Con Gas, Sin Hielo

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「セル」

2017年02月23日 23時30分55秒 | 映画(2017)
電波のとりこ。


携帯電話が使えなくなったら困るのが「サバイバルファミリー」ならば、携帯電話が暴走、悪用されたらもっと怖いよというのがS.キングの警告である。

スノーデンが警鐘を鳴らすまでもなく、ここまで電波が張り巡らされて人々の生活が依存するようになってしまったら、もう抜け出すことはできないのだろうと半ば諦めてはいる。

便利だけどガラス張りの不自由をとるか、この現代社会で不便さを享受するか、はたまた敢然と自らの正義に立ち向かうか。

何か話がズレてきたが、本作は不自由が露呈、というよりも人間性を奪われる危機に突然襲われ、訳の分からない敵に立ち向かっていかなければならなくなる人間たちの物語である。

ゾンビが走り出すようになってからこの手の猛然と襲いかかる狂人たちを題材にした映画が増えたが、まだ飽きは来ない。恐怖を感じる。

本作で最も印象的だったのは電波が人を狂わせている描写である。特に後半、口から怪電波を発して洗脳する、されるときの表情の気持ち悪さが際立つ。

それだけに辿り着いた最後の地で待つ絶望に観ている側も肩を落とさざるを得ない。まあ、「ミスト」の例からある程度予想はできていたけど。

製作費の問題か、残酷な表現を避けたかったのか、暗い場面やごちゃごちゃした映像が多くもったいなかった。あとJ.キューザックに張りがなく見えたのは役づくりだろうか。この主人公では人類は救えないだろうなと改めて思った。

(70点)
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