Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」

2015年04月25日 00時26分59秒 | 映画(2015)
今年も、君に会えてよかった。


「クレしん」とラテンアメリカは実は相性がいい。

しんのすけが使う一人称の「オラ」と西語あいさつの"?・Hola!"はもちろん、本当にまる出しにするかはともかく、お尻を振る踊りやおバカなノリはラテンに通じる。南米在住時に幼いわが子がしんちゃんを見ながらお尻を振って踊っていたのだから間違いない。

ただ、最近の「クレしん」映画は、「大人も泣ける」感動路線を売りにする部分もあったので、予告篇や告知を見る限りでは、ノリがうまくハマらないのではと期待値は低くなっていた。

とーちゃんがロボットになった昨年、ひまわりがお嫁さんになったり、シロにスポットを当てたりした回もあった。家族に危機が迫る中で団結する野原一家という構図をどう作り込むかが焦点となる中で、人喰いサボテン???と疑心暗鬼になったわけだ。

しかしながら、そんな奇想天外な設定に比べて中身は意外なほど丁寧に作られていた。

導入の10分か15分だろうか。野原一家が引っ越していくまでの下りは、シリーズでは珍しいくらいの春日部キャスト総出演(園長先生の故人・納谷六朗さんも)で、子供たちの友情を簡素だけど漏れなく描き、同時に最後の場面に繋がるキーアイテムをしっかりと登場させている。

メキシコに到着後はまったく新しいキャラクターが結構な人数出てくるのだが、それぞれの個性を描き分けつつ、散漫になることなく誰もが理解できるよう整理されていた。

ロケハンをきっちりやったのだろう。空港から田舎町まで、現地の風景はとてもキレイだったし、上述のHola被りや尻振りを含めたメキシコネタも押さえるべきところをしっかり押さえていた(シロの仲間になった犬ーおそらくメキシコ原産のチワワーなもう少し活躍してもらいたかったが)。

人喰いサボテンということで、かなりの登場人物が食べられる場面が映り、小さい子供は大丈夫か?と心配になったが、周りの様子をうかがうかぎり混乱は見られなかった。

人喰いサボテンとの対決はクリーチャーものの王道で、逃げる中で見つけた弱点を一気呵成に攻めようというパターン。

そこに描き分けられた現地キャラクターそれぞれの思いが結実するという流れは実によくできている。野原一家団結とは趣きが異なるが十分に溜飲を下げられる。

エンドロールで映るその後も楽しい。「サボテンランド」に西語で"MATA"(人喰い)と書き足し。細部を楽しみながら作ったんだろうなと想像し、しんのすけの帰国を喜ぶ風間くんで締め。

(80点)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ソロモンの偽証 後篇・裁判」 | トップ | 「寄生獣 完結編」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(2015)」カテゴリの最新記事