エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ:「仕事だから、仕方がない」、「毎日忙しいから、まぁ、いっか」が、“人類に対する罪“

2016-08-31 07:02:28 | 間奏曲

 

 

 
分かち合うことは良いもんだとする確信
  意識して、仲間の扉を開いておきましょう。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p71の第3パラグラフから。  ......
 


 今朝は、久しぶりに、高橋源一郎さん。小熊の論壇時評よりも、高橋源一郎さんの方が面白い、と感じるのは、私だけでしょうか? 『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書)から。

 

 

 

 

 

 (ハンナ・)アーレントは、アイヒマン裁判を傍聴し、彼の罪は「考えない」ことにあると結論づけた。彼は虐殺を知りながら、それが自分の仕事であるからと、それ以上のことを考えようとはしなかった。そこでは、「考えない」ことこそが罪なのである。

 わたしたちは、原子力発電の意味について、あるいは、高齢化や人口減少について考えていただろうか。そこになにか問題があることに薄々気づきながら日々の暮らしに目を奪われ、それがどんな未来に繋がるのかを「考えない」でいたのではないだろうか。だとするなら、私達もまた[凡庸な悪]の担い手のひとりなのかもしれないのだ。

 

 

 

 

 

 ですから、「仕事なんだから、多少のウソやゴマカシも仕方がない」、「忙しくて、かまってられない」、「忙しいから、国全体のエネルギーの方向性について考えてる余裕がない」…というのは、「凡庸な悪」であり、「人類に対する犯罪」です。

 

 

 

 

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集団療法の効能

2016-08-31 06:28:09 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
内と外
  激しい怒りという闇に、気前の良さという光を見つけることができたので、ルターはルターのなれました。 Young Man Luther 『青年ルター』p.222の ブラ......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人。仲間+話を聴く(話す)ことが、自分を取り戻す初めになります。

 最終章の第7章、p.285の、最後のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 

 メンデルスゾーン等(2011)が示しているように、集団療法は、発達トラウマ障害(DTD)を生きている人達が、一人ぼっちと感じることを少なくしてくれますし、出来ること、挑戦することが増えますし、健全な関係のモデルとしても役立ちます。臨床経験から申し上げれば、社会的な交わりの深まりと、回復に伴って生じる、助けてもらっている感じが増してくることは、バラバラだった≪私≫を経験してきた人達の内面の写し鏡であることが多いんです。それはちょうど解離性人格障害や、他に分類不能な解離性障害の場合と同じです。

 

 

 

 

 

 一人ぼっちという感じを癒してくれるのですから、集団療法は実にいいですね。発達トラウマ障害(DTD)の一番のベースにある気持ちは、一人ぼっちなんですから。

 

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ブルース・ペリー教授の、ポケモンゲームのすすめ

2016-08-31 05:51:59 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 
分かち合うことは良いもんだとする確信
  意識して、仲間の扉を開いておきましょう。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p71の第3パラグラフから。  ......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。10歳でも、25歳でも、65歳でも、心は0歳です。その情緒的な発達にピッタリ、が大事です。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.150の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 コナーが最後に自分を見失った最後のことです。ついでながら、それはポケモンに夢中になった結果でした。コナーはその友達を、他の青年達から守っていたんです。その青年たちは、その友達をカードのことで虐めて、カードを破ろうとしてたんです。ジェーンは、もちろん、あたふたしたのは、そのことを耳にした時でした。ジェーンは、「ポケモンゲームをドンドンやんなさい」なんて言わないで、と思ってたんでしょう。まるで、事故を怖がるみたいに、ポケモンゲームを嫌がってたんです。

 

 

 

 

 

 ゲームと言ったら、大人たちはすぐに「一時間だけね」などと、時間制限をすることと、「それよりも、勉強やんなさい」などと言いたい気持ちが起きてくるのではないでしょうか?

 子どもが、何かに夢中になる時には、大人には想像できない、尊い価値があるのが普通です。大人達は、子ども達が夢中にやっていことの価値を知らない。無知なだけ。

 ブルース・ペリー教授は、さすがです。子どもが夢中になっているポケモンゲームの価値を認めているみたいですね。

 

 

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おそれ、緊張、感情をコントロールできない、記憶がない…

2016-08-31 05:06:13 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
いまこそ、「自分の感じに従って、行動を始める」時ですよ。
   ≪私≫は、大事な母なる≪他者≫が繰り返し継続的に世話してくれるから生まれるのです。第六弾   もうすでにお判りでしょうね。ここでもエリクソンとフロ......
 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。人の痛ましい話を聴くには、まず、自分の痛ましい話から逃げないで、そこに踏みとどまる、使徒パウロの臨床心理学がものを言います。踏みとどまっていると、向こうから、そこに光があることを教えてくれる「声」がしますからね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.126。第8章。ブランクから。

 

 

 

 

 恐れと、何も感じないこと

 

 お話したように、マリリンが話してくれたんです。マイケルがこの5年以上の間、マリリンが自宅に連れて行った最初の男だ、ということです。でも、これは、男と一夜を共にした時、マリリンが自分を見失った最初ではありませんでした、とも。「男と二人っきりになると、緊張して、距離を置いちゃうの」とマリリンは繰り返しました。また、別の時には、「アパートに『戻ってくる』時、部屋の隅っこに縮こまって、何が起きたのか、覚えてないの」とも、繰り返しました。

 

 

 

 

 マリリンは、人と親しくすると緊張しやすい。マリリンは、自分の感情をコントロールできません。マリリンは、自分に合ったことが解からなくなることがよくあるようです。発達トラウマ障害(DTD)のある人には、よくあることですね。

 

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仲間になる+お互いの話しを涙を流しながら聴く(冷や汗をかきながら、自分の話を話す)→自分自身を信じられるようになる

2016-08-30 17:26:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
昼夜逆転を治そうとしちゃ、ダメだ!! 改訂版
   世俗生活=宗教の本質  制度や法律は、それを創り出した精神が必ずあります。しかし、制度や法律が運用されだすと、運用そのものに自動操縦、オートパイロ......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人、グループセラピーにも、様々なものがあるみたいです。

 最終章の第7章、p.285の、第3パラグラフから。トラウマ治療のグループセラピーに参加した人たちの様子です。

 

 

 

 

 

 トラウマを生き延びてきた人たちのグルーブに参加することには、性的虐待や家庭内暴力に付き物の、恥や汚名に対する強力な解毒剤となります。自分の物語を、枠組みがハッキリしている場で安心して話したり、トラウマを負わされた人たちとやり取りできると解ったりすることが、何年もの間、何にも話せないという重荷も負って来た人達にとって、またとない解放感をもたらしてくれます。自分がトラウマを生き延びて来た、という話に耳を傾けてくれる人たちのグルーブに受け容れられる、という経験をすれば、自分を信じられずに来た気持ちが回復してきます。

 

 

 

 

 典型的なピアカウンセリングです。

 仲間+話を聴く(話す)=自分を取り戻し出す

 

 

 

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