グラハム・ハンコック氏の著作全体を総括するような対談の本のご紹介を続けます。
題名は、「人類の発祥、神々の叡智、文明の創造、すべての起源は「異次元(スーパーナチュラル)」にあった」といいます。
対談の相手はエハン・デラヴィ氏です。
2人は次に、新刊の「スーパーナチュラル」(邦題は「異次元の刻印」)についての会話に入ります。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
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(引用ここから)
○デラヴィ
古代の人々が、芸術的な活動に膨大な時間とエネルギーを費やしてまで、後世の人々に残したものは何だったのでしょうか?
それを解き明かすことは、現代のわれわれに残された課題かもしれません。
あなたは最新刊「異次元の刻印」で、調査方法を内側からの視点へと発展させましたね?
古代文明が古代の人々の意識の表出だとするなら、彼らはいったいどんな意識を持っていたのでしょうか?
○ハンコック
「異次元の刻印」を書くことになったのは、人間の進化に関係する長い話になります。
わたしが「人間のように行動する」と言うとき、その意味するところは「基本的にシンボル(象徴)を使えてそれを操作できる」ということを指しています。
・抽象的に考えること
・自分たちの前には物理的に存在していないものを思いつき、それなりの生活を計画して構成すること
・具体的に表現されたものとは無縁の、完全に象徴的な芸術作品を作りだす程度にシンボルを操ること
・霊的な感覚と死後の生活の信念を明確に持つこと
4万年前になると、死者を埋葬するときに副葬品をいっしょに埋めています。
死後も続く世界があると信じていなければ、そんな行動はしません。
人間の霊的・創造的側面が登場するのと同時に、あらゆるすべての行動が登場します。
たとえば精密で戦略的な狩猟なども、そうです。
約4万年前に、まるで示し合わせたかのように、なにか途方もない変化が、私たちの祖先の身に一ぺんに起きたかのようです。
それまで私は興味の対象として、12000年前あたりの古代文明に焦点を合わせていました。
しかしもっと過去にさかのぼって、これほどまでに劇的に人間の行動を変えたものは何だったのか、見つけてみようと思ったのです。
○ハンコック
人間の起源については、長い間関心を持っていましたが、本当に焦点を合わせるようになったのは「神々の世界」を出版した後です。
考古学的な記録でそれを見るなら、本当に並外れた変化です。
なぜなら、突然傑出した、驚くような芸術が発生したからです。
フランスのペシュメル洞窟のものは、約24000年前に描かれた洞窟絵画の典型です。
この地下の迷宮には、上から伸びた鍾乳石と下から伸びた石筍によってできた柱によってできた柱の森があります。
そこを通り抜けると、壁に芸術作品の暗示的な断片が現れます。
すばらしい作品です。
壁には2頭の奇妙な馬が、いっぱいの点で美しく描かれています。
点は、馬の身体を超えて広がっています。
馬の頭は非常に小さくリアリズムを超越していますが、信じられないほど力強く見えます。
この絵は奇妙な手形で囲まれています。
その一つは、指が6本あります。
興味深い生き物の絵は、超自然的なものとしか形容できません。
日常の現実世界では見たことがないし、祖先たちも日常で出会ってはいないもののはずです。
これらの生き物は、半分が動物、半分が人間という組み合わせの獣人です。
これら獣人は、世界中どこでも見られる初期の岩絵と洞窟画の普遍的なテーマです。
イタリアのフマーネ洞窟にある岩絵が、35000年前の最も古いものです。
それ以前に描かれたものもこれから発見されるでしょうが、今のところまだありません。
そこでは5つの奇妙な動物の姿の中に、はっきりと動物と人間の組み合わせがあります。
仮面をかぶっている男性の姿ではありません。
人間と動物が完全に変形していて、牡牛の角があります。
ショーベ洞窟の奥深く、岩が突き出た所には、天井からぶら下がった並々ならぬ絵画があります。
33000年前のものです。
男性の足と臀部を持ちながら、背中にはバイソンのようなこぶがあります。
頭は完全にバイソンに変わっていて、大きな角を持っています。
さらに、巨大な女性の身体に見えるものに、なにかがまたがっている絵もあります。
この女性には頭がない。
非常に奇妙なものですが、右腕はライオンの頭に変形しています。
33000年前のショーベ洞窟には、バイソン男とライオン女がいるのです。
いったい彼らはどこからこんな不思議なアイデアを知ったのでしょうか?
彼らは自分達が経験したある遭遇を絵にして記録したのです。
彼らにとって途方もなく重要なことでした。
なぜなら先史時代のある瞬間に、私たちの祖先はこうした驚くべき絵画を創り始め、また現代人らしい振る舞いが登場したからです。
そして明らかに来世についての強い信念を持っています。
宗教らしきものもありました。
シンボルを扱う並外れた手際は、私たちが近代人の活動として認めている経済活動と結びつきます。
彼らは動物が特定の時間にどこにいるのかを知っていたので、綿密に計画した狩猟戦略がありました。
彼らの行動は全く私たちと同じです。
彼らは超自然的な存在と接触していて、その存在が彼らを人間らしく変えたということです。
洞窟絵画には、あるパターンのデザイン的特徴が普遍的に見られます。
ジグザグの線や波線。
内側が〝入れこ″になるような、ほとんどボートの形のような曲線。
点や子牛の模様や幾何学的な形は、洞窟の壁全体にわたって描かれています。
南アフリカの洞窟住居全体にそれはありますし、同じものがオーストラリアでも見られます。
ですから、岩絵や洞窟美術に広く見られる特徴を包括的に説明できる理論はあるのか、知りたくなりました。
○エハン・デラヴィ
あなたの発見の核心は、こうした変化がほぼ同時期に起きているということですね?
世界中で突然起こったのです。
あなたがさっき言ったように、洞窟自体が芸術だという指摘は重要です。
つまりその環境に入り込んだ人間は、私たちとは非常に異なった経験をすることができるのです。
(引用ここまで)
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