの家を探しに通りの名前だけを頼りに一軒一軒尋ねて歩く。計らずも首相自らの一般家庭訪問、クリスマスの挨拶訪問となり、首相を知らない子供たちに聖歌隊と間違われて歌まで披露する。(ここで意外な人の才能が…ニンマリ)そしてついに愛しの彼女の家が分かるんだけど、彼女は親戚の子供たちの学芸会に出かけるところ。そこで、首相の車が急遽タクシー代わりに!彼らはタコの扮装をした子供と同乗することに。愛の告白にやってきた首相。トホホですもちろん、ハッピーになってくれますけどね。それも派手にやってくれちゃうんですよね…

続く…

Mr.&Mrs.スミス

2005-12-13 | シネマ ま行

これは、あのー、もしかして、大真面目にしゃれで大スターが揃って初めからラジー賞狙ってます?って感じの作品ですね。

はい、ブラッドピットをキュートだと思わない人、アンジェリーナジョリーをセクシーだと思わない人、見に行ってはいけません。というのは少し言いすぎにしてもこの主役の二人を好きじゃなければちょっとツライものがあるかもしれませんね。

まぁ、ほんとにブラピがキュートだこと、アンジーがセクシーだこと。二人とも、こんなにお金掛けてプロモーションビデオを作っちゃいますかね。しかも、カップルでという結果になってるなんていうオマケまでついちゃってねぇ。

とは言ってもこの作品が嫌いなわけではありません。ワタクシはブラピとアンジーが好きなのでこれくらいのわがままは許してしまいましょう。ここで、ギリギリの線ですが。

砂漠で立ちションするブラピ、「話し合おう」と言いながら、車の後ろの窓から情けない顔をのぞかせるブラピ。白いランニングに白いパンツ(下着のね。しかもでかパン)で駈けずり周るブラピ。ボンテージファッションで暗殺の仕事をする時のセクシーなアンジー、夫を殺そうとしながらも未練をみせる切なそうなアンジー。どれもファンにはたまらないショットばかりです。ボンテージなアンジーはもちろんセクシーだし、セクシーさを強調するときには断然黒が多いけど、ワタクシは彼女は黒よりも白を着ている時の方がすごくセクシーに感じるんですよね。なので、今回はボンテージよりも白シャツに下着だけの彼女がとってもセクシーでした。

プラス、二人のアクションシーンが見もの。史上最高にお金のかかった夫婦喧嘩です。ゴージャスです。なんせ、ブラピとアンジーが殴り合うんですからね。(この辺はMTVのベストファイト賞狙いか?って感じです)もちろん、娯楽性の高い作品ですからそこまでエグイのはありませんので、心配無用。敵との打ち合いのところは都合よく見事に防弾チョッキのところだけに当たってくれちゃうし、二人でわざとらしくダンスみたいなアクションの振り付けでホントに楽しいですねー。(ちょっと皮肉ですよ)

ま、ストーリーはこんなもんかいなーって感じですね。そんなに真剣になって見るのはやめましょう。

ワタクシはアクションシーンよりも最初と途中(は二人バラバラに)と最後にある結婚生活のカウンセリングを受けているシーンが好きですね。カウンセリングの先生とのやりとりがずれているようであっていたりして結構笑えました。もちろん、最後の"Ten"もね。(アンジー相手に"Ten"じゃなきゃ、そりゃアンタの責任だろうよと突っ込みたくなりますけどね。)この"Ten"のときのブラピの表情が子供のようで、アンジーとの私生活のことを言ってるんじゃないのー、このーと肘鉄したくなっちゃいましたね。さて、この二人、プライベートではどうなっちゃうんすかねー。


しあわせな孤独

2005-12-12 | シネマ さ行

女:セシリソニアリクター(「ランローララン」のフランカポテンテに少し似ている)。婚約者が危険なところに調査に行くことを案じている。彼はその調査の旅に出る前に心配することはないと言い可愛い下着をプレゼントしてくれた。調査での事故を心配していたのに、こんな形で彼が半身不随になるなんて夢にも思わなかった。絶望した彼に冷たくされてどうすればいいのか、もう何もかも分からなくなってしまった。

男:ヨアヒムニコライリーカース。セシリと婚約して幸せの絶頂にいた。もうすぐ博士号もとれるだろう。それが、あの事故で半身不随になり、絶望してしまい、セシリに冷たく当たってしまった。彼女を愛してはいるけれど、いや、だからこそ、こんな体の自分に彼女を縛り付けておくわけにはいかない。

妻:マリーパプリカスティーン。あの日、娘のスティーネスティーネビェルレガードと車の中で口論をしていた。そのために車のスピードをあげ注意力散漫になってしまった。そのせいで、ヨアヒムを轢いてしまう。医者である夫がその婚約者のセシリの精神的な支えになってくれているが…

夫:ニルスマッツミケルセン。妻を愛し、3人の子供たちを愛し、仕事も順調だ。そんなある日、妻が交通事故を起こしてしまった。相手は若い男性。半身不随になってしまったようだ。彼には婚約者がいる。加害者の家族として、医者として彼女を助けてやらなくては。妻もそれを望んでいる。セシリをなぐさめてやりたい。

せつなくて悲しいやるせない物語。セシリは懸命にヨアヒムを助けようとするが絶望した彼は彼女を拒否するばかり。そんな中、慰めてくれるのは医者で加害者の夫のニルス。ニルスは家族を愛しながらも、自分が支えなければ崩れ落ちてしまいそうなセシリが、若くて魅力的なセシリが気になって仕方がない。そんな二人が深い関係になるのは時間の問題だった。

セシリの行動があまりにも自分勝手だという人も多いだろうと思う。ワタクシもそんなふうに感じないわけではない。セシリは自分勝手だし、ニルスは愚かだと思う。でも。なんか、それだけでは割り切れない何かを感じる。絶望したヨアヒムに罵倒されるセシリ。突然に半身不随になってしまった彼を思いやるならば、それくらいは我慢しなければならないのかもしれない。でも。突然の不幸に襲われたのはセシリも同じ。彼を愛する気持ちが深いからこそ、傷つき方も深い。ワタクシならきっと相手の傷が分かっていても、相手が本気で言っているんじゃないと分かっていてもやっぱり傷つく。それは愛しているからこそだと思う。

一番つらいのはマリーかもしれない。自分が轢いてしまった男の婚約者と自分の夫が不倫の関係になってしまったんだから。それに彼女を慰めるように頼んだのは自分。愚かな男のことを考えればこうなることは予想できたかも。けど、それ以上に彼女は夫を信頼していた。子供が3人いてもまだ「子供を作ろうか?」と誘ってくれる夫。そんな彼が浮気などするはずないと。やはり愚かな男の性を信じた彼女がバカだったのかな。

ニルスは愚かだ。けど、セシリを愛してしまったと言い、家を出るその姿はもの凄くひどい夫であり、父親かもしれないがある意味での潔さを感じたりもした。セシリはただ慰めが必要なだけかもと思いつつも本気で愛してしまったニルス。自分も若い女の体に溺れているだけなのか、それが愛なのかは分からない。それでも家を出ることを選んだニルス。ワタクシはそういう生き方も(他人を死ぬほどに傷つけるけど)嫌いではない。ついに、セシリと共に生きていけるのかと思った瞬間にかかる電話。ヨアヒムがセシリを呼ぶ。なんというタイミング。息が詰まる。

半身不随になってしまうために受け身であるしかないヨアヒム。絶望の時期を乗り越えセシリを受け入れる。が、セシリが他に男を作っていることを悟る彼。それも仕方ない。セシリが自分を愛してくれていることも分かる。「もういいんだよ」「たまに来てくれるだけでいいんだ」「友だちでいてくれるね」これがヨアヒムのセシリへの最大級の愛の表現だった。この二人の別れのシーン。つらかった。本当に胸が苦しくなるシーン。

時々、セシリかヨアヒムの頭の中にある映像を映すかのようにヨアヒムの手が動いているシーンが挿入される。セシリのほうへ手を伸ばすヨアヒム。その手をとるセシリ。この別れのシーンではヨアヒムがセシリにそっと手を振る。愛する人との別れに手を振ることもできないそのつらさがなお一層引き立てられる。

日本人好きのする作品ではないかもしれないが、デンマークアカデミー賞作品賞、助演男優賞、助演女優賞、トロント国際映画祭国際批評家連盟賞ほか数々の賞を受賞している。
ドグマの手法で撮られたこの作品。スゼンネビエール監督。デンマーク。この辺りの作品は同じヨーロッパ映画でもフランスやイタリア映画とは決定的に違う。人生のヘビーな部分をヘビーなままに映し出してくる。生活の基盤を根底から覆すようなことがおきた時、人はどうするか?セシリやニルスを勝手過ぎると言えるほど、ワタクシたちは強いだろうか?


ザスーラ

2005-12-09 | シネマ さ行
試写会へ行って参りました。

何かの映画を見に行ったとき、初めて予告編を見て「あ?何これ?“ジュマンジ”の二番煎じやん」と思ったら、本当は“二番煎じ”ではなくて原作が同じ人のきちんとした続編、いや、続編ではないな、これは。姉妹編と呼ぶべきか。ともかく、正当な“ジュマンジ”の後継者なのでありました。

さて、その“ジュマンジ”がリアルボードゲーム~ジャングル編だとすると、こちらはリアルボードゲーム~宇宙編。ん?もしかして、そこがちがうだけ?象やサイが暴れまわるかわりに、隕石が飛んできたり宇宙人が暴れまわったりするだけ?ん?そう思われた方、たくさんいるでしょうねー。そして、この作品、その期待(?)を裏切りません。ナハハ。あかんやんって?そうですね。そうなんですけど、でもちょっと面白かったですよ。

今回はいつもケンカばかりのウォルター(10歳)ジョッシュハッチャーソンとダニー(6歳)ジョナボボの兄弟が話のメインですね。ダニーはまだ小さくてウォルターは遊び相手としては不満。お父さんティムロビンスは仲良くしろというけれど、いつもすぐにケンカになってしまう。

そんな二人がダニーがたまたま見つけた「ザスーラ」というゲームを始めてしまう。とここからのこのリアルスゴロクが基本的にどういう展開を見せるかというのは、みなさんご存知の通り。

途中で現れる宇宙飛行士ダックスシェパードには少し秘密が隠されていて、どうしてこんなことになったのかという説明はないのですが、宇宙には時間軸やら空間やらにゆがみが生じるということでよしとしましょう。この宇宙飛行士にお姉ちゃんクリステンスチュワート(「パニックルーム」でジョディフォスターの娘役をしていた子がセクシー系になって登場)が恋してしまうというのもオチを知ったら笑っちゃう。

このメインの兄弟がとても可愛く、それで映画全体を引っ張ることができていると言っても過言ではないでしょう。小さいほうのダニーは何か悪いことをしたら"I' sorry. I'm sorry. I'm sorry......"と何度も言って駆け回り、「謝ったら許されると思いやがってこのガキィ~」と心の狭いワタクシは腹が立ってしまったんですけど、みなさんは可愛いと思われるのでしょうか?ワタクシはどちらかというとお兄ちゃんのウォルターのほうが可愛かったなー。

この兄弟のやりとりが結構笑わせてくれるので、そのあたりは楽しめるんじゃないでしょうか?「ジュマンジ」を知っている者にとっては、あの時の衝撃を味合うことはできませんが、「ジュマンジ」をまだ見ていない人はこちらから入るほうがいいかもしれません。