シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

女神の見えざる手

2017-11-07 | シネマ ま行

とにかくジェシカチャスティンが出ると決めた作品なら良い作品に決まっていると思って、彼女の作品はできるだけ見に行くようにしています。今作も以前からとても楽しみにしていました。

敏腕ロビイストのエリザベススローン(チャスティン)。本来は税関係が専門だが、所属する大手ロビー会社から今回銃規制法に反対する銃擁護派のロビー活動の担当にさせられそうになり、銃規制派であるロドルフォシュミットマークストロングが経営する小さなロビー会社に部下4人を連れて移籍。巨大な権力を相手にロビー活動をすることになる。

冷徹なまでに相手の動きを読み、脅しすかしなだめおだて、時には味方の陣営にウソをついたり作戦を内緒にしたりするやり方で敵をこちらサイドに寝返らせていく。自分のロビー活動を成功させるためなら味方をどんなふうに利用しても気にしない。相手が傷つくことなど平気でやってのける。エリザベススローンはそんな人。

それでも彼女がただのイヤな奴に見えないのは、ワタクシがジェシカチャスティンのファンだからなのか。いやそれだけではない、彼女が少ないプライベートの時間に時折見せる寂しそうなまなざし。誰を傷つけても気にしないという態度でいながら、どこか心の奥底では自分が傷ついていそうな雰囲気がある。決して語られない彼女の過去に何があったのか、そこに思いを馳せずにはいられない。

しかし、物語はワタクシのそんなセンチメントを笑い飛ばすかのようにドロドロの闘いが繰り広げられる。彼女が元いた会社の連中は、彼女のせいで負けそうになると彼女がロビー活動で行った法律に反する行為を暴き、スパーリング上院議員ジョンリスゴーを担ぎ上げ彼女を聴聞会にかけた。

弁護士に黙秘権を貫くよう指示されるスローンだったが、議員の挑発に乗り黙秘権を放棄してしまう。あそこまで頭の良い彼女がこんな挑発に乗るなんておかしくない?と思っていたのだが、彼女の行動は何もかも計算されたものなのだ。彼女の中では最後の最後の最後まで全部計算済みだったのだろう。彼女の中での計算外は彼女が買っていたエスコートサービス・フォードジェイクレイシーが偽証罪も適用される聴聞会で「彼女とお金をもらって関係を結んだことはない」と堂々と偽証してみせたところだけだったか。軽薄そうに見えたフォードだったけど、一度は心が通いかけた彼女の秘密を守ってあげたのか。あれは鉄の女にとって嬉しい誤算だったのかも。

ジェシカチャスティンはどの作品を見ても「いやー、やっぱカッコ良かったなー」と思えて、彼女の一番カッコ良かった作品が常に更新されていくような状況なのだけど、今回のエリザベススローンももうめっちゃくちゃカッコ良かった。ひとつ前に書いたシャーリーズセロンの役のフィジカルなカッコ良さではなくて、頭がめちゃくちゃいい人のカッコ良さ。そして他人を犠牲にすることなんてまったく気にしないっていう顔をして実は自己犠牲の精神がとてもあるというあの最後のシークエンスのぞくぞくするようなカッコ良さ。社会派ドラマが好きな方にはぜひぜひ見ていただきたい作品です。

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