AKB48をめぐる妄想

AKB48にハマった私「カギ」が、好き勝手なことを述べるブログです。

お客さんの目を見るということ

2007-04-10 15:41:03 | Weblog
 ゲネプロと初日の感想を書いているのだが、お客さんの目を見る、ということについて、チーム B の新人メンバーが十分に理解できていないのかなという気がしたので、エントリを独立して先に書いておく。

 お客さんの目を見る、というのは、もちろんある程度は言葉の通りなのだけれど、しかしだからと言って、決してお客さんに媚びを売りなさいという意味ではない。言葉の額面だけでもない、いわば比喩としての部分もあるのだ。

 ステージの上の人は、客席にいるたくさんの人からいっせいに注視されることになる。そのことに慣れていないと、そうした多くの視線に射すくめられてしまう。つまり、お客さんの「目からビーム」が恐くなり、身が縮んでしまう。そうするとフリも小さくなるし、声も出なくなる。だから、たくさんの人の視線ビームに負けないように、それから逃げるのでなく、むしろ真っ直ぐに見返して、微笑みの一つも返すくらいの強さを持ちなさい、という意味なのだ。

 もう 1 つは、お客さんが「どこを見ているか」に注意しなさい、ということでもある。たとえば自分の真正面のお客さんと目を合わせようとしたのに、その人は違う方向を、つまり他のメンバーを見ている、ということがあるはずだ。そういう時に「ああ、あの人は別の子が推しなんだから仕方ない」と思ってしまうか、それとも「もっと私のことを見てもらうには、どうしたら良いのだろう」と考えられるか。その違いが、これからメンバー一人一人が自分の実力を大きく伸ばしていけるかどうかの分かれ目になる。

 お客さんの目は、いろいろなことを語ってくれる。自分のことをうっとりと見てくれる人、厳しく見ている人、どうでも良い感じでだらっと見ている人、そもそも見てくれない人。そういういろいろな視線と出会ううちに、自分の歌やフリが、お客さんにどう受け止められているかが分かるようになって来るはずだ。自分で「今のここが良く出来た」と思った瞬間に、それを見つけてニコッとしてくれるお客さんの視線を見つけたら、客席にどれだけたくさんの「先生」がいるか実感できるだろう。

 そうなって来ると、AKB48 劇場での毎日のステージが、実は一瞬たりとも気の抜けないオーディションを繰り返している現場なのだ、という意味が実感できるようになると思う。そして、厳しい視線を向けてくれる人は、見てくれない人より何百倍も自分の味方なのだと気づくだろう。出来が良い時も悪い時も同じように盛り上がってくれる客が「良いファン」とは限らないと分かるだろう。見る目のある客こそが、表現者を育てる上で最も大きな力を持つ支援者なのだ

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