未調理の鶏肉を洗うとカンピロバクター菌が周囲に飛び散る可能性がある。カンピロバクター菌は、英国で発生する食中毒の最大の原因となっている。

 鶏肉を洗う理由で最も多かったのは「汚れや細菌を取り除くため」で、こうした認識は各家庭で代々伝えられているという。

 しかし実際には、鶏肉を洗う行為により、手や衣類の他、周囲に危険な細菌を拡散させる可能性がある。

 カンピロバクターは、腹痛や激しい下痢、嘔吐を引き起こす可能性があり、なかには死に至るケースもある。子供や高齢者に対するリスクが最も高い。

 家禽類の肉が主な感染源とされるカンピロバクター菌は、感染すると手足の麻痺などの症状を引き起こすギラン・バレー症候群の原因でもある。

ギラン・バレー症候群とは?

ギラン・バレー症候群は、筋肉を動かす運動神経が障害を受け、下半身を中心に手足に力が入らなくなったり、しびれをきたし、徐々に上半身にも影響を及ぼし、歩行が困難になったり、食べ物が飲み込みにくくなったり、呼吸が苦しくて寝たきりになる場合もある病気です。

感染初期は風邪症状や下痢があり、約1か月かけて手足に症状がピークをむかえ、その後は徐々に回復していくことが多いとされていますが、病状の回復の程度や期間には個人差があります。

普段の生活で予防できることを意識すると病気のリスクを減らすことができる。