Con Gas, Sin Hielo

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「パシフィックリム」

2013年08月17日 00時56分25秒 | 映画(2013)
ラブレター、受け取りました。


のっけから「カイジュー」である。映画監督は大概おたくの人が多いが、G.デル・トロ監督も例外ではなかった。

カイジューに立ち向かうイェーガーの造形や操縦方法などは、どこかで見たような気もするが、脚本も兼ねたデル・トロ監督のオリジナル。見事な世界観が観ている側を引き込む。

キャラクターは国籍・性別・性格等で簡単に色分けされ、これもマンガ的で親切。

イェーガーとカイジューの戦いは、どうしてもごちゃごちゃするのだが、「トランスフォーマー」シリーズよりは分かりやすい感じ。なんとか付いていける。

ストーリーはといえば、海底に開いた時空の裂け目から突如現れたカイジューに、人類が滅亡の危機に晒されるというもの。

当然、人類はそれに立ち向かっていくのだが、その経過がなかなか練られていておもしろい。

まず、世界が一致団結して生み出したイェーガーがカイジューを倒す。本来であればこれで映画1本撮れるところを、敢えて序章にしている。

連戦連勝して調子に乗ったのも束の間、カイジューはレベルを上げて次々に押し寄せてるようになるのだ。

イェーガーでは対抗できないと見切った人たちは街を防護壁で守ろうとするが、あっけなく突破されてしまう。そういえば「ワールドウォーZ」でも壁は役に立たなかったっけ。

絶望に暮れる世界で、僅かな希望を抱くレジスタンス。その中でも土壇場で力を発揮するイェーガーの動力がなんと原子力である。

でも、ここでまた興味深いのは、決して原子力を単なる危機突破の切り札として描くのではなく、功罪の陰の部分も見せるところ。

物事は完全な善でも完全な悪でもない。これまた未来を生きるために、人類は選択をしなければならないのである。

菊地凛子は見事にヒロインを演じ切っていた。パートナーを組む主人公のローリーが惹かれる設定もまったく無理がない。

そのローリー、最後の戦いに向かうところで「未来を見た」と言っている場面が印象深い。それがラストにつながるわけだから、やはり前向きな考えを持てない者に未来はないってことなのかな。

(80点)
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