斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

人を育てるクルマ

2006年03月16日 | クルマ
近くに住む若者の2台目のクルマについてです。
当方の近くに住んでいる高校の後輩(学内でラップした時期がないくらい年下の後輩)の話です。
古くからこちらに立ち寄っている方だと覚えている方もいるかもしれない、高校卒業後に合わせて免許を取得し、初めての車に4.1リッターV8のシーマを購入した漢らしいというか無謀な人物。
それが、数年落ちのモデルを鬼ローンとかで買ったのならいざ知らず、車両本体20万円以下で12年落ちなのに検切れという時点で妖しさ満点な車でした。
外観はそれなりにまともだったけど、機関や快適装備は最悪でした。
まず機関は尻下がりなエアサス、妙に変速ショックの大きいAT、やたらオイルを喰うエンジンなどなど。
室内に目を移すと液晶表示の消えたオートエアコン、高さ調節の壊れたパワーシート、テレビとしてしか使えないマルチAVシステムと数えあげればきりのないくらいでした。
最初は「ベース車ですから。」とか「車検分だけ乗れればいいんです。」なんて強がっていたけど、だんだん修理に追われるようになってきたので、いじることもままならなくなってきたらしく、今回乗換えたクルマに遂に代替することにしたらしいです。

今回乗換えたクルマは平成9年式のトヨタ・クラウン2.5ロイヤルツーリングです。
まぁ彼らしい(?)VIP路線というかハイソ路線の車種選びです。(前車より微妙にしょぼくなった?)
前回の反省として壊れたときに修理代の嵩むエアサス車をさけ、耐久性の高さに定評のあるモデルをえらんだそうです。

乗換えの理由はもうひとつあるらしく、平成5年式のY32シーマは自動車税が半端じゃなく高く、しかも増税対象の年式に突入するモデルでもあります。
乗換えによって自動車税が76500円から約6割の45000円になるというのも大きな魅力のひとつだとか。
クルマは買うことよりも維持することが大切なので、とても重要だと思います。
予想外なメリットとしてはサイドエアバックや安全ボディ(GOA最初期)のおかげで、任意保険も相当安くなったらしい。

彼の拘りとして、ロイヤルサルーンは買いたくなかったのと4ドアハードトップの車が欲しかったため、今回の選択になったそうです。(あとシーマに履いていた17インチのアルミが使えるのもポイントだそうです)
9年落ちの2.5リットルモデルとはいえ、EMVやTRCが装着されているし、2オーナー実走7万キロ台ならまだまだ楽しめる1台でしょう。
乗り出し価格は前車の倍になったけど、ずいぶんまともというか普通の車になったような気がします。
まだ二十歳にもなっていなければ、初心者マークも取れていない男が乗る少しいじられた2世代前のクラウン。
世間様からすれば“ヤンチャ”そのものなのかもしれませんが、経緯を知っている当方からすれば、ずいぶんと落ち着いた印象の1台です。
前回の失敗を踏まえて、購入することだけではなく、維持すること乗ることを踏まえたひと回り成長したオトナのクルマ選びが出来るようになりました。
また、騙し騙し乗っていたため、結構なメンテナンスも覚えたそうです。
いやーポンコツ車(失礼)は人を育てます。
シーマは後々、彼にとって欠かせない1台になるでしょう。(「18歳で初めてのクルマとして買った。」という武勇伝と共に)

何気に自宅近くのコンビニで会い、「今度、TVジャンパーとセキュリティアラーム付けるので、内装剥がしと電工ペンチ貸してください。」というお願いと共にこの話を聞きました。

補足
何より不思議なことは、彼の手元に来た時点でいくつもの爆弾と触れられぬ過去を抱えたクルマだったのに、「車検が半年以上残っているから」という理由で、結構な金額で下取られていったそうです。
ということは、またどっかの中古屋に並ぶ可能性が高いということです。
微妙に人気のありそうなV8のタイプⅢで純正パール。しかも事故暦は無いしね。(要はノーメンテの過走行車だった)
そして、リッター7キロ台の燃費を「低燃費なクラウン最高!」という彼の感覚は納得できん。(前のシーマは4キロ台の時もあったらしいので…)