Con Gas, Sin Hielo

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「マンオブスティール」

2013年09月01日 00時40分36秒 | 映画(2013)
鋼鉄の破壊神、誕生。


人は年齢を重ねるほど、むかしの思い出ばかりが強く残ってしまう生きものである。

C.リーブの「スーパーマン」を観たのは小学生のときだった。映画館に行くようになって間もないころで、「まさに、これが娯楽」と強く植えつけられたものだ。

それから30年以上が過ぎ、ゾンビも平気で観られるほど娯楽の幅は広がったけれど、やっぱりスーパーマンといえば、「あの」スーパーマンが強く印象に残っている。

本作のスーパーマンは、スーツは垢抜けてるし、飛ぶ姿も断然かっこいい。でも、どうしても心に入ってこなかった。

観賞後に、古いパンフレットを引っ張り出してストーリーを読むと、クリプトン星の滅亡、ゾッド将軍の幽閉、育ての父との別れなど、基本的な流れは今回も一緒であることが分かる。

でも何て言えばいいのか、なーんか違うのだ。

ひとことで言えば、まず暗い。そりゃあ、一人だけあんな特殊能力持っていたら悩むだろうことは想像できるが、既に持っているスーパーマン像とイメージがつながらない。

加えて、理解力が足りないせいかもしれないが、ところどころで展開に置いていかれたのが大きかった(ロイス・レインとの出会い、ブラックホール?など)。

そうしているうちに、どの人物にも共感できずに傍観者として眺めるようになり、そうなると今度はあまりの派手な破壊ぶりに眉をひそめるようになってしまった。

生身の人間が危険な目に遭っているときは全速力で助けに行くスーパーマンが、中に人がいるかもしれないビル群を次々になぎ倒す。

大気圏外に飛び出して人工衛星を破壊したかと思えば、すぐさま直前とほぼ同じところに戻ってきて、突然個人攻撃を始めようとするゾッド。

そもそも、とてつもない規模の危険が迫りながら、目前に来るまで逃げ出さないおバカな群衆にも苦笑するしかなかったのだが。

ほかにもツッコミどころを挙げればおそらくキリがない。

ラストも、スーパーマンになるまでというふれこみだったので粗方想像はついていたが、ここまで地球規模に派手に活動しながら、いまさら身分を隠して一介の新聞記者になれるのか?

好きな俳優が何人か出ているのも観た理由だったけど、残念ながらその魅力が適正に発揮された人は見つけられなかった。

前回の「スーパーマンリターンズ」もイマイチだったし、スーパーマンはほかのヒーローものとは一線を画して考えた方がいいのではないか。

(45点)
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