圧巻のひねり技とでも言おうか。
D.ボイル監督の新作は、人の記憶をめぐる心理サスペンスとでも呼べばいいのだろうか。
記憶喪失になった主人公・サイモンと、彼が直感で自分の専門医にと選択した催眠療法士・エリザベス。
エリザベスの手によって、現実と深層心理、現在と過去をぐるぐると巡るサイモン。
必要以上にサイモンに深入りするエリザベスに謎を抱きつつも、サイモンの背後にいる窃盗グループ全体を手玉にとらんとする彼女の覚悟と勢いに圧倒されて、目が離せなくなる展開や演出は見事。
結局、明らかに彼女のシナリオでことが進んでいると予想できても、奥底にある事実は最後まで分からなかった。
というわけで、登場人物同様に彼女の手のひらで転がされて、どんでん返しにあーすっきり。・・・とは、実はいかなかった。
「こういうことだったんだよね」と物語を遡っていくと、どこかでまた「でも、ここはどういうことなんだろう?」と引っ掛かってしまう。
どうやらあまりにひねられすぎていて、一度観ただけで全体を理解することはできないということなのだろう。
俳優陣はよかった。特にJ.マカヴォイが、主役といいながら完全なダメ男というところに驚き。それも結構ハマっている。
最後のフランクへの届け物だが、これは彼の人生ももはやエリザベスの手のひらにあるという暗示なのだろうか。
(70点)
D.ボイル監督の新作は、人の記憶をめぐる心理サスペンスとでも呼べばいいのだろうか。
記憶喪失になった主人公・サイモンと、彼が直感で自分の専門医にと選択した催眠療法士・エリザベス。
エリザベスの手によって、現実と深層心理、現在と過去をぐるぐると巡るサイモン。
必要以上にサイモンに深入りするエリザベスに謎を抱きつつも、サイモンの背後にいる窃盗グループ全体を手玉にとらんとする彼女の覚悟と勢いに圧倒されて、目が離せなくなる展開や演出は見事。
結局、明らかに彼女のシナリオでことが進んでいると予想できても、奥底にある事実は最後まで分からなかった。
というわけで、登場人物同様に彼女の手のひらで転がされて、どんでん返しにあーすっきり。・・・とは、実はいかなかった。
「こういうことだったんだよね」と物語を遡っていくと、どこかでまた「でも、ここはどういうことなんだろう?」と引っ掛かってしまう。
どうやらあまりにひねられすぎていて、一度観ただけで全体を理解することはできないということなのだろう。
俳優陣はよかった。特にJ.マカヴォイが、主役といいながら完全なダメ男というところに驚き。それも結構ハマっている。
最後のフランクへの届け物だが、これは彼の人生ももはやエリザベスの手のひらにあるという暗示なのだろうか。
(70点)