Con Gas, Sin Hielo

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「悪の法則」

2013年11月25日 22時19分16秒 | 映画(2013)
宝飾品と下水処理。


邦題を付けるの難しかっただろうなと推測する。ただ、インパクトはともあれ、「法則」という言葉は悪くないと思った。

それは物語自体が定番と言ってしまえばそれまでの展開であったから。欲に目がくらんだ一人の弁護士が陥る悲劇のパターン=法則である。

この邦題が語る「悪」の世界。そこでは、一握りの成功者が富をむさぼる一方で、多くの者たちが死と隣り合わせで生きている。

そしてその舞台は、また出たよ。ラテンアメリカだ。

「エリジウム」だったかな。近未来における貧困の象徴であったヒスパニックの暮らしが、現代社会でも悪がはびこる温床として描かれる。

かつての黒人が受けた不遇の構図は、社会制度やプレイヤーが変わっても存在し続ける。

彼らが担う底辺の営みは凄まじい。半永久的に世界を旅する死体を淡々と受け継いで作業を行う彼らには、成功を夢見る欲などない。

そんな、ただ生きるために無言で働く彼らを、自らの成功のために道具として使う「悪」の上位者たち。

しかし彼らの生活に派手さはあっても、様々なものを犠牲にして得られたものは何だったのかと問えば、甚だ疑問だけが残る。

悪の世界に取り込まれた者は、成功しようが失敗しようが不幸である。そんな役を、映画界で「超」が付く成功者である5人が演じているところが本作の妙味だと思う。

それにしても首筋が寒くなる映画だ。

(70点)
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