教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ギリシャは言うほど悪人ではない

2012-07-05 00:00:16 | 経済/経済/社会
ギリシャ。
人はこの国を語るとき、キリギリスに例えられる典型的に怠惰な人間の住む国となる。

「ギリシャ人はぐーたらしてたんだから自業自得だよ」
少なくともわたしの周りでは多くの者がそう語る。

しかし!

わたしはこの説に懐疑的である。

なぜか?

ぐーたらを除いて説明したほうがしっくりくる理由になるからだ。



ギリシャは観光くらいしか産業のない国。
だから恒常的な貿易赤字になりやすく、通貨の価値は下がりやすい。
だから通貨がドラクマだったときはインフレ率が酷かったし、ドラクマには信用がなかった。
住宅ローンを組もうとしても金利25%くらい取られたと思われる。
それがある日突然ユーロになって暗黙にヨーロッパ全体の信用が通貨に付与されるようになる。
そうなったとたんドイツ人と同レベルの金利6%で借りられるとしたら・・・
そりゃあみんな金借りて家買うよね。

・・・と説明するとたいがいの人は納得する。



わたしはギリシャが詰んだ原因をギリシャ人がぐーたらだからで片付けることに大変懐疑的である。

原因は、
信用力のぁゃιぃギリシャにドイツ同等の信用力があると勘違いして超低金利でじゃんじゃん銭を貸してしまった海外債権投資家(=ヨーロッパの銀行)と、
ドラクマからユーロに変わって名目金利が極端に低下したときに実質金利はさほど低下していないにもかかわらず住宅ローンが組みやすくなったと勘違いして家を買った一般のギリシャ人、
この2つにあるとわたしは考えている。

正しいかどうかはさておきとしてだ。
これは少なくともマスコミが語る精神論的な原因よりは10倍はもっともらしく聞こえるはずだ。



では。
なぜ「ギリシャ人はぐーたらしてたんだから自業自得だよ」ということになってしまったのか?

これはマスコミの影響力の成せる技だと思われる。
それがどんなにインチキでも、マスコミがカラスは白いと言えばカラスは白いんだと思ってしまう人は日本にはあまりにも多い。

だが、日本のマスコミにはギリシャ人を貶めることで得られるメリットなど無い。
そのメリットがあるどっかの誰か、たとえばドイツ人が言っていることをそのまま右に倣えで言っているだけに過ぎないと思われる。



マスコミの影響力は絶大で、にもかかわらずマスコミはそれほど賢くない。
今回のこの件はそれが垣間見える1例であろう。