傳之助資料5(開拓ノート④)
陸稲(おかぼ)
播種後スゞメ ノ 害ヲ防グノニハ 種モミヲ比サン鉛(ヒ酸鉛=鉛のヒ酸塩)デ マブス
針鉄虫 及 ヒメコガネ幼虫の害を防グニハBHC(1%)ニマブス (5%))BHC
デハ強過ギテ薬害ノ為 発ガガ悪ルイ(発芽が悪い)カラ 2倍以上 灰カルヲ混合シテ
薬カヲ(薬禍を)弱メテ 仕用(使用)スル必要ガアル
*針鉄虫:ハリガネムシ。根切り虫の仲間で、ここではコメツキムシの幼虫の意か?
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標準体高 4~5ヶ月 4尺17 104メ(匁)
(以下、牛について)
2. 4~5時間(排卵後の受精能力保持時間) 発情期間ノ平均 21日19型モアリ
許容時間終了後(発情終了後) 7~8時間ニ ハイ卵(排卵)ス
出血 発情終了后 23日後
幼時飼養管理ノ如何ハ 成牛ト成ッテカラ 受タイ(受胎)ニ エーキョウー(影響)がある
子宮ノ整復ハ 分娩后 40~50日
卵ソウ 完全発育ニハ 運動 青草 日光浴
子牛 3週間目位カラ 濃厚飼料給餌始ム 1ニギリ位ヅゝ増與(1握り位づつ増与)
良質粗飼料は2週間位から
分娩後 初乳ハ 乳房ヲ一応検査シテカラ 血のう(血膿)等ガ無クナッテカラ與フ
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昭和30年8月20日 草地改良 兼 松場長(?)
メドウフォックステール 病害ニ強イ牧草
水田ニ牧草播種ハ 9月中ニ
◎ 牧草ハ 加里(カリウム)ヲ 一番多ク必要トスル
クローバーノ場合 チッソ ハ必要セヌ 炭カル 50メ (炭酸カルシウム)
燐 15メ
赤クローバー 一ポント 安 10メ (硫安=硫酸アンモニウム)
オーチャード 二ポント
イタリヤンライグラス 一ポント ◎ 炭カル散布 2~3日
(以上)播種用 降雨を待ッテ
ペレニヤルライグラス 3,5ポンド
ラヂノクローバー 0,5ポンド
ケンタッキーブルグラス 0,5ポンド
イタリヤンライグラス 0,5ポンド
(以上)放牧地
播種方法 8月下旬~9月上旬 全前刈拂 1週間程シテ火入シテ 整地大程 後作●(在リ?)
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体重 120 乳量 9升
蛋白 60 澱分 600 アマニ粕 1升 (馬用飼料。亜麻仁油を絞った油粕))
207 120 フスマ 4升
──── ──── 豆粉 1升
267 720 米粕 0、3
サイロ 6メ (匁)
ワラ 1ワ (一把)
9月17日 麦作 施肥相談
大麦基準施肥量 堆肥300メ 安(硫安)8メ 石(石灰)10メ 加(カリ)2,9メ
立枯病 防除 方法ナシ 根グサレ病2月下旬 3月中旬頃カラ見え始ム
3~4年作付ヲ休ム イオウ合ザイ(合剤)50倍液散布 2回位
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裸麦
ヨウ哉(沃化肥料?)10メ 石(石灰)4メ 石灰チッソ4メ 安(硫安)5,5メ 加(カリ)4,2メ
*ここで開拓ノートは終わっている。
ページ順に記録してきたが、途中欠落しているページがあり、
内容が、いきなり飛んでいる印象を与える箇所もあります。
身一つで開拓地に入植し、仲間達と助け合い、協力し合いながら、
ともに学び、希望を胸に開墾に精を出した父たち満州引き揚げ開拓民。
その苦労の一端でもうかがい知っていただければ幸いに存じます。
なお、ノートノ見開きページの中央は・・・・・で、
ページをめくった場合には*****と表記しました。