Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「リトルランボーズ」

2010年11月20日 23時19分00秒 | 映画(2010)
悪ガキはただ悪いわけではない。


兄が大きな移動電話を抱え、街にはニューブリティッシュインベイジョンの前夜といった曲が流れる。

そんな時代(1980年ころ)にまだ生息していた人種が「悪ガキ」だ。

悪ガキ=悪いガキんちょ。

リー・カーターのやってることは相当眉をひそめたくなるものばかりなのだが、その背景が子供じみている、言い方を変えれば純粋であるが故に世間は一定の寛容をもって受け入れる。

教師たちは口では「悪魔」呼ばわりするけれど、職員室の空気は決して重くはないのがその証拠だ。

フランスから交流と称してやって来たディディエも同じ。ファッションセンスや女性の扱いで大人びているように見えて、映画の撮影と聞いたら目を輝かせて演技に興じる。

そしてウィルも、その子供の資質を全開させる。

映画撮影に興味を持てば自らスタントを演じ、危ない大人風の世界にも躊躇せず入っていく彼は、ひょっとして3人のうち一番大物なのかもしれないと思った。

その分悪役を引き受けてしまったのは、厳しい規律を重んじる教会の信者・ジョシュア。彼らにもそれなりの言い分はあるんだろうけどね。

本作最大の見せ場は、いろいろな悪戯や事件でしっちゃかめっちゃかになってしまった映画作りがどうなったかというところである。

前半の大げさとも思える振り幅はここに来て効果を発揮する。リー・カーターと兄の関係に関し、観客が冒頭から同じように感じている必要があったのである。

ところで、最近は悪ガキはいなくなったのだろうか。

少なくとも、少年法の存在意義が問われるくらい背景が複雑化していることは間違いない。

この話はおとぎ話なのである。一概に昔が何もかも素晴らしいと言うつもりはまったくないが。

(75点)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (mig)
2010-11-21 10:39:59
最初憎らしかった子が、だんだんと子供らしい笑顔を取り戻す様がみてとれてすごく良かった☆
これは今年ベストに入れちゃうかな♪
もうすぐそんな時期ですねー、早い!
返信する
あとひと月 (クラム)
2010-11-28 00:06:38
migさん、こんばんは。

だいぶ気に入られたようですね。
子供たちの活き活きとした姿が見どころでした。
あのフランス人の交流学生は微妙でしたが。
返信する

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