☆Voli alla gloria☆

路が見えぬなら飛んでしまえ。日々の思考と感覚の記録を綴ってゆきたい、とあるバンカーのブログ。

景色から消える日。

2006年09月02日 | 心象スケッチ
比べてみると残酷だと思った。

僕は新しい場所へ、新しい景色を、とらえることができるけれど。

君は、何かが抜け落ちてしまった景色をとらえることになるのだ。

そんな気持ちを想像すると、胸の奥からなんとも窮屈な音が聞えてきて。

そういうことか。



「そして残されていったのは 僕とこの街の景色」



そんな歌詞のフレーズがふと思い浮かんだ。

去年の冬、僕は想像に任せてそんな情景を描いた。

すごく悲しくなったのを覚えている。

「君」がいない景色はさぞかし寂しかろう。

そして、なんという「物足りなさ」。

それが「不自然」に思える。








これ以上君の瞳に、期限付きで変質してしまう景色を焼き付けるのは。

残酷なことだろうかと、ふと思う。

変質したときの失望があまりにも大きくなりはしないか。

海へと車を走らせ、君は叫ぶのだろうか。



この景色を、この瞬間の景色を…!



僕は焦って何度もシャッターを切り。

ファインダーから顔を離すと、遠くを見つめ。

その瞳は当てもなく何かを探していた。


いや、何を探していたというのだろう。

その瞬間の景色は今、まさにその瞳にしか写らなかった…。

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