徹底して愚かなるは人類。
異色のエイリアン作品、アカデミー作品賞ノミネート。これだけの情報で興味を強く掻き立てられます。今回の作品賞ノミネート枠の増加で最も恩恵を受けた作品かもしれません。
ある日突然UFOが南アに襲来。確保されたエイリアンは衰弱し切っていて地上に隔離。
もうこの発想だけで座布団数枚分でしょう。思えば、ゾンビはハウスキーパーに使われるなど遊び要素まで広がりを見せているのに比べて、エイリアンは不遇でした。
まあ不遇といえば、この作品の中のエイリアンの扱いは更に不遇なわけで、力で制圧できることを知った時点から人類は傍若無人な振る舞いでエイリアンを迫害し続けます。
異質なもの、自分より力のないもの。エイリアンがそうしたものの象徴であることは言わずもがな。人間とはかくも醜い存在なのかと暗い気持ちにさせられます。
主人公でエイリアンの強制収用責任者に任命されたヴィカスも例外ではなく、人懐っこそうな表面とは裏腹に冷徹に任務をこなそうとします。
しかしそこで予期せぬ事態が発生。ヴィカスの立場は迫害を受ける側に一転します。
ここからの脚本がまたおもしろい。被害者の気持ちを体感して一気に違う展開を見せるのかと思いきや、この男はそう簡単に変わらない。
実際の人間ってこうなのかもしれません。それほどまでに一度こびり付いた概念を払拭するのは難しいということ。その点、実態の分からない妻の電話の声にはすっかり油断しちゃって。
設定で引き込む強さに加えて、ドキュメンタリーを模したインタビューで繋ぐ編集も緊迫感の維持に一役買っています。
観る前に持っていた地味な印象も、エイリアンや宇宙船の造形、アクションシーンの迫力はまったく見劣りせず。まさに一級の娯楽大作に仕上がっています。
(85点)
異色のエイリアン作品、アカデミー作品賞ノミネート。これだけの情報で興味を強く掻き立てられます。今回の作品賞ノミネート枠の増加で最も恩恵を受けた作品かもしれません。
ある日突然UFOが南アに襲来。確保されたエイリアンは衰弱し切っていて地上に隔離。
もうこの発想だけで座布団数枚分でしょう。思えば、ゾンビはハウスキーパーに使われるなど遊び要素まで広がりを見せているのに比べて、エイリアンは不遇でした。
まあ不遇といえば、この作品の中のエイリアンの扱いは更に不遇なわけで、力で制圧できることを知った時点から人類は傍若無人な振る舞いでエイリアンを迫害し続けます。
異質なもの、自分より力のないもの。エイリアンがそうしたものの象徴であることは言わずもがな。人間とはかくも醜い存在なのかと暗い気持ちにさせられます。
主人公でエイリアンの強制収用責任者に任命されたヴィカスも例外ではなく、人懐っこそうな表面とは裏腹に冷徹に任務をこなそうとします。
しかしそこで予期せぬ事態が発生。ヴィカスの立場は迫害を受ける側に一転します。
ここからの脚本がまたおもしろい。被害者の気持ちを体感して一気に違う展開を見せるのかと思いきや、この男はそう簡単に変わらない。
実際の人間ってこうなのかもしれません。それほどまでに一度こびり付いた概念を払拭するのは難しいということ。その点、実態の分からない妻の電話の声にはすっかり油断しちゃって。
設定で引き込む強さに加えて、ドキュメンタリーを模したインタビューで繋ぐ編集も緊迫感の維持に一役買っています。
観る前に持っていた地味な印象も、エイリアンや宇宙船の造形、アクションシーンの迫力はまったく見劣りせず。まさに一級の娯楽大作に仕上がっています。
(85点)
これはつっこみどころもあるけど
それを打ち消す面白さがありましたね~。
巧いです!
こういう勢いあって(テンポ)ちょっとおバカだけど?
どこか切ないっていうのすごく好みです~♪
難民化して情けないエイリアンはコメディ要素に満ちていましたが、
そちらに傾倒していくことはありませんでしたね。
斬新さが武器の作品だけに、
続篇は観てみたいような、観るのが怖いような。
P.ジャクソンの手腕に期待しましょうか。
前半の地味なドキュメンタリー形式と
後半の派手な戦闘シーンの対比や
ブラックユーモアや風刺も効かせながら
ヒューマンな要素もほどよく盛り込んで
そして根底には人間の本質(弱さや愚かさ)に対する
深い考察も感じました。
主演のコプリーさん,素人とは思えない演技力でした。
にやりとさせられる映画はいいですね。
そうした細かい要素が光っていたのは、
ドキュメンタリー部分や戦闘場面をしっかり撮っているからこそでもありました。
主演のひとが本職じゃなかったってのは驚きでした。
味をしめたのか、いま公開中の作品にも出てるとか。
そんなところまでサプライズ満載だったわけですね。