変革か秩序か。
いきなり理不尽な状況に放り込まれた人間が、生き延びるためにどう振る舞うか。
背後に巨大な組織があって統制・監視されているという構図は、古くは「トゥルーマンショー」あたりを思い出すが、最近は「ハンガーゲーム」のように、監視される側を集団にしてその内部の抗争を複層のドラマとして描く作品が増えている。
本作の特徴は、各人が一つの目標に向かって争うのではなく、同じ環境で暮らしながらいつしか向かう方向を異にしている点にある。
話は飛ぶが、ここで思い出すのが、先日の大阪都構想に関する住民投票である。
非常にざっくりと言えば、現状維持を望むミナミの高齢者層が、改革を期待したキタの現役・若年層を上回ったという切り口で報道されている。もっと細かい分析はあるだろうが、この見立てはそう大きく外れてはいないと思う。
思い返せば、世の中は常に変革の繰り返しである。正確には、変革をしようとしてきた繰り返しと言おうか。
ただ本当に変わるということは難しい。"Yes, we can."と言って大統領になった人がchangeできたことが果たして何かあったか。わが国では、もっと悲惨な結果を生んだ政権交代があった。
そういった意味で、迷路の中心の広場で生活を続けるうちに、脱出よりも平穏を望むようになった人たちの気持ちはよく分かる。
主人公であるトーマスが現れた途端に平穏な生活が突然終わりを告げたのは事実だから、守旧派のリーダーであるギャリーの矛先がトーマスへ向かうのも当然だ。
しかしそれでは映画が成り立たないところも仕方がない。
トーマスは、多くの仲間を犠牲にしながらも眼前に現れるクリーチャーを撃墜し、迷路を脱出し陰謀の秘密の一端を知ることとなる。
三部作の第1作ということだが、続篇が舞台を変えただけで同じような話の繰り返しにならないことを期待する。脱出とクリーチャーとの戦いに関しては特段の見どころがなかったから。
(65点)
いきなり理不尽な状況に放り込まれた人間が、生き延びるためにどう振る舞うか。
背後に巨大な組織があって統制・監視されているという構図は、古くは「トゥルーマンショー」あたりを思い出すが、最近は「ハンガーゲーム」のように、監視される側を集団にしてその内部の抗争を複層のドラマとして描く作品が増えている。
本作の特徴は、各人が一つの目標に向かって争うのではなく、同じ環境で暮らしながらいつしか向かう方向を異にしている点にある。
話は飛ぶが、ここで思い出すのが、先日の大阪都構想に関する住民投票である。
非常にざっくりと言えば、現状維持を望むミナミの高齢者層が、改革を期待したキタの現役・若年層を上回ったという切り口で報道されている。もっと細かい分析はあるだろうが、この見立てはそう大きく外れてはいないと思う。
思い返せば、世の中は常に変革の繰り返しである。正確には、変革をしようとしてきた繰り返しと言おうか。
ただ本当に変わるということは難しい。"Yes, we can."と言って大統領になった人がchangeできたことが果たして何かあったか。わが国では、もっと悲惨な結果を生んだ政権交代があった。
そういった意味で、迷路の中心の広場で生活を続けるうちに、脱出よりも平穏を望むようになった人たちの気持ちはよく分かる。
主人公であるトーマスが現れた途端に平穏な生活が突然終わりを告げたのは事実だから、守旧派のリーダーであるギャリーの矛先がトーマスへ向かうのも当然だ。
しかしそれでは映画が成り立たないところも仕方がない。
トーマスは、多くの仲間を犠牲にしながらも眼前に現れるクリーチャーを撃墜し、迷路を脱出し陰謀の秘密の一端を知ることとなる。
三部作の第1作ということだが、続篇が舞台を変えただけで同じような話の繰り返しにならないことを期待する。脱出とクリーチャーとの戦いに関しては特段の見どころがなかったから。
(65点)