宇宙の次は時空を越えて。
本作の公開に合わせてTV放映した「1」と「2」を観た。
特に1作目は印象が強く、少し観ただけで当時の記憶が次々に戻ってきた。独身で北九州に住んでいた時分、黒ずくめの男二人のポスターやパネルを見て、公開前のかなり早い頃から期待を膨らませていた。
実際に観たときは、ミクロとマクロが結び付いている世界観や、誰も知らない存在が地球の平和を守っているという舞台背景を大いに気に入ったものだ。
ちなみにそのときの映画館は海老名のワーナーマイカルシネマズ。まさかその頃は、その近所に住むようになるとはこれっぽっちも思っていなかった。
「2」も「3」も、タイトルロールの独特の字体は変わらず。不思議なもので、その字を見ただけでこれから起きる何かに期待を寄せてしまう。
が、今回の3作目。うわさによると、図らずも涙を誘われる感動の場面があるとか。本当?しかもそれっていいの?と少々疑問を抱きつつ本編に入った。
「2」から既に10年。主役2人以外のキャストはさすがに交替せざるを得なかった。管理職のZと犬の姿の半相棒のフランクは逝去の設定。
それでも、W.スミスは相変わらず若々しいし、T.リー・ジョーンズもCMで見慣れていることもあって、10年も経ったという感覚はしなかった。
その他では、MIB本部の外観や内装もさほど変化はなし。10年って、世の中変わったようで実は変わっていないのかもしれない。そもそも宇宙とは規模が違う。
今回の物語は、簡単に言えばBKTFである。
ビフみたいな宇宙人が、過去に戻ってマーティーの父=「K」を亡き者にしたせいで現代が危機に。それを覆すべくマーティー=「J」も過去に飛ぶ。
もちろん決してパクりなどではなく、話はおもしろいし盛り上がる。
何より1969年という設定が効いている。ラブ&ピース、アポロ計画、NYメッツという、長い時間を経ても色あせないトピックが詰まったこの時期は、米国と取り巻く世界にとって大きな転換期であった。
そこにMIBが、誰にも知られることなくがっしりとくさびを打ち込んでいたというのが、本シリーズの基本を忠実に押さえた設定でありおもしろい。
そして最後に待っていたのが巷で言われていた「感動」だった。何も気にせず端役の使い捨てかと思った直後の展開には正直驚いた。
辻褄は・・・などと考える前に「そう来たか」と唸ってしまったので、その時点で脚本の勝ち。
ついでに言えば、若き「K」にJ.ブローリンを当てたことも大きい。ポスターを見た時点で「やられた」と思ったが、劇中でもCGを使うよりよほど自然でよかった。
途中からキーマンとして現れる希少種の宇宙人グリフィンも、シリーズの世界観を後押しした。
世の中は、無限にある可能性の一つ一つを辿って進んだ成果である。その意味では、無駄なものなんて一つもない。それが宇宙に比べて取るに足らないほど小さな存在であっても。
自らの存在を理解すること。奇をてらうことなく可能性を着実に追求すること。
何か現代を覆う閉塞感を破るヒントって、意外にこんなところに隠れているのかもなどと思った。
独身のとき海老名のワーナーマイカルで観た「1」から14年余り。「3」が、同じ海老名ながらTOHOシネマズで娘と3D観賞というのも感慨深かった。
(90点)
本作の公開に合わせてTV放映した「1」と「2」を観た。
特に1作目は印象が強く、少し観ただけで当時の記憶が次々に戻ってきた。独身で北九州に住んでいた時分、黒ずくめの男二人のポスターやパネルを見て、公開前のかなり早い頃から期待を膨らませていた。
実際に観たときは、ミクロとマクロが結び付いている世界観や、誰も知らない存在が地球の平和を守っているという舞台背景を大いに気に入ったものだ。
ちなみにそのときの映画館は海老名のワーナーマイカルシネマズ。まさかその頃は、その近所に住むようになるとはこれっぽっちも思っていなかった。
「2」も「3」も、タイトルロールの独特の字体は変わらず。不思議なもので、その字を見ただけでこれから起きる何かに期待を寄せてしまう。
が、今回の3作目。うわさによると、図らずも涙を誘われる感動の場面があるとか。本当?しかもそれっていいの?と少々疑問を抱きつつ本編に入った。
「2」から既に10年。主役2人以外のキャストはさすがに交替せざるを得なかった。管理職のZと犬の姿の半相棒のフランクは逝去の設定。
それでも、W.スミスは相変わらず若々しいし、T.リー・ジョーンズもCMで見慣れていることもあって、10年も経ったという感覚はしなかった。
その他では、MIB本部の外観や内装もさほど変化はなし。10年って、世の中変わったようで実は変わっていないのかもしれない。そもそも宇宙とは規模が違う。
今回の物語は、簡単に言えばBKTFである。
ビフみたいな宇宙人が、過去に戻ってマーティーの父=「K」を亡き者にしたせいで現代が危機に。それを覆すべくマーティー=「J」も過去に飛ぶ。
もちろん決してパクりなどではなく、話はおもしろいし盛り上がる。
何より1969年という設定が効いている。ラブ&ピース、アポロ計画、NYメッツという、長い時間を経ても色あせないトピックが詰まったこの時期は、米国と取り巻く世界にとって大きな転換期であった。
そこにMIBが、誰にも知られることなくがっしりとくさびを打ち込んでいたというのが、本シリーズの基本を忠実に押さえた設定でありおもしろい。
そして最後に待っていたのが巷で言われていた「感動」だった。何も気にせず端役の使い捨てかと思った直後の展開には正直驚いた。
辻褄は・・・などと考える前に「そう来たか」と唸ってしまったので、その時点で脚本の勝ち。
ついでに言えば、若き「K」にJ.ブローリンを当てたことも大きい。ポスターを見た時点で「やられた」と思ったが、劇中でもCGを使うよりよほど自然でよかった。
途中からキーマンとして現れる希少種の宇宙人グリフィンも、シリーズの世界観を後押しした。
世の中は、無限にある可能性の一つ一つを辿って進んだ成果である。その意味では、無駄なものなんて一つもない。それが宇宙に比べて取るに足らないほど小さな存在であっても。
自らの存在を理解すること。奇をてらうことなく可能性を着実に追求すること。
何か現代を覆う閉塞感を破るヒントって、意外にこんなところに隠れているのかもなどと思った。
独身のとき海老名のワーナーマイカルで観た「1」から14年余り。「3」が、同じ海老名ながらTOHOシネマズで娘と3D観賞というのも感慨深かった。
(90点)
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