テレフォンボックスは遺物として埋もれる。
「SAW」シリーズで使われているソリッドシチュエーションホラーという言葉があるが、本作もその系譜に連なる作品なのであろう。何しろ舞台を狭い棺の内部に限定しているのだから、まさに極み。
冒頭、主人公・ポールが自分の状況に気付くところから最後の一秒まで、現実とは異なる俯瞰的なアングルを部分的に入れることはあっても、とにかく棺の外を映さずに貫いた姿勢は立派であった。
ただ正直な感想を言えば、やはり全篇通すのには少し辛い設定だったのではないか。
理由は様々だ。
例えば、棺が妙に都合よく広くなっていなかったか。
身体をキツそうに歪めながら転回していたけど、あれがどの程度現実味があったのかよく分からない。シネセゾンにロビーに置いてあった棺の模型に入って試してみればよかったかもしれない。
ある生き物が侵入、撃退する展開に至っては、眉唾度が更に増加。身体の柔らかさが半端ないというよりは、やはり特注のプレミアムボックスだったというほかなさそうなのは残念。
で、そのプレミアムな広さに、敢えて使える道具を散りばめているところは最大の疑問。
ソリッドシチュエーションホラーの元祖とも言える「CUBE」や「SAW」シリーズというのは(「SAW」はシリーズ後半を観ていないから違うかもしれないが)、理不尽なシチュエーションの解説がされないまま話が進むところに、底知れぬ不安と恐怖があったのだが、本作はそこが明らかに異なる。
背景がポールと通話相手から直接語られ、それはそれで動機としてはさもありなん調に聞こえるのだが、今度は敢えて道具を与えるといった余計な手間をかける必要性でつまずく。
例えば、ポールがいくら頑張っても携帯に手が届かなかったとしたら、話はそこで終わり、犯人は目的を達成することができない。そんな確率論的な状況をいくつも抱えるような手段を選ぶこと自体がナンセンスだ。
そもそも有り得難い状況に対しては、らしき背景を与えるよりも、これもジグソウのせいだったんですよという方が良かっただろう。
あとはやはりケータイである。基本的に大部分をケータイに頼らなければいけなかったのは仕方のないところであるし、動画やら言語の切り替えやら多くのアイデアを詰め込んだのには感心したが、反対に限界を露呈する一因ともなっていた。繰り返すが、ある生き物の珍入には力が抜けた。
それでも、もちろん面白かった部分は多々あった。特に、ポールを助けに向かう政府関係者や雇用側の責任者の脱力ぶりは痛烈な皮肉として効いている。米国でこれなら、いま批判の真っ只中にいるわが国はどうなることかと思ってしまったり。
いずれにせよ、狭いところは嫌なもんです。うちの犬ももっと頻繁にケージから出してあげないと。
(65点)
「SAW」シリーズで使われているソリッドシチュエーションホラーという言葉があるが、本作もその系譜に連なる作品なのであろう。何しろ舞台を狭い棺の内部に限定しているのだから、まさに極み。
冒頭、主人公・ポールが自分の状況に気付くところから最後の一秒まで、現実とは異なる俯瞰的なアングルを部分的に入れることはあっても、とにかく棺の外を映さずに貫いた姿勢は立派であった。
ただ正直な感想を言えば、やはり全篇通すのには少し辛い設定だったのではないか。
理由は様々だ。
例えば、棺が妙に都合よく広くなっていなかったか。
身体をキツそうに歪めながら転回していたけど、あれがどの程度現実味があったのかよく分からない。シネセゾンにロビーに置いてあった棺の模型に入って試してみればよかったかもしれない。
ある生き物が侵入、撃退する展開に至っては、眉唾度が更に増加。身体の柔らかさが半端ないというよりは、やはり特注のプレミアムボックスだったというほかなさそうなのは残念。
で、そのプレミアムな広さに、敢えて使える道具を散りばめているところは最大の疑問。
ソリッドシチュエーションホラーの元祖とも言える「CUBE」や「SAW」シリーズというのは(「SAW」はシリーズ後半を観ていないから違うかもしれないが)、理不尽なシチュエーションの解説がされないまま話が進むところに、底知れぬ不安と恐怖があったのだが、本作はそこが明らかに異なる。
背景がポールと通話相手から直接語られ、それはそれで動機としてはさもありなん調に聞こえるのだが、今度は敢えて道具を与えるといった余計な手間をかける必要性でつまずく。
例えば、ポールがいくら頑張っても携帯に手が届かなかったとしたら、話はそこで終わり、犯人は目的を達成することができない。そんな確率論的な状況をいくつも抱えるような手段を選ぶこと自体がナンセンスだ。
そもそも有り得難い状況に対しては、らしき背景を与えるよりも、これもジグソウのせいだったんですよという方が良かっただろう。
あとはやはりケータイである。基本的に大部分をケータイに頼らなければいけなかったのは仕方のないところであるし、動画やら言語の切り替えやら多くのアイデアを詰め込んだのには感心したが、反対に限界を露呈する一因ともなっていた。繰り返すが、ある生き物の珍入には力が抜けた。
それでも、もちろん面白かった部分は多々あった。特に、ポールを助けに向かう政府関係者や雇用側の責任者の脱力ぶりは痛烈な皮肉として効いている。米国でこれなら、いま批判の真っ只中にいるわが国はどうなることかと思ってしまったり。
いずれにせよ、狭いところは嫌なもんです。うちの犬ももっと頻繁にケージから出してあげないと。
(65点)
意外に高めですね、評価真二つって感じのようです。
これ、短時間でやればもっと緊迫感でて面白かったようにおもいます。
何も出来ずもがいてる状況が続くからどうも間延びしちゃうし
結局拉致の怖さを描いてるんですものね。
あのエンドロールのおちゃらけたようなカントリーが笑えました
それは凄いですね。試してみる価値、
ありそうですね。狭い棺の中だけ
のシーンだけというのは難しいですが。
でもそれなりに監督さん、頑張ったと
思うので、拍手を送りたいですね(笑)
しかし自分があの立場だったら、気が
狂いそうですわ。
65点は高くもなく低くもないというのが正直なところです。
野心的な映画だということを評価しています。
エンドロールのカントリーは脱力感が増す感じでおもしろかったですね。
たぶん棺って、もっと狭くて何もできないと思うんですよね。
間違いなく気がおかしくなるでしょう。
閉所恐怖症でも暗所恐怖症でもありませんが、痛々しいくらいの絶望さでした。
監督とR.レイノルズの頑張りは伝わってきました。
何やら最もセクシーな男性に選ばれたようで。苦労が報われた?