夏の高校野球は群馬の前橋育英が優勝。前評判の高かったチームが早く敗退したこともありましたが、ベスト8に残ったチームは大きな実力差はなく、どこが優勝してもおかしくないという面白い大会終盤でした。
今大会は選手のコンディションに配慮して初めて「休養日」を設けました。ここ数年は特に投手のコンディションの問題で決勝戦が大味なゲームになってしまっていた上、今年の春の選抜大会では大会No.1と評されていた投手が3連投で計500球以上投げたことに国内外で物議を醸したことも考慮していたものと推察します。この日程変更や連投を避ける抽選方法だけで十分な配慮と言えるかどうかはともかく、準々決勝以降を見た限りではまずまず良かったのではと思います。
アメリカメディアやプロ球界は投手の肩の消耗について敏感になっているようですが、ゲーム終盤に足がつっている選手が散見された事実を見ると、この大会は肩の事以前に暑さのレベルが昔とは違って尋常でない状況にあることをまず考えるべきでしょう。私の小学生のころは「夏休みの宿題は涼しい午前中にしましょう」と言われていましたが、最近はそれこそ高校野球の第一試合の開始時間あたりですでにクソ暑い気候になっています。「伝統」を振りかざして保守的に見える主催団体と、普段は「人権」を声高に叫んでいる割にこの問題にあまり触れようとしていない主催新聞社がどのように現状把握をしているのか不明ですが、対症療法的な改革では限界に来ていることは明らかなようです。
野球に関して言えば、プロ・アマ全てを統括する運営団体が存在していないため各連盟間でwin-winの関係が築けない現状では解決が難しい問題ではありますが、選手のためを思うのであれば縄張り争いはすみやかに止めて改善すべき時期に来ていると考えます。