Con Gas, Sin Hielo

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「サバイバルファミリー」

2017年02月15日 21時49分47秒 | 映画(2017)
間違いなくワープ使用。


もし突然電気がない世界になったら。

想像以上に何もできないことが分かったのは、東日本大震災後に実施された計画停電のときであった。

数時間でも日常にストレスフルな影響が出る状態が、長期間にわたり強いられることになったら、我々はどういう選択をとるのか。

こう書くとちょっとしたディザスタームービーのようにとられかねないが、本作のテーマはどちらかといえば家族や日常の大切なものを見直そうよという極めて道徳的なものであった。

スマートフォンに夢中になってお互いの顔を見合わせることもなくなった家族が、極限状態に置かれて初めて知るかけがえのないもの。

分かりやすいと言えば分かりやすく、とても健全だ。小日向文世演じる器の小さい父親っぷりも、無難に場内の笑いを誘う。

ただ残念なことに発見はない。意外性もない。

電気が消失して予想どおりみんながあたふたして、主人公の無茶な提案に乗った家族はやっぱり散々な目に遭って、それでもどこからか救いの手が現れて、なんとか目的地に辿り着いて家族も幸せを取り戻す。

道中の描き方も相当に粗っぽい。

飛行機に乗ろうと羽田へ向かうが、滑走路横のフェンスまで来てようやく飛んでないことが分かるとか、高速道路にトンネルは数限りなくあるのに、日本坂トンネルだけでとんでもない体験をするとか。

大阪を越えたら高速をやめてとんでもない田舎道を走っているのも意味不明。

もともとリアリティを求めていないと言えばそれまでだけど、序盤で沿道に九州の紳士服フタタが出てきたり、まったく関係のない仙台のDIYダイシンが出てきたり。

海老名SAの付近が2車線だったり、ちょっと下りると山の中だったり、とにかく違和感が半端ない。

フィルムコミッションが盛んに活動しているのは結構なことだが、何でもかんでも手を上げるのは考えものである。

まあ、主軸に据えている道徳観にはまったく文句はないので、そこまでこき下ろす必要もないのだが、映画館で観るほどのものではないのは間違いない。

(55点)
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