ピアノと海と花との生活 Ⅱ

~創造する芸術~

中丸三千繪ソプラノ・リサイタル

2010-01-29 | 音楽

     

             

              2010年1月24日(日)  17:00開演

         北國新聞赤羽ホール
 
           1・ ヘンデル     私を泣かせてください
           2・ ヘンデル     オン・ブラ・マイフ
           3・ カッチーニ     アヴェ・マリア
           4・ ドヴォルザーク  オペラ「ルサルカ」より 月に寄せる歌
           5・ 越谷達之介      初恋
           6・ 本居長世(三枝成彰編)  赤い靴
           7・ 山田耕筰(三枝成彰編)  宵待草
           8・ ヴェルデイ      オペラ「シチリア島の祈りの夕べ」より ありがとう愛する友よ
           9・ プッチーニ      オペラ「ジャンニスキッキ」より私のお父さん
                    休憩
          10・ モリコーネ        ニューシネマ パラダイス
          11・ ルイ・グリューミ  ラ・ヴィ・アン・ローズ
          12・ 中田喜直         歌をください
          13・ ヴェルディ    オペラ「椿姫」より さらば過ぎ去りし日々よ
          14・ プッチーニ    オペラ「トスカ」より 歌に生き恋に生き
          15・ ベッリーニ    オペラ「ノルマ」より 清らかな女神よ
    アンコール
             マスカーニ  アヴェ・マリア
             シャルパンティエ 「ルイーズ」 その日から
             ショパン 別れの曲   
 
            中丸三千繪さんは1960年生まれで27歳の時からイタリア・ミラノに居を移し、
 
          1990年3月、第4回マリア・カラス国際コンクールで優勝された方。
 
          私ももちろん、周りにファンが多く、この日は、マリアカラス・美空ひばり大ファン、
 
          そして、産まれる前からお腹の中で中丸さんの声をきいていたという私の生徒、
 
          娘の友達でもある女の子親子で、前列3番目中央といういい席できけたコンサート。
 
          ’ナマミチエさん!’とうるうるしている生徒ちゃんと並んできいた興奮の時間。
 
          この日はちょうどOEKの定期だったので、早い内にチケットは他の方にお譲りし
 
          ておきました。
 
          すぐそばで歌っていらっしゃる中丸さんは、意外に小柄。おしゃべりも交えての
 
          盛りだくさんのプログラムでした 
 
          何と中丸さんは生まれは茨城だけれども、金沢に親戚がいて、お墓も金沢に
 
          あり、お忙しい中、ときどき金沢にはいっらしゃるようで「Gパンで金沢をうろうろしてま
 
          す」とおっしゃっていました!
 
            
                    

             ごく初期のCDを好んできいていた私には、現在の中丸さんの声は、明らかに

           変わっていて、この日はピッチも少し低く感じましたが、その音楽性の深さに

           感動しました。

           ドヴォルザーク 「ルサンカ」 ブラヴァ!でした。

           日本の作品も非常に魅力的に歌われていて、すばらしかった。

           私が、数あるオペラアリアのなかで1番大好きなトスカ「歌に生き恋に生き」

           よく声が伸び、しびれます。本当に深く、そして自身の著書にもあるとおり、

           ブレスの長い方です。

           アンコールのシャルパンティエのルイーズは、マリアカラスコンクールの最終で

           歌われた曲。著書の内容と重なり、胸がいっぱいになり、涙、涙・・・

           最後のショパンの別れの曲は、イタリア語で歌われましたが、最後の心情を

           すべて結集した感情の限りを尽くされた歌い方で、もう涙で舞台が見えません

           でした・・・

                  

            演奏家の舞台というものは、その人の人生が全部現われるものだと、

           思いますが、この日の中丸さんは本当にまさにそのとおりの舞台でした。

           上の写真が1991年に出版された中丸さんの著書。

           この本は、当時実は、友人が「中丸さんのまっすぐなところがよしこがそっくり!」

           とプレゼントしてくれた本で、何度も何度も読み返した本です。

           コンクール前の緊張で頭痛や不眠に悩まされる様子や、周到すぎるほどに

           曲の準備をされて、コンクールに臨む様子が、鮮明に書かれていて、

           国際コンクールで優勝することとはこんなにすごいことなんだと、痛いほどに

           感じるすばらしい著書です。

            

             私はコンサートのチラシ・プログラム・前後の新聞記事・チケットを全部ファイルに整理し

          ているので、OEKの定期も全部保存してあり、その量はすさまじいのですが(笑)

          1993年11月の'サンデー毎日’の小宮さんとの対談と、その頃の確か朝日新聞の

          切抜きで中丸さんの記事もとってあったので、サイン会には、それを持って並んで

          いました。中丸さんの前に立ったら、なぜか突然しゃべりだしてしまって、

          「同年代です。ずっとピアノを弾き続けていましたけど、ようやく40過ぎてから、

          人前で引く機会がふえてきて・・・」というようなことを言い、本を見せたら、

          中丸さんはじーっと私の目を真っ直ぐに見られて、「お名前は何とおっしゃいますか?」

          と、きかれました。

                

               そして、著書の開いたところに「a cara Yoshiko」と私だけ漢字でサインを

             書いて下さいました。a cara...はイタリア語で '親愛なる’とか’愛する’という

             意味です。そして私が記事を見せると、非常に喜んでくださって、

             「私はいつも日本で取材を受けても、イタリアにトンボ帰りで、実際の記事に

             なったのを見たのは初めてです!」とおっしゃったので、

             「すぐにコピーしましょうか」と友達親子と4人で、近くのローソンに走りこみ(笑)

             記事をコピーしました。いつも朝4時ごろから、大量のコピーをして楽譜作りを

             している私なのに、なんだかこの時は、指がふるえてしまい、

             間違えて8枚もコピーしちゃったり

             また4人で走って会場に戻ると、ちょうどサイン会も終わったところで、

             中丸さんは、本当に喜んでくださり、「記念撮影をしましょう」と写した写真が

             これです。

                                       

                             友人の携帯の調節ができてなくて、私はコンサート会場に携帯をいつも

             持ち込まないので、なんだか背後霊のようになってしまった・・・

             このサンデー毎日の記事には、小宮のえっちゃんも非常に若いです

             が、「日本のテレビにに出ている女性キャスターの方は、どうしてみんな髪が

             短くて、やせているのか」とか「イタリアでは女性は男性に気にいられようと

             思っていない。皆、自信があり、男性が女性を褒め称える」みたいな事を、

             軽快にポンポンとお話なさっていて、それはそれは読んでいても痛快な

             対談です。

             コピーした紙をもっての写真撮影となりましたが、普段から物や人の波動に

             敏感な私は、中丸さんのお顔の真横にいましたが、本当に、腹が据わった人で、

             身体の中心がドーンとしていてぶれていない。真横にいても、ざわざわした波動が

             ’無’の状態で、改めてものすごい方だと思いました。

                

            コンサートの中で「もうすぐマリアカラスコンクールからちょうど20年になりますが、

           この20年はあッという言葉もないほど、短い時間で、数々の仕事をしてきて、

           多すぎて思い出せないことも多々ある。でも私は、過去のことはすぐに忘れて、

           常に進歩ということを考えて生きている。今年も皆さんにとってもいい年になり

           なりますように」と言われて、ああ、やっぱり私の人生哲学と一緒だとうれしくなり、

           「また金沢にいらして下さいね」といったら、真っ直ぐに私の目を見られて、

           「次回、是非!」とおっしゃいました。

           私は、30歳のときにヨーロッパに初めて勉強に行き、そのあと、結婚、出産と

           続いたので、娘がちゃんと物心つくまでは、演奏活動も、しないし、

           コンサートにも出かけない、と決めて、「40歳で演奏活動ができたらいい」と

           思っていたのが、もたもたして、結局42歳で演奏活動を再開した変わった経歴(笑)

           のママピアニストです。

           それで、ずっと以前にサインしていただいたり、コンサートをきかせていただいたり

           した方と現在、直接お話できるという機会が増えているのですが、

           本当にありがたいことだと思っています。

           中村紘子さんにいただいたサインは、今、ショパンを弾く会場に必ずもって行って、

           お守りにしています

           また私の大切な大切な宝物が増えました。

           また金沢でお会いするのを楽しみに、私も精進します。

 

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オーケストラアンサンブル金沢第274回定期公演 ニューイヤーコンサート2010

2010-01-10 | 音楽

 

              

            2010年1月7日(木)

         石川県立音楽堂 
 
       1・ショスタコーヴィチ ジャズ組曲第2番 より ダンス1
       2・シュトルツ プラター公園は花ざかり 
       3・ショスタコーヴィチ ジャズ組曲第2番 より リリック・ワルツ
       4・J.シュトラウス2世 「ヴェネチアの一夜」 より 心から挨拶を贈ろう  
       5・オッフェンバック ホフマンの舟歌
       6・ジーツィンスキー ウィーン、わが夢の街  
       7・J.S.バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲
       8・J.シュトラウス2世 「ヴェネチアの一夜」より アンネンポルカ 
       9・J.シュトラウス2世 「こうもり」 より ぶどうが燃えたぎって(シャンパンの歌) 
      10・J.シュトラウス2世 無窮動
      11・レハール 「ほほえみの国」 より 私たちの心にだれかが恋を沈めたのか 
      12・スッペ 「美しいガラテア」序曲
      13・レハール 「ほほえみの国」 より 君はわが心のすべて 
      14・レハール 「ジュディッタ」より 私の唇にあなたは熱いキスをした 
      15・チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」より 第2楽章
      16・カールマン 「チャールダーシュの女王」より 踊りたい! 

アンコール 
      J.シュトラウス2世 美しく青きドナウ 
      レハール メリーウィドウワルツ
 
            本当に楽しいコンサートだった!幸せコンサート!
      
            井上さんの選曲、ニューイヤーなのに、ショスタコ、チャィコもはいって、
   
            ホントにいいプログラム!
 
            金沢で井上さんのショスタコきけて幸せでした
 
                           1曲目のダンス、テンポもいいし、音がのってました。田島さんのピアノも
 
            よかった。ワルツのとき、フランスのナントで、路上生活の人がサックスでこの
 
            メロディーを吹いていたという井上さんのエピソード。
 
            ホント演歌風で、表情が実におもしろい!
     
            チャイコフスキーも、OEKの編成で、どうするのかなあと思ってましたが、
    
            いい流れで、整然としていていい演奏でした。
 
            ’初めて振ります’とおっしゃったスッペ!よかったです以前の定期で
 
            下野さんがスッペオンパレードだったときも、よかったですけど、
 
            今回、ますますオケがしまって、バランスも最高によく、音がすばらしくなっていて
 
            いい音でした!感激です。
 
            今回は、冒頭から、井上さんの’あけましておめでとうございます!!’
 
            といううれしいご挨拶から始まって、指揮台にマイクが常に置かれていて、
 
            1曲1曲、井上さんのトークが炸裂!
 
            レニングラードのお話や、ワンちゃんのお話!盛りだくさんでもう楽しすぎ!
 
            私は、1番前の席で、げらげら大笑いしてしまいました。
 
            本当に楽しいコンサート!Happyな時間を、本当にありがとうございます。
 
            
 
             そして、メラニー・ホリデイさん
 
             私は実は、ホリデイさんが、フォルクスオーパーの’こうもり’の公演
 
             で日本に初来日された1979年、ピアノの先生に連れて行ってもらって、
 
             東京で舞台を観てきいていたのです。15歳でした。
 
             すでに大学生になっていた先輩のお姉さん達と合流し、初めて体験した世界一流
 
             のオペレッタ!そのすばらしさは、15歳の私に非常に衝撃的でした。
 
             公演のあと、先生が、廊下にいるとメラニーさんに会えるよと、楽屋の前で
 
             待っていたら、美しいメラニーさんが握手して下さり、泣きそうになりました。
 
                
             
 
             今回もいつものようにサインに会ならびましたが、メラニーさんは、1人1人に
 
             英語や日本語で話しかけられていて本当にサービス精神の旺盛な方。
 
             私の番になったので、「あなたがフォルクスオーパーで、初来日されたとき・・・」
 
             といいかけたら、もうすでにそのとき、お互いに両手を握っていて!
 
             「ナインティ~ン セヴンティ ナイン~!!」
 
            と2人同時に叫んでいました(笑)
 
              やった~メラニーさんとはもった~
 
             そのあと、廊下で握手した話、今日は1番目できけて最高だったとドワーッと
 
             話し、メラニーさんもいっぱい話してくれて、ホントに感激
 
             サイン会も最高に楽しかったです。
 
             
           
 
           以前、金沢駅全日空の1Fの喫茶のロビーで、家族でお茶を飲んでいたところに、
 
           すぐそばに岩城さんとメラニーさんがいらして、それは楽しそうにお話されて
 
           いたので、横からお話しするのも悪いので、そっと見てたこともありました。
 
           何回もOEKと共演されていますが、金沢できくのは初めて。
 
           今回のコンサートでは、お相手のズリンコ・ソチョさんとの息もピッタリで、
 
           フラメンコも踊って下さったし、2人のダンスや、途中シャンパンも飲んでらしたし、
 
           その演出が楽しくてうれしくて、目の前で繰り広げられる華やかな曲の連続に
 
           ただうっとり。大好きなベネチアの雰囲気もたっぷり。
 
           11月の中村紘子さんのときも、ちょうど17歳の時に輪島のホールの楽屋で
 
           お話してくださってサインをいただき、
 
           30年もたって、目の前で、またすごいオーラでの演奏をきき、
 
           今回も全く同じように、15歳の時に感激したメラニーさんが、
 
           ずっと世界の第一線で活躍され続けていて、やっぱり30年後の今、
 
           パワーを目の前で感じられる、
 
           私の10代の出来事と、両方ともリンクして、非常に不思議な瞬間でした。 
 
          
    この日はなんとお土産もあったのですよ ト音記号とOEKという文字が印してある、チョーか
 
     わいい! おいしいどら焼き茶房'太郎’さんから1500個プレゼント!ということで、帰り際、
  
      ロビーでカンタさんの奥様からいただき、ニコニコになって帰宅し、絶対写真を撮ろうと
 
     机の上に置いておいたら、娘に半分食べられていました(笑)それだけが、残念でしたけど
 
     (笑)ホントにHAPPYなニューイヤーコンサートでした!

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ヴェルサイユの祝祭

2010-01-10 | 音楽

 

            

             2009年12月5日(土)

         石川県立音楽堂   邦楽ホール
 

               年末忙しくてUPできなかったんですけど、12月5日、邦楽ホールでの

             ’ベルサイユの祝祭’これも本当によかったです。
 
             日本のバロックダンスの第一任者の浜中康子さんが、ルイ16世とマリー・
 
             アントワネットの時代の宮廷舞踏を当時の衣装で再現。
 
             ピアノをやっていて、バロック時代の舞曲は必修ですが、メヌエットやガヴォット
 
             は、よく観ましたが、ルールは初めてだったし、トルコやスペインのアントレ
 
             まで、すばらしい浜中さんの舞踏団の皆さんとOEKの音楽で、
 
             ため息まじりで、堪能しました。
 
             そして池田理代子さん!辻口博啓さんとのスペシャルトーク。
 
             わが石川が生んだ世界のパテシエ、辻口さん、パリでの
 
             自身のセミナーでお帰りになったばかりということでしたが、(11月に和倉の辻
 
             口さんのお店いったところです!この日もケーキ、しっかり購入
 
             辻口さんのマカロンを食べながら池田さんと当時の宮廷文化の貴重なお話。
         
          
 
            そして池田理代子さん!また10代とのリンク!
 
            今回は歌も歌われて、フランス革命のお話をされたときには、凛として、
  
            そにときもオーラがすごかった。
 
            10代のとき『ベルサイユのばら』は全盛。もちろん私も、せりふを暗記するまで
 
            読み、ルイ16世もフランス革命も、ロべスピエールも、全部ベルばらで知りました。
 
            池田さんのほかの作品も好きで好きで『オルフェイスの窓』というシリーズを、
 
            本屋さんで立ち読みしすぎて、高校の制服のコートを、お店のストーブで焦がした
 
            こともあったなあ(爆)
 
            それにしても金沢という街は、なんと素敵に変貌しているのでしょう!
 
            年末だけとっても、コンサートやこの'ベルサイユの祝祭’クルト・マズアさんの
 
            シンポジウムとコンサート(年末N響との第9、リハからカメラが追ってましたね
 
            マズアさんの偉大な功績の映像、第9の演奏もすばらしかったです)
 
            それが、自宅から車でほんの20分のところで、体感できる。東京ではこうはいき
 
            せん。ものすごい数の演奏会が、連日ありますが、電車を乗り継ぎ、演奏会が
 
            すばらしくても、私なんか東京の郊外に住んでましたので、帰った頃はへとへと。
 
            今は、コンサートの余韻たっぷりで、車で自宅にすぐ帰れて、世界の一流の方々
 
            が、次々目の前で聴ける、最高の贅沢です。
 
            こんなに金沢の街を変えて下さって、音楽監督の井上さん、本当に感謝します。
 
            今年も、すばらしい企画、期待してます
 
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