爽快さを堅実に追求した娯楽良作。
今回、鷹の爪団の吉田くんが「1本スプーン」だの言って盛んに宣伝していた、TOHOシネマズ日本橋のTCX+DOLBY ATMOSのスクリーンで観たので、まずはその感想を。
正直TCXは単に大きめのスクリーンというだけで特に感動はなく。あれなら海老名の1番だって十分だし、より上位にIMAXシアターがある中でこれで100円課金というのは中途半端な感が拭えないところ。
DOLBY ATMOSは良かった。音の違いが明確に判るほど耳が敏感なわけではないが、ひさしぶりに観たDOLBY社のトレイラー。音を聴かせる意志を感じ取れる数秒間のデモンストレーションが映画館で映画を観るときの楽しみの一つだったので、これを観ただけで個人的には100円以上の価値があった。もちろん劇中の音も楽しめた。
さて本篇。
MARVELの新シリーズは、スーパーヒーローが集まったアベンジャーズの対極もいえる寄せ集め集団が銀河を救うという設定。となると、一にも二にもキャラクターにどれだけ魅力があるかに作品の浮沈がかかる。
世界観がいくつもの天体を股にかける構成になっていることもあって、矢継ぎ早に出てくる登場人物の整理で頭がこんがらがりそうになるが、そこをひととおりくぐり抜けると、ひとりひとりの個性が少しずつ掘り下げられおもしろみが増してくる。
主人公はトレジャーハンターのピーター。彼だけは主人公らしく地球で生まれた普通の人間だが、仲間になるのは異星人や遺伝子改造されたアライグマや植物のヒューマノイドというしっちゃかめっちゃかさ。
しかもそのいずれもが、はじめはピーターに対峙する立場として登場する。それが話の流れとともに仲間として結びついていく様子が楽しく気持ちいい。
また仲間以外のキャラクターも、かつての雇主・ヨンドゥなどは単なる悪役にとどまらない曲者が巧く配置されていて、シリーズの今後にも期待がかかるところ。
もちろん本作1本でも観応えは十分だ。結局は小物に終わってしまったものの今回最大の敵であるロナンの力は強大で、打ち負かすために凸凹でまったくそりが合わなかったガーディアンズが結束するクライマックスは感動ものである。
冒頭に紹介されたピーターの幼少期の辛い思い出がよみがえるなど、シンプルだけど小気味いい脚本もよく利いている。
そして忘れていけないのは音楽の存在だ。ピーターの幼いころの思い出の深さを言葉よりも雄弁に語るのが、カセットから流れる70年代の音楽の数々である。
明るく前向きな曲調の陰に悲しい過去。すべてをひっくるめて更に前へ進む勇気を与えてくれる。ピーターがロナンにダンスバトルを挑もうとする場面は傑作だ。まさに勇士・ケヴィンベーコン。
これほど楽しい作品に仕上がったのはJ.ガン監督の手腕も大きいのかと思う。これまでの作品も期待以上のものが多かった。
間違いなく続篇が作られることになると思うが、パワーアップするのか収束してしまうのか、監督や配役は続投するのか。「アベンジャーズ」シリーズとの融合の話もあるらしいし、楽しみにしながら待ちたいと思う。
(85点)
今回、鷹の爪団の吉田くんが「1本スプーン」だの言って盛んに宣伝していた、TOHOシネマズ日本橋のTCX+DOLBY ATMOSのスクリーンで観たので、まずはその感想を。
正直TCXは単に大きめのスクリーンというだけで特に感動はなく。あれなら海老名の1番だって十分だし、より上位にIMAXシアターがある中でこれで100円課金というのは中途半端な感が拭えないところ。
DOLBY ATMOSは良かった。音の違いが明確に判るほど耳が敏感なわけではないが、ひさしぶりに観たDOLBY社のトレイラー。音を聴かせる意志を感じ取れる数秒間のデモンストレーションが映画館で映画を観るときの楽しみの一つだったので、これを観ただけで個人的には100円以上の価値があった。もちろん劇中の音も楽しめた。
さて本篇。
MARVELの新シリーズは、スーパーヒーローが集まったアベンジャーズの対極もいえる寄せ集め集団が銀河を救うという設定。となると、一にも二にもキャラクターにどれだけ魅力があるかに作品の浮沈がかかる。
世界観がいくつもの天体を股にかける構成になっていることもあって、矢継ぎ早に出てくる登場人物の整理で頭がこんがらがりそうになるが、そこをひととおりくぐり抜けると、ひとりひとりの個性が少しずつ掘り下げられおもしろみが増してくる。
主人公はトレジャーハンターのピーター。彼だけは主人公らしく地球で生まれた普通の人間だが、仲間になるのは異星人や遺伝子改造されたアライグマや植物のヒューマノイドというしっちゃかめっちゃかさ。
しかもそのいずれもが、はじめはピーターに対峙する立場として登場する。それが話の流れとともに仲間として結びついていく様子が楽しく気持ちいい。
また仲間以外のキャラクターも、かつての雇主・ヨンドゥなどは単なる悪役にとどまらない曲者が巧く配置されていて、シリーズの今後にも期待がかかるところ。
もちろん本作1本でも観応えは十分だ。結局は小物に終わってしまったものの今回最大の敵であるロナンの力は強大で、打ち負かすために凸凹でまったくそりが合わなかったガーディアンズが結束するクライマックスは感動ものである。
冒頭に紹介されたピーターの幼少期の辛い思い出がよみがえるなど、シンプルだけど小気味いい脚本もよく利いている。
そして忘れていけないのは音楽の存在だ。ピーターの幼いころの思い出の深さを言葉よりも雄弁に語るのが、カセットから流れる70年代の音楽の数々である。
明るく前向きな曲調の陰に悲しい過去。すべてをひっくるめて更に前へ進む勇気を与えてくれる。ピーターがロナンにダンスバトルを挑もうとする場面は傑作だ。まさに勇士・ケヴィンベーコン。
これほど楽しい作品に仕上がったのはJ.ガン監督の手腕も大きいのかと思う。これまでの作品も期待以上のものが多かった。
間違いなく続篇が作られることになると思うが、パワーアップするのか収束してしまうのか、監督や配役は続投するのか。「アベンジャーズ」シリーズとの融合の話もあるらしいし、楽しみにしながら待ちたいと思う。
(85点)
>これほど楽しい作品に仕上がったのはJ.ガン監督の手腕も大きいのかと思う。これまでの作品も期待以上のものが多かった。
そうそう。だから面白くなったって思ってます☆
どんな映画でも、キャラクターがいきいきしていて、高揚するようなリズム感を持つものはおもしろいです。
そしてできればいい音楽も欲しい。
うん、すべて及第以上だと思います。