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●御岳山噴火は水蒸気爆発なので予測不可・・・川内原発再稼働「影響せず」、でOKですか?

2014年10月05日 00時00分56秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014092802000139.html)と、
社説【よく恐れよく備えよう 御嶽山噴火】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014092902000127.html)、
そしてもう一つ記事【水蒸気爆発 予知困難でも… 川内再稼働「影響せず」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014092902000214.html)。

 九州電力や原子力「ムラ寄生」委員化は、『●今後の運転期間はせいぜい三十年間。その間の噴火はないだろう」との推測下、川内原発規準OK』としてきました。そして、「九電は、影響は少なく、衛星利用測位システム(GPS)で火山周辺の地殻変動を監視すれば巨大噴火は予知できると主張。危険と分かれば原発の運転を止め、核燃料を緊急搬出すると説明」してもいます。

 しかしながら、火山等に関する専門家を招いての会合では、「「噴火を事前予知することは極めて困難という指摘が相次いだ」・・・・・・え~っ、10年前に噴火が予測でき、2年以上かけて核燃料をゆ~っくりと避難させるのではなかったの?」かとの疑問がわきました。『●九州電力川内原発を再稼働させてはイケナイ: 何のための専門家会合? 市民の意見提出??』など単なるデキレース=猿芝居であり、再稼働ありきのお茶濁しでしかないようです。

 百歩譲って、10年前~数十年前に噴火が予測できたとして、『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に何時間、何日間? 答えは「2年以上」!』だそうです。この話にはまだ恐ろしい続きがあります。「九電は予兆を察知した場合には核燃料を安全な場所に緊急移送すると明言しながら、実際には原子炉を止めて運び出すまでに二年以上かかる上、搬出方法や受け入れ先の確保なども具体的に検討していないことが分かった・・・・・・こんないい加減な計画で再稼働を申請する九電も九電なら、それを認める原子力「ムラ寄生」委員会もいい加減過ぎ」ます。

 さて、今回の御嶽山で「予想外」の噴火が起きました。水蒸気爆発であり予測が難しい「予想外」「想定外」の噴火とはいえ、「今後の運転期間はせいぜい三十年間。その間の噴火はないだろう」との推測下、川内原発規準OK」について、九州電力や原子力「ムラ寄生」委員会は少しは見直し作業をするのかと期待していました。自公政権も、少しは検討するのかと思いきや・・・・・・「菅義偉官房長官は・・・・・・今回の噴火が、川内原発の再稼働方針に影響するかとの記者団の質問に「ないと思うと明言」したそうです。アホです。前述のとおりですが、本記事も続けて、「川内原発は「最も火山の危険が高い原発」と言われている。原子力規制委は「観測によって噴火の予知は可能」という九電の主張を容認したものの、火山学者には「現在の火山学で、噴火の予知は極めて困難」との意見が強い」としています。

 新たな「安全神話」の創造・・・・・・救い難い人達です。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014092802000139.html

【コラム】
筆洗
2014年9月28日

 日本における山岳信仰の背景は、火山による噴火や鳴動に対する恐怖心である。関東大震災を予見したといわれる地震学者の今村明恒(あきつね)(一八七〇~一九四八年)が、「火山の話」の中で、書いている▼いにしえの民は、噴火口に神が住んでいると考え、霊場と心得ていた。噴火活動は火山の持ち主である神の怒りであり、神は霊場を穢(けが)されるのを嫌って「時々爆発を起こし、鳴動によって神怒のほどを知らしめた」▼あまりに突然で、容赦のない「神怒」であった。長野県と岐阜県にまたがる御岳山が噴火した。巨大な白煙があっという間にのしかかる。運悪く、山頂付近で噴火に遭遇した登山者の恐怖は想像さえできない。美しい山が突然、顔色を変え、秋の山を楽しんでいたにすぎぬ人に襲いかかる▼御岳山は常時観測されている火山の一つである。自然の力を前に人間があまりに無力であることを、あらためて思い知らされるのは御岳山の噴火警戒レベルが直前まで「平常」の1だったことである▼レベル1での火山活動は「静穏」となっている。人間の能力では、神が顔色を変え、噴火に至ることに気づけなかったのか▼「敵情偵察」。今村博士は火山や地震の災いを免れるための第一にこれを挙げている。敵情が分かれば「かの暴力を打ち砕く」こともできる。なぜ神の怒りを察知できなかったか。研究を続けなければ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014092902000127.html

【社説】
よく恐れよく備えよう 御嶽山噴火
2014年9月29日

 火山の猛威を、あらためて見せつけられる惨事となった。予知は困難というが、火山国に暮らす私たちは、自然災害をよく恐れ、よく備えねばならない

 長野、岐阜県境にそびえる御嶽山が噴火するのは、二〇〇七年三月の小規模噴火以来、七年ぶりのことである。

 下界よりも一足早い紅葉の時期を迎え、しかも、晴天に恵まれた週末。絶好の登山日和だったことが、残念なことに、被害を大きくする背景となってしまった。


噴火の予知は難しい

 突然降りかかってくる噴石や火山灰から、逃げる間はほとんどない。何人もの登山者が、逃げきれずに火山灰に埋もれた。

 噴火を予測することは、できなかったのだろうか。

 山頂付近では半月前、地震活動が活発化していた。

 御嶽山では、前回〇七年の小規模噴火の前も、多い時には一日百六十回を超える地震活動があったが、その後は静かな状態が続いていた。

 ところが、今月に入り、十日に五十回超、十一日には八十回超の微小な地震を観測した。それを受けて気象庁は、活動が活発化したことを地元自治体などに情報提供していた。

 しかし、震源が徐々に浅くなるなど危険な兆候は見られず、十二日以降は地震回数も減ったため、五段階で示す噴火警戒レベルを、レベル1の「平常」から引き上げることはなかった。

 気象庁は「これだけで噴火の前兆と言うのは難しい」と説明している。

 地球上には約千五百の活火山がある。日本列島には、そのうち百十、約7%が集中している。

 気象庁は、この百十の活火山のうち四十七を常時観測火山と位置付け、さまざまな観測計器を置いて監視している。


◆専門家常駐は5カ所

 ただ、大学の研究者など火山専門家が常駐する観測施設があるのは桜島(鹿児島県)や有珠山(北海道)など五カ所だけ。富士山や御嶽山にはない。

 噴火予知には、場所、時期、規模、様式、推移という五つの要素を的確に予告できる必要がある、とされる。それではじめて、住民の避難勧告ができる。

 火山噴火予知計画は、地震予知計画に十年遅れて一九七四年に始まった。気象庁に置かれた火山噴火予知連絡会は、この予知計画と同時に発足している。これまで何回も噴火し、常時監視している火山については、噴火の時期をある程度予測できるまでになったが、避難勧告に必要な規模、様式、推移の予知にはほど遠いのが現状という。

 予知の成功例とされるのは、〇〇年の有珠山の噴火だ。国内で初めて緊急火山情報が出され、周辺の住民約一万五千人が避難し、人的被害を防ぐことができた。周期的に噴火を繰り返してきたことなどから、的確な予知や避難ができたとされる。

 逆に、一九九八年の岩手山(岩手県)では、火山活動が活発化して臨時火山情報が出されたが、結局、噴火はしなかった。

 このように、火山の予知は難しいが、火山国に暮らすわれわれとしては“不意打ち”されるのを待っているわけにはいくまい。噴火の危険と隣り合わせでいることを再確認し、謙虚に火山を恐れ、よく備えなければならない。

 今回の噴火でも、山上の山小屋は避難場所となり、関係機関との連絡の拠点ともなった。山に親しむための施設は、危機管理の施設でもある。各火山の山小屋の備えが十分か、再点検したい。

 山に登るな、などとは言うまい。山に、自然に親しんでこそ、その良さも怖さも分かるはずだ。そうして心構えも、装備などの備えもできてくる。

 東日本大震災との関係で、津波の発生状況がよく似ていた八六九年の貞観地震が注目された。その貞観地震の五年前には、富士山で貞観噴火が起きている。


◆東日本大震災の反省

 一七〇七年には富士山で宝永大噴火が起きた。その四十九日前には、南海トラフを震源とする宝永大地震が起きている。

 関連は明らかではないが、不気味な一致である。

 東日本大震災でわれわれが学んだのは、想定外の災害が起こりうるということだ。

 原子力規制委員会は今月、周辺に活火山群がある鹿児島県の九州電力川内原発について、新規制基準にかなうと判断した。突然の火山噴火の恐ろしさは、今回、あらためて目の当たりにした通りである。原発は、対応できるのか

 自然の脅威に、私たちは、何よりも謙虚に向きあっていくしかない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014092902000214.html

水蒸気爆発 予知困難でも… 川内再稼働「影響せず」
2014年9月29日 夕刊

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十九日午前の記者会見で、御嶽山の噴火を予知できなかったことが、火山の集中地帯にある九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働方針に影響しないとの考えを示した。今回の噴火が、川内原発の再稼働方針に影響するかとの記者団の質問に「ないと思うと明言した。

 菅氏は「今回のような水蒸気(爆発)は、予測が極めて難しいと従来、言われている」と指摘。川内原発をめぐっては、周辺の火山が噴火する危険性が心配されている。しかし、予知できなかった御嶽山の噴火後も、政府は新規制基準を満たしたとする原子力規制委員会の審査結果は見直さないとした。

 川内原発は「最も火山の危険が高い原発」と言われている。原子力規制委は「観測によって噴火の予知は可能」という九電の主張を容認したものの、火山学者には「現在の火山学で、噴火の予知は極めて困難」との意見が強い。
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