エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

聖書の言葉: 「聖書を学ぶ会」の学びから: 今の日本の閉塞感を打ち破るのは、「女の眼」「女の視点」

2016-12-31 08:23:42 | 聖書の言葉から

 

 

 

 

 
感情転移の目的、セラピストの役割
   転移と逆転移に対する気付き  医者を始め、ヒューマンサービスに携わる者は、不平等な上下関係を利用するものが、非常にたくさんいます。 p236の16......
 

 もう10年以上前に、「聖書を学ぶ会」で報告した、『新約聖書』の中にある「ルカによる福音書」第8章1節~3節の学びから。

 ここは新共同訳では

1すぐその後,イエスは神の国を宣べ伝え,その福音を告げ知らせながら,町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった。2悪霊を追い出して病気をいやしていただいた何人かの婦人たち,すなわち,七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれたマリア, 3ヘロデの家令クザの妻ヨハナ,それにスサンナ,そのほか多くの婦人たちも一緒であった。彼女たちは,自分の持ち物を出し合って,一行に奉仕していた。

 私なりに翻訳すると、

1そしてすぐその後にこういうことがあった。すなわちイエス(彼)は村や町を歩き回って宣教し,神の国をよい知らせとして伝えていた,十二人もこれと一緒(だった)。2もろもろの悪霊ともろもろの病気から癒してもらった何人かの女たちも(一緒だった)。すなわち,七つの(たくさんの)悪霊から解放してもらったマグダラの女と呼ばれた者であるマリア, 3ヘロデの家令クザの妻ヨハナも,スサンナも,そのほか多くの女たちも(一緒であった)。彼女たちは,一行の人々に自分たちの持ち味を生かして(身近にあるものを使って)奉仕していた。

という具合です。

 イエスの周りには、使徒と呼ばれることになる、当時は蔑まれていた漁師などの12人の男たちだけではなく、その男たち以上に、世間から蔑まれていた女たちがいました。

 イエスの最期を見届けたのも、イエスの復活を最初に見たのも、男ではなく、女でした。いずれも、「女の眼」「女の視点」が、大事なものを見ていたことを示しています。

 そして、今の時代の閉塞感を打ち破るのも、「女の眼」「女の視点」である、と確信しています。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : エリクソンが教えてくれる「安心と安全」の源

2016-12-31 07:58:03 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
「ハッピー」な授業は、祈り
   「子どものため」のウソとゴマカシ  子どもを道具にして、生きる親は勘弁してもらいたいですね。でもね、今どきの日本、これが結構いるから困ります。 p......
 

  今日のエリクソンも、Insight and responsibility p.102。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。

 

 

 

 

 

 子どもは、幼稚園生になる頃になると、オートノミーの感じ、すなわち、自分の感じ、自分の感性に従って善い、という感じを楽しみ、ぐらつくことはあっても、まぎれもなく自分自身の足で立つことも楽しんでいる時が来ますよね。そういう子どもは、いつでも、どこにでも、自分を肯定してくれる眼があることに気が付きますよ。いつでも、どこででも、自分のことを肯定してくれる眼があればこそ、その子は、自分の手の届く場が、安心と安全だと解るんです。

 

 

 

 

 

 ニッポンに、これだけ発達トラウマ障害(DTD)の子どもか多いのは、親や教員らの自己肯定感が低く、忙しさにかまけて、子どもに「正しいことを押し付けている」からです。エリクソンが教えていくれていることの真逆をやり続けているからです。

 

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 「本当の課題」と ヒュポメノー

2016-12-31 07:03:50 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
遥か彼方
   「子どものため」のウソとゴマカシ  子どもを道具にして、生きる親は勘弁してもらいたいですね。でもね、今どきの日本、これが結構いるから困ります。 p......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.152、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 もしも、アンソニーが病院に入院させられていたら、別の診断名がたくさんつけられていたことでしょう。「反応性愛着障害です」とか、「ADHDです」とか、「PTSDです」とか。こういった診断名はどれ1つ採っても、アンソニーの何が問題なのかを明らかにしてくれません。すなわち、アンソニーの「本当の課題」は、アンソニーは死ぬほど怯えているから、命がけで闘っているということですし、自分の母親が自分を手助けしてくれることを信じ損ねている、ということです。

 

 

 

 

 

 「本当の課題」は、表面に現れている行動だけ見て、それを「正しいこと」に直そうとすることでは、見付かりません。ニッポンの学校や病院で、日々やっているのは、この間違い、この誤解です

 「本当の課題」は、サイコセラピストらが、十分に訓練に訓練を重ねて、子どもの気持ちに、サッと気付いていくことによって、初めて理解出来るものです。そのためには、ヒュポメノー υπομενω 子どもの気持ちに寄り添う場に踏みとどまることが何よりも大切です

 

 

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現世考:大学の学費

2016-12-31 05:21:29 | 間奏曲






 大学の学費。ニッポン🇯🇵では、いくら位かかるのでしょうか?


 ベネッセの調査(https://manabi.benesse.ne.jp/parent/okane/02/page2.html)によると、大学に入った年に掛かる初年度納付金全体が、国立大学の場合、82万円、公立大学の場合、94万円、私立文系の場合、115万円、私立理系の場合、150万円だと言います。初年度納付は、受験料、入学金が、授業料以外に掛かりますから、大学4年間で1番お金が掛かる年でしょう。
 かたや、北欧デンマークで🇩🇰🇩🇰は、どうでしょうか? デンマーク🇩🇰では、小学校から大学まで、ついでながら、高齢者施設も医療費、ただ、フリー、無料です。保育料たけは25%、低所得者以外は、支払うそうです。
 池上彰さん(『「日本の教育」がよくわかる本』PHP文庫)によれば、デンマーク🇩🇰の大学生は、一部例外はあるものの、大学生は月々11万円の学生給付金が貰えるそうです。授業料以外に、パソコン💻購入費や本を買うお金も、必要ですものね。バイトせずに、勉強出来る環境を、国が整えてくれる訳です。
 我がニッポン🇯🇵は、いかがでしょうか? ニッポン🇯🇵は、公的奨学金がありません!! あるのは、サラ金まがいの、高利貸の学生ローンだけ。新設の奨学金は、低所得者で好成績の学生に、月々3万円程だと言います。
 デンマーク🇩🇰🇩🇰とニッポン🇯🇵。あなたは、どちらの社会に暮らしたいですか!

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聖書の言葉: 佐々木正美先生から学ぶ 「響き合う心」

2016-12-30 12:20:26 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
悪魔は、厚かましくも、顔見せがお好き
   ヒューマンサービスの担い手が堕落するのは、この時  男と女の黄金律も、不思議で面白い。 p236ブランクの後から。      いちば...>続......
 

 

 佐々木正美先生のインターネット上のコラム、「響き合う心」が、先日23日で更新終了とのことです(http://blog.livedoor.jp/budouno_ki/)。残念です。佐々木正美先生も、御年81歳。やむを得ないことですが…。

 義理の父親、岩島公は、野村實先生や関根正雄先生と同様、内村鑑三最晩年の弟子の1人のです。八王子で国語の高校教師をしながら、『永遠の日本』という聖書雑誌を発行して、無教会の聖書集会も開いていました(http://www.imaikankyoyukai.or.jp/public_html/CDkougi01.html)。佐々木正美先生も、この集会で「キリストの信頼」を学ばれたとのことです(https://books.google.co.jp/books?id=4PMaBQAAQBAJ&pg=PT8&lpg=PT8&dq=%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E6%AD%A3%E7%BE%8E%E3%80%80%E7%84%A1%E6%95%99%E4%BC%9A&source=bl&ots=O-PRjkgAZz&sig=8IVLMQaeLPmS7Frf0fnr0HbCLME&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiOytSp-ZrRAhUEf7wKHRDaDN0Q6AEIGjAA#v=onepage&q=%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E6%AD%A3%E7%BE%8E%E3%80%80%E7%84%A1%E6%95%99%E4%BC%9A&f=false)。

 佐々木正美先生が教えてくださるように、キリストの信頼は「根拠のない自信」を育んでくれます。エリクソンが言う根源的信頼感がまさにこれです。「響き合う心」は、佐々木正美先生がおっしゃるような「根拠のない自信」に基づくものだ、ということを改めて思った次第です。

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