教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

わたしの愛したマシンたち(腕時計編)

2010-01-26 00:09:29 | 科学
本記事は「わたしの愛したマシンたち」というシリーズの第4弾である。
各話ごとに完結しているので、前のはまあ別に読まなくてもいいが。



今回は腕時計の話。
ただ今回のネタは、いつものようにどんな欠点があろうともそれでも大好きだ!という類の物ではない。
コストパフォーマンスが大きく係ってくるものだ。

いまわたしのつけている腕時計のブランド名はAVS、ようするに横浜ゴム製だ。
ところがわたしは横浜ゴム自体には何の興味もない。
というか、時計オタの大多数は横浜ゴムには何の興味もないだろう。

しかし!

これがなかなか良い物なのだ。
むしろ、ただ横浜ゴム製だということでブランドウォッチャーにも時計オタにもスルーされていた隠れた良品ですらある。

実は腕時計というものは、なぜかハッタリ定価でできているものが非常に多い。
例えば10万円とかの値札をつけておいて、ところがなぜか売値は5000円。
それを見たライトユーザーは
「これは安い!」
と衝動買いする。

それでも十分利益がでる。
それでも十分利益がでるくらいの原価しかかかっていないからだ。
安いものの多くはそういう仕組みでできている。
だから自分で目利きがきかないうちはハッタリ定価の値札を信じてはいけない。

さてこの時計。
実は定価14万7000円もしやがる。
ここまで読んだらピンとくるかもしれない。
これはハッタリ定価に違いないと。

わたしも始めはそう思った。
しかしよくよく見てみると、この定価は実は妥当。
というか、この定価でも安い。

時計の型番であるavs001swhでググってみるとわかると思う。
中身のメカはValjoux 7750でできているのだ。

このValjoux 7750、これはスイスのエタという中身専業のメーカーにより作られたクロノグラフのムーブメントだ。
これを搭載したスイス製の腕時計ならば、どう安いものを見つけてきても定価15万円くらいのものが下限になるし、高いものでは100万円クラスにまで及ぶ。
だからこの定価14万7000円は妥当。

で、実売価格はどうか。
わたしは4万弱で買った。
Valjoux 7750が入っているのがありえないほど安い破格の値段だ。
ふつうにスイス製を買った場合の値段の1/3もかかってない。
だいいち個人輸入でValjoux 7750だけ単品で買っても、ドノーマルのいちばん安いグレードのものでも5万以上は平気でする。
だいいち最近では中国製メカクロノでさえ4万弱で買えるかどうかすら怪しいほどになっているのだ。

なんでこんなに安いのか。

そりゃーもちろん横浜ゴムだからだろう。
なにをトチ狂ったかタイヤメーカーがそんな高額な腕時計を出したのが間違いだ。

そんなものだれも見向きもしない。
だから定価14万7000円が4万弱で叩き売られる。
ただ中身のメカを見て判断できるヤツだけが安さに気付いて買う。

もちろんメカだけしか特徴が無いわけでもない。
文字板も悪くない。
ちゃんと定価14万7000円なりの仕上がりになっているから、そうそう買ってもガッカリはしない。



ここまでValjoux 7750を持ち上げといてなんだが・・・
実は単に無改造のValjoux 7750が入っているだけでは時計オタからは高級品扱いはされない。
そういうエタ社のムーブメントそのままポン載せで作っているだけの時計はエタポンと揶揄される事もある。
それにValjoux 7750はクロノの稼動部が裏から見えない構造になっている等の諸所の理由により、時計オタ的には美しくない実用重視のメカとされている。
どっかの小売店でValjoux 7750はマニア垂涎の品だとかキャッチコピーが貼られているのを見たが、これは明らかに誇張表現が過ぎる。

しかし、Valjoux 7750は値段の割りには悪くないどころか、値段を考えればかなりの良品だ。
よほどカネを積まないかぎりValjoux 7750より良いクロノグラフは手に入らない。



世の中には、ファッションブランドのロゴがふってあるだけで何万円もしやがるくせして中身は100円時計と同じモノだった・・・なんてモノが腐るほどある。
これは誇張ではなく本当だ。
そんな時計を買って時計オタに内心バカにされて過ごすよりも、中身のメカを見て判断できるヤツだけが買う隠れた良品を買うべきだ。
これはファッションブランドを追いかけいている人では永遠にたどり着けない境地であろう。

ちょっと良い時計を買ってみたいという人、とりあえず4万出してこの横浜ゴムのavs001swhを買ってみてはどうだろう。
時計オタがつけていてもおかしくない、高級品の入り口としては費用対効果的にはバツグンに素晴らしい物であることは保証しよう。



追伸:

いちおう同シリーズの前のもリンクを記しておく。

わたしの愛したマシンたち(エンジン編)
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/e/711ca39d9a373d7e874a44f346ab1644

わたしの愛したマシンたち(エスプレッソマシン編)
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/e/a249c805d2c678289fe38a4b958cedea

わたしの愛したマシンたち(ヘッドフォン編)
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/e/75f6d1171b331ff9e10619ec2921dac6