テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

トスカーナの休日

2007-09-06 | コメディ
(2003/オードリー・ウェルズ監督・脚本/ダイアン・レイン、サンドラ・オー、リンゼイ・ダンカン、ラウル・ボヴァ(=マルチェロ)、ヴィンセント・リオッタ(=マルティニ)/113分)


前略 ダイアン・レイン様

 先日、私のブログで、貴女がローティーンの頃のデビュー映画「リトルロマンス」のスチール写真を持ち出して、『この女優さんは、誰でしょう?』という問題を出したら、4人の読者の方から回答を頂き、皆様、正解でした。すぐにお判りになったご様子です。4人の内のお一人は男性で、回答コメントによるとデビュー当時からの貴女のファンだとのことでした。

 ベニスのゴンドラの上でサンセット・キッスをすると、恋人たちは永遠に結ばれるという言い伝えを信じて、水の都を駆け回る小さなカップル。そんな話でしたよね。なにせ30年近く前の事なので、それ以外のストーリーを忘れてしまって・・。是非とももう一度観たいと思っています。そして、それがDVDなら、大人になった貴女が当時を語っている特典映像があればとても嬉しいです。ロイ・ヒル監督やサー・ローレンス・オリヴィエについても語ってくれてたら、もっと嬉しい!

 ポートレイト問題の回答にコメントを返していたら無性に貴女に逢いたくなって、「トスカーナの休日」のDVDをレンタルしてきました。夫に三行半をつき付けられるロサンゼルスの女流作家フランシス。

 うぷぷ。(笑)
 回答してくれた女性のお二人からは、貴女には薄幸な女性のイメージがあるって言われてましたが、まさしくスタートは不幸せな女性だったので、『ホントだ。』と可笑しくなってしまいました。夫の浮気が原因なのに財産は半分取られ、おまけに愛人は妊娠中。段ボール箱3個で、離婚した人が多く居る単身者専用のアパートに転がり込んだフランシスって、なんというか、あぁやっぱり貴女は不幸がお似合い・・・ていうか、思わず同情したくなる程、らしかったです。いやいや、それくらい成りきっていたということですよ。(笑)

 で、心配した女友達がイタリア旅行を計画してくれる。一人じゃ淋しいだろうからツアーだけど、でも煩わしいことは起こらないようにとゲイのツアー。美しい所でしたネェ、トスカーナ。そして、フランシスはバスの窓から見かけた旧~い屋敷に惹かれ、なんと買ってしまう。
 あとは、なんとなく想像通りのお話でしたね。でも、不幸のままに終わらない、前向きの展開は嫌いじゃないッス。そして、前向きなのが貴女にはお似合いです。元気いっぱいのフランシスのシーンに、時々子役時代の貴女を思い出しました。

 アメリカ女性がイタリア男に恋したって、ハッピーエンドに成らないのは「旅情」を思い出せば分かり切っているのに、やっぱりそんな話になっちゃうんですね。色男のマルチェロより、あの不動産屋のマルティニの方が誠実そうで良かったのに、彼には妻子がいる。
 『シニョーラ。これ以上悲しまないで。でないと、貴女と間違いを犯しそうだ。妻を裏切りたくない。』なんて、泣かせますネェ。
 ウィーンとベニスを結ぶ線路の話もイイ♪

 眉間のシワが印象的なんですって。あの強い女が似合うジーナ・ローランズさんにもそんなイメージがありませんか? あんなに強くならなくてもいいですけど、クールで強い女も演じて欲しいですね。
 セクシー路線だとシャロン・ストーン系にも見えます。系って、失礼ですよね。ご免なさい。艶っぽくても、ストーンさんみたくこれ見よがしじゃないから、素敵です♪

 あっ、そうそう。セクシー系といえば、今夜はこちら日本では「運命の女」が吹き替えで放送されるようです。主演オスカーにノミネートされた作品ですよね。「フラッシュダンス」、「危険な情事」のライン監督の、後者の流れの作品でしょうか。ノーカットの字幕で見たいところですが、録画は一応しとこうかなと思っています。

 “キレイにお年を重ねられた女優さん”とコメントされた女性読者もおられました。

 キャサリン・ヘプバーン、倍賞智恵子、・・。色んな女優さんのイメージを勝手に重ねてしまうのですが、どうぞ、貴女の個性を大事に、これからも表現していって下さい。期待してます。

 では、また。お逢いしましょう。
 日本の貴女のファンより。


(下の写真は、ダイアンと原作者のフランシス・メイズだそうです)



・お薦め度【★★=悪くはないけどネ、ダイアンは良い!】 テアトル十瑠

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6 コメント

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おはようございます! (優一郎)
2007-09-07 11:03:02
日本でも薬師丸なんたらさんとか、普通に母親役を演じられる女優として戻ってくる例もございますが、所詮、ショービズ界は使い捨て。
アイドル女優としてチヤホヤされ順風満帆かと思いきや、一時期、銀幕の世界から消え、蘇ったダイアン・レイン。
「苦労や挫折を経験したから人間的に成長したんだ」なんて月並みな言い方はしたくありませんけど、いい恋愛をしたり、自分を見つめなおしたり、趣味の領域を広げたり・・・そうしたことって、顔立ちや物腰にも現れますし、映画はシビアに映しだしますからねえ。
「マイ・ドッグ・スキップ」や「パーフェクト ストーム」の地味な好演で、私は一気にダイアン・レインのファンになってました。昔は全く興味がなかったんですけど。
「ひとりの人間」として輝きを増した彼女の姿は、脇役であっても魅力的で、存在感がありました。

私の場合、映画=監督って視線から作品を語ることが多ですが、家では辛辣に役者批評をしてま~す(笑)
ここだけの話・・・妻はコスメ業界や美容整形の業界におりまして、「あの女優さんはボツリヌス菌注射でシワ伸ばしをしてる」とか「目頭切開手術をしたな」とか「プレート入れて隆鼻したな」とか・・・私も見分けられるようになってきました(笑)
ナチュラルに美しく歳を重ねていく・・・これが生き馬の目を抜く業界では当たり前でなくなっている。「お前はグエルム、漢江の怪物か!」って言いたくなるような女優さんも少なくない(笑)

『理想の恋人.com』も是非!
ダイアン・レインがやっぱりいいです。映画も面白いですよ~。
返信する
こんにちは♪ (十瑠)
2007-09-07 14:36:10
コメント、ありがとうございます!

>「お前はグエルム、漢江の怪物か!」って言いたくなるような女優さんも少なくない(笑)

へぇ~、聞きたいような、聞きたくないような・・。
姐さんチで見た、ファラー・フォーセットの写真が、ちらつきました~。(笑)

>『理想の恋人.com』も是非!

姐さんも書かれていたので、面白いだろうと思ってます。H度も適度にあるみたいだし
返信する
「理想の恋人 com.」、絶対、観てね♪ (viva jiji)
2007-09-07 20:24:13
あのチャーミングなダイアン・レインを見て
ト~~~~ンデモない発言をするブサイクな男が出てきますのよ!(--)
ストーリーも面白いし、粋な台詞もポンポン♪
たしかJ・キューザックはかなりの映画好きで・・・
引用されているなつかしシネマは~・・・
あ、自分で書いた記事、読んでみよっと!^^;

漢江の怪物ってグエルムって言うのね。
数秒前までてっきりグムエルだとばっか思ってた。(笑)

>H度も適度にあるみたいだし

十瑠さん!
H度テンション高いのは断然「運命の女」で~~す!
返信する
こんばんは~♪ (十瑠)
2007-09-07 21:09:36
ラジャ! で、ございます。

監督さんは、「晩秋」を作られた方とか。あの映画は、録画していて、最初の方だけちょっぴり見てます。
全然雰囲気は違うようですが、どっちも楽しみですね。

>数秒前までてっきりグムエルだとばっか思ってた

グムエルだと、フランス料理みたい^^。
ン!? あれはムニエルか・・・

「オーバー・ザ・ムーン」とかも不倫する人妻の役みたいで、その頃のお得意のキャラクターだったんでしょうかね。その頂点が「運命の女」ということですな。
H度は高い程、ヨロスイ
返信する
気軽に観たい (オカピー)
2007-09-07 21:19:52
おおっ、初めての書簡形式ですか。^^

ロマンスというよりは女性映画ですが、女性映画としては軽い扱いで、昔の観光映画よりはずっとしっかりしている。そんなところかなあ。

「運命の女」はラスト・シーンがお気に入り。

TB致しましたので、宜しくです。

返信する
こんばんは~♪ (十瑠)
2007-09-07 21:36:30
>おおっ、初めての書簡形式ですか。

いつもの調子で書くと、女性監督への不満が出てきそうで、最初は何も書かずに済まそうかなと思ってたんですが、ふっと、こんな形が浮かんできました。
一応、お薦め度で作品評価は示したつもりですが・・。

こんな形式なんでTB等は控えていましたが、優さんの記事は同じようにダイアン中心のものだったので、こちらからコメントに行きました。
TB、感謝です♪
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