教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

理系なのに宅建を受けてきた

2013-10-22 08:05:47 | 経済/経済/社会
日曜に宅建(宅地建物主任者という国家資格)の試験を受けてきた。
電子回路のエンジニアというぜんぜん関係ない職種の我輩がである。



何のために受けたのか?

わたしの場合、不動産投資もしている。
なお、自分のマンションを人に貸す分には宅建の免許はいらない。

めっちゃおおざっぱに言うと、宅建は不動産屋をするための資格である。
したがって資格マニアでもなければふつうの人には用事がない。

しかし。
わたしの取引相手は、というかマンションを売る側の人たちは宅建業者である。

ということはだな。
不動産屋にとってお客が宅建の資格を持っているってぇことは宅建業法違反をするとすぐバレるということでもあり、
とくに相手が悪徳な場合にはいつも通りに悪徳商売していると国土交通省にチクられて業務停止命令食らいかねないヤバいヤツだと相手をビビらせる効果を発揮する。

わたしは自分の資産を守るためには宅建くらい持っておいたほうがいいと判断した。



難易度はどうか?

けっこう難しいと感じた。

宅建は法律系資格の登竜門と言われているらしい。
そして同じく登竜門と言われている資格には電験3種がある。

電験3種はけっこうカンタンだった。
試験の4か月前から勉強しはじめたのだが、途中で余裕で受かりそうだとわかってしまい、最後の1か月はほとんど何もしていない。
翌年は電験2種も受けて1発合格した。
まあこれは電気電子工学科卒でかつ仕事内容が電子回路という隣の分野にいたからこそ可能だったものだ。

しかし。
個人的な感想でいえば、宅建はけっこうきつい。

まず理系の人間は法律の文章を読むのに適した訓練を全くしていない。
そもそも工学というものは意味さえわかればそれでいいため、理系の人間は一字一句見逃さず熟読するような読書はしない。
しかし法律の文章は間違い探しみたいなところがあり、一字一句見逃さず熟読してツジツマが合っているかどうかをチェックしなければならない。
これが難なくこなせるように脳がカスタマイズされるまでけっこうきつかった。

電気電子工学科卒で電験3種を受けるというのであれば
「そんなもん取れてアタリマエです!」
と答えたい。
しかし法学部卒で電験3種を受けるというのであれば
「けっこうマジに電気やらんと取れないぞ。おまえそれでもやる気あんのか?」
と答えたい。

その逆もしかりであろう。

工学部卒で宅建を受けるというのであれば
「けっこうマジに民法やらんと取れないぞ。おまえそれでもやる気あんのか?」
ということになるだろうし、
法学部卒で宅建を受けるというのであれば
「そんなもん取れてアタリマエです!」
となろう。

登竜門と言われる資格は
「これを取ったら一人前」
みたいなニュアンスで使われるものである。
しかしこれは裏を返せば
「ホンキになれば誰でも取れる程度の難易度だから落ちても泣きごと言ってんじゃねぇ」
という意味でもある。
「宅建ならおばちゃんでも受かる」
というヤツもいる。
一般論としては人に見せびらかして自慢できるほどの難易度は有していない。



向き不向きはあるか?

向き不向きは絶対ある。

電験は数学が得意なヤツが絶対的に向いているし、
宅建は暗記が得意なヤツが絶対的に向いている。

わたしは論理的思考力や空間把握力は日本人平均を上回ると思っているが、
暗記力は日本人平均をかなり下回ると思っている。

だから宅建には向いていない。
向いていないのははじめからわかっていたが、
これが行政書士だともはや無謀な気がするが、
宅建くらいならならまだ何とかできるんじゃないかと見切り発車で手を付けた。

だが。
単にそれだけではない。

電験3種のとき、試験会場帰りに
「なんですかね、あの問題は…。はじめてみましたよ。全然わかりませんでしたよね?」
なんて話しているヤツがいた。
わたしは内心
「あれ、その場で考えて何とかするくらいでないと受からんのでないか? あの程度の問題で泣きごとを言うなど笑止w」
と思ったものだ。

宅建は立場が逆だった。
はじめて見た問いには全く歯が立たなかった。
こんどは我輩が法学部卒のヤツらに笑止と言われる立場にあった。

法律関係は自分が備えたバックグラウンドが表層的で薄っぺらすぎていて、魑魅魍魎はびこるそっちの世界で生きるのは絶対無理だと悟った。

わたしにとって法律の勉強は楽しくない。
率先して知識を吸収していこうというほどそれに知識欲を感じない。
だから勉強したことで過去問は多少解けるようになったとしても、基礎体力に相当する知識の海がひからびたまま埋まらない。
世の中には新しい判例が出たらそれを嬉々として仲間と語り合うヤツがいるらしいが、そういうヤツらの見ているところにわたしはたどり着くことは永遠にないと知った。



して、試験結果は?

教材業者が出している模範解答と想定合格ラインを見るに、たぶん受かったものと思われる。
もう来年はやりたくないし、上級資格(行政書士や不動産鑑定士など)に手を染める気力はない。