舞台は長崎。主人公は純粋可憐な日本女性。
その彼女の悲しい恋の結末を哀麗な音楽で描いた『蝶々夫人~マダム・バタ
フライ』は、随所に日本の旋律も聞かれて、私達には、最も馴染み深いオペラ
ともいえます。
「ある晴れた日、海のはるかかなたに、煙が一筋見え、真白い船の姿が現れ
る・・・」
アメリカの海軍士官の夫、ピンカートンが、きっと帰ると信じて疑わず、その日
を夢見ながら蝶々さんがうたうこのアリアは、全幕を通じて最大の聴きどころ。
彼女の願いはかない、やがてピンカートンは帰ってきたが、その後ろには、妻
ケートの姿があった。絶望した蝶々さんは自害して果て、オペラは幕を閉じま
す。
1904年2月にミラノのスカラ座で華々しく初演されましたが、予想に反して、
スカラ座の歴史に残る大失敗を喫します。
しかし、プッチーニは、傑作であると信じて疑わず、その日のうちに上演料を
返却して、3ヶ月後に、あまりに長すぎる第2幕を2つに分け、大成功を博しま
した。
この成功により、一時、東洋的題材は作曲家の求めるところとなりました。
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