AKB48をめぐる妄想

AKB48にハマった私「カギ」が、好き勝手なことを述べるブログです。

AKB48をめぐる言論空間

2011-10-02 10:04:52 | Weblog
 ふとしたことから、朝日新聞社のサイトからこのブログがリンクされていることに気がついた。「WEBRONZA+」というコーナーの「AKB48に未来はあるか?」というテーマのページで、「関連情報」としてこのブログへのリンクが張られている。多分、このテーマで寄稿されているどれかの文章で触れられているのだろうと思って覗いてみるが、無料で読める範囲にはないようだ。ライダー絡みらしいのは想像できたのだが、何だか気になる。結局、会員登録して、262円を支払って確認してしまった(^_^;)。特に内容について何か言っているわけではなく、あるエントリへのリンクが張ってあるだけだった。

 せっかく262円を払ったので、他の記事も読んでみるが、普通の記事よりはブログに近いというか、記者個々人の人となりに近いところで書かれていて、まあまあ面白かった。正直、売れた後になって知ったかぶりをして見当違いのことを書く一部マスコミにはうんざりしているのだが、ここに並ぶ記事はそういう臭みがなく、それぞれが知っている範囲のことに立脚して書かれているし、いくつかの文章は良いところを衝いていて、さすがにプロの物書きだなと思うものもあった(って言い草はすげぇ上から目線だなと自分でも思うがとりあえず読み流しておいていただきたい)。特にこの文章で、「感情労働」(感情の自己管理が求められる仕事、のことだそうだ)を強いられるアイドルの過酷さ、その極北としての握手会の現実に言及しているのは良いことだと思う。

 ライダー絡みの話が出てきたところで、もう一つ。以前から時々、このブログにトラックバックを飛ばしてくれているブログ「Commentarii de AKB Ameba版」が、ちょうど「ライダー」に言及している。ざっくりと紹介しておくと、このブログは各セットリストの曲順に、それぞれの楽曲の世界を分析的に紹介している。分析の対象は歌詞の物語世界を中心にしつつ、作り手側の狙い、メンバーによるステージでの表現などにも及んでおり、非常に読み応えがある。できれば過去のエントリを、古い方から順番に読むと良いと思う。

 こういう良いブログを見つけた時は紹介したいような、内緒にしておきたいような、微妙な感情が行き交う。もちろん、良いブログはできるだけ多くの人に読んで欲しい。しかし、ブログを続けるというのは、なかなか根気が要る。特にこういう、独自の論考をしているブログには、賛否両論がつきものだ。そして「否」を唱えるコメントというのは、良心的なものであれば良いのだが、往々にして悪意の、そして吐き捨て系のものが多く、それは書き手にとってかなりの心理的負担になるものなのだ。うっかり紹介してしまったために、ブログの書き手がそういうものにさらされる機会が増えると、ブログの継続を危うくしてしまうのではないか。そういう心配があるので、つい内緒にしておきたい心理が働くのだ。

 しかし私は、やはり「良いと思うものを良いと書くこと、ネット上で表明すること」の意義を信じているし、素直に実践して行きたいと思っている。AKB48の最初期を知っていれば、それが決して無力ではないことを体感的に理解している。今ではこんなにメジャーになり、マスメディアにもてはやされるAKB48だが、そのもう一つの側面として、Webを通じたファンによる多様な「語り」が、単に「作り手側へのフィードバック」としてではなく、あるいは「限られた人の趣味としてのミニコミ誌的活動」としてでもない言論空間を持っていることを指摘しておく必要があるだろう。

 そうした、初期AKB48をめぐる語り手の主要な、そして重要な一人である「わんこ☆そば」氏が、少し前に「アイドルブームをブームで終わらせないために」という素晴らしいエントリを書いていた。これはファン側がWebを通じて何ができるかという考察であると同時に、アジテートでもある。他方、現時点で最新のエントリ「アイドルにおけるリアルタイムウェブの潮流~ももクロ、女子流に続け~」では、作り手側によるWeb活用の事例とその可能性について、卓越した考察が行われている。最近は劇場でお見かけする機会がめっきり減ってしまったけれども(当選確率を考えると仕方がないのかも知れないが…)、わんこ☆そば氏のような優れた先達があってこそ、AKB48をめぐる言説が成り立って来たのだということを忘れてはならないと思う。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (deresuke)
2011-10-03 08:23:17
過分なお言葉、ありがとうございました。
返信する
Webという武器で (GG)
2011-10-03 23:32:09
リンクされているわんこ氏のエントリー拝読させていただきました。
氏のおっしゃられている15年前(1996年)は「アイドル冬の時代」どころか、それを突き抜けて「アイドル氷河期」と呼ぶに相応しい時期ではなかったかと記憶しています。
世は小室哲也氏が権勢をふるい、翌年のSPEEDのブレイクを経ての、モー娘登場までの寂寞の時代が懐かしくもあります。

その後、ひところの「谷」の時期を脱して、今や「アイドル戦国時代」と呼称される好況期。
「いや、『アイドル戦国時代』に非ず。『アイドル徳川時代』だよ。」とうそぶくAKB界隈の声も、いささか倨傲ではあっても「初週売り上げ連続ミリオン」の金字塔やらの「根拠ある自信」に裏づけされてのもの。

かつて、澎湃としてブームを築き上げ、泡沫の命運を辿ったトップアイドル達に比べ、AKBにはWeb環境というかつてない後ろ盾があり、その特色ゆえに過去の法則性に当てはめて衰退を論ずることはできないと思われます。カギさんのおっしゃる多様な語りによる、独自の「言論空間」や、わんこ氏のおっしゃられる「即時性」の有効活用で、自らも、そして、アイドル界全体のブームをも牽引し、存えていただきたいものです。

「年のはじめの ためしとて 終わりなき世の めでたさを」

乃木坂、ジャカルタ、研究生33人、上海公演、等々・・。 際限なき肥大化の現状に、ふと正月に口ずさむ、この歌の歌詞を思い出しました。錯覚ではあるとわかってはいるのですけどね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。